有頂天外III~ROGOZ with Yosuke Miyake & Ray
昔と違って最近はインスタントで結成するバンドが多く、メンバーの頭文字や略称を組み合わせてバンド名にしているのをやたらと見かける。
ま、海外でもMic FleetwoodとJohn McVieという2人のメンバー名前を組み合わせたバンドやNatalieとAlanというカップルの名前をくっ付けたドラム・ブランドなんてものあるけど、こうした「省略ワザ」は日本人のお家芸ですからね。
「あたぼうよ!」なんてのはスゴイもんね。
「明けおめ、ことよろ」どころの話じゃない。
名前に関しては屋号と名前を縮めてくっ付けて商号にしちゃうなんてのは当たり前だった。
例えば「綿屋半兵衛」で「綿半」。
「炭屋平六」で「炭平」。
「鍋屋久左衛門」で「鍋久」とかね。
どれもカッコいい。
今日登場するバンドはそうして2人の中心メンバーの名前を引っ付けて命名されたチーム、ROGOZ。
その『有頂天外』と称するツアーの千秋楽のレポートをお送りする。
ROGOZは元X-Rayの高橋ロジャー和久の「Roger」の「Rog-」と…
同じく元X-Rayの朋友、「オズマ(Ozma)」の愛称でおなじみの臼井孝文の「-oz」をくっ付けてできたバンド名だ。
いい名前だね。
ROGOZは3回目の活動となるが、前回と同様に今回もギターに三宅庸介…
モジュレーションを深めにかけて…それにMarshallにストラトキャスター。要するにあの人のサウンドだ!
こないだ「あの人」のアパートに遊びに行って来たよ。なかなかオモシロかった。
詳しくは後日『イギリス-ロック名所』にて。
もちろんこのツアーもJVM2で轟音を響かせてくれた三宅さん。
三宅さんの使うMarshallの目印はコレ。
ステージのMarshallのハンドルがこうなっていれば、それはすぐ近くに三宅さんが潜んでいる証拠だ。
そういえば…後で気がついたんだけど、先日Marshall Blogに掲載した三宅さんによる『STUDIOシリーズ』の試奏レポートね。
見て!いつの間に!?
やっぱりハンドルが膨らんでいた!
そしてRayさんが登場。
そうか…このチームは「Rayさん」が3人いたんだね。
曲はDeep PurpleのMKIIIから「Lay Down Stay Down」。
ブラックモアからかけ離れた三宅さん独特のメロディによるソロがカッコいい!
続けて同じく『Burn』から「Might Just Take your Life」。
お願いだから「Burn」は演らないでね!
もう「長年ロックが服を着て歩いている」ような人たちだでね、完璧なコンビネーションだ!
Rayさんから「ROGOZ」という名前の説明があって、メンバーが紹介された。
♪ギュイーン、ギュイーン(←陳腐な表現でスミマセン!)…三宅さんが出すエンジン音でスタートしたのはMontroseの「Bad Motor Scooter」。
三宅さんのはスクーターのエンジンの音と言うより完全に車のエンジンのような爆音だった。
この曲ってMontroseの中で最も有名な曲とされているんですって?
「Rock the Nation」かと思っていた。
私、Montroseは全く詳しくないもんで…やっぱり子供の頃からイギリス派だったのかナァ。
続いてもMontroseから「Rock Candy」。
ホントだ…この曲のイントロのドラムってLed Zeppelinの「When the Leeve Breaks」と同じじゃんね。
知らないのよ、Montorose…やっぱり子供の頃からイギリス派だったから。
この曲でもこのROGOZコンビが徹底的にヘヴィなリズムをぶっ放してくれた。
「3回目ともなると気心も知れてきましてね…オリジナルを書き下ろしてみました!」とOZMAさんから紹介があったナンバーは…
…「Fallin' Angel」。
コレね「Fallin' Angel」と「Fallen Angel」っていうのがあって、意味が違ってくるんよ。
前者は「絶賛堕落中」。後者はもう「堕落済み」だからね。
King Crimsonのは「堕落済み」ね。
いいんですよ、コレが!
ROGOZのようなセッション・バンドが題材として既存の曲を取り上げるのは仕方のないのはわかっている。
せっかくスゴいミュージシャンが集まってもコピーが題材となるとナニも生まれて来ない。
だからこうしてオリジナル曲を作って披露してくれるのは大歓迎なのだ。
自身タップリのオリジナル曲に乗って大エキサイト!
コレが「ロック」の正しい光景だ!
Led Zeppelinの「Since I've Been Loving You」。
Rayさん、魂の熱唱!
コレらのポーズが出る時は三宅さんが「入り込んでいる」時です。
どこに入り込んでいるかは誰もわからない。
恐らくは雲の中…蝶とシマウマがいるWingyな世界。
ココもスゴかった!
Zeppelinつながりで「Immigrant Song」。
「Immigration」といえば、先々月のヒースロー空港、ビックリしたよ!
そのレポートは後日Shige Blogにて。
ステージ下手狭しと暴れまくるOZMAさん。
やっぱりこれぐらい動いてもらいたいね、ロックなんだから。
ありがたいことに色んな表情のOZMAさんを撮ることができる。
反対に何枚撮っても、どれも同じ人っているのよ。
このソロもど迫力だった。
三宅さん、この曲もチャンと研究して演奏に臨んでいた。
そんなだから、Strange, Beautiful and Loudで作りだしているオリジナルの世界は言うに及ばずだけど、三宅さんが弾くコピー曲もまたいいんだよね。
他の人と曲へのアプローチの仕方がゼンゼン違う。
題材はコピーだけど、精神がオリジナルなのだ。
Whitesnakeの「Crying in the Rain」。
ゴメンナサイ、MarshallやってんのにWhitesnakeって全く知らないのです…私はイギリス派だったから。
あ、Whitesnakeはイギリスか!
高校1年の時にカバーデイルのソロ・アルバム『White Snake』が出て、それを買った友達に聴かせてもらったんだけど、当時プログレッシブ・ロックに夢中だった私は全くピンと来なくて今日に至っちゃってます。
でもコレはいい曲ですな。
Rayさんの熱唱が聴く者の心を揺さぶった。
ココでDeep Purpleに戻って「Lady Double Dealer」。
『Stormbringer』のジャケットについてはどこかで書いたね…マイルスの『Bitches Brew』と同じだって。
気心が知れたサオ・チームのコンビネーションもバッチリだった!
そして、本編の最後を締めくくったのは…「Lonely Guys」。
OAMAさんとロジャーさんが揃ったところでのX-Rayナンバー!
アンコールはお揃いのツアーTシャツにお召替え!
コレEXILEやっているワケではありません。
アンコールの1曲目はVan Halenの「Somebody Get Me a Doctor」。
アンコールでメンバーが登場した途端、後から飛び込んで最前列に陣取った金髪の女性。
なんてノリのいいお方!
ますます盛り上がっちゃったよ~!
そして、最後はまた私がよく知らないMontorose。
曲は「Rock The Nation」…コレはよく知ってんだよ!
「今日で最後なんて寂しい…」とMCでセンチになってしまったOAMAさん。
また来年オリジナル曲を増やして演りましょうよ!
4月27日からこの5月6日までモロにゴールデンウイークにかぶせたツアー。
驚いたことにほとんど渋滞がなかったんだって!
(一部敬称略 2019年5月6日 高円寺SHOWBOATにて撮影)