和洋折衷 -異国の宴- Vol.2~FATE GEAR
本年1月9日にEP『Headless Goddess』をリリースしたFATE GEAR。
EPか…我々が若い頃はLP(Long Play)に対して、シングル盤をEP(Extended Play)としていたように記憶しているが、誰かがシングル盤のことを「EP」と呼んでいるところに出くわした覚えがない。
「ドーナツ盤」っていうのはよく耳にしたけどね。
しからば、いい機会なのでこの場でシッカリと覚えるぞ!
今、「EP」という音楽ソフト用語の定義は「収録時間がLPよりは短いが、シングル盤よりは長い」となっているらしい。
イヤ、英語圏では元々そういう意味ではあったのだが、日本人が勝手に「EP=シングル盤」というふうに誤用していたようだ。
ボーナス・トラックを含む7曲で構成された『Headless Goddess』はまさに「EP」。
ジャケットのデザインは今回も「Haruka画伯」!
とってもいいと思います。
ずいぶん先のことだと思っていた、フランス、ベルギー、スイスと回るFATE GEARのヨーロッパ・ツアーがもう終わってしまった。
最後に触れるけど、各地で大ウケだったとMina隊長からお聞きした。
そのツアーのためにFATE GEARはクラウドファンディングを実施した。
感心しちゃったんだけど、何もフランスで良いワインを飲み、ドイツでおししいウインナー・ソーセージを食べるために資金集めをしたワケではない。
どこの会場でも最良の状態でFATE GEARの音楽がアッピールできるように、キチンとした機材を調達するために資金を集めたのだそうだ。
「FAKE GEAR」じゃロクな演奏はできないからね!
そのクラウドファンディングの返戻品の一部がコレ。
EPのタイトル曲「Headless Goddess」のMVを撮影した時のスチール写真で構成したフォトブック。
写真を撮ったのは…オレ。
この撮影のことはすでにMarshall Blogでレポートしたけど、暗くて大変だった!
特にErika様の動きが尋常じゃなく速く、そして激しいもんだからよ~。
でもこうして自分の撮った写真が何かの形になるのはとてもうれしいものです。
苦労した甲斐があったというものです。
隊長、どうもありがとう!
そして、お帰りなさい!
そして今日のMarshall Blogはヨーロッパに旅立つ約1か月前に開催されたイベントのレポートの後半。
昨日レポートした犬神サアカス團に続いて、いよいよこの日のトリ、FATE GEARがステージに上がった!
オープニングは今回の『Headless Goddess』にボーナストラックとして再録された「MEGABULLETS」。
コレがまたノッケからスゴイのよ!
「ガールズ・スチーム・メタル楽団」と歌ってあるだけあって、生半可な蒸気じゃない!
我々「Steam」といえば、すぐにマイルス・デイヴィスだけど、FATE GEARの方はホントの暴走機関車状態!
「飾りのついた四輪馬車」などお呼びではない!(←マイルスの『Steamin'』というアルバムの1曲目は「Surry with the Fringe on Top(飾りのついた四輪馬車)」というスタンダード・ナンバーなのです)。
隊長のギター・ソロ!
「待ってました!」とばかりに客席が沸き返る。
隊長のヘヴィなイントロ・リフから始まる2曲目も新EPから「Lifer」。
電光石火のドライビング・チューンだ。
リズム隊がまた気の毒なぐらいに激しい!
どんな感じかというと…
こんな感じ!
Erikaさまはマジでスゴイよ。その迫力たるや機関車どころじゃない!
昨年の4月にリリースしたアルバム『' Years Ago』からの1曲。
コレまた胸のすくようなスピード・チューン。
「♪Skykiller~」のメロディが耳に残る。
Harukaちゃん大変なんだよ。
MVの撮影の時も一番出番が多かったからね。
ドラムスはいつも後ろで映っていなければならないので、どうしても参加テイクの数が多くなってしまうのだ。
でもNATALは飛びっきり鳴りがいいからね。
皆さん叩いていてラクだとおっしゃる。もちろん音質もバッチリ!
しかし、スゴイ!
5曲目は2017年の『OZ -Rebellion-』から「Scars in my Life」。
ココでシンガーが交代する。
コレが適材適所で音楽を作っていくユニット制のいいところ。
音楽界の「働き方改革」だ!
NANAちゃんに替わってステージに上がったのは魔威呼。
曲はシットリと「Romancer」。
格闘系のハード・チューンだけでなく、こうしたスロー・ナンバーにも的確な演奏を見せてくれるフレキシブルなリズム隊。
再び『OZ -Rebellion-』から「Farewell -炎の餞-」。
『Headless Goddess』に戻って「Fade Out」。
イントロの隊長のギターに続くのは…
FATE GEARのソフトな一面。
キャッチーなメロディが聴く者の耳をガッチリと捉えて離さない。
隊長のソロ。
このステージでCD通り隊長が弾いたかどうかはさすがに覚えていないが、CDだとソロ7~8小節のメロディがスゴイ。
どうやって考えたんだろう?…普通じゃ絶対に出て来ないであろう音の使い方。
キーがAbmでコードがE→Gbと上がって行くところでGbのブルース・ペンタトニックをガツンと弾いて、コードがAbmに戻ったところでGbブルース・ペンタトニックの3番目の音であるBをヒットして3度解決させている。
ものすごいアウト感があって面白い。
NANAちゃんがステージに戻り、MV通り魔威呼ちゃんと「Headless Goddess」を共演したのだ!
それだけに皆さん、大喜び!
最高潮に達した客席の雰囲気に6人が一丸となった灼熱の演奏で応えた!
こうして全9曲、渡欧前に思う存分FATE GEARの魅力をブチまけた。
アンコールは出演者が入り混じってのセッション。
「『和洋折衷』ですが、今日は『和』を選んでみました」
1曲目はFATE GEARの「7 Years Ago」。
そしてもう1曲は初音ミクの「千本桜」をにぎやかに演奏して終了!
さて、少々FATE GEARの海外での情報を…
Mina隊長が送ってきてくれた3月のヨーロッパ・ツアーの写真。
まずコレは3月7日のベルギーのHuyでのようす。
盛り上がってますな~…でも、LEDのスゴイね。こりゃカメラマン泣かせだぞ。
スモークに逆光のLEDライトがベッタリ乗っちゃっうとこうなるんだ。
んなことはどうでもいいか…。
みんなうれしそう!
一方、コチラは翌日8日~10日までベルギーのブリュッセルで開催された「MADE IN ASIA」というアニメ・マンガ系のコンベンションのようす。
スゴイね。
ペンが剣より強いのは先刻承知だけど、今や「アニメはロックより強し」ですナァ…ホンマ。
そして、Mina隊長はクラウドファンディングのサポートを活用してツアー中はずっと程度のよいMarshallで演奏することができたそうだ。
コレはJCM2000 DSL100ですな。
パトロンさん、そして隊長、どうもありがとう!
FATE GEARの海外に関する情報をもうひとつ。
今回のヨーロッパ・ツアーの旅程にはイギリスが入っていなかったのだが、10月の4~5日に行くことが決定した。
Mary's Bloodも出演する『METAL MATSURI』というイベント。
会場はイズリントンのO2アカデミー。
最寄りの駅は「Angel」ですな…ラブリッ!
ロックの本場でガツンとカマしてきてチョーダイ!
隊長、頼みましたゼ!
FATE GEARの詳しい情報はコチラ⇒FATE GEAR official site
(一部敬称略 2019年2月9日 目黒鹿鳴館にて撮影)