Kelly SIMONZ~HOLY WINTER LIVE 2014 <前編>
お正月を1か月以上前に迎えて…節分も終わって…もう暦のうえでは春が来た…今年もあと10か月チョットというのにMarshall Blogはまだ楽しい楽しいクリスマスなのだ!
ホントに遅くなっちゃってすいませんね~。
でも、ご存知の通り、毎日の更新をサボっているワケでもないし、掲載の順番を変えているワケでもないし…それでも、こうなっちゃうのだ。許してくだされ!
今日は年末に開催されたKelly SIMONZのレコ発ライブのレポート。
長らくお待ち頂いたファンの皆さんに喜んで頂けるよう2本立てにした!
さぁさ、さぁさ、ごユックリお楽しみあれ!
会場は東京キネマ倶楽部。
ステージ上手から中央を超えて下手まで陣取ったMarshallの壁。
今回はKellyさんのソロによるクリスマス・アルバムのレコ発ということで、「人間・Kelly SIMONZ」を大フィーチュアすべく、Marshallとともに思い切りステージを使ってもらおうというプランだ。
客電が落ちて聖歌が会場に流れる。
「Joy to the World」だ。
♪もろびとこぞりて…
♪Kelly SIMONZ来ませり!
キネマ名物、バルコニーからの登場だ!
そして、「White Christmas」。
ビリー・ワイルダーの名画『第17捕虜収容所』に印象的なシーンが出て来る。
オットー・プレミンジャー扮するドイツの捕虜収容所の所長が、曇った寒空の下の朝礼で捕虜に訓示する。
「イヤな天気だ。『ホワイト・クリスマス』だったらよかったのに。我が国の首都にちなんだ、ベルリンだかバーリンだかいう名前の男の作曲だな」…もちろん、コレは『ホワイト・クリスマス』を作曲したIrving Berlin(アーヴィング・バーリン)とBerlin(ベルリン)をかけている。
Irving Berlinはミュージカル『ショウほど素敵な商売はない』や『アニーよ銃をとれ』等の有名なミュージカルの他に後にジャズのスタンダードとなる名曲を多数手掛けた大作曲家だ。
アメリカ人がこんなことを言われたらハラが立ってしょうがない…というシーン。
主演のウィリアム・ホール伝がオスカーを獲ったこの映画は大のオススメです。
Kellyさんの「White Christmas」は軽妙洒脱な仕上がり。楽しいなったら楽しいなッ!
Kellyさんのソロ・フィーチュアといってももちろんひとりきりではない。ベースとドラムを従えてのトリオ編成。
気心知れたBlind Faithの仲間たちだ。
ドラムにYosuke Yamada。
ベースにKaz Nakamura。
信頼のメンバーとMarshallのバック陣に支えられて今日も思う存分弾きまくるのだ!
「今日は盛りだくさんです。色々なところを見て帰ってください」とkellyさん。
その見どころのひとつにギターのバリエーションがあった。
普段から一回のステージで数本のギターを使うKellyさんだが、今回はアコースティックを含めていつもより多めの布陣。
ギターの音色の違いを聴き分けるという楽しみも加わった。
「Winter Wonderland」は2ビートのカントリー調。
…ということでテレキャスターをチョイス。
メジャー・ペンタでコロコロと弾き回わされるメジャー・ペンタトニック・フレーズが小気味よい。
あまり見かけないけどMarshallとテレキャスターの組み合わせもなかなかオツなものです。テリー・サイモン…ナンチャッテ。
ちなみにMarshallは、JCM800時代4140というKT77を搭載した2x12"の100Wコンボを生産していた。このモデルの愛称は「Club & Country」。カントリー用のモデルだったんだぜ!
ヒットしたかどうかは訊くだけヤボじゃん?2203が世界を征服していた時代だ。
ここで雰囲気が変わって「We Three Kings Of Orient Are / Carol Of The Bells」。
この辺りまでの選曲はkellyさんのソロ作『Holly Winter』から。
心を込めて弾いた珠玉のクリスマス・ソング集だ。
そして、今日はこのアルバムのレコ発記念コンサートなのだ!
ギターがレスポールになった。
テレキャスターとレスポールというと、素材や構造の差異から音がガラリと変わるようなイメージがどうしても付きまとうが、実はこのふたつのギターは音像が大変似通っている。
シングル・カッタウェイとコンターの有無やボディのエッジという共通点が大きな要因らしい。
このあたりのことを詳しく解説している松浦善博さんがJTM45 Offsetを弾いたDVDもあるので興味のある人は要チェックだ。詳しくはコチラ。
このレスポールはヨカッタな~。レスポールにしてはカラッとした音だったが、実にクリアでヌケの良いトーンが気持ちよかった。
ワザワザこの曲のために用意したレスポール…Gary Mooreの「Still Got the Blues」。
ちなみにGaryはあの曲をオリジナルの1974で弾いた。
その借り物の1974を気に入ったGaryは持ち主に金額の入っていない小切手を差し出して「譲ってくれ」と言ったという。
私はこの話しが大好きで、知り合いだったその1974の持ち主に真偽のほどを確かめたほどだ。
答えはYesだったが、その人は後悔していた。
それはお金のことではなく、放っておくとコンデンサー等のパーツが劣化してしまい、アンプがダメになってしまうからだ。それならばGaryのような第一線のギタリストに使ってもらっておいた方がヨカッタ…というワケ。もうこの話し、何回ココへ書いたことやら…。
その関係か、1974が1974XとしてHandwiredシリーズでリイシューになった時Garyが広告に登場してくれた。
しかし、そのGaryももういなくなってしまった。
『Holy Winter』のクローザー、「Amazing Grace」だ。
いかにも鳴きのギターに適したこのナンバー。
素晴らしいレスポールの音色がベスト・マッチしていた。
アルバムのクローザーだけでなく、この曲はこの日の第一部の締めくくりにもなった。
休憩を挟んで、Kellyさんのコンサートでは必ず挿入されるアコースティック・コーナー。
冒頭の、「今日は盛りだくさん」というKellyさん」の言葉にウソ偽りなく、いつもは3曲程度のこのコーナーも今回はドバっとフィーチュア。
「Girl..」、「Please Don't Leave Me」…
「クリスマスキャロルの頃には」や「Fool For Your Loving~ワインレッドの心」も!
Kellyさん、稲垣潤一スキだナァ。
おなじみの「Stay In My Heart」。
後半はナイロンに持ち替え。
「Ave Maria」、「Silent Sorrow」、「All In One Piece~Desperado」等をハートフルに歌い、弾き込んで会場のファンを魅了した。
Kelly SIMONZの詳しい情報はコチラ⇒Kelly SIMONZ Official Website
<後編>に続く
NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
(一部敬称略 2014年12月23日 東京キネマ倶楽部にて撮影)