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2015年1月16日 (金)

黒沢健一 Live at the Globe vol.VI~大二 Plays NATAL

先月はいいコンサートが目白押しだったからね、去年のレポートはまだまだ続くよ。
このコンサートも本当に素晴らしかった。
場所は新大久保の東京グローブ座。
もちろんこの劇場の出自はロンドンのグローブ座(Globe Theatre:Theatreの綴りに注意。イギリス式だよん)。
オリジナルのグローブ座は1598年に建てられ、数多くのシェイクスピアの戯曲が初演された。
有名なタワー・ブリッジを背にウエストミンスター方面に向かってテムズ川沿いを歩いて行くと左側に現在もそのレプリカが姿を現す。
ココは高田馬場を背に新宿方面に向かって山手線に乗れば右側に姿を現す。

10黒沢健一の東京グローブ座での6回目のコンサート。
開演時間が迫り、続々とお客さんが自分の席に向かう。

30このコンサートは去年も同じ時期に開催された。すごく観たくてお邪魔したものの、あいにく当日はダブル・ヘッダーとなっていたため、リハーサルのみで本番を拝見することができず臍を噛む思いをした。

10_2今年もステージに上がるNATAL(ナタール)。

40もちろん叩き手は昨年同様、岡井大二。

50大二さんのキットはバーチ。グロス・バーガンディというフィニッシュ。
「バーガンディ」は英語名。フランス語では「ブルゴーニュ(bourgogne)」。ブルゴーニュ地方のワインの色に由来しているが、ワイン・レッドとは異なる色とされている31のアイスクリームに「」バーガンディ・チェリー」ってのがあるが、アレはおいしい。しかし、色のことなんか考えたこともなかったな。
他に「栗色」を意味する「マルーン(maroon:要するにマロンね)」という色あるが、これはフランス語ではボルドー・ワインの色に由来していて、「ボルドー」と呼ぶ。
ワイン・レッドとバーガンディは紫色が強い赤。マルーンは茶色が強い赤なんだそうだ。
確かにこの大二さんが使っているキットのフィニッシュはほとんど「紫」という感じ。ほどよくバーチの木目が浮き出ていて実に美しい。
NATALのフィニッシュはどれもすごくきれいだ。

60NATALロゴの下に貼ってあるのは「Marshall」のステッカー。
大二さんは前々からMarshallのステッカーをフロント・ヘッドに貼りたがっていたが、イザ貼るとなると案外控えめなヤツだったのが意外だった!

70コンフィギュレーションは12"、16"、22"、14"x5.5"。スローンもハイハット・スタンドもNATALだ。

80いよいよショウがスタート!

90極上の会場でジックリと黒沢さんの音楽を楽しもうと、立ち上がるお客さんはひとりもいない。満員のお客さんの目と耳が黒沢さんに集中する。

100黒沢健一

110vギターは菊池真義。

120vキーボードは遠山裕。
140v
ベースは山口寛雄。

130vドラムは大二さん。
すなわち昨年とほぼ同じメンバー。昨年はバンドにヴァイオリンが入ってたが、今回は違う形でヴァイオリンが後に登場する。

150v

オープニングは「TELEPHONE CRAZE」という曲。

160vコレコレ、この声!
チョット失礼かもしれないが、黒沢さんの声はしゃべるためではなく、まるで歌を歌うためのものかのようだ。「楽器」なのだ。
いつかも書いたが、クラシックの声楽の人たちは「声」のことを「楽器」と呼んでいるらしいが。まさにそれ。

2_img_0441 そして、大二さんのお言葉をそのままお借りすると、「黒沢くんは、大瀧栄一さん、山下達郎くん直系のポップ・ロック・マニアだからね。詳しいよ~」

170大二さんも音楽には際限なく造詣が深い。その大二さんがシャッポを脱ぐように(←コレは古い表現だ!)評する黒沢さん像にまずやられる。
大二さんも黒沢さんの音楽を緻密に真剣に演出することを楽しんでいるに違いない。

175v続いて「POP SONG」。

180vそれにしても大二さんのドラム!いい音だニャ~。黒沢さんの声と絶妙に溶け合って、聴いててウットリしてしまうわ。

190v「A Summer Song」、「Scene39」。「Carry On」を続けて演奏。

200どの曲も柔らかくやさしく、それでいてどこか力強いメロディが実に耳に心地よい。

210身動きひとつせず、ほんの一瞬たりとも聞き逃すまいという感じのお客さん。昔のロック・コンサートはみんなこうだった。
だって、音楽を聴きに来ているんだもん。「音楽を聴くだけならレコードでいいじゃん」という意見も当時あるにあったが、それを支持すつ人たちでも今みたいに客席で輪になって騒ぐなんてことはしなかった。やっぱりジックリ聴き入ってしまうような音楽がステージにあったからだ。
ところがですね、こういう座って聴き入るタイプのコンサート…実に撮影が大変なのだ。ひとつは腰。アホほど重いカメラをブラ下げて始終屈んでいないとお客さんの迷惑になってしまうからね。コレが辛い。
それとシャッター音。これにも気を使っているつもり。

220vここでヴァイオリン×2、ヴィオラ、チェロの弦カルがバンドに加わる。あ、「弦カル」というのは弦楽四重奏ね。
こんな編成誰が考えたのかね。チョット脱線。
昔はこんなのついぞ聴かなかったけど、モノによってはスゲエかっこいいよ。シューベルトの弦楽四重奏曲第14番なんてロック好きの人でもピンとくるものがあるんじゃないかな?「死と乙女」という曲。
それからショスタコーヴィチの弦カルはどれもメッチャかっこいい。King Crimsonを聴いているような気になる。
ストリングスが加わってステージが一段とゴージャスに!

230「イザやってみたらすごく大変だった」とMCでおっしゃっていたが、そのご苦労が報われるほどの完成度!
でもさ、やっぱりコレだけは見目麗しゅう女性がいいですな。
ゴツゴツのオッサンに後ろでヴァイオリン弾かれた日にゃ黒沢さんだって歌いにくかろうて。

240そんなゴージャスな伴奏を得て、黒沢さんの熱唱がさらに感動的に響く。
この編成で4曲を披露。
柔らかくも熱狂的な拍手を交えた大喝采を浴びた。

250バンドがそのまま再び加わってショウも後半に突入。

260v「君と夏と僕のブルージーン」、「Hello , It's Me」、「Day by Day」…。
前回も書いたけど「Mad Man Across the Water」だとか「Hello, It's Me」とか、タイトルが「またうれしい。

2_img_0365山口さんはウッドベースもプレイ。

280ものすごく幅の広いダイナミック・レンジをカバーする大二さんのドラミング。今にも溶けてしまいそうな繊細なプレイから、歯をむき出して喰いついてくるような獰猛なドラミングまで、本当に聴いていてどのプレイも美しい。
すべてNATALのおかげ…と言いたいところだが、すべて大二さんのテクニックと音楽性がそれを実現させていることは先刻承知。イヤ、やっぱりちょっとだけNATALの要素も入れさせて!

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音は大きんだけど、ちっともうるさく感じない。目の前で叩いているのに遠くにいるような…遠くで叩いているのに目の前で叩いているような…コレが大二さんのドラミング。
こういうドラミングの代表選手としてElvin Jonesが挙げられる。
私も2度ほど実物を見たが、まさにそうだったな。
John Coltrane全盛の60年代、Elvinのドラムの音はそれこそ破天荒にバカでかかったらしい。あの身体だからね。
コンサートの時はColtraneのサックスとElvinのドラムの音しか聞こえず、Jimmy Garrisonのベースの音が全く聞こえなかったなんてことはザラだったという。それでも、ゼンゼンうるさくなかったという記述を読んだことがある。
やたらめったら複雑な手順と手の速さを誇示する若いドラマーを時々見かけるけど、どんなにシャカリキになっても大二さんのスネアの一発にはかなうまい。

ちなみに…当日黒沢さんがストリングスと演奏した「EQUINOX」。「春分」になるのかな?昼と夜の時間が同じことをさすが、Coltraneにも同名のオリジナルのマイナー・ブルースがある。
340
ストリングスがステージを降り、バンドだけになった最後半はゴキゲンな曲を立て続けにプレイ。

310v「Feel It」、「So What?」…おう、コレもいいタイトル!「Chinese Surfin'」…。

320_2このバンド、みなさんホントに楽しそうで、菊池さんや大二さんを中心にして楽屋でもとてもにぎやか。

330そんな勝手知ったる気の合った仲間だけに、「完璧の中の余裕」みたいなものが感じられて観ていて楽しいなったら楽しいな!
350v
本編最後はギターを降ろし「Wondering」と「Dreams」を歌い込んだ。
290v

アンコールは2回。1回目はバンドのみで「遠くまで」と「Rock 'n' Roll Band」、そして2回目は再びストリングを交えて「PALE ALE」…ああ、イングリッシュ・エールが飲みたくなってきた!

あのね、圧倒的にスゴイと思ったのは、エレクトリック・ギターに持ち替えて熱唱した黒沢さんのロックンロール。前回観れなかったじゃない?マジで感動しちゃった。
もうヤケクソにすごいロックンロール感なんだよね、「ロック」じゃなくて「ロックンロール」なの。
飛び出しナイフのような鋭い声も魅力的なんだけど、あの空気感は今の他のミュージシャンにゼッタイないな。
50年代の人たちが、Fats DominoとかLittle RichardとかElvisを初めて見た時もこんな感じだったんじゃないかしら…って思うほど。鳥肌が出まくったわ!
300v
期待通り!こんな素晴らしいショウでNATALが活躍していてうれしいわ~!
やっぱり死ぬほど音楽を聴き込んでいる人達の作る音楽は素晴らしい。
「いいミュージシャンは貪欲ないいリスナーたれ!」これは鉄則なのだ。

最後に…NATALは「ナタール」と「タ」にアクセントをつけて読みます。1965年創業のイギリスの老舗パーカッション・ブランドで、現在はMarshall傘下でドラム・キットとパーカッションを生産しています。
初めてMarshall Blogをご覧になられた方、今日は名前だけでも憶えて帰ってください!… 新人バンドじゃないっつーの!

360黒沢健一の詳しい情報はコチラ⇒kenichi kurosawa official website

2_img_0103NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)

NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2014年12月6日 東京グローブ座にて撮影)