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2014年11月 4日 (火)

Led Zepagain Japan Tour 2014 <前編>

ことあるごとにMarshall Blogで触れているが、私が初めて体験した外タレの…と言ってももう「外タレ」という言葉も死語か…人生で初めて行った外国のロック・バンドのコンサートは日本武道館のBlackmore's Rainbowで1976年のことだった。
あれから38年も経って、さすがに私もリスナーの古株になり、「え~、あれを見たんですか!?」なんて言われて悦に浸ったりすることもある反面、ロックの歴史を作った肝心なバンドの来日公演には間に合わず、「臍を噛む思い」というか、大きなコンプレックスになっていることは否めない。

あと5年早く生まれていれば…。
Deep PurpleやJethro Tull、FocusやHumble Pie、FreeにT.Rex、BBAにYes…数え出せば枚挙にいとまがない。これらのバンドが来日した時はまだ9~10歳ぐらいの時だからネェ。ちょっとコンサートはまだ無理だ。
やはり、その中で最も見てみたかったバンドのひとつは、月並みだがどうしてもLed Zeppelinということになる。
Led Zepplinの初来日は1971年の9月。東京公演は日本武道館の2デイズ。23日と24日だった。
記録によると23日の1曲目は「Immigrant Song」。前座なし、休憩なしの2時間半という当時としては桁外れのスーパー・コンサートだった。
それが公演数を重ねるにつけて尺が延びていき、24日には前日より2曲増えて3時間、広島では3時間20分、大阪では3時間半になった。
日本滞在の旅程の13日間すべてを一緒に過ごした湯川れい子さんは、「自分が死ぬときに墓場に持って行ってもまだスゴイと言いたい」というく程すごいコンサートだったという。
ところが、有名な話だが、メンバーは毎日が血みどろのケンカだったらしい。しかし、ケンカをしていないときはものすごく4人は仲がよかったという。
メンバーは当時まだ24~26歳で血の気も多かった。
しかし、そんなに若くしてあんなん額を作っていたのだから昔の人は偉大だ。

さて、2014年9月23日。Led Zeppelinの初来日からちょうど43年経った同じ日、形を変えてそのLed Zeppelinの熱狂がよみがえった。
世界トップクラスのLed Zeppelinのトリビュート・バンドLed Zepagainの来日公演だ。
場所は六本木のEX Theater。
楽屋の壁には下の写真のような関連グッズが飾られた。
一番上に貼ってあるEarl's Court公演の告知ポスターについてはMarshall Blogの『名所めぐり』をご参照願いたい。ちょうど同じ回でJimmy Pageの家も紹介している。

Marshall Blog『【イギリス-ロック名所めぐりvol.12】 South Kensingtonを往く』

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今日は機材を先に紹介する。ステージに並んだMarshall。
これらの使い手はJimmy桜井。Mr.Jimmyの桜井さんから、世界のLed ZepagainのMr. Sakuraiになってしまった。
桜井さんと知り合ってかれこれ15年ぐらいが経つが、まさかこういうことになるとは思わなかったな~。
一方、田川ヒロアキと出番が近かったため、2009年のLoud Parkで私はタマタマLed Zepagainを観ていた。
それだけに、まさか知り合いが正式メンバーとしてLed Zepagainに迎え入れらようとは…。

「継続は力なり」という表現の意味を問われたならば、「桜井さんのこと」と説明するのが一番シックリくるのではなかろうか。
本当にスゴイことだと思う。「スゴイこと」はジェネラリストではスペシャリストに起こり、ひとつのことをやり続けるということが大きな可能性を秘めていることを表している。
冗談抜きに何かにくじけそうになった時は桜井さんのサクセス・ストーリーを思い出すようにしている。桜井さんの「さく」はサクセスの「サク」だったんだな。

さて、Marshall。
向かって左のヘッドはSuper Tremolo。いわゆるT1959。Jimmy Pageはパワー管をKT88に交換して使っていた。
そのため、2007年12月に開催されたO2アリーナの再結成コンサートの時にMarshallはKT88を搭載した1959を製作し、Jimmy Pageをサポートした。
向かって右はテルミン用の現行の1959SLP。

10これは後ろに控えていたサブの1959。

20_21959の上に乗っているのはMaestroのEchoplex。今の若い人たちには信じられないだろうけど、昔はディレイをかけるために(昔は「ディレイ」ではなく「エコー」と言った)こんな大仰なハコを用意しなければならなかったんよ!

30愛用のテルミン。

40v足元のようす。

50今夜使用されるギター群。

60_2冒頭にはこのコンサートの仕掛け人であり、EXシアター支配人の倉林さんからご挨拶があった。

70v倉林さんのこともずっと以前から存じ上げていて、Marshallの社長が来日した際には建設中のEX Theaterをご案内して頂いた。
倉林さんも筋金入りのリスナーで、ロックのバックグラウンドをお聞きしたことがあった。
お兄さんの影響で幼い時から外タレのコンサートに出向かれていたとのことで、箱根アフロディーテ(これも1971年)のPink Floydをはじめ、70年代初めの大物バンドの日本公演をほとんどご覧になっている。うらやましい。
もちろんLed Zeppelinの初来日も体験されていて、ご挨拶の中でそれに触れていた。

Led Zeppelinの大ファンでいらっしゃることは言うまでもなく、愛用のMarshallとLes Paulの写真を見せて頂いたこともあったっけ。
今回43年前のまったく同じ日にこのコンサートが開催されたことは、そんな倉林さんのイキなはからいだったというワケだ。
それにしてもみんなLed Zeppelin好きだな~

80vそしていよいよLed Zepagainの4人がステージに現れた。

90オープニングは「Immigrant Song」。まさに43年前と同じだ!

100ボーカルのSwan Montgomery。
実はMarshall Blogには2度目の登場となる。前回は桜井さんといっしょにVon Zepでご登場頂いた。

110vわれらがJimmy Sakurai!

120vベース、キーボード、マンドリン、ギターのJim Wooten。JPJ役は忙しい!

130vドラムとパーカッションはJim Kersey。
言っておきますが、John Bonhamが使っていたパーカッションはNATALだったのよ!

140v大人気曲に続いては、これまたスタンダードの「Heratbreaker」。

150今日&明日のレポートはほとんどセット・リストを紹介するような内容になってしまうけど、勘弁してね。
Led Zeppelinの名作に解説をつける必要もないし、Led Zepagainの完璧な演奏を今更どうこういっても意味がないからね。
それでも、前後編でアップするということは…そう、テンコ盛りなのである。
わたしもキライではないが、これほどLed Zeppelinの音楽を一時に聴いたことは今までないし、たぶん死ぬまでないだろう。
そういう意味でも忘れがたいコンサートだった。

160vそれにしてもカッコいいリフのロックってのはやっぱりいいよね。何が「ロック」かって、やっぱりカッコいいギターリフだよ。
こんなカッコいいメロディをよくも思いついたもんだ。

170vそれを可能にしたMarshallアンプの功績はやっぱり大きいと思うね。
今、またMarshallの本の仕事をしているんだけど、再認識したのは「Marshallがなかったらロックは別のものになっていたかもしれない」という真実。
また、Pete TownshendやJeff BeckやJimmy PageのようなクリエイティブなギタリストがいなかったらMarshallは絶対に浮かばれなかった。
奇跡が生まれる瞬間というものは間違いなく存在する。

180今回のコンサートのひとつの目玉は本家が演らなかった曲、またはほとんど取り上げることのなかった曲をLed Zepagainがプレイすることだ。
そのひとつがこの「Ramble On」だ。
200_2

歌詞の内容は調べたことはないが、「ramble on」という英語の意味は「とりとめのないことを話したり書いたりする」こと。
この曲、大好きなんだよね。Led Zeppelinのリズム隊のカッコいいところが出ている曲のひとつだと思う。
本家はほとんど舞台で演奏していないらしいが、そんな曲をイングランド最北の地で地元のバンドが演奏しているのに接してビックリしたことがあった。詳しくはコチラ

200いっくらでも出てくる名曲の数々!今度は「Black Dog」。
冒頭の「♪ヘヘイ、マ~マ」だけで大歓声!

210解説したくないけど、ひとこというと原曲がFleetwood Macの「Oh Well」と言われている。似てるといえば似てるし、そうでないといえばそうでもない。ま、曲のコンセプトが近いのね。いずれにしても双方ヤケクソにカッコいいことだけは間違いない。
Macの話で恐縮だが、この曲ではコンガが使われているが、これもNATALのようだ。

220v「Baby I'm Gonna Leave You」。

230これもひときわ歓声が大きかった、「Over the Hills and Far Away」。カッコいいもんねこの曲。

240「Bring it on Home」。

250何か順番があるのかないのか、何の脈絡もなくバラバラに出てくるセットリストがまた実に楽しいね!ヒット・パレードだ!

250vここからはアコースティック・セット。

260「Going to California」

260v「Bron-Y-Aur Stomp」。
お客さんの手拍子も手伝って盛り上がった!

270v「Battle of Evermore」

280v当然のことながらこれまた完璧な演奏で大ウケにウケていた。

290桜井さんはマンドリンもプレイ。

320
今日2曲目の『Physical Graffiti』ナンバー、「Wanton Song」。

300『Physical Graffiti』って子供のころはチト苦手だったけど、今聴くとメッチャかっこいい曲がいっぱい入ってるんだよね。

310ファースト・アルバムから「How Many More Times」。

320vモクモクとベースを弾くJim。
John Paul Jonesもニコニコとても感じのいい人だったが、Jimもそう。まさか人柄までコピーしてる?!

330vもうここまで結構な時間が経ったが、汗ひとつかかずにパワフルにドラムを叩き続けるもうひとりのJim。
これでこの後「Moby Dick」を演るのかなぁ?と思うとチョット気の毒のような…

2_img_0674 lここまでで13曲。後半に向けて休憩が挟まれた。

Led Zepagainの詳しい情報はコチラ⇒Official Website

MR.JIMMYの詳しい情報はコチラ⇒MR.JIMMY OFFICIAL WEBSITE

350<後編>につづく

(一部敬称略 2014年9月23日 六本木EX Theaterにて撮影)