Led Zepagain Japan Tour 2014 <後編>
「ブー」…。
最近はこの開演前のブザーとかベルとかもあまり聞かなくなったね。昔はこのブザーの音がこれから始まるコンサートへの期待感を大いに高めたものだった。
「長丁場」になるということで、当日は客席にはイスが設けられ、休憩あり、という配慮がなされた。約20分の休憩が終わり、4人が再びステージに姿を現す。
「♪タシシタシシタシ」とおなじみのドラムのイントロから始まる第二部のオープニングは…
休憩をはさんでステージも客席も元気満タン!盛り上がらないワケがない。
それどころか。ライブ・アルバム『The Song Remains the Same』に慣れ親しんでいる世代にとっては、もう一回コンサートが始まるような感覚になったのではなかろうか?
続けざまに「Good Times, Bad Times」。ヒット・パレード~!
MCをはさんで「Misty Mountain Hop」。
チョット意外だったんだけど、一段と大きな歓声が上がったのが次の曲。「Since I've Been Loving You」。この哀感が日本人好みなんだろうね。この曲、こんなに人気があるとは知らなかった。
曲後半のまったりムードから…
「The Rain Song」へ。
ベースのJimがキーボードに回る。JPJ役は大変だ。
ここは『The Song Remains the Same』と同じ展開。
中学生の時にこの映画が封切られて東銀座の松竹セントラルへ観に行ったナァ。満員だった。
その時はじめて動くLed Zeppelinを見た。感動した。
色んな事を思い出すな~。
若い頃は「No Quarter」とか「The Rain Song」とか苦手だったけど、こうして聴くとメッチャいい曲だね。
<前編>で触れた「Ramble on」に続いてのレア・レパートリーはコレ。
ストラトに持ち替えたからもうわかっちゃうね?『Presence』から「For Your Life」。
この曲すごく好きだったんで当日セット・リストを見た時うれしくて小躍りしてしまった!
そして完璧な演奏で二度うれしい!本当にカッコいい曲だ。なんで本家はステージで演らなかったんだろう?ギターの関係かな?
「White Summer」~「Black Mountain Side」…
全編ハイライトといえばハイライトなのだが、ここの3曲のメドレーは圧巻だった。
ショウが始まってから、立ってるだけでも大変なぐらいの時間が経過しているにもかかわらず、まったく疲れた様子を見せず熱唱を続けるSwan。
ここでアキレス!
Led Zeppelinの代表曲のひとつに向かっていうのもナンだが、いい曲がいっくらでもあるな。
歴史に残るバンドってのはそういうことなんだな。要するに「曲」だ。
聴きなれているせいもあろうが、この長大な曲も一瞬のうちに終わってしまう。
オイオイ、ここからドラム・ソロやるんだぜ。ドラマーって大変だよな~。
…なんてことはおくびにも出さず渾身の力でソロを繰り広げるJim。
もちろん、John Bonhamのトレード・マークの手打ちプレイを披露した。
「Moby Dick」からそのまま「In the Evening」へ。
同じく『In Through the Out Door』から「All My Love」。
今回機材の協力をしてくれたという桜井さんの盟友、MR.JIMMYのベーシスト、Professor Ohtsukaも友情出演!
この辺りは『In Through the Out Door』特集。「Carouselambra」が続く。
「Led Zeppelinの新譜が出る!」というのでこのアルバムが出る前はずいぶん話題になったが、あまりいい評価を聴いたことはなかったような気がする。
私はとにかくガッカリだった…ということは以前にも書いたことがあったが、ちゃんとこのアルバムの中から演奏しているLed Zepagainはエライ。もっとも彼らはこのアルバムを好きなのかもしれないが…。
でもこうして聴いてみるとやっぱカッコいいね。
いよいよクライマックスに突入!
これを見れば曲名は必要ないね?
観客に向ける。これ一度でいいからやってみたい!と思う人は決して少なくないであろう。
しかし、よくもこんなにカッコいいことを考えたもんだよな~。
桜井さん、12弦に持ち替えての本編最後はお定まりの「階段」。
感情を込めて歌うSwan。やっぱり名曲だ。
オリジナル通りのギター・ソロを弾いた桜井さん。お客さんたちの恐らく全員がソロのメロディを口ずさんでいたと思うよ。
アンコールは「Whole Lotta Love」。テルミン大活躍!
もちろん、どっぷりとロックンロール・ナンバー「Boogie Mama」が差し込まれている。
この曲でコンサートは終了したが、休憩も含めて5時間20分!
<前編>にも書いたが、私の人生でこれほどLed Zepplinの音楽を一時に聴いたことは一度もないし、Led Zepagainが再来日して同じことをやらない限り、ぶっ続けで5時間Led Zeppelinを聴くということは恐らく死ぬまでないだろう。
一番好きなFrank Zappaだってやったことないもん。
ハッキリ言って、お客さんもクタクタの様子だった。でも、好きなLed Zeppelinをゲップが出るほど堪能したその顔はみんな幸せそうだった。
それにしてもこの人たち、タフだわ~。5時間立ちっぱなしなだけだってシンドイのに、火花が散るほどシビアで緻密な演奏を繰り広げたのだ。
恐るべき集中力…そしてZeppelin愛!
うれしかったね、桜井さんの雄姿が!
この調子で世界に名前を轟かせてもらいたいと思う。私も桜井さんを見習ってガンバラねば!
ああ、それにしてもなんと曲のクォリティが高いことよ。出てくる曲、出てくる曲、全部カッコいいじゃないか!
こんなにカッコいい音楽の制作にMarshallが一役買っていたことに誇りを感じざるを得ない。
ところが!コレが新しい世代にまったく伝承されていないことに驚かざるを得ない。もうちょっと世代が入れ替わればLed Zeppelinの名前も消滅してしまうのではなかろうか?
今の若者を見ているとそれも当然とうなずける。
そんなんでいいのかナァ?いい度胸してる。
このカッコよさを後世に残すべきじゃないのかナァ?
そういう意味ではLed ZepagainがLed Zeppelinの音楽の枠を超えたカッコいいロックの語り部のように見えてくるのだ。
これからも徹底的に活躍してくれることを期待している。
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