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2014年10月

2014年10月 6日 (月)

D_Driveワンマン・コンサート!!~Driving Rock Revolution 2014 in TOKYO <前編>

モクモクモクモクモクモクモクモクモクモクモクモクモクモクモクモクモクモクモクモク…。
イヤイヤ、すごいスモークだった。
ショウが終わるころには「燻Seiji」か「スモークYukiちゃん」が出来上がるかと思った。
コリャ、ステージがかすんでしまって後ろからは撮れないや…と早々にプレス・ピットに入る。

10いたいた!おなじみのD_Driveのみんなが!(実はさっきまで楽屋一緒だったんだけどネ)

Seiji

1_img_0425Yuki

30Shimataro

40vChiiko

50vいつも通り機材のチェックから…まずSeijiさん。

60vJCM2000 DSLECと1960AX。キャビネットのロゴは最近交換した。

3_img_0163 足元のようす。

3_img_0157 Yukiちゃんの機材。

90vJCM2000 TSL100と1960A。

3_img_0152 足元のようす。

3_img_0156 Shimataroのベース・アンプ。

120EDENのWT-800とD410XLTが2台のフル・スタック。

130v足元のようす。

3_img_0154 オープニングは「Hyper Driving High」。

150もうすっかり珍しくなくなったD_Driveの東京でのワンマン・コンサート。
Yukiちゃんも勝手知ったるところでハナっからノリノリだ!

155満員だった初のワンマンの時もこの会場だった。こんなにモクモクじゃなかったけど…。
もちろん今日も満員御礼!!

160つづいて「Drive in the Starry Night」。
SeijiさんとYukiちゃんのリフの掛け合いで始まるアイデアがいかにもD_Driveらしい。

170vテナー・サックスの巨人Sonny Rollinsに『Sunny Days. Starry Nights』というアルバムがある。
こちらはロマンチックなイメージを想起させる「starry(星明りの)」という言葉がまったくフィットしない、星が落っこちて来そうなとてつもなくハードでへヴィな曲…Shimaちゃん笑ってるけど。

180vもう完全に慣れた感のる東京でのワンマン。のびのびとした演奏が見ていて気持ちがいい。

190v一糸乱れぬギター陣のコンビネーション。必殺技にますます磨きがかかってるゾ!
210
MCをはさんで「Escape from…」。

230v

おなじみのD_Driveのメタル・ワルツ「Peach Fizz」。

250_2

そして降りしきる雨の音から始まるのは「Unkind Rain」。

200Yukiちゃん作&フィーチュアのハードでドラマチックなバラード。感情豊かに弾きまくるYukiちゃんの姿が凛々しい。

30v

しっかし、スゲぇベース・サウンド!Shimaちゃんゴキゲン!いつもはEDENのヘッドだけだけど、今日は4x10"にキャビを2台使ってるからね。そりゃ強力にキマってるわ!信じられないぐらいの音抜け!

240ここで最初のゲスト登場。
SHOW-YAから五十嵐sun-go美貴

260YukiちゃんもButtler Shimataroの給仕でギターのお召し換え。

270sun-goさんもいつものMarshallだ。

280vJVM410Hと1960BDM。これであの図太いsun-goサウンドをブッ放す!

3_img_0164さぁて、一体どんな曲を演奏するのかと楽しみにしていたら…

300SHOW-YAの「Battle Express」!

310v以前はD_DriveにSHARAさんが入って「RADIO MAGIC」や「MORE」を一緒にプレイをしたことがあった。
アレもメチャクチャよかったが、このハードにドライブするSHOW-YAの重要なレパートリーの1曲もD_Driveにピッタリだ。そこへホンモノのSHOW-YAのギタリストが入って演奏しているのだからタマらない!

315vsun-goさんの出番は<後編>につづく!

320D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Web Site

(一部敬称略 2014年8月30日 六本木morph Tokyoにて撮影)

2014年10月 3日 (金)

高梨康治 -CureMetalNite vol.1- <後編>

さて、『CureMetalNite vol.1』の後半。

私のアニメといったら「鉄腕アトム」から始まって、「オバケのQ太郎」、「ワンダー3」「魔法使いサリー」、「巨人の星」、「あしたのジョー」、「ゲゲゲの鬼太郎」、「タイガーマスク」、「狼少年ケン」、「チキチキマシン」、「ひみつのアッコちゃん」…アニメじゃないけど「怪奇大作戦」だの「キャプテンウルトラ」だの「河童の三平」だの…それに「ウルトラマン」、「仮面ライダー」、「変身忍者嵐」、「スペクトルマン」、「ミラーマン」、「バロムワン」等のヒーローもの…全部リアルタイムで見てるのよ。
コレ、ロックだったら大変だよ。The Beatles、Led Zeppelin、Deep Purple、Beck Bogart&Appice、Free、Pink Floyd、Grand Funk Railroad、ELP、Jethro Tull…こういうのの全盛期を全部ナマで見てるようなもんだからね。
でも、ロックはチョット遅かったんだよ。もう5~6年早く生まれていたら全部観てたな。

そのかわりアニメに関しては最初の黄金時代のいい時を過ごさせてもらったと思ってる。
「ド根性ガエル」面白かったな~…どうしてるかな~、ヒロシとか、京子ちゃんとか、梅さんとか…ナンテね。

今はもうまったく見ないよ。
だから当然この『CureMetalNite』もなんの予備知識もなく接したワケ。それなのに、バラエティに富んだ曲がジャンジャン出て来てまったく飽きさせられる気配なし。
アッという間に後半になっちゃったよ!
10_2「宿命の戦士」~「プリキュア・ビートアップ!」~「プリキュア!オープン・マイハート!」と続く。

20v_2後半といえどもテンションが全く落ちない鉄壁のパフォーマンス!
私は昔からヴァイオリンが参加しているジャズやロックが好きでしてね、渡辺さんの参加はうれしいな。

30_2そして高梨さん、ショルキーを携えてステージのフロントへ!

40「いよいよ御大の登場!」という感じで一段と大きな歓声が巻き起った。将棋でいえば「入玉」か?この日のハイライトのひとつと言えよう。
「ドラゴンフォース」~「ログ・ホライズンメインテーマ 2014 ver.」などを披露。

50v_2そしてクライマックスではキーボードの仕掛けが炸裂!

70vここでまた場面が変わる。
メンバーが続々とステージから姿を消し、残るは打楽器チームの2人。
PAスピーカーから流れるはチャイコフスキーの『大序曲1812年』!そうです、HR/HMファンにはおなじみのアレです。
アレを和太鼓とドラムでやっちゃおうというワケ。うまいこと考えたな!

85茂戸藤浩司の和太鼓と…

90_2山口PON昌人の華麗なる共演。そして打楽器の饗宴!

100_2そして、ふたりのバトルに突入。

110死力を尽くして、数々の和太鼓を叩き倒す姿は圧巻!この腕だもん!

130v_2迎え撃つPONさん。四肢を思う存分駆使してくり広げる超絶ドラミング!PONさんのドラム、ホント派手で好きだわ~。

もう1曲続けて演奏されたのは「疾風伝」。

ところで、この打楽器アンサンブル。印象深い演奏として渡辺香津美さんの『KYLYN LIVE』の村上秀一さんとペッカーさんの共演が挙げられよう。そちらはドラムとパーカッションの組み合わせだが、手に汗握るスリリングな演奏は何人も否定し得ない名演だと思う。
今回のこのシーンもそれに勝るとも劣らない激演だった。アレレ、偶然ドラマーはふたりとも「PON」だ!

140vエエイ、また見せちゃえ!
これがPONさんのドラム・キット。NATAL(ナタール)といいいます。
元は1965年創業のイギリスのパーカッション・ブランド。
数年前にMarshallが買収してドラム・キットのビジネスを展開しているが、これが大変好評で世界中のドラム界に浸透してきている。
日本でもMarshall Blogではスッカリおなじみだが、たくさんのプロ・ドラマーから高い評価を頂戴しています。ありがとうございます。

140まだまだ続く濃密な演奏。
「プリキュア・スマイルチャージ!」…

200_2「プリキュア・ハートキャッチオーケストラ!」。
なるほどね、このコンサートは下準備が大変なハズだわ。キメも多いし、曲数も多い。コード譜さらって、ハイ後は本番よろしくね~…なんてワケには絶対いかないわ。

220_2

先回も触れたが、このコンサートは当初この日一日だけの公演のハズだったが、あまりにも人気が高いために前日に追加公演が催された。
そんなバックグラウンドだったにもかかわらず、「まったく同じ曲を演奏するのは気が引ける」…と高梨さんが気を利かして、当日の朝、Remiさんにムチャぶりしてお願いした…というのが次の曲。

150_2
「幸福のメロディ」。

160v
高梨さんのキーボードをバックにオペラチックな美しい声で独唱を披露してくれた。
ホント、色んなことやるわ~。
バンド・パフォーマンス、ソロ・パフォーマンス…種々入り乱れての構成はYesみたいじゃんね。

2img_0614
「プリキュア大好き!」…庄太郎ちゃんのフレンドリーなMCも。

170_2
本編もいよいよクライマックスを迎え、一丸となったメンバーの激演は一層の凄みを増した。

190v
「堪忍袋の緒がきれました!」~「明日への戦い」

80

庄太郎ちゃんの必殺技、ファイヤー・フィンガーボード(仮称)!うまく撮れた!
220v
本編最後は「最速キュアメタル」といわれる「プリキュアオールスターズ大活躍!」。

230_2全員が汗みどろの熱演だ~!

2img_0501
高梨さんのキーボードに少しでも触れんと熱狂する最前列の観客。コンサートの盛り上がりようがわかるというものだろう。
こうして興奮のうちに本編が終了した。

240v_2そしてアンコール。

250_2再び真由さんが加わり「今よ! ファンタジスタドール」

260_2さらに「PRIDE」。コレで終了。みんなで記念撮影。
290
しかし!アンコールがまったく鳴りやまない。
…ということで、この日はダブル・アンコールが実現。オープニングに演奏した「燦然!プリキュアオールスターズ」が追加で演奏された。
180_2
あらかじめわかっちゃいたけど、やっぱりへヴィで重厚なサウンドにすっかり夢中になってしまった。

そして、このコンサートの熱狂の中で改めて再確認したのは、「ロック」という音楽の在り方が従来とまったく変わってしまったという事実。ま、コレもいつも書いているんだけどサ。
アニメ、ゲーム、動画投稿サイト等をなくしては軽音楽はまったく成り立たなくなってしまったということだ。

音楽が魅力を失ったのか、アニメやゲームの力が強くなったのか…。きっとその両方なのだろう。
とりわけ昔「ロック」と呼ばれていた硬派でエネルギッシュな音楽はもはや単体では存立しにくくなってしまい、その中心をアニメとゲームに移した。
「イヤイヤ、ドームなんかで大きなロック・コンサートが開催されて満員になっているじゃないか?」とおっしゃる方もいるだろう。
アレはロックではなくて、昔の歌謡曲がバンドの形態に変わっただけの話し。各地でにぎわいを見せているロック・フェスティバルにしても、音楽よりもフェスのブランドを楽しむことが優先されているように見える。もちろんコレは間違いではないが…。

加えて、ロックの分野はもはや女性プレイヤーを除いては成立しなくなった。特にハード&へヴィ・メタルの分野。功罪はあれど、音楽学校の普及によるものだろう。「男がすなる日記を」…なんて『土佐日記』のようなことは完全に言わなくなった。
女性は勇ましく鋼鉄の肉食獣と化し、数少ないテレビの音楽番組に出演しているような男の子のバンドはますます女性化が進んでおしとやかになり、かつ草食化しているというのが現状だろう。
ホント、最近のガール・バンドは問答無用でカッコよく、そして頼もしい。
ちなみに、優秀なガール・バンドが多いのは、今日では日本のロック・シーンの大きな特徴になっている。ロックの本場であるイギリスでもこうした現象を見ることはできない。

それでは、今日このコンサートに集まっている若者たちからアニメを取り払い音楽だけを残したらどうなるか?この素晴らしいメンバーが演奏した音楽は見紛うことのない良質なハード・ロックあるいはへヴィ・メタルである。
こうした音楽がアニメの中であろうとなかろうと元気に演奏され、かつ支持されているのはとてもうれしいことなのだが、若者たちは果たして音だけでこのスタイルの音楽を楽しむことができるのだろうか?
音楽だけで今日のコンサートを楽しんだ私には皆目見当がつかないが、若者のみんなも楽しんでくれることを大いに期待したい。
そして、カッコいいと思ったら、この音楽をクリエイトした高梨さんが憧れたリッチー・ブタックモアというギタリストが所属したディープ・パープルというバンドの音楽に興味を持って、そして聴いてもらいたい。
高梨さんもそう願っていると確信している。

時代は変わった…。
「いいロック」は永遠に不変であり不滅だ。ただ「ロックの在り方」が変わっただけなのだ。

270_2本当に充実した内容の素晴らしいショウだった。
いまでも大熱狂の会場の様子がまぶたに焼き付いている。『vol.2』の開催を期待している。

280_2高梨康治の詳しい情報はコチラ⇒ROCKMAN

NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)

NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト


(一部敬称略 2014年8月24日 表参道GROUNDにて撮影)

2014年10月 2日 (木)

高梨康治 -CureMetalNite vol.1- <前編>

端から端まで機材で覆い尽くされたステージ。
詰めに詰めたり、Marshallのハーフ・スタックが2セットに和太鼓のキット。ツーバスのドラム・キットに奥にはレスリーまでセットされている。
マァ、これだけの機材をよく乗っけたね~。それだけの弾き手がステージに上がるのだから当然のことなのだ。
そして、今日ここで演奏される音楽が「キュアメタル」。

10Marshall Blogの読者のために説明しておこう。
2004年にスタートした『プリキュア・シリーズ』という人気テレビアニメがある。長寿番組だけあって、音楽の担当者も変遷を経て、ある時期よりロック・キーボード・プレイヤーの高梨康治が就任することとなった。
高梨さんといえば、「Classic Rock Jam」のレポートでMarshall Blogにもご登場いただいているベテラン・ミュージシャンだ。
元々、Ritchie Blackmoreに憧れてギタリストを志し、Marshallギタリストの清水保光とのHellenの活動でも知られるガチガチのハード・ロック・ミュージシャン。
その人が作る音楽となれば相手がアニメ用の音楽といえど当然HR/HM志向が強くなる。
やがてファンがそのことに気づき、『プリキュア』シリーズの音楽を『キュアメタル』と呼ぶようになったのだ。
要するに音楽が独立したのね。
このあたりのことは<後編>でまた触れたいと思う。

その「キュアメタル」のライブ・バージョンが今日明日でレポートする『高梨康治 -CureMetalNite vol.1-』なのだ。

20vでは、まずメンバーを紹介しよう。レディ・ファーストで女性ボーカル・チームから…

Remi

30ますだみき

40v弦楽器チーム。
ヴァイオリンに渡辺一雄

50v渡辺さんはご覧の通りMarshallでヴァイオリンを鳴らしている。ヘッドはJCM2000 TSL100。キャビネットは1960A。
ヴァイオリンでMarshall?なんて思う人もいるかも知れない。ところがドッコイ、イタリアの超名門バンド、PFMがかつて来日した際、のヴァイオリンの人(Mauro Paganiじゃない)がDSLを使ってスゴイ音を出していた。60足元のようす。

70ギターは藤澤健至

80v手前のハーフスタックが健至さんのMarshall。JVM410HJS。Joe Satrianiシグネチャー・モデル。これはホント評判イイね。
先日レポートをした健至さんがサポートを務める森久保祥太郎さんのコンサートでも大活躍していた。

90足元はこんな感じ。

100弦楽器チームのシンガリ、ベースはおなじみ満園庄太郎

110v続いて打楽器チーム。
和太鼓の茂戸藤浩司

120vドラムは我らが山口PON昌人

130vキットはいつものNATALのアッシュ。後ろの方のお客さんは見えなかったかも知れないけど、ツーバスだったのよ。

140そして、この日の主役、高梨康治

150もう客席はパンパンもいいところ!
ステージに張り出しを付けたもんだからプレス・ピットが狭くなっちゃって入れない…ってんで、ホール上手の中ほどに台を設置してもらってその上からの決死の撮影。
何しろ、本来は一日だけの予定だった公演があまりの人気に2daysになってしまったという。それでもチケットが手に入らずに諦めざるを得なかったファンもいたハズだ。
次回は是非武道館でお願いします…というぐらいの大入りもよう。

160オープニングは「燦然!プリキュアオールスターズ」。

170なるほど、コレは激烈。この音楽だけ聴いた段階ではコレがアニメ用の作品だとは誰も想像し得ないだろうな~。

180サウンド的にふたりの女性コーラスが入っているところがまたミソで、私なんかにはところどころフランスのMagmaを連想しちゃう。
ハードなだけでなく、ドラマチックな展開はプログレッシブ・ロックのテイストも感じさせてくれる。

190「プリキュア♪ハートフルビートロック!」~「暗黒の挑戦者」。

200自称「ゆるいMC」。イエイエ、なごやかで大変親しみやすい!
「ランランしたいか~!」

225v
…と始まったのが「レッツプレイ!プリキュアモジュレーション」。おお、確かに「♪ランラン」いってる!

220それにしてもスゴイ熱気だ。
アニメ系の音楽や声優さんのコンサートのお邪魔したのはもちろんコレが初めてではないが、今回は男性客がほとんどのせいかオッソロしく迫力があるわい。
ステージで何か動きがあるたびに客席の電圧が上がる!

220vジャンジャン続くハードな曲たち。
劇中歌だけあって、アッと言う間に終わっちゃう曲もある。そういう曲を挟みこんでいるところがまたいいいのだ。
ハードなだけでない、とにかく丁寧な演奏。

223v「プリキュア大活躍!」~「不屈の闘士たち」~「出でよ!ネガトーン」。

230

そんな鉄壁な演奏を支えているのがこの豪華なリズム陣。
ベースは、ロック・ベーシストとして栄光のキャリアを誇る庄太郎ちゃんだし…

210v
24時間×365日ロックしているPONさんはロック・ドラマーの権化だ。PONさんもズ~っとドラムかロックの話しをしてるもんね。それでこそロック・ミュージシャンだ。そうでなくちゃイケない。

236
それに加えて茂戸藤さんのパワフルな和太鼓だもんね。ド迫力だ。
実は茂戸藤さんは旧Marshall Blogにご登場いただいたことがある。その時はMr.BIGとの共演だった。Paul Gilbertと渡りあう茂戸藤さんもカッコよかったが、水を得た魚のようにイキイキと自分達の音楽を演奏する今回の姿も凛々しく魅力的なものであった。

235アクションもバッチリ。
健至さんのソロもビシビシとキマる!
やっぱりアナログ真空管のアンプの音っていいナァ。

240v

続いて…スペシャル・ゲストで登場した工藤真由。

250大歓声に迎えられてノリノリで歌ったのは「プリキュア~永遠のともだち~」。
なんか健至さん、さっきからいいポジションだな~。

2img_0358 真由さんは「MOON~月光~ATTACK」も熱唱。

270高梨康治の詳しい情報はコチラ⇒ROCKMAN

280<後編>につづく

NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)

NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト


(一部敬称略 2014年8月24日 表参道GROUNDにて撮影)

2014年10月 1日 (水)

GENKI SESSION~Summer of Love 2014

今、1,000人規模の大型ライブハウスや武道館など大規模な会場を若い人で埋め尽くす人気バンドが奏でりロックと我々の世代が夢中になった60~70年代の、言い換えればパンク/ニューウェイブ以前のロックとの違いは何か?…ということをこれまでウンザリするぐらいしつこく書いてきた。
やれ、ギター・リフがどうだの、ギター・ソロがどうだの、へヴィなリズム隊がどうだの、録音の手法がどうだの…。
これからもズッと書き続けると思うけど…、
ナンダカンダ言ってきて悟ったよ。今日レポートするコンサートがハッキリさせてくれた。

今と昔のロックの最も重大な違いは「声」だ。シンガーの「声質」だ。
やはり歌の入った音楽はどうしても歌手が主役になる。
もしMarshallがなくてペランペランのクリーン・トーンでギターを弾いて果たしてサマになるだろうか?
それと同じことで、やはりロックという音楽は野太い男性的な声(女性も同じ)があって初めてロックという音楽になると確信した。

ま、この意見もまたすぐ変わって、「かっこいいギター・リフが一番大事」なんてことになるかもしれないけど、これからもこの見方がブレることはあるまい。
やはり今の若いバンドから聴こえて来るシンガーの声はおしなべて細くて女性的だもんね。昔はそういうきれいな声はフォーク・ミュージックに重用されたものだ。
「いい」とか「悪い」とかいう話しじゃないよ。
歌い手の声がいかに音楽に影響するかという話し。

…とシナリオ通りにいけば、「さて!」という書き出しで今日の声の持ち主を紹介したいところなのだが、残念ながらできない。
最高のロック・ヴォイスの持ち主だ。MarshallでいえばオリジナルのJTM45か69年製の1959か?
紹介はできないが、みんな知ってる。
記事のタイトルでその偉大なシンガーが誰かを当てることができる人は、ナゼここで本人を紹介しないかもご存知だろう。
我々はこの声が日本にあることを幸せに思うべきだし、この声を頻繁に聴くことができないことを不幸せに思うべきだ。

今日はその人が毎年夏に開催しているコンサートのレポート。
「Summer of Love」というのは1967年、アメリカのサンフランシスコを中心に広がったヒッピーたちのムーブメントの名前だ。
そうした現象につきものの音楽はGreatful DeadやJefferson Airplaneが中心となった。

…というワケで、今回も主役のシンガー抜きのレポートになるが、ナンノナンノ!最高のシンガーには最高のバンドが付きものだ。
そのスゴ腕ミュージシャンの写真を掲載してコンサートの内容をお伝えすることにする。

10ギターは大谷令文

20vキーボードは難波弘之

30vベースは水野雅章。

40vドラムは高橋ロジャー和久

50v…というこのコンサートのレギュラー・メンバー。

もちろん令文さんはガッチリと愛用のMarshallを持ち込んだ。

60これが極上のロック・トーンをクリエイトする令文さんのMarshall群。ヘッドはすべて1959だ。

70v足元のようす。

90それにしても素晴らしい令文さんのトーン。以前にも書いたことがあったが、令文さんがMarshallからひねり出しているモノはギターの音色だけでない。あの時代のロックの空気感もひねり出しているのだ。ココが令文さんのスゴイところ。
だから令文さんがここで使っている機材すべてを借り受けて弾いたとしても、絶対にこのトーンを出すことはできない。
令文さんと同じ人生を歩まないと出ない音なのだ。
ひとりでも多くの若い人たちにこのトーンを聴いてもらいたいな~。「低音がどうだ」、「歪みはどうだ」、「真空管がどうだ」とゴチョゴチョ言うのはこの音を聴いてからにしてからでもまったく遅くない。

100v令文さんのギターに導かれてのオープニングはRay Charlesの「Hallelujah I Love Her So」。へヴィ・バージョン。にぎやかでゴキゲン!
この曲を初めて聴いたのはずいぶん昔のことだけど、上田正樹が歌ったものだったような気がするな。R&Bという音楽にまったくなじみがない時分だったが、「いい曲だな~」と思ったことを覚えている。

110v続いてもR&Bナンバー。Otis Reddingの♪ガチャガチャでおなじみの「Try a Little Tenderness」。
コレも上田さんの演奏が初めてだったかもしれない。野音で観たのかな?「聴こえるか?聴こえてるかオーティス?!」と絶叫していたのが印象的だった。
130
このバンドのややソフィスティケイトされた演奏も最高!やはり上田さんと声がまったく違うから雰囲気もまったく違う。
最後のリフレイン、下手のサブ・ステージから出たり入ったり繰り返すこと4回!もはや今日も長丁場になりそうな予感満点!
コレ、他のコンサートだったら絶対最後にやるヤツだぜ。そういえば始める前に「いよいよ第一部最後の曲になりました!」なんて言ってたな。

最近フト思ったことがあった。「Hallelujah I Love Her So」の「her」、「Try a Little Tenderness」の歌詞「She may be weary」に出て来る「she」、他にもズバリ「My Girl」とか「My Guy」とか…コレ全部黒人ミュージシャンの曲なワケだけど、この中の「her」、「she」、「my girl」、「my guy」って黒人だと思う?それとも白人だと思う?ま、東洋人ではないだろうし、こんなこと考えたことがない方が当たり前かもしれない。
でもナゼか、無意識に白人を想像していませんかね?コレらの曲の主語や目的語は「黒人」のハズなんだけど、自動的に「白人」を結びつけてしまうんだよな。
イヤ、特に意味はないんだけど不思議だな?と思って…。

120Montroseは『Paper Money』から「I Got the Fire」。

140vMontroseも人気が根強い。チョコチョコといろんなところで演奏されてるもんね。
150v
私はアメリカン・ロックをそれほど熱心に聴いていないのであまりピンとはこないんだよね~。
しかも、ああいうサウンドながらRonnie MontroseがMarshallじゃないと聞いてビックリしたわ。

145vでも、このバンドにかかると何しろ愉快爽快!ブリティッシュもアメリカンも関係なくロックしちゃう!

160こういう演奏を聴くと「久しぶりにMontrose引っ張り出してくるか…」なんて気になる。

165vJanisの「Move Over」。
今またCMで使われてるね。この曲も定期的に世の中に出てくるナァ。問答無用でカッコいいもんナァ。
しかも、この声で歌われた日にはこっちはイチコロだってば!

170vDeep Purpleを1曲。…といっても「Highway Star」やら「Smoke on the Water」ではない。
「This Time Around / Owed to G」。
MCで「Deep Purple」のマイナーな曲」と紹介されていたが、ま、確かにスッとは出てこないな~。
わかってんのよ『Come Taste the Band』だってことは…。
しかし、この「Owed to G」ってインスト曲。こうして聴くとヤケクソにカッコいいな。「Hidden gem」ってヤツだね。

1_img_0176

普通こんな曲演らないでしょ~。これがGENKI SESSION。

前々から思っていたんだけど、この『Come Taste the Band』というタイトルはミュージカルの『Cabret(キャバレー)』からなのかしらん?
このミュージカルのリード・チューン「Life is a Cabaret」という曲のサビの歌詞が「♪Come taste the wine/Come hear the band/Come blow your horn」という一節があって、ここから採ったのかしら?ジャケットもワインだし。それとも何かの決まり文句?
ボブ・フォッシーの『キャバレー』という映画は実に不思議な魅力があった。ハッキリ言ってつまらないんだけど、なぜか時々観たくなる…そんな作品。
235v
この後、シンガーが在籍していたバンドのオリジナル曲を2曲演奏して第一部は終了した。
しかし、令文さんの出番が多いのはうれしいんだけど、主役が出せないと書きづらいな~。

1_img_0056第二部のスタートはまた『Come Taste the Band』!「Love Child」だ。これは有名。コレも普通演らないよね。

2_img_0158 そして、ここでバンド・メンバーの歌をフフィーチュア。
難波さんの「花・太陽・雨」。

ザ・タイガース、ザ・テンプターズ、ザ・スパイダースのメンバーで結成されたスーパーグループ「PYG」のデビュー・シングル。スゴイよね~。今だったらSMAPと嵐と関ジャニのメンバーでバンドを結成するようなもんだぜ。
作曲は井上堯之さん。そういえば、井上さん、昔MarshllのValvestateシリーズのVS100Rをお使いになられててね…。ほとんど直でつないで、信じられないくらいいい音を出されてたな~。
ギターがテレキャスターでさ。ウチにテレキャスもVS100Rもあったのでマネして弾いてみたけど、あまりに音が違うのでガッカリしたことがあった。

難波さんのソフトな歌声にウットリ…。この曲には難波さんの声がピッタリなのだ。

180v続いてはロジャーさん。お!Scorpionsの「Virgin Killer」!と思ったらオリジナルの「痛風キラー」だった。病気シリーズ第二弾!内容は「バン・バン・バン」。
会場は大爆笑。
「痛風はあっても糖尿ではありません!」というロジャーさんのセリフがビシッとキマった!

190vまたGS。「好きさ 好きさ 好きさ」…とここまで書くとつい「お前のすべ~て~」と書きたくなると言ったら年がバレるか?もうバレてるか。

200「Cry me a River」。名曲ですな~。
このタイトル、どういう意味かわからなかったんだけど、ある人が教えてくれた。「私のために川一本分泣いておくれ」という意味なんだって。
いまだに全然わからない英語表現がゴロゴロしてる。意味は先刻承知の簡単な単語の配列なんだけど、まったく意味がわからない表現にチョクチョク出くわすからイヤになっちゃうよ。

この曲はシンガーの十八番的な感じ。情感豊かに歌い上げる姿に感動を覚えない人はいないだろう。

210vHumble Pieの『Smokin'』から「30 Days in the Hole」。
Steve Marriottがドラッグの不法所持によって刑務所に入った時のことを歌っている。
歌詞には麻薬の名前がゾロゾロ出てくる。
Steve Marriottは惜しいことをした。

220vこういう曲もこのバンドにピッタリだ。
Steve Marriottの曲なんか歌える人、日本にはフツーいないからね!

230水野さんのソウルフルなベース・ソロも実に魅力的だった!250

第二部も佳境に入って「Gimmie Some Lovin'」。
260v
この曲も実にシックリくるね。
もういい加減メッチャ長いコンサートになっているんだけどお客さんはノリノリだ。
270
そして最後はSmall Facesの「All or Nothing」。
お客さんの大合唱は感動的だった!

240こうして本編は終了。
それにしてRay CharlesからDeep Purple、モッズまでこんなにそつなく演っちゃうバンドって他にないよね?自分達が演奏しやすいように大きくアレンジを施すということならまだしも、アレンジはほぼオリジナル通り。
やっぱり優秀なシンガー、そしてそれを支えるスゴ腕ミュージシャンだからなせるワザなのだ。

280vアンコールに入って、演奏したのはJohn Lennonの「Imagine」。令文さんだと「Jelous Guy」になるんだけどね。

290続いてBeck Bogart & Appiceで有名な「Sweet Sweet Surrender」。元はSteve CropperやDuck Dannと活動を共にしたR&B系のサックス・プレイヤーにして大物プロデューサーのDon Nixの作品。
やはりBBAでおなじみの「Goin' Down」もこの人のペンによるものだ。
310
さぁて、これで休憩を含めてほぼ4時間。メッチャ長かったけどアッという間だったな~。
クロージングは「アッコちゃん」。定番ですな。

300あ~、久しぶりに素晴らしい声のホンモノのロックをドップリと聴かせてもらった。やっぱこうでないとダメだわ…ロックは。
九州からワザワザこのショウの観に駆け付けてくれたお客さんもいらっしゃった。

この記事だけを見るとまるで令文さんのバンドのコンサートのようだが、それはそれでまた結構。あんなに素晴らしいサウンドで最高の演奏を見せてくれたんだから!
マンゾク、マンゾク。
できることならこのバンド、自分でセットリスト作ってそれにそって演奏してもらいたいな~。そんなのダメよ、ダメダメ…か?

330v(一部敬称略 2014年8月  東京キネマ倶楽部にて撮影)