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2014年2月 5日 (水)

生秋桜~ズンコ、ニューアルバム発売記念コンサート

ズンコ、待望のマーブロ再登場。
今回も浅草のジャズ・クラブ「ZINC」からのレポートだ。ちょうど1年ぶり。

10ズンコは「世界で一番静かなメタル・バンド」を標榜するボーカル&ギターのデュオ・チーム。
20メンバーはボーカルのずんこ。
40vギターのもだん・ぎたー…以上メンバー紹介終わり。
50vそのふたりが昨年10月にセカンド・アルバムを発表した。
それがこの『コスモス』。

「ジャズ好き」、「Marshall好き」というふたつの共通項で、もだん・ぎたーさんとは仲良くして頂いているが、「Special Thanks」の冒頭に私の名目をクレジットしていただいていることは幸甚の極み。私の宝物CDのひとつとなった。
全12曲、他に類を見ないズンコの魅力が丸ごとパッケージされている。
30cdそう、今回のコンサートはこの『コスモス』のレコ発記念なのだ。

60オープニングは『コスモス』と同じ「コスモス」。ズンコのキラー・チューン。Deep Purpleでいえば「Highway Star」だ。Zappaなら「Inca Roads」、舟木一夫なら「高校三年生」だ。
この「コスモス」という曲は私のお気に入りで、このことを以前もだんさんに伝えたことがあった。
110実は当日、私にはこのコンサートの前に抜けられない用事があって、開演時間に遅れそうになってしまった。
すると、1曲目にこの「コスモス」を持って来ていたふたりは、私にこの曲を聴かせてくれようと、ナント私が会場に到着するまで開演を遅らせてくれたのであった!

うれしいね~。この場をお借りしましておふたりのご厚情に心から御礼申し上げます。そして、お待たせしてしまったお客様の皆さん、ゴメンなさい。

80vもだんさんの愛機はJCM800 2204。2203の50Wバージョン。
それに愛器L-7をつないで、他では聴くことのできない独特なギターサウンドをクリエイトしている。
140弦は当然3弦からフラット・ワウンドのジャズ仕様。高いけどサビないんよ。
エフェクターはなし。男の「直」。しかもクリーン・トーンしか使わない。

90vそして、爆発的な右手のパワーを使って雷鳴のようなサウンドを作り上げる。
こんな写真にそんなことを書くと、いかにソニー・シャーロックやブラッド・ウルマーのようなサウンドを想像されるかもしれないが、決してそうではない。
2zk_img_0218もだんさんのギターは飽くまでもずんこちゃんの透き通った歌をバックアップする音楽装置なのだ。
そのふたつの要素が奇妙に絡み合ったサウンドがズンコだ。
1002曲目はもアルバム2曲目に収録されている「アメンボ」。コレもいい。
コロコロと変わる場面はまるで組曲を聴いているようだ。

130v3曲目は「あなたの幸せ」。これまたハード・ドライビングなチューン。

1204曲目は淡路弁で書かれた「どんならんだあか」。
この曲でピンときた。何にピンときたかは後述。
70歌詞はナニを言っているかサッパリわからないけど、この手の作品はすごくズンコっぽい。
…というのはスッカンスッカンの音列(リズム隊がないからね)と、ロックではついぞ見かけないであろうコード進行が使われているからだと思う。
たとえばこの曲のサビ…Am7→Bbdim→Bm7→Cdimとパッシング・ディミニッシュから強引に転調。Fm7へ持て行って、Dbm7-5からGb7のマイナーのII-VからB△7へとねじ伏せる。
静かなローラー・コースターとでもいおうか…想像だにしない展開がやさしく待っている。

145v「春の嵐」をシットリとやっておいて…

190v「たがいちがい」。これもズンコのスタンダードになりそうな曲。
200この曲は「♪たがいちがい」の部分のリフレインがやたら耳に残るわ~。フト気がつくと自分でも「♪たがいちがい、たがいちがい」って歌っていたりする。
実はここまで丸っきりニュー・アルバム通りの曲順で進行した。
170vこの日はお客さんのノリも最高だった。要するに酔っぱらっていたワケだけど、曲が始まると実に熱心にふたりの演奏に耳を傾け、曲が終わると大きな拍手とヤジを送っていた。

Wes Montgomeryの『Willow Weep for Me』というライブ・アルバムがある。
ソレに収録されている「The Surrey on the Fringe on top(飾りのついた四輪馬車)」という曲で、Wesがカッコいいフレーズを弾くとすかさずお客さんが「ヒューヒュー!」と合いの手を入れる…するとWesはそれに応えて同じフレーズをもう一回弾く…そんなシーンを思い出してしまった。きっとこの日のZINCのような雰囲気の中でWesも演奏したのであろう。

それに、もだんさんのキャラが大ウケ!彼が話す関西弁が東京の人にとっては異常に面白くてMCでは大爆笑の連続だった。
135 一瞬「There is no Greater Love」かと思わせるオクターブによるイントロが印象的なバラード、「バスは走る」。

Zk_img_0203続いてもズンコ式バラード「あしたから」。ポツン、ポツンとやさしく言葉を置いていくように歌うこの曲もずんこちゃんによくマッチしている。
そしてショウももう終盤だ。

180vもだん・ぎたー大爆発の「ズンコの夢」!

150vテンポ・アップしてスリリングに展開する中間部は問答無用でカッコいい!行け行け~ッ!

160そして本編最後を締めくくるのはブロードウェイ・ミュージカル『Oklahoma!』の挿入歌「People Will Say We're in Love」。
ミュージカル好きの私だが、どうもコレと『回転木馬』、『ショウボート』と『南太平洋』は苦手で…映画のDVDも持ってるけど、この曲はまったく意識になかった。
でもいい曲だな~。
ロジャース&ハマースタインだから悪いワケはないんだけどね。クロスビーやシナトラが歌って過去3回もTop40にチャート・インしている。
そういえばさっき紹介したWesのところの「Surrey~」も『Oklahoma!』の挿入歌だ。

それにコレ、最近買ったSonny Stittの『With the New Yorkers』にも入ってやんの。まだまだ私も勉強が足りません。このアルバム、Hank Jonesのピアノがメッチャよくて…。

210v前回は「Shiny Stockings」を演った。ガガさまの曲も演っていたっけ!

2zk_img_0195 「演ってもいいんですか?!」と遠慮しつつ始めたアンコールは「らくだ」。
2zk_img_0267もだんさんは自分達の曲を「ケッタイ」と形容する。東京の人間にとっては「ケッタイ」という言葉自体が「ケッタイ」なのだが、正直、ズンコの曲には「ケッタイ」という言葉がマッチするような気がする。
もちろん「褒め言葉」だ。
2zk_img_0278でもね、曲はケッタイでも完成度はすごく高い。この2人の演奏にベースやドラム、ましてやストリングスやホーンなどを加えたとしたらどうだろう?魅力が半減してしまうに違いない。
Zk_img_0180そして「ケッタイ」といえばThelonious Monk。Blue Noteの『Genious of Modern Music』の「'Round Midnight」を聴いて当時の人はみんなヒックリ返って笑った…という話しを聴いたことがある。
ズンコを聴いてヒックリ返って笑う人はいないだろうが、ようするにMonkも「ケッタイ」と受け止められたのだろう。

それで、先述した「ピンときた」というのはMonkのこと。
ズンコがMonkの曲を演ったらものすごくハマるのではないだろうか?共通項は「ケッタイ」。
「Epistrophy」、「Evidence」、「Nutty」、「Well You Needn't」、「Little Rootie Tootie」、「Off Minor」、「Humph」…挙げだしたらキリがない。ナニをやってもピッタリきそうだ。Monkのソロをずんこちゃんが日本語でボーカライズしたりして。
「Four in One」なんて演ったら最高に面白そう!
…なんてことを考えてひとりでニヤニヤしている。
2zk_img_0254最後は前作のタイトル・チューン「いたって走る」で幕を閉じた。

220関西を拠点としているチームだけになかなか東京で観ることができないが、チャンスがあれば皆さん是非このケッタイな音楽を聴きに来てくだされ!
2zk_img_0174ズンコの詳しい情報はコチラ⇒ズンコのホームページ

230_2(一部敬称略 2013年12月8日 浅草Zincにて撮影)