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2013年5月20日

2013年5月20日 (月)

Dos a tres caids!~CONCERTO MOON 炎の三番勝負~<vs. 人間椅子:後編>

Shige Blog 2012年7月10日初出

続いての登場はお待ちかねの人間椅子!

ギターの和嶋さんとは昨年末、ベーシストの山本征史さんのイベントの時に「和嶋工務店」として島紀史氏や三宅庸介氏とともにご一緒させていただいたが、人間椅子を見るのは今回がはじめて。もちろんテレビでは昔からチョクチョク拝見してはいたが…。楽しみにしていた。

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ショウがスタート!オワ~、カッチョいい!
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へヴィなリフに乗った独特の世界観がタ、タマラン!
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和嶋さんのギターの音がまたスゴイ!前回ご一緒した時は「自分のキャビネットじゃないので音がいつもと違う」とおっしゃっていたが、なるほどコリャすさまじい!
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昨日も出したけど、もっかい。向かって右のセットが和嶋さんのマーシャル。ヘッドは1987。キャビネットは1960TV。そうなんですよ、この1960TVはユニットがCelestionのG12M-25。いわゆるGreenback。ビンテージ・サウンドのイメージが強いが、使いようによってはものすごく凶暴な音を出してくれる。何年か前に「Blood Red Shoose」というデュオ・バンドの女性ギタリストがDSL50と1960TVを組み合わせて使っていたが、あれもドスのきいたものスゴイ音だった。(1960TVは入力が100Wしかないので使い方に気をつけてね!)

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そう!ノンちゃんも絶賛の和嶋さんのサウンドは実にドスがきいている。SGとの組み合わせの手本のようなサウンドだ。SGとマーシャルといえばアンガス・ヤング?ザッパ?それともザル・クレミンソン?(この人はグラスゴー出身だ。やっぱこないだ行けばよかったナ、Glasgow)それとも和嶋慎治?…というぐらい自己を確立したサウンドだ!

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ベースは鈴木研一。ねずみ小僧での格好をしてイカ天に登場したのは衝撃だったな。ナレーターが「日本文学との融合!そうか、こんなやり方があったのか?!」とか言ってたような気がするが、格好や題材もさることながら、やっぱり70年代サウンドをしっかりと踏襲した音楽に魅力を感じたね。ブラック・サバスとかよく形容されているようだけど、私にはアリス・クーパーとかそれこそセンセーショナル・アレックス・ハーベイ・バンドとかを感じる。Budgieのカバーの映像なんかも残っていますよね?いいナァ~。

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そして鈴木さんは出家された。しかし、その誇り高きサウンドはナニも変わっていない!

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ドラムはナカジマノブ。タイトでへヴィなドラミングが人間椅子サウンドにベストマッチだ!

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和嶋さん、CONCERTO MOONを指して「あの人たちの楽屋から聴こえてくるのはプロレスかディープ・パープルの話しばっかり!しばらくディープ・パープルの話しをしていたかと思うとプロレスの話しになる。でまた、しばらくするとディープ・パープルの話しをしてる」

いやはや、まったく和嶋さんのおっしゃる通り!特にノンちゃんと耕作さんがスゴイ。このふたり、今回のリハで3日間いっしょにいたらしいんだけど、3日間を通じて7割がたディープ・パープルの話しだったらしい。

そして、和嶋さんが続ける…「まったく、ニック・シンパーだのロッド・エヴァンスだの…誰も知らんつーの!」

和嶋さんゴメンナサイ!ニック・シンパーの話しを出したの私なんです!ナゼかというと、以前にレポートした「ジムマーシャルの生涯を祝う会」にニック・シンパーが来ていたんですよ。それを話したのです。彼と認識できる人は会場におらず、例え「ディープ・パープルの初代ベーシストだってば!」と説明を受けても「ロジャー・グローバーじゃないの?」ってなことになってしまう。そんな時は「シーッ!本人に聞こえちゃうよ!」なんてことになる。

あ、ここはディープ・パープルの「Hush!(シーッ!)」にひっかけております。ウマイ!初期のヒット曲ね。これこそニック・シンパーがベースじゃん。

ってな具合で和嶋さんのMCがまた愉快!
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また楽しみがひとつ増えた!
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人間椅子の詳しい情報はコチラ⇒人間椅子オフィシャルサイト

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さてアンコール。人間椅子が1曲プレイ、そして和嶋さんの呼び込みでCONCERTO MOONのメンバーが加わる。
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人間協奏曲(またはムーン・チェア)は人間椅子の3人にノンちゃんと久世ちゃんという布陣。

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「なんだい、コンチェルト・ムーンってバンドはMCがウケないとピックを投げられるのかい?」、「いえ、あれピックじゃなくて二銭銅貨なんですよ(こんなことは言っていません)」なんてなごやかムード。それだけにこれからの爆発ぶりが楽しみだ!

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そして、ジャージャ、ジャージャ、ジャージャージャージャージャジャジャと必殺の名曲がスタート!おわかりですよね?!
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大正解!「Speed King」!結局、ディープ・パープル!
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それにしても何とピッタリコンとした選曲!
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上手のふたりに負けずにこっちもきれいにまとまってる!

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何物にも替え難いパープル・チューン!燃えまくるノンちゃん!
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全員が一丸となった鬼気迫る熱演!
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間奏では和嶋さんがジョン・ロードのフレーズを、ノンちゃんがリッチーのフレーズを再現して会場を大いに沸かせた。

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ギター・バトルもハンパじゃない!

歯弾き…
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背弾き…
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暴れ…
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ブギュ~ン、ギュイーン、ピック・スクラッチ合戦!

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「ナ~ナナナナ~」のところ。気持ち良さそう!

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こっちも気持ちよさそうだ!

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インヤ~、素晴らしい演奏でした~。おもしろかった~。
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楽屋でパチリ!お疲れさまでした~!

さて、「三番勝負」の第2試合の相手はEARTHSHAKERだ!8月26日、場所は同じくここ渋谷BOXX。奇跡の対決をお見逃しなく!

CONCERTO MOONの詳しい情報はコチラ⇒CONCERTO MOON Official Site
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(一部敬称略 2012年6月23日 渋谷BOXXにて撮影)

Dos a tres caids!~CONCERTO MOON 炎の三番勝負~<vs. 人間椅子:前編>

Shige Blog 2012年7月9初出

先日レポートしたのはKelly SIMONZ率いるBad Tribeとの血で血を洗う大決戦だった。そして、CONCERTO MOONはまたここに自ら新たな対決の場を設けた。

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その名も「炎の三番勝負」!今、乗りに乗ってるCONCERTO MOONが3つのバンドと対決する。
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とにか~く!刺激的な対抗バンドを迎えて燃えに燃えまくってみようという暑苦しくも華麗なイベントなのだ!

第1勝負は結成20年を優に超すベテラン「人間椅子」!コイツぁ、楽しみだゼイ!

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持ち時間は1時間ずつ。だからモタモタしとれん!

1曲目は『Rain Forrest』収録の「Victim of Desire」。超ストレートなブリティッシュ・ハード・ロック・テイストが最高に気持ちいい!!
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今日もノッケからスロットル全開の親分、島紀史!
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今日も1959での登板。向かって左側がノンちゃんのセット。今日はハーフスタック。お札が貼ってあるのが和嶋さんのマーシャル。触らないように…。
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足もとのようす。最近チョコチョコとアタッチメントのないようが入れ替わってる。
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ドラムは人気者、長田昌之
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前回から加わってくれているオリジナル・メンバーの三谷耕作。

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耕作さんのバックライン。これナント1959。1992ではない。キャビはHIWATTの4×12"。
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ボーカル、久世敦史
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2曲目はグッと新しく「Savior Never Cry」。
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もう完全に入りこんでるノンちゃんの雄姿!凄まじい熱気だ!さっきまで楽屋でずっとディープ・パープルの話しに興じていた人と同一とは思えない!
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これまたストレートな「Run to the Sky」が3曲目。久世ちゃんの声がバッチリとマッチするナァ。
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何となくだけど、スロットル全開の中に今日はエラク落ち着いてプレイしている感じがする。ノンちゃんのソロも端正に聴こえる。時間が短い分、ジックリと弾きこんでいるという言い方もあるかもしれない。すごくいい!
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もちろん爆発ぶりはいつもと何ら変わらないんだけどね。
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ホントにこの人のベースはスゴイ!ジェット・エンジンのついた重戦車ってとこか?もうバンド・アンサンブルにトロリとマーブル状に溶け込んでいるんだけど、アイデンティティは全く失われていない。どこにベースがいるかすぐわかる。
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テクニックや音楽性もさることながら、このベースの音!ビンテージ系のマーシャルのベース・アンプの音って、これにしか出せない独特の味わいがあるんだよね。某プロフェッショナル・ギタリストも「これまでの人生のウチで一番いいベースの音かもしれない!」と終演後絶賛されていたが、ホント、そう言いたくなるのは当然の極上サウンド!1959ってスゲェな。100Wだゼィ。
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長田ちゃんは安定したドラミングで全曲ファスト・テンポのセットリストを難なく乗り切った。

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親分とのイキは完璧すぎるくらいピッタリ!曲はもちろんギャグの時もピタリとつける長田ちゃんの機転の早さは天下一品だ。コッテリだ。
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1時間の尺では残念ながらドラム・ソロもお披露目できないが、その分、パワー全開!もっとも何時間叩いても、どれだけソロをやってもパワーは最後まで落ちないんだけどね。

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『Life on the Wire』から「Cheating Fortune Teller」。イントロのリフがタマラン!

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もうCONCERTO MOONの声と化した久世敦史。「Over the Fear」「Live to Win」「From Father to Son」と続く。
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クラシック・レパートリーを完全に消化して、イヤ昇華させてCONCERTO MOONワールドを紡いでいく。
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そして「It's Not Over」、「Angel of Chaos」、「Change my Heart」と最後まで丁寧に新旧のレパートリーを編み込んだ。こういうのっていいな…。

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…というのも、総帥・島紀史が弦残のCONCERTO MOONに満足し、自分の歴史と将来をバンドのメンバーに預けているかのような印象を受けたからだ。
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それにしても完全無欠のギター・プレイ!心から快哉の声を上げたい!でも、1時間はちょっと短いナ…。
と物足りない感を故意に残させつつ、舞台を人間椅子に受け渡した。セッションがまた一層楽しみとなる!

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CONCERTO MOONのくわしい情報はコチラ⇒CONCERTO MOON Official Site

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<後編>につづく

(一部敬称略 2012年6月23日 渋谷BOXXにて撮影)

mintmintsフォト・セッション!~寺沢功一誕生日スペシャル!

Shige Blog 2012年7月5日初出

ポップでハードでテクニカル、おまけにキュートでスリリング…こんな形容がmintmintsの音楽にピッタリだと思うがどうだろう?ベンチャーズのテケテケから始まって、ロック・インスト・バンド数あれど、クォリティの高い曲にこれだけの要素がごく自然に混ざり合っているのはmintmintsだけ。ギター・ミュージックの楽しさをとことん教えてくれるのがmintmintsなのよ!

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そう、mintmintsは言わずと知れたEARTHSHAKERの石原SHARA慎一郎のソロ・プロジェクトじゃんね。

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これまで『whitemints』と…

Whitemints

『Splash』の2枚のアルバム発表をし、大きな支持を得ている。
Splash

そのmintmintsが9月にニュー・アルバムを発表する!ってんでツアーやらリハやら、アルバムのアートワークやら色々と身辺がにぎやかになってるのよ!
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で、今日のレポはそんなソワソワ、ワクワクのmintsのリハにお写真撮りがてら潜入してきた!

このあたりがその時に撮ったポートレイト。

石原"SHARA"慎一郎。
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ベースは寺沢”てらちん”功一
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もう一枚、てらちん!実は今日の今日、お誕生日なのだ!おめでとうございま~す!
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五十嵐"sun-go"美貴
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向山テツ
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もうみんな明朗快活な人たちだから、始終ケタケタ笑って実に楽しい!この明るさがmintsの音楽性に反映されているんだね~。

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でも、ひとたびプレイし出すと真剣そのもの!
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誰ひとりヘラヘラしていないし、納得がいくまで何回でも同じ個所を確認して練習する。キャリア豊かな超一流のプロだから当然か。
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この辺りはSHARAさんとsun-goさんのハモリのチェック。
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SHARAさんが作った練りに練ったメロディに慎重に副旋律を重ねていく。

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みんなでアイデアを出し合いどんどん曲を磨き上げていく。いいナァ~、入りてぇーなー、mints。
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オッと!忘れないうちに書いとかなきゃ!!
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ギターのメロを殺さない、それでいて曲の厚みを極限まで増す完璧なベース・ライン!さすがトップ・ロック・ベーシスト!今日が誕生日だ!

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快感、そしてまた快感!もういつ聴いてもテツさんのドラムにはマイるね、鳥肌立っちゃって困っちゃう!
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さて、mintmintsは9月14日の金沢を皮切りに京都、大阪と『love & mints tour 2012』と銘打ったツアーを敢行する。

エ、東京は?って?東京公演は来る今度の日曜日、7月8日と28日に新代田Boogie Stockで催されるんだけど、完全ソールド・アウトなのよ~。ゴメンね~。

ニュー・アルバムお楽しみに!ジャケットもお楽しみにね!
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mintmintsの詳しい情報はコチラ⇒mintmints News

石原SHARA慎一郎の詳しい情報はコチラ⇒石原"SHARA"慎一郎Official Site
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(一部敬称略 2012年7月3日 新代田Boogie Stockにて撮影)

WeROCK No. 029

Shige Blog 2012年6月19日初出

2012年6月14日発売のWeROCK No.029にマーシャルの特集が掲載されています。文章、写真ともに担当させていただきやした!

表紙は閣下ね。

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ジムの生涯とマーシャルの歴史…

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マーシャル・ミュージアム展示の名器、珍器…

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マーシャル社社長、ジョン・エラリー氏のインタビューやマーシャル・プレイヤーのメッセージなど盛りだくさんの内容でで構成されています。

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是非ご覧くだされ~!

WeROCKの詳しい情報はコチラ⇒WeROCKオフィシャル・サイト

ジム・マーシャルの生涯を祝う会

Shige Blog 2012年6月15日初出

マーシャルの創設者ジム・マーシャルが去る4月5日、鬼籍に入ってしまった。
そしてお葬式とは別に、偉大なるジムの功績と人生を祝う会がMarshallの本社があるイギリスのミルトン・キーンズで開催され、私のところにも招待状が届いた。
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もう私はマーシャルの仕事から離れてしまっているが、「もしジムにもしものことがあって何がしかの行事を催す際には必ず連絡する」と言ってくれていた社長がその約束を果たしてくれたのだ。
もちろんその場合には私も万難を排して参席するつもりだったのだが…旅費がない!
そこで所有していたギターを9本ほど売却して航空券を購入した。Jim_IMG_5480
そして、イギリスまでひとっ飛び。Jim_IMG_8464
会場は工場にほど近い「Wilton Hall(ウィルトン・ホール)」というところ。
かつて「創立40周年記念パーティ」が開催された施設だ。
「町の公民館」風と言っては聞こえは良くないが、ジムの地元中の地元の立派なホールだ。
入り口で来客を待ちうけるJVMのフル・スタック。
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会場に入ると、ジムの半生をつづった『THE FATHER OF LOUD』の表紙のおなじみの写真が…。Jim_IMG_5788
ジムの足跡を記した巨大なボード。Jim_IMG_5966
冒頭に掲載した会の招待状にはこう記してあった。
「ジムとの思い出の写真をご持参ください。会場に専用のボードを用意しておきますので、そこにその写真貼ってください」と。
私もジムが2003年に最後に来日した際の写真を持って行った。Jim_IMG_5778
貼ってあるのはどれもジムに関する感慨深い写真ばかり…っと、よく知っている顔を発見!Jim_IMG_5780
…って私です!しかも2枚も貼ってある!
1枚は2009年に「Shige Award」を受賞した時のもの。
ま、こっちはまだイイかも知れないけど、もう1枚はホテルの部屋で酔っ払ってギターを弾いている時の写真じゃんか~!
恥ずかしい!
さてはピーターのシワザだな…?Img_5776 他にもジムにまつわる思い出の品がゾロリ!Jim_IMG_5782

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エリザベス女王から下賜された『The Queen Award』の賞状や…Jim_IMG_5784
「Dr.Jim Marshall」の「博士号」の授与証書などが誇らしげに展示されていた。Jim_IMG_5785
ステージの両サイドにはジムの遺影が飾られ、中央のスクリーンにはジムの思い出の映像や出席できなかった関係者からのビデオ・メッセージが上映された。Jim_IMG_5794
会場は200名を超す招待客でイッパイ。
東洋人は私ひとりだけで、目立つ目立つ!
もちろん出席者はジムにゆかりのある人ばかり。Jim_IMG_5792
とてもうれしかったのは、招待客の中に何とケン・ブラン氏がいらっしゃって、アメリカの友人に紹介してもらって一緒に写真を撮らせてもらった。
ご高齢のため足をお悪くされているが、実にカクシャクとされていて、しかも物腰の柔らかいとても素敵なおじいちゃんだった。
「この人がJTM45を設計したのか…」と感無量で握手をしてもらった。Img_5796 ひとしきりバーでイッパイやりながら旧知の仲間とジムの思い出を語り合った後、決められた場所に着席。
私はカナダのピーターの隣りで、「ピーターでしょ?あの写真を貼ったのはッ?! 恥ずかしいじゃんか!」と問いただすと「キヒヒヒヒ!」とイタズラっ子のように笑っていた。Jim_IMG_5791
そして、会が始まった。
トップに挨拶をしたのはマーシャル社社長のジョナサン・エラリー氏。
私をこの会に招待してくれた人。
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続いて壇上に上ったのはこの日の司会を務めたドラマーのニコ・マクブレイン。Jim_IMG_5810
ジムのドラム仲間であり、最良の友でもあったニコ。
ジムの思い出を切々と語ったのち、司会の大役を着実にこなしていた。
彼の軽妙洒脱ぶりは定評のあるところだ。
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続いて挨拶をしたのはこの方…誰かににてるでしょう?
そう、ジムの実弟のアル・マーシャル氏だ。
兄弟しか知り得ない昔の話しを面白おかしくしてくれた。
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こうしてジムの友人や、お世話になった人、仕事仲間たちが順々に登壇し弔辞とスピーチを捧げた。
THE WHOのピート・タウンゼンドからはビデオ・レターが寄せられた。
ご存知の通りピートはマーシャルを使わないが、彼なくしては絶対にマーシャルはあり得なかった。
メッセージでピートは実に淡々と思い出を語った後、「じゃあな、ジム!」と締めくくった。
ピートらしいカッコいいメッセージだった。
様々な業界からの来賓のスピーチが続く。Img_5869 さて、ここからは世界中から駆けつけたディストリビューターたちの中から、スピーチをした私の仲良したちを紹介しておく。
アメリカからミッチ・コルビー氏。
彼も今はMarshallから離れてしまったが、ディストリビューターとしては世界でも最も長くジムとお付き合いをしたのではなかろうか?
自身もアンプのコレクターで、優れたジャズ・ギタリストでもある。
「はじめて見たマーシャルの壁はニューヨークで見たクリームだった!」という話しが印象的だった。
スゲエな~。
確か横尾忠則のニューヨークでクリームを見ているハズ。
「あまりにも音が大きくて気分が悪くなった」と何かの本に書いてあった。
それ、Marshallです。
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おお~、さすがミッチ!
ジムの十八番のコルクのトリックだ!ちゃんと仕込んで来たんだ?!
と思ったら…「私にはできません!」
そういえば、私が楽器店の皆さんをMarshallにお連れしてジムといっしょに食事をした時、まだジムはまったく元気で、みんなの前でこの手品を見せてくれたっけ。
アノ時は本当に楽しかった。
ところで、その「手品」というのは至極シンプルなもので、左右の手の人差し指と親指ではさんだコルクを交差させて、チチンプイプイと呪文を唱えるとアラ不思議!
交差しているので離すことのできないハズの両手が離れてしまうというもの。
私は何回も目にしたが、「おお~!ワンモア、ワンモア!」という歓声に応え、「フォッフォッフォッ…」とドヤ顔で何回もやって見せてくれるジムがいつもチャーミングだった。Jim_IMG_5853
おとなりアイルランドからレスリー・ケイン氏。
いつも私によくしてくれる大の仲良し。
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レスリーもベテランだけにジムとのお別れは相当辛いものであったハズだ。
会議の時には強情な論客のレスリーもこのスピーチ後半では涙ぐんでしまい、見てるこっちもホロっときてしまった。
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ピーターの出番!
この人があの写真を貼っつけたのよ!
会議で集まった時、いつもホテルの彼の部屋に集合して、ラム酒を飲みながら遅くまでギターの腕比べをしたものだった。
え、どっちがウマかったかって?
彼、彼!
熱心なマーシャル・ブログの熱心な読者の方なら覚えていると信じているが、一度登場してもらったことがあった。
彼は過去にプロのバンドでデビューしており、そのマボロシの音源について私がマーシャル・ブログで一筆奮ったのだ。
彼はその記事を大層気に入ってプリントアウトして額に入れ、自宅の壁に飾ってくれていた。
よく自分でアレンジしたビートルズ・ナンバーを弾いて聞かせてくれた。
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ピーターのジムとの付き合いはミッチほどは長くはないがかなりの古株。
ジムを心から信奉していた。
それだけに彼のショックも大きいかったろう。
スピーチもとても真摯なものだった…あんな写真のイタズラしたくせに!Jim_IMG_5900
スティーヴ・ウッド氏。
ジムのchauffeur(ショウファー)、すなわりお抱えドライバーだった人。
イヤ、家族といっていいだろう。
この立派な体躯を活かしてジムを車イスごとヒョイと抱えて車に乗せることができた。
とても献身的に世話をし、ジムから絶大な信頼を得ていた。Jim_IMG_5906
よくマーシャルへ行くと迎えに来てくれたり、送って来てくれたりで、車中私と冗談を言い合っては大笑いするのが常で私も彼と会うのを楽しみにしていた。
そんな旧知の中なので、一体どんなスピーチをするのかと思っていたら意外にも淡々とジムの思い出を語った。
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ところが、話しているうちにあまりにも色々な思い出がよみがえってきたのだろう。
感極まってオンオンと大声を出して泣いてしまったのだ。
スピーチ後、ニコと抱擁し合うスティーヴ。
見ているこっちもグっと来た。
会場は割れんばかりの拍手!この日のクライマックスだった。
やっぱりとてもやさしい男だったんだな、スティーヴは!
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マーシャル社からインターナショナル・デモンストレーター兼ニュー・プロダクト・コーディネーターのクリス・ジョージが登壇した。
彼もフランクフルトMESSEのレポートなどでブログに登場しているので顔を覚えていらっしゃる方も多いだろう。
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彼は今、9月にロンドンのウェンブリー・アリーナ(ウェンブリー・スタジアムのとなり)で開催される50周年記念コンサートの仕込みに取り組んでいる。
また新しく始まる50年に向けて意気揚々とした若々しいスピーチが印象的であった。Jim_IMG_5920
さらにマーシャル社からマーケティング&アーティスト担当のニック・ボウコットが登壇。
彼は元グリム・リーパーのギタリストでジムとの付き合いも深く長い。Jim_IMG_5921
ジムを出来る限りの爆音で送り出そうと、参席者全員に手を叩き足を鳴らすよう求めた。
ドド~っとモノすごい音が会場を揺るがした。
ユーモアあふれるニックらしいスピーチであった。
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他にジムのドラム教室の生徒であり、ジムの店の最初の従業員だった方や、ジャズ歌手のデイム・クレオ・レーン!(仲良しだったそう…知らなかった!)といった方々もスピーチを披露。Img_5837 また、ジムはマーシャルだけでその名を世に知らしめたワケではなく、OBEの勲位が示す通り、病院やスポーツ団体など多方面にわたってたくさんの寄付をした篤志家としても高名であった。
一方では、ジムが世界的なギター・アンプを作っている会社の創業者であることを知らない人も多かったらしい。
そうしてお世話になった方々からの心温まる言葉も寄せられ、ジムの生前の偉業がさらに浮き彫りにされた会となった。Img_5927関係者のスピーチがすべて終わり、宴もたけなわ。Img_5930ステージにはジャズのコンボが登場し、ジムの愛唱曲を演奏した。Img_5954演奏にはクリスも参加して、会の最後を華やかに締めくくった。Img_5952 下は参列者に配られた会のしおりとジムの歌が収録されたオーディオCD『Reflection of a Man』。こうしてジムの声が参列者の元に半永久的に留まることとなった。Jim_IMG_8480
そのしおりの内側。ボロボロのキャビネットに刻まれたジムの言葉は「私の辞書には世界で最高のものは音楽だ…と書いてある。音楽にかなうヤツはいない」…その通りだ。Jim_IMG_8491
後先になったが、会の冒頭に上映されたフィルムにはツェッペリンの「Whole Lottta Love」に乗せてジミ・ヘンドリックス、リッチー・ブラックモア、ピート・タウンゼンド、The Who、スパイナル・タップ、ゲイリー・ムーアが登場した。そしてフィルムの最後に出た文字は「To Be Continued」…。

そう、音楽がある限りマーシャルは不滅なのだ…。
もう一度言おう…ありがとう、そして、さよならジム!
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そして、またマーシャルの新しい50年が始まった!
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 この時のイギリス滞在のレポートをShige Blogに掲載しました。併せてお楽しみください!

Shige Blog はコチラ⇒イギリス紀行2012
 
200 (敬称略 2012年5月27日イギリス、ミルトンキーンズ、ウィルトン・ホールにて撮影)