様式美大作戦2024<中編>~AYA PROJECT & APHRODITE
目黒鹿鳴館での開催が今回で最後となる『様式美大作戦』。
パイプオルガンの荘厳な音に包まれて2番手で登場したのはAya Project。
最近、チョット思うところが合って調べてみたんだけど、オルガンって楽器はパイプオルガンのように笛の原理で鳴らすタイプと、リードを使って音を出すタイプがあるんだってね?
言葉としては前者を「オルガン」、後者を「ハルモニウム」というのだとか…。
日本語では「風琴」。
誰が名付けたのかは知らないが、「風で鳴らす琴」なんて趣があっていいね~。
ちなみにハーモニカは「口風琴」なんて呼ばれていたことがあった。
ハーモニカもリード使って鳴らす楽器なので、日本人にとってのオルガンは「リード・オルガン」を指すのかも知れないな。
もうチョット言うと、「手風琴」はアコーディオン。
一方、パイプオルガンは日本語で「管製風琴」という。
さて、Aya ProjectがMarshall Blogにご登場頂くのは昨年に続いてこれで2度目。
Aya
鈴木広美
水元まりお
堀江睦男
1曲目は「Brug Eltz」。
早速「城塞」が出て来た!
ドイツの3大美城のひとつ「エルツ城」をテーマに据えたハード・ドライビングな1曲。
Ayaさんのキーボーズと…
広美さんのギターのソロが次々と現れ出て来る場面をドラマチックに彩っていく。
ツカミはバッチリ!
1曲目でさっそくAya Projectの世界を組み上げた。
矢継ぎ早にAyaさんの独奏。
まるでフル・オーケストラのようなスケールの大きなキーボーズが会場に鳴り響く。
広美さんが奏でるテーマ・メロディはエキゾチック。
曲は「Night at Oakley」。
ステージに上がっているMarshallは「JCM2000 DSL100」と「1960A」。
ザックザクと切り込んで来るリズムが心地よいミディアム・テンポのヘヴィ・ナンバー。
かと思うと場面が変わってテンポ・アンプ。
Ayaさんのピアノ・ソロが飛び出す。
様々な楽器を駆使する「鍵盤をフィーチュアしたロック」の権化のような1曲だ。
タイトルにある「Oakley」とは、テムズ川の上流ウィンザーにある「Oakley Court(オークレイ・コート)」という19世紀の中頃に建てられた貴族の館のこと。
今はそれが高級ホテルになっていて、Ayaさんはそこの滞在した経験をお持ちだ。
そういえば私もテムズ川上流について記事を書いたことがある。
興味のある方はコチラをご覧アレ。
↓ ↓ ↓
①【イギリス-ロック名所めぐり】vol.32~ハマースミスが好きだった <前編>
②【イギリス-ロック名所めぐり】vol.33~ハマースミスが好きだった <後編>
「こんばんは、Aya Projectでございます。
今日は『様式美組合』の一大イベントにお越し頂きましてありがとうございます!
目黒鹿鳴館では最後となる『様式美大作戦』でございます。
Aya Projectは中世ヨーロッパのお城、魔物、そしてドラゴンなどイギリスの伝説をテーマにした曲を作っている様式美インスト・メタルのバンドです。
大丈夫ですか~?」
「今日はこの歴史ある鹿鳴館をイギリスの古城の地下だと思って、ドラゴンや魔物、そういう物を感じつつ映画を観ているような気分で映像を思い浮かべながら聴いて頂きたいと思います。
Aya Projectはバンド・メンバーの皆さんに応援して頂いて今年で活動5周年となりました。
ありがとうございます!」
とココでそのバンド・メンバーを紹介した。
続いての曲は女性の亡霊をテーマにしたという「Silky」。
♪グバ~っと音が広がるAyaさんの深遠なキーボーズに…
広美さんのソロが重なる。
途中からボトルネックを使って独特な場面を作り上げた。
情景が次々と入れ替わる中、曲は2人のテーマ提示やソロを繰り返しながら進んでいく。
Ayaさん、早くもエキサイト!
次はドラゴンいってみよう!
堀江さんのフィルがバシッと決まって…
曲は「Ominous Dragon」へ。
「ominous=不吉な、演技の悪い」というタイトルからは想像しにくい、鍵盤の上のAyaさんの指も軽やかな爆走ナンバー。
ギター・ソロだけでなく、メイン・テーマのバッキングがまたカッコいい。
サオ・チームもノリノリだ!
私的にはナントなくアーロン・コープランドの「Rodeo」を連想させてくれてゴキゲンなの。
快調、快適極まりない爆走ぶりに会場ももちろん大盛り上がり。
ガラリと替わって重々しくスタートするのは「Faireis on the Eastern Green」。
コレまた「fairy=妖精」っぽくないな…と思ったらやっぱり「東の野原からやって来る魔物」というイメージなのだそうだ。
カッチリとした3連のグルーブが心地よい!
ココでも広美さんと…
Ayaさんの丁々発止としたソロが展開した。
「今年で5年目となるAya Projectなんですが、なんとサード・アルバムを発売します!
5年間で3枚目のフルアルバム…ライブ盤を入れて通算8枚目でございます。
ありがとうございます!」
アルバムの予約のご案内。
今度のアルバムにはクラシックとロックを融合させた感じの曲やロック調にアレンジしたクリスマス・キャロルの曲も収録されていて今までとはチョット違う感じに仕上がっているそうだ。
さらにCDには着物姿他、Ayaさんの色んな写真も拝見できるとのこと。
こりゃスクルージもビックリだ!
かつてAyaさんがいたウェールズの湖水地方にある湖の物語を「Ayaサウンド」にした「Legend of the Lake」。
まずは堀江さんのドラム・フィルから。
これまた手に汗握るドライビング・チューンで広美さんのギターが冴えわたる!
Ayaさんがシンセサイザーで奏でるテーマ・メロディが宙を舞う。
寸分のスキもないヘヴィなバンド・アンサンブル!
Ayaさんは再び鍵盤に右足を乗せて感情を爆発させた。
曲が終わると背後のムーグに手を乗せ、Ayaさんのソロが始まる。
コレでタップリと幻想的な空間を作り出しておいて…
元の体制に戻りオルガン他の音色を複合させた壮大なソロを披露した。
そのまま切れ目なしに次の曲「Overturn」へと続く。
これがまた凄まじくハードなアンサンブル!
その中でAyaさんは音色をとっかえひっかえしながらバラエティに富んだパーフォーマンスを見せてくれた。
もの悲し気なピアノの独奏ではじまる「The Chaos」。
まったく「ケイオス」にならないクリアでシャープな演奏がスリリング!
広美さんと…
まりおさんの高速のキメも完璧!
Ayaさんのムーグのソロから…
再びボトルネックを装着した広美さんが異国情緒を感じさせるメロディを奏でる。
何ともパノラミックな1曲だ。
「3曲続けてお送りいたしました。
『Overturn』と『The Chaos』はセカンド・アルバムの最後に収録されているんですが、そのストーリーが今度のサード・アルバムに続くという展開になっています。
つまり、ファースト、セカンド、そしてサードと3部作となっております」
…とアルバムの内容を説明。
また昨年の鹿鳴館でのライブの音源をCD化した『Live Ominous Dragon』を含むアイテムが今回の屋台村に並んでいることを案内した。
「それでは次の曲で最後です。
『歌って~!』と言われたのですが歌えないので、ウフフ。
今日はベースのまりお先生に次の曲の振り付けを考えてきてもらいました。
どんな感じなんでしょうか?」
「エクササイズだと思ってやってください!」
両手を高くあげて左右に大きく動かすまりおさん。
「まりお先生が曲の中でコレをされましたら皆さんご一緒にお願いします!」
「もう最後の曲ですからね、盛り上がっていきますよ!」
Aya Projectのステージの締めくくりは堀江さんと…
まりおさんのコンビネーションが煙を出してしまいそうなハード・ブギ「Dule」!
シンプルでカワイらしいテーマ・メロディがステキ!
キーボーズとギターのスリリングな掛け合い!
「さぁ、皆さん準備はいいですか~?
私がカウントしたら右から行ってください!」
まりおさんが予行演習通りに両手を上げて右へ左へ。
もちろんお客さんもそれに合わせて手を上げながら右へ行ったり左へ行ったり。
大変盛り上がりました。
お客さん参加の楽しみもあってAya Projectのステージは最高に賑やかなモノなった。
「来年も東京に来れるように頑張りますので応援よろしくお願い致します!
今日はどうもありがとうございました」
最後はみんなで並んでご挨拶。
「ありがとうございました!」
3番目に登場したのはAPHRODITE。
『様式美大作戦』のメイン・アクトのひとつだけあって貫禄十分!
様式美党総統・岡垣"Jill"正志
荒木真為
藤本泰司
関勝美
堀江睦男
オープニングは「Before the Dawn」。
続けて「Worship」。
ハードでスリリングな2曲を冒頭にブチかました!
そして、おなじみ「人形愛」。
岡垣さんのキーボーズの独奏からあのフレーズが出て来て…
「Long Live the Dead」を次に持って来た。
最近は「詩人シャロウ」が出て来ないナァ。
「難解過ぎてわからない」からかな?…イヤ、コレは決してふざけているワケではなくて、一番最初にAPHRODITEを観た時にすごく印象残ったからなのです。
リズミカルに「Holy Unholy」。
「くそっ、マジかよ、しまった、ヤバい、マズい、ちくしょう、なんてこった」なんて時に向こうの人は「Holy shit!」ってよく言うけど、日本人はそんな言葉を使ってはイケません…使ってないか。
総統も最後の鹿鳴館とあって気合が入りまくる!
その2人をグイグイと押し出すリズム隊の2人。
キャリアと経験を備え合わせた様式美党の鉄壁のメンバー。
そういえばAyaさんは「様式美組合」って言っていたな。
泰司さんのギター・ソロを経て…
真為さんが「Heal Your Heart」を激唱。
MCで真為さんがウマいこと言っていたな。
このイベントを指して「盆と暮れを足しっぱなし」って。
要するに「両方を足して2で割らない」というワケ。
終演後、真為さんにお願いしてこの表現をどこかで使ってもよいというお許しを頂いたので、そのウチまたMarshall Blogに出て来ることがあると思います。
そんなエキサイティングな内容だからして岡垣さんの足が鍵盤に上がらないワケがない!
そして最後に「Nauseous」を演奏。
「nauseous」というのは形容詞で「ムカつく」とか「吐き気を催させるような」という意味。
曲はその正反対!
「キーボーズ!」
ガッツ・ポーズをキメるJill総統!
一方、真為さんは観客をアオる傍ら、何度も上がった目黒鹿鳴館の舞台に心の中で別れを告げているようだった。
こうしてAPHRODITEの目黒鹿鳴館最後のステージを締めくくった。
APHRODITEの詳しい情報はコチラ⇒Masashi "Jill" Okagaki Official Website
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