Doogie White featuring JIEN TAKAHASHI~'Stranger In Us All'<後編>
レポートの<後編>はドゥギーのMCから。
「今日は演る曲がたくさんあるんですが時間が限られています。
でもみんなで一緒になれる曲があります。
この曲が日本でも同じなのかどうかわからないけど…というのは、スウェーデンは違うのを知っているんですよ。
それとイタリアも違うのを知っています」
するとジエンくんが「♪ハッピーバースディ」のメロディを弾き出した。
コレね、ドゥギーが言っているのは多分、この歌が「♪ハッピーバースディ・トゥ・ユー」という文句で歌われるのは全世界共通だと思われているかも知れないが、実は国によってはそうではない…ということなのだと思う。
コレは私にも経験があって、大分前にロンドンのハマースミスのホテルを定宿にしていた頃のこと。
そのホテルの1階にはレストランが入っていて、ある時盛大に誕生日のパーティが催されていた。
どんなものかと思って少しの間覗いていたところ、折よくみんなでこの歌を合唱する段になった。
あのケツ2小節のイントロが聞こえてきて、当然のごとく「♪ハッピーバースディトゥユ~」と歌い始めると思っていた。
ところが!
おなじみのメロディに乗った歌詞がどこの国の言葉なのかサッパリわかないのだ。
ドイツ語とかフランス語なんでものじゃない。
そしてその席で歌っていた人たちの口からはただの1回も「Happy birthday」という歌詞が出て来なかった。
コレね、モノスゴくヘンな感じがするんですよ。
頭の中で用意していたことと目の前で起こっていることに大きな差があるから。
大したことではないんだけど、本当にアレは奇妙な経験だった。
さて、ドゥギーの言っていたことについて調べてみると…なるほどスウェーデンでは「Ja må hon leva(ヤー モー ホン レーヴァ)」とか「Ja må han leva(ヤー モー ハン レーヴァ)」と歌うらしい。
またイタリアは「Tanti Auguri a Te(タンティ・アウグーリ・ア・テ)」と歌うそうだ。
私がホテルで聴いた「ハッピーバースディ」もまさにこんなイメージだった。
ところでどうして「ハッピーバースデイ」なのか?
ドゥギーが叫ぶ…「今日はJillの誕生日ダァ~!」
この日はタマタマ岡垣さんの誕生日だったのだ!
おめでとうございます。
大声援に応える岡垣さん!
「♪ヤー モー ホン レーヴァ」もしくは「♪タンティ・アウグーリ・ア・テ」!
ドゥギーが「Don't be afraid…It's the Black Masquerade」と低い声で囁いて次の曲に移った。
そう、曲は『Stranger In Us All』の7曲目「Black Masquerade」。
岡垣さんのお誕生日を祝うように派手に展開する強烈なドライビング・チューン!
オリーの図太い低音と…
美河さんのパワーが大炸裂!
「ハイ、ハイ、ハイ、ハイ!」と客席をドゥギーがアオりまくる!
ジエンくんから…
岡垣さんのシンセサイザーにソロのバトンが渡され大いにエキサイト!
しかし、こういうハード・ロックの中で鳴り響く「ムーグ」っていうか、シンセサイザーの音って実にカッコいいものだ。
岡垣さんの様式美がいいように発揮された。
続くハードなシャッフルは「Silence」。
コリャ問答無用でカッコいい。
でも、ドゥギーが人前で歌うのはコレが初めてのこと。
つまりライブ・ステージでは「世界初演」だったんだって。
お客さんラッキー!
そんな機会だからかジエンくんのソロにも気合が入る。
コレは今日ジエンくんが使っているMarshall。
へッドは「JVM410HJS」。
スピーカー・キャビネットは「MF400A」と「MF400B」。
これらを両方鳴らしている。
外部のプリアンプなどを使わず、チャンとプリ回路もパワー回路も真空管をフル稼働させたヘッドを用いて大出力で鳴らす。
音の太さとヌケが凄まじかったわ。
こんな音で弾いていればそりゃヤッコさん、ニコニコしたくもなるでしょうよ。
さてハイライト。
岡垣さんが深遠なオルガンを響かせて…
ドゥギーが少し歌を被せただけで歓声が上がった。
そしておなじみのギター・リフ。
曲は「Still I'm Sad」だ。
元はジェフ・ベック期のザ・ヤードバーズの曲ね。
一段と気合の入ったシャウトを聴かせるドゥギー!
ジエンくんがワーミー・バーを効かせたソロを披露すると…
オリーもピックアップ・ソロをカッコよくキメた。
怒涛のインスト・パートが展開すると…
一転して水を打ったような静けさから無伴奏で岡垣さんがオルガンを弾き始める。
そして聞えて来たのは「Child in Time」。
岡垣さんなら目をつぶって…どころか居眠りをしながら自動操縦で弾けるであろうオハコ中のオハコだ。
ところがそこにドゥギーが乗せた歌は「♪Sweet child in time」ではなくて、「When a Blindman Cries」のメロディだった。
ディープ・パープルの『Machine Head』のボーナス・トラック。
2人でシットリと演出したこのシーンはドゥギーによるアイデアで、この日、絶対に演ることにキメていたそうだ。
そして岡垣さんの本格的なソロ。
シンセサイザーから入って…
オルガンを前後に揺さぶりながら必殺のフレーズを積み重ねていく。
そして最後はいつもの足弾き。
やっぱりコレが出ないと岡垣さんじゃない!
そしてドラム・ソロへ。
美河さんのスティックとツーバスが容赦なく暴れ回った!
再びバンド・アンサンブルに戻ってこの一大スペクタキュラーが幕を閉じた。
そして、何となく流れで演っちゃたという「Man on the Silver Mountain」。
コレ、ホントにセットリストに載っていなかったのよ。
お客さん、ラッキー!
もちろん岡垣さんにとっては自家薬籠中の1曲。
ジエンくんがソロを弾くと…
ドゥギーもマイクスタンドをギターのネックに見立てて指をピロピロ。
場面は替わって…ドゥギーがア・カペラで気持ちよさそうにひとウナり。
一転、マイクスタンドを振り回してハードに歌ったのは「Emotional Crime」。
ジエンくんは何度もステージを横切って岡垣さんの傍でプレイ。
岡垣さんもジエンくんを引き立ててくれた。
「様式美」の絆は強い。
そうしてジエンくんはこの曲でもスケールの大きなギター・ソロを披露した。
ところで、『Stranger In Us All』の国内盤のボーナス・トラックとなっていたこの曲も「Silence」同様、ライブ・ステージでは世界初披露となったそうだ。
今日のお客さんはヤケにラッキーだな~。
いよいよ本編の最後。
締めくくりに取り上げたのは「Hall of the Mountain King」。
ん?コレってグリークの「ペール・ギュント」じゃんかッ?
こんな曲も演っていたのね?
ハハハ、同じ「ペール・ギュント」から「朝」もクォートされているわ。
「ペール・ギュント」とはスウェーデンの劇作家ヘンリク・イプセンが1876年に発表した戯曲の主人公の名前。
イプセンがノルウェイのグリークに依頼して劇用の音楽をつけてもらった。
イプセンといえば『人形の家』。
男性優位の社会で自立を果たそうとする主人公の「ノラ」があまりにも有名。
私も読んだけど、結構「だからどうした?」だったナ。
ライブの記録を録っている家内のメモに「運動会みたいな曲」とあって、一体何のことかと思っていたのだが…なるほど!
曲の後半でテンポをアクセルレイトしていくと…
おお!不思議なことにこのグリークの有名なメロディが、運動会の徒競走の時に使われる「クシコス・ポスト(Csikos Post)」に聞えて来るではないか!
険しいメロディを全員が一丸となった壮絶なパフォーマンスで編み上げていく!
最後にそんな大発見もあって、見どころ&聴きどころテンコ盛りの本編となった。
ドゥギーの極上のステージ運びに盛大な歓声が送られた!
アンコール。
「今回の来日は2回の公演でしたが、東京に戻ってくることができて最高でした。
本当にありがとうございました。
ココに来ることは本当に『喜び』でしかありません。
そして色々なメッセージをありがとうございました。
私からのメッセージはコレです…Long live rock'n'roll…」
客席から大きな歓声が上がった!
アンコールは景気よく「Long Live Rock'n'Roll」から。
「Give it to me! 」とドゥギーが叫ぶとお客さんは「♪Long love rock'n'roll」の大合唱!
ギター・ソロと掛け合いから…
「Black Night」が出て来てこれまた「♪オ~オオオ~オオ」と大合唱!
そのうちドゥギーのリードで「Long live班」と「Black Night班」に分かれてスケールの大きなコール&レスポンスに展開していった。
エラく盛り上がったわ~。
お客さんはさぞかし楽しかったことでしょう!
最後にもう1曲…「♪東京の兄弟の皆さん!♪我々がココを離れる前にもう1曲演ります!」とア・カペラで節をつけて次の曲を紹介した。
岡垣さんの静謐なオルガンに…
ジエンくんの泣きのギターが絡む。
そして情念を込めたドゥギーの歌。
曲はバラードの「Temple of the King」。
やがて美河さんと…
オリーのリズムが入って一段とロマンチシズムが高まる。
ジエンくんがソロを弾いている間にドゥギーは客席へ。
お客さんに囲まれながら熱唱を展開し…
やがてステージに戻ると…
「Can you sing for…」と客席に呼び掛けた。
ジミー・ベイン、コージー・パウエル、ロニー・ジェイムス・ディオらの名前を挙げ、天国にいる偉大なミュージシャンたちに歌を捧げたのだ。
そして最後の声を振り絞って演奏を終了した。
ドゥギー自ら「ハッピーバースディ」を歌って岡垣さんと2人で喝采を浴びた。
最後はみんなで記念撮影。
ジエンくんはセットリストをお客さんにプレゼント。
「ありがとうございました!」
そして、ジュディ・ガーランドの歌声と鳴りやまぬ歓声を後に5人はステージを離れた。
見どころ満載のとても楽しいロック・ショウだった!
Jien Takahashiの詳しい情報はコチラ⇒VIOLET ETERNAL OFFICIAL WEBSITE

