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2024年9月18日 (水)

D_Drive Seiji~ギター・インスト LIVE

 
地元の関西エリアでは幾度となく開催しているD_Drive Seijiのソロ・コンサート。
D_Driveが『フロア・ライブ』と称して何度も演奏して来た新横浜の「strage」のステージにSeijiさんが立った。
strageでのソロ公演はコレが2回目。
前回は先約があってどうしてもお邪魔できなかったので、私がSeijiさんのソロ公演を拝見するのはコレが初めてのこと。
一体、どんなんなってんだ?…と、楽しみにしていたライブのひとつだった。
10v会場内の壁に貼られたD_Driveのメンバー4人のサインが施されたポスター。
それが1人…となるとやっぱりチョット寂しい感じがするね。
でもD_Driveは解散したワケではありませんからね。
今日は他のメンバーも展開しているD_Driveの「課外活動」だ。
30「Seijiソロ」のオリジナル・グッズを中心とした今日の屋台村のようす。40ウォーミングアップをしながら楽屋でひとり出番を待つSeijiさん。
座っているのはいつもの場所だけど、今日はひとりぼっち…「ソロ」だから。60定刻通りにショウがスタート!
70_hpステージをひとりでわが物にしたSeiji。80vオープニングは「1,000,000 hp」。
コレは意外。
D_Driveのショウでは本編の最後あたりに持ってくる曲を一番最初に披露した。120伴奏はバッキング・トラックだがやることは同じ!
1261人しかいないのでソロを回すことはできないが、孤軍奮闘、4人分の演奏をうまくまとめたような「気合のカタマリ」のようなパフォーマンスを見せてくれた。125「ありがとうございます!ギタリストのSeijiです。
初めましての方いらっしゃいますか?
多分、ほとんどの方が何度かお会いしてると思うんですが、このソロのライブは初めてという方?…
あ、結構いらっしゃいますね。
ありがとうございます。
D_Driveは解散しておりませんが、今年の3月に活動方針を変更して、これまで年間に80本から90本くらいやっていたライブをいきなり2本とか3本に減らすことになりました。
コロナでいろいろ状況が変わり色々と考えた結果、そうなったワケです。
長年の間、毎週毎週車に揺られて47都道府県、あるいは海外、色んな所へ行く生活を続けて来たので急に環境が変わるとなんかポッカリ穴が開いたような気分になってしまってシックリこない。
そこでそれを機に自分も何かしようということでこのソロ活動をすることにしました」0r4a0113「ソロ活動でも演っているのは結局D_Driveの曲なんです…というのは、これまで自分が作った曲はすべて問答無用でD_Driveのレパートリーになっていたんですが、コレは自分で演りたい音楽の表現が『イコールD_Driveの音楽』ということなんです。
ですからソロで自分を表現するとなると、やはり自分の作ったD_Driveの曲になるんですね。
反対にこのソロ活動で新しい曲を作ったとすると、恐らくそれがまたD_Driveの曲になるでしょう。
4人で演奏する迫力には到底敵いませんが、D_Driveの曲をナマで聴きたいと思った時はボクのソロ活動でつないで頂けたらうれしく思います。
よろしくお願いします。」130v_2「非常に古い曲」と紹介した「Mystery Zone」が続く。
2002年に開かれたギタリストの表現力を競うギター・インストゥルメンタルのコンテストのために作った曲。
800人がエントリーし、この曲はベスト4まで勝ち抜き、音源がCDにもなった。
150v_mz今でもD_Driveの単独公演では時々取り上げられる1曲。
初期の作品とだけあって、今でもみずみずしい魅力を湛えている。160v「ところで皆さん!今日はご覧の通りMarshallで演ってるんですよ!
メッチャ気持ちいいですね。やっぱりラインで音を出すのとワケがちゃう。
この活動は電車や地下鉄での移動が多いので自分が愛用しているMarshallを運んで歩くことがムズカシイんです。
そこで、今日はMarshallのShigeさんに手伝ってもらったワケです。
ありがとうございます!
やっぱりボクはMarshallが大好きです!
もうメッチャ『音に酔う』って感じで最高ですよね。
本当に気持ちいいです」
イエイエ、どういたしまして。ご紹介ありがとうございます。
やっぱりいい音楽はいい音で楽しみたいですもんね!0r4a0035 今日のステージに上がっているのは…
Seijiさんが愛用している「JVM410H」と「1960AX」の組み合わせ。110v向かって右側にはもうスペアとしてもう1台のJVM410Hと「1936」をセットした。100Marshallを紹介した後は次の曲の説明。
こうしてショウは各曲の解説をしてから演奏に入るスタイルを採った。
演奏曲の説明についてはD_DriveのライブのMCでも触れて来たし、『MAXIMUM IMPACT』や『DYNAMOTIVE』のライナーノーツに私が書いた解説文が掲載されているので、ココでは詳しく文字にしないことをご了承頂きたい。
反対に「Seijiさんの曲解説」を解説すれば、Seijiさんは歌詞のない音楽を演奏しているので、作曲した時の背景や感情を聴く人に知ってもらい、曲の「行間」を読んで一層楽しんでもらいたいということ。
Seijiさんの名言「D_Driveの音楽には『歌詞』はないけど『歌』はある」を裏付けているというワケ。180vSeijiさんのリードでみんなで手拍子。
『DYNAMOTIVE』収録の「I Remember the Town」だ。
190v_irtスリリングなギター・アンサンブルのパートを今日は1人でこなし…200vお客さんと手拍子。
Seijiさん、とても楽しそうだ。210「なんか思い出しましたでしょう?……ハイ、皆さん思い出したそうです。
昭和感がチョットでも伝わればいいなと思って作った曲なんですよ」
ということでラジカセをアンプ代わりにして弾いたギターの音でイントロを奏でているのはファンなら誰でも知っている話。

Img_3979


ハイ、私は思い出しました。
そこで私が個人でやっている、Marshall以外のことを題材にしたShige Blogに「思い出の街」について3編ほど投稿した。
「映画の街」の思い出について。
ところで…「昭和大好き」を自称するSeijiさんだが、実は「平成の人」なんだよ。
何のことか?…「各時代でどれだけの時間を過ごしたか?」ということで言うと、昭和は64年、平成は31年で終わっているので、昭和33年以前に生まれた人以外は今のところ「平成」で過ごした時間が一番長いのだ。
こんなジジイの私ですら、昭和で27年、平成で31年、永遠に平成で過ごした時間の方が4年長い。
チョット前までは「昭和生まれ」が「古い人間」を意味する風潮が強かったが、最近では昭和の時代を生きたことを誇りにする向きが濃厚になった感じがするでしょ?
でも多くの人は「平成の人」なんですな。
別に「平成」だからワルいってことはもちろん何もないどころか「平成」って実は偉大な時代だったんだよ。
どういうことか…それは德川幕府が成立した以降は270年間にわたって対外はもちろん、国内でも一切戦争がなかった。
それが明治維新以降「西欧に追い付け追い越せ」とばかり、日露、日清、日中、大東亜とこの国はアメリカみたいに戦争ばっかりやっていた。
第二次世界大戦末期、日本は世界の53か国を相手に対戦し、国費の86%が軍事費に費やされ、そのウチの70%以上の金が軍備に関わる大企業に流れていた…今、憲法をひん曲げてまたコレをやろうとしているワケだけど、とにかく日本は大変な戦争国家だった。
ところが「平成」の時代、日本には国の内外を問わず、戦争が全くなかったんですよ。
だから「平成の平和」の恩恵を受けた「平成の人」は責任を持ってその「平和国家」を次代にパスする大きな責務があるんですね。
そのためには国民が紙の本を手に取って「民主主義」の勉強をしないとダメです…まずは「憲法」から。
さもないと音楽なんか自由に演ったり聴いたりできない時代が間違いなくまたやって来ますよ。

Img_4029


…と、SeijiさんはMCで述べていません。
ゴメン、「昭和の思い出」からのプチ脱線でした。
お口直しに美しい曲を。
海辺をドライブをしている時に目に入った海と空が織りなすグラデーションの美しさを歌った1曲、「Cassis Orange」…違う、違う!「Gradation」。
230_grdやっぱりいい曲だ。
この曲を初めて聴いた時の感動は少しも色あせていない。
Marshall Recordsからのファースト・アルバム『MAXIMUM IMPACT』に収録。
しかし、どんなに景色が美しくてもワキ見運転はイカンぞ。Img_3938 続いてはSeijiさんがテレビドラマ『イカゲーム』にインスパイアされて作った「だるまさんは転ばない(Red Light, Green Light)」。
最近、Marshall Recordsがインスタグラムの改訂をしたが、D_Driveのプロフィールにはこのことが記されていた。
D_Driveのキラー・チューンのひとつというワケだ。
 
000_mri_3
「『イカゲーム』なんですが、アレって『続編あるやろ?』という終わり方だったんですよ。
案の定、だいぶ時間が経って続編の制作の噂がたちました。
そこでタイアップを狙ってます!
ワンチャンあるかな~と期待しています。
ピッタリですもん。聴いてもらったらわかります。
ドラマを観ているという前提ですけど、キャッチ―で良い曲であることは間違いないありませんからね」
430vレギュラー・チューニングのギターに持ち替えて演奏する「Red Light, Green Light」。
350_cmpグイグイと畳み掛けてくる鋭角的なメロディとドラマチックな曲展開。
270vソロでもこの曲のスリリングな魅力は損なわれることはないのだ。
280次は「M16」。
D_Driveのステージでも以前より時折この曲について解説をすることがあったが、ソロのステージでは一段と詳しく説明を加えた。
「舞台はロサンゼルス。カーチェイスによる逃亡劇です。
フリーウェイをズ~っと犯人が逃げています。パトカーやヘリコプターも追いかけている。
ところが、道が渋滞していて犯人は仕方なく車を降りる。
その時にトランクを開けてそこから銃を取り出す。
その銃が『M16』です。
車の影に隠れて警官との銃撃戦になる…そんなドラマですね。
M16は超有名なライフル銃なんですが、ボクは小学校の時にコレのモデルガンを持っていたんですよ。
お年玉を貯めて買って、友達と警察ゴッコをして遊んだものです」0r4a0108 「大阪では御堂筋線の梅田駅が『M16』なんですが、チャイますからね!
カッコいいロサンゼルスの曲なんです!」
昔の御堂筋線の梅田駅は銃撃戦並みに危険度が高かった。
今ではホームの幅が倍になったので問題がなくなったが、私が大阪に住んでいた約40年前の梅田駅はホームの幅が狭く、殺人的に混雑する朝のラッシュ時には改札で厳格な入場規制をしていた。
さもないとホームから人が落ちて多数の死者を出してしまうからだ。
私も東京生まれ、東京育ちで幼い頃から混雑する駅や電車には慣れっこだったがコレには正直驚いた。
290vコレもD_Driveを代表する1曲。
昔はテーマのメロディが私には大変「和風」に聞えたものだった。
それは「和風」ではなく「D_Drive風」ということだったのだ。
私にとっては大変に「D_Drive」を感じる曲。
300_m16今日は1人しかいないので「ひとり銃撃戦」。
320vそれでも曲の密度に変りはなし。
Seijiさんは凶悪な逃亡犯に扮して強力な弾丸を始終放ち続けた。310v次の曲に行く前に…
昔、50年前の話、東京の御徒町に「MGC」というモデルガンを製造販売する会社があった。
他にも「CMC」とかいうメーカーもあったが、我々の世代では「MGC」が一番正統派のブランドだった。
ギター・アンプでいえば「Marshall」だ。
下の「長物」と呼ばれていたMGCのライフル系のカタログにはコルト・トンプソンやシュマイザーやステンマーク等の代表的なマシンガンが載っていて、その中の最も近代的でカッコよかったのが「M16アサルト・ライフル」だった。
ナニせデューク東郷が愛用している銃だから。
ウィンチェスターも含めてそうした長物のモデルガンは大変高価で、小学生が手にするにはお年玉を数年の間手を付けずに貯めておく必要があるほどの価格帯だった。
その中でもM16は最も値段が張るモデルだったと思う。
私の友達でコレを持っていたのが家族でモデルガンをコレクションしていた野村くんだけだった。
ま、それぐらい「高嶺の花」だったワケ。
MGC製か否かは確認していないが、いずれにしても「M16のモデルガン」はSeijiさんの世代にとっても小学生の頃にはかなり高価な商品だったと思いますよ~。
スゲエなSeijiさん。
次に作る曲は「I Rememer the M16」か「Attraction M16」だな。

Mgc 「次で前半最後の曲になります。
『夜明けのシャンパン』という曲です。
『えっ、そんな曲知らんわ!』と思われるかもしれませんが、D_Driveでは『Champagne』というタイトルで演っています。
コレも2000年…ですから24年前に作った曲です。
600人がエントリーしたコンテストがあったんですが、大阪代表で2人残って、一緒に最後まで残った子が亡くなった藤岡幹夫くんだったんですよ。
ヘヴィ・メタルでね、メチャクチャ上手かった…すごく残念なことをしました。
そういう思い出がある曲です」
幹大ちゃんか…20年位前、Marshallのクリニックのデモンストレーターをお願いして国内を回ってずいぶん一緒に仕事をしたものだった。
晩年はスッカリ忙しくなってしまって会うことはほとんどなかったが、ある時、池尻大橋の駅に私が降り立つと、それを見かけた幹大ちゃんがワザワザ乗っていた電車から飛び降りて、「ウシザワさ~ん!」と大きな声を上げながら走り寄ってくれた時に見た姿が最後になってしまった。
330「Champagne」もD_Driveのワンマン公演の時によく取り上げられる曲だ。
大胆にディレイを使ったサビのメロディが印象に残る作品。

0r4a0172 Chiikoちゃんのドンドコドンドコというドラムスに乗って各メンバーのソロが次々とフィーチュアされるのがこの曲のハイライトなのだが、今日はSeijiさんのソロをタップリと。
D_Driveってインストゥルメンタルの音楽を演っているが、クラシックと同じでインプロビゼーションのパートが極端に少ないんだよね。
そこがそこら辺のインストのバンドと違ってスゴイところ。
やっぱり手塩をかけて隅々まで作り込んであるD_Driveのような音楽は素晴らしい。360v私もリハの時にすぐに気が付いたが、この曲だけオケの調子が異なっていた。
ベースとドラムスを他の曲とは違う人が演奏しているのだそうだ。
そのドラムスを担当したのが池内さんというChiikoちゃんの師匠だそうです。0r4a0140 しばし休憩の後…390第2部がスタート。
「この前、初めてボクのところに初めて梅子さんがやって来たんですよ。
新しい五千円です。
うれしかったんですが、次の日の大阪のライブの時、物販のオツリで速攻で離れていきました。
それが昨日の物販で梅子が2人になって帰ってきました!」
津田梅子ね…私は高校の時に珍しく勉強することを思い立ち、自主的に数学の夏期講習に申し込んだことがあった。
その会場が津田塾大学の千駄ヶ谷キャンパスだった。
梅子先生が創立した「津田塾大学」はお茶の水女子大学ほどではないにしても、トンジョ(東京女子大学)、ポンジョ(日本女子大学)より少々レベルが上の大変優秀な女子大ですからね。
そんな時にしか同校の教室で学ぶことなんてできないので、マァ、いい経験と言えばいい経験です。
ナンノ役にも立っていないけど。
400脱線いきます。
今日のお題は「文学」だよ。
まずは五千円札から…我々の世代の五千円札といえばまずは聖徳太子なのね。
昔は一万円札と五千円札の両方を聖徳太子が担当していた。
千円札は伊藤博文、五百円札は岩倉具視。
ナンたる長州びいきの人事。
そこへ現れたのは新渡戸稲造。
当時「誰じゃい、このオッサンは?」と訝しんだのは決して私だけではあるまい。
ま、今もよく知らんが「武士道」という著書が一気に有名になったことだけは確かだろう。
皆さんはこの本を手に取ったことがありますか?
この「日本男児」の心得を説いた書物の岩波版は著者が「新渡戸稲造」、訳者が「矢内原忠雄」となっている。
へ?日本人が書いたのにナゼ翻訳が必要なの…と思わない?
実は新渡戸さんはこの本を英語で書いているんですね。
英語の達人だったのだ。奥さんもアメリカ人。
新渡戸さんは「1日3つの英単語を覚えるいい」というようなことをおっしゃっている。
そうすれば1年で1,000を超す英単語が身について英語をマスターすることができる…と。
ならんわい!
そもそも「1日に3つの英単語を覚える」なんてことはムリです。
でも同時通訳を目指すような人は毎日50の英単語を覚える訓練をするんですってよ。
000_ntb 続いては樋口一葉。
梅子になってしまってとても残念でいる。
6歳で渡米した梅子さんもスゴイけど、私は樋口一葉派なんです。
近くに住んでいたことがあったし、美人だったから。
何よりも書く文章がスゲエ。
廻れば大門の見返り柳いと遠かれど、お歯黒溝に燈火うつる三階の騒ぎも手に取るごとく 明けくれなしの車の行来に、はかり知られぬ全盛をうらないて…
いいね~。
コレは有名な『たけくらべ』の出だし。
今、こうした文語文を読むことはできても、学者や研究者を除いては書くことができる人がもうほとんどいないらしい。
まぁ、「読み」もシンドいけど、「書き」に至っては確かに手も足も出ない。
でも声を出して文語文を読んでみるとそのリズム感とか、語感とか、実に気持ちのいいものです。
そんな一葉の人となりを多方面から紹介している森まゆみさんの『一葉の四季(岩波新書)』はなかなかにオモシロイ。
森さんは『谷根千』という谷中・根岸・千駄木の魅力を紹介するタウン誌を運営していた人。
Img_1344本を読むのがイヤなら映画を観たらいかが?
昭和28年(1953年)、今井正のオムニバス作品『にごりえ』。
何しろ出ている役者がスゴイでね。
見応えタップリですわ。
先日亡くなった久我美子が主演する「大つごもり」が好き。2img_0659_2 そして、一葉といえばたいていこのルックス。
ま、コレだけでも明治5年(1872年)に生まれた人にしては十分美人だと思うけど、恐らく実物はもっと可愛かったと思う。Iy たとえばコレ。
上で紹介した森さんの『一葉の四季』に掲載されている写真のウチの1枚。
もちろん向かって右が一葉ちゃん。
お札のポートレイトより全然カワイイ。
大変にモダンで「明治の女性の顔面」にはとても見えない。
この写真を見て思い出すのが…
Hi長崎の三大女傑の「家永エイ」。
お栄さんは万延元年(1860年)の生まれだから一葉よりちょうどひと回り年上。
まるで五月みどりのようなルックス。
大変な美人で、ウラジオストクで身につけたロシア語を流暢に使い、明治24年、時のロシアの皇太子「ニコライ2世」が来日した際にアテンドをして同衾までしたという。
ちなみに他の長崎の女傑とは、お茶の貿易で大成功した(後に没落)「大浦慶」とシーボルトの娘で日本初の女性産婦人科医になった「楠本イネ」。
おイネさんもお父さんがドイツ人のハーフだからしてかなりの美人だったらしいが、それを示す適当な写真が残っていない。
なので、一葉さんとおエイさんが私の「二大明治美人」。
Oei一葉が一時期住んでいた千束には「一葉記念館」という資料館があるので興味のある人はゼヒ行ってみてください。
私がMarshall Blogの脱線のために吉原の勉強をしていた頃、この資料館の担当者の吉原に関する説明に誤りがあることに気がつきましてね、紳士的に訂正して差し上げたことがあります。
「紳士的に」というのは、時折私はボランティアで案内している博物館のガイドさんとバトルしちゃうんだよ。
Img_0655この記念館に行くと、当時いかに一葉が森鴎外なんかに可愛がられていたかがわかる。
文学を志す女子なんかがいない時代ですからね、しかもキャワイイときてるからムリもない。
明治陸軍軍医のトップまで上り詰めた文豪が鼻の下を伸ばしていたなんて情けないような気もするが…。
ところで、普段我々が日本語を話す時、あるいは自在に話すことができる人は5万の単語を使うことができるそうだ。
そこへ行くと英語は2万語でOK。
我々の方が圧倒的に語彙が豊かなんだよ。
そんな中、さすがシェイクスピは4万の言葉を使っていたらしい。
しか~し!
一葉ちゃんに鼻の下を伸ばしていた(推測です)鴎外先生はナント!40万の言葉を使うことができたらしい。
000_sm2ナニせ、「言葉を知っている」どころか鴎外先生はバンバン新しい言葉を作っちゃったから。
正確に言うと、翻訳する言葉が既存の日本語の中になかったので作らざるを得なかった。
例えば、交響曲、空想、民謡、女優、長編小説、短編小説…この辺は全部森鴎外が作った言葉。
ついでに…不可能、経済、価値、連想、打算、電力、無意識なんて言葉は千円札の夏目漱石が作ったそうだ。
一万円札はもっとスゴい。
健康、自由、独立、競争、演説、討論、汽車、版権なんてのは諭吉が当てはめた訳後。
「ヴ」なんてつづりも諭吉の発明だそうだ。
鴎外や漱石の話は下の半藤さんの『明治維新とは何だったのか(祥伝社刊)』から引かせて頂いた。
脱線おわり。
そういえば、この脱線を鬱陶しく思うMarshall Blogの読者もいらっしゃるかも知れない。
ところが、井上ひさしの本を読んでいたら、やっぱり井上先生も脱線が大好きだとおっしゃるんだよね。
とてもうれしくなってしまった。
でもマーブロの脱線は大変ありがたくも多くの皆さんからおホメの言葉を頂戴しています。
Img_1350 ということでSeijiさんが「梅に関する曲を作ろう」と思い立って書いた「U_Me」。
イントロの哀愁のメロディから…
410v_um
「和」のムード漂うヘヴィなパートへ。
この曲は本当によく書けていると思う。
どういうことかと言うと、聴けば聴くほど味が出て来る…ということ。420そんな名曲ゆえ、こっちも少しでもいい脱線をしようと、先日炎天下の中、ワザワザ「梅屋敷」に行って来た。
この話はまた別の機会に…。Img_1331 「次の曲についてはこれまであまり説明する機会がありませんでした。
『9.11』の同時多発テロ事件がありましたでしょ?
アレには大変な衝撃を受けました。
リアルタイムで怪獣映画のシーンを放映しているって本当に思ったんです。
あの時に多くの方々が亡くなられて、もし自分があの中にいたらとか、あの中に知人がいたら…と想像したらツラすぎて言葉にならない。
そういう気持ちを音に表そうと思って書いた曲です。
自分なりに叫んでいるところとかも入れた曲です。
なんか最近は災害が多いでしょう?
今年は能登半島の大地震で始まったし、つい先日宮崎の方でも大きな地震があった…そして関東でも。
皆さん、くれぐれもお気を付けてくださいね」
Img_4072Seijiさんがそんな警告を発して演奏したのは「Runaway Boy」。440_rb『DYNAMOTIVE』に収録された初期の名作。450vこの曲はアタマの「m9」がスライドするところと後半で展開する少し中近東っぽいメロディのアンサンブルから主題に戻るところがナンと言ってもカッコいいのだ。460「ありがとうございます!
そういえば日本テレビの『シュウイチ』でD_Driveの曲がかかっていたらしんです。
結構あるんですよ、『なんでも鑑定団』とかね。
他にもスポーツ番組などでサクッと流れてるみたいですのでゼヒ注意して聴いてみてくださいね」470ココでも曲の由来を説明して「Thumb Up」をプレイ。480v次から次へと飛び出してくる魅惑のメロディ。490「曲の由来」といえば、最初この曲は「Livingston's Tumbs Up」という曲名にしたらどうか?と提案していたんですよ。
ところがMarshall Recordsのボスから「ナンじゃそれは?長い!『Thumbs Up』にせい」と言われて諦めた。
私はいいと思ったんだけどネェ。500v「D_Driveで演る時と少しアレンジが変わっていたりしています。
ありがとうございます。
さて、11月16日に関東でのD_Driveのライブがあります。
隣りの隣の『New Side Beach』で演ります。
本当に少ないD_Driveを観る機会ですのでゼヒお越しください」
220vああ、この曲を聴くと猛烈に上海やNAMMを思い出す。
その曲とは「Lost Block」。
ベルリンの壁崩壊をテーマにした曲。
「Lost Block」というワインの銘柄もあるのだそうだ。550v_lb変拍子のパートがあると説明したSeijiさん。
アレ?この曲は終始3/4拍子のワルツだと思っていたんだけど…
560vあ、ホントだ。
中間のギター・ソロのパートは9/4拍子になっていたのね?
恥ずかしながら、アレだけ聴いていても気がつかなかった!
それはその変拍子が自然だからですよ。
それが優秀な変拍子…とポール・ギルバートが私にしきりに言っていました。570v「残すところあと2曲です。
次は『Attraction 4D』。
『アトラクション』というと遊園地の乗り物とか絶叫マシンを思い浮かべると思いますが、それはそれでもちろん正解です。
『attraction』という単語は『引き寄せる、魅了する』みたいな意味なんです。
で『4』はD_Driveの4人のメンバーのこと。
最後の『D』はD_Driveの『D』。
だから逆に読むと『Attraction 4D』は『D_Driveの4人で魅了する』…という意味になるんですね。
でも今日はボク1人ですので『Attraction1D』です」
580vコレもD_Driveのキラー・チューン。
ゴチャゴチャやらないシンプルなイントロのリフから…
600v一度聴いたら耳にこびついてしまうであろう印象的なメロディが次々に飛び出してくる。
590_a4dコレも海外でとても好評だった1曲。610v「次で最後の曲になりますのでココで物販の紹介をさせてください」。
620v「とっても重たい荷物を持って来てます…ホントにもう腰がヤバいんです。
どうしても荷物を少なくして帰りたいので皆さんご協力お願いします!」
Seijiさんの「泣き売(なきばい)」が炸裂。
フーテンの寅さんみたいに「ヤケのヤンパチ日焼けのナスビ、食いつきたいがアタシャ入れ歯で歯が立たない」とか口上を並べて勇ましくモノを売る行為を「啖呵売(たんかばい)」という。
一方、今回のSeijiさんみたいに湿っぽくお涙頂戴で人様の同情を誘ってモノを売るのを「泣き売」という。
今、テキ屋さんは大変らしい。
というのは、当局の締め付けが厳しいことに加えて、地元優先で素人衆が店を出したり、キッチンカーの登場が商売の機会を奪っているのだそうだ。
だから本当は寅さんみたいに啖呵売をしたり、Seijiさんみたいに泣き売をしてテキ屋ならではのエンターテインメント性を高めるべきなのに、もうそういうことができる人がいないのだそうだ。
ところがこないだ浅草寺の境内で七味唐辛子の啖呵売をやっているのを目にした。
うれしくなって思わずしばらく聴き入ってしまった。530v本編の最後は「The Last Revenge」。
D_Driveの時の人力シーケンサーとは若干異なる音列のイントロSE。630v_lrそしていつも通りのドライビング・ロックに。640飽くことなき挑戦やバトルをテーマにした誇り高き1曲。
「ギタリストSeiji」の存在感をMarshallサウンド高らかに示して本編を締めくくった。650vMCでSeijiさんが触れていた通り、D_Driveはデビュー15周年を記念するコンサートを東京で開催する。
大阪は第好評のウチに先日終了した。
11月16日、会場は「New Side Beach」。660s今日は全編バッキングトラックを使っての演奏で、Seijiさん自身も言っていたように4人集まったナマの演奏の迫力には敵うべくもないのは当然のこと。
同じだったらかえってバンドで演奏する意味がない。
ところが人間の耳ってものすごくよく出来ていて、その迫力の不足分を脳ミソがいいように補ってくれるのだ。
よくコンサートで「最初音が悪かったけど、3曲目ぐらいから良くなった」とかやるでしょ?
アレは音響を何も変えていないのが普通なのだそうだ。
人間は頭の中で「こうだといいのにな…」と願う状態に近づくように耳が自動的に調整してくれる能力を備えているらしい。
つまり、ナマ演奏に慣れている人が、今日のようなバッキング・トラックを使用してのパフォーマンスに接した時、確かにはじめは「やっぱり物足りないな…」と思うのは当たり前のことなんだけど、時間が経つとともに脳ミソがそれを全く気にならないように自動的にしてくれるのだ。
今回もまさにそんな状態だった。
だからD_Driveの音楽にナマに近い状態で接したい人はこのSeijiさんのソロ・ライブを楽しむとよろしいな。
50アンコールに応えて再びSeijiさんがステージに姿を見せる。
「皆さん、本当にありがとうございます。
アンコールをもらえると思ってなかったんでうれしいです!
何を演ろうか考えました。
ナニかリクエストはありますか?…ハイ、わかりました『Screw Driver』ですね。
そうだよね~、最後はそうだよね。
コレを1曲目に演ったら『えっ!1曲で終わり?』っていうくらいD_Driveがアンコールでよく演る曲ですからね」665「皆さん、わかってますよ!
立ちたいんでしょ?
でもこういう場所やから『無理に立って!』とは言いません…ハイ、最後は立ちましょう!
今日は本当にみなさん、ありがとうございました!」670お客さんが総立ちになったところで…680予告通りに「Screw Driver」。690vD_Drive定番のメタル・スタンダードに客席が沸きに沸いてショウは幕を降ろした。700さて、次回のSeijiさんの首都圏でのソロ・ライブは10月12日、同じく新横浜strageにて。
もちろんまたMarshallの快音を聴かせてもらいます。
私も少しおしゃべりをさせて頂くことになっておりますのでどうぞよろしく!720vSeijiさんの泣き売の効果があって終演後も物販で大忙し!
 
D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Web Site
710 

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日本が世界に誇るインストゥルメンタル・バンド、D_Drive。

<だるまさんは転ばない(Red Light, Green Light)>

<Wings>

<Thmbs Up>

<Begin Again>

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9img_9727 

200 (一部敬称略 2024年8月11日 新横浜strageにて撮影)