A DOUBLE BOOKING <前編>~simo with 森園勝敏
『A Double Booking』と題したライブ。
ドキっとするよね~、ダブル・ブッキング。
本当に気を付けなければいけないし、滅多にないことだけど、チョットした確認を怠ってでやってしまった時のあの罪悪感!
以前、今日登場するsimoの関雅樹さんに大変なご迷惑をおかけしたことがあったんですわ。
改めてこの場をお借りしてお詫びさせて頂きます。
今日は大丈夫。
タイトルはそのダブル・ブッキングとは関係のない「ヘッドライナーが2つブッキングされているよ」ぐらいの意味であろう。
要するに「ダブル・ヘッドライナー・ショウ」ということ。
決して「ツーマン」ではありません。
「ツーマン」、「スリーマン」という世にもキテレツな表現は本当にヤメましょう。
今回のキャストはsimoと所沢出身のJ-Street R&R Band。
下のチラシにあるようにMarshallでサポートさせて頂いた。会場は久しぶりの目黒ブルース・アレイ・ジャパン。
ステージはこんな感じ。
Marshallがズラリ!いい~ながめ!上手はSTUDIOシリーズ・ゾーン。
下手にもSTUDIO。
ベース・アンプもMarshall。そしてステージ中央にはNATALの新商品「ZENITH(ゼニス)」。
今回はこのような形でサポートに臨んだ。最初にステージに上がったのはsimo。
冒頭ア・カペラでループを使用したギターが鳴り出した。ギターは関雅樹。
曲はU2の「With or Without You」。そしてバンド・アンサンブルとなる。
石井為人
宮野和也
宮野さんのアンプもMarshall。
このスピーカー・キャビネットは珍しい。
詳しくは<後編>で。岡井大二
このZENITHはすでにビデオの撮影で使用していたが、ライブ・ステージではこの時が本邦初公開だった。
つまり大二さんの手足によって初めて人前で音を出したというワケ。もちろん関ちゃんもMarshall。
STUDIOシリーズのヘッド、SV20Hと2x12"の1922を組み合わせ、それに1987のコンボ2187を併用してステレオで鳴らした。
2187の上のORIGIN20Hはスペア。続いての曲は「Pinky」。
昨年リリースしたsimo初のCD『ROCK EXTRA』のリード・チューン。
自ら「自信作」と呼ぶだけあって思い入れタップリのギターがとても心地よい。
為人さんのピアノ・ソロ。
曲のコンセプトを十分に咀嚼して奏でるメロディがコレまた心地よい。もうひとつ心地よいのが大二さんのブラシさばきね。
サクサクと曲のイメージを確固たるものにしていく。 「ありがとうございます。simoです。
今夜の出演はJ-street R&R Band、そして我々simoの2バンドです。
日曜日のお忙しい中、皆さんようこそお越し頂きました。
最初に断っておきますが、ボクらインストゥルメンタル・ロックバンドということで歌がないんですよ。歌のない音楽となるとどうしても構えて聴いちゃうことがある…そんな必要はありませんからね。
ヤンヤの歓声、黄色い声援、『大ちゃーん』とかそういうのがうれしいですネェ」「なぜ今夜なの?この2組なの?ということを説明しておきます。
J-street R&R Band…いわゆる『J-st(ジェイスト)』ですね。
私の地元の所沢で結成して44周年。
スゴイですよね…名前を変えずに44年も演り続けているバンドです。
で、メンバーの方がボクよりひと回りチョットくらい先輩なのかな?
遡ること30数年前、当時18歳だった関少年は新所沢にあった今はなき『ペギー・デイ』というライブハウスでアルバイトをしていました。
その時にJ-stの今日メンバーの方々が出ていて当時から本当にカッコよかったんです。
でも気軽には話しかけることができない…コワかったですよ~。
ベースの平岡さんなんてメッチャ怖かったですからね。
月日は流れまして、ココ数年我々simoは所沢に頻繁に呼んでもらっておりまして…所沢市のイベントとか所沢まつりとか。
ということで、わかりやすく言うと今日は『地元のおじさんのバンド特集』なワケです。
地元の先輩がコノおしゃれな街、目黒で演奏するということでボクも自慢のメンバーを連れてお邪魔したというワケです。
今日は次に出るJ-stに向けてどんどんボルテージを上げていきたいと思います。
みんな最後まで盛り上がっていくぜ~‼」3曲目は「Koto」。
simoのステージではきっと演奏されるバンドの愛奏曲のひとつ。
関ちゃんはレス・ポールに持ち替え。ココでも為人さんの素晴らしいソロ。
このパートだけでもう1曲になっている感じ。そして作曲者である宮野さんのソロ。
為人さん同様、序破急に則った端正なソロを聴かせてくれた。
つづいてコレも「Pinky」と並んで関ちゃんが「自信作」と思っているのではないかと私が勝手にニラんでいる「De・Mo・Ne」。
そういえばこの日、リハーサルで新しい曲を演奏していたな。
それがとてもカッコよくて、発表するのを楽しみに待っているところ。
ドンドン作ってください。
音楽家は「音楽を創る」ことが一番のお仕事ですから。為人さんはオルガンを演奏。
本物のレスリー・スピーカーから出て来る音の素晴らしいこと!
やっぱり何ごとも「ホンモノ」には構いませんナ。迎え撃つは関ちゃんが奏でる真空管ギター・アンプのサウンド。
コレもホンモノ。
極上のトーンが織りなす大人のギター・ソロ。
やっぱりいいもんです。そして、大二さんが叩き出すZENITH(ゼニス)のふくよかなトーン。
ZENITHはNATAL(ナタール)が自信を持って送りするヴィンテージ・テイストのキット。
大二さん、ニンマリ。
プレイにも気合が入る!「ありがとうございました。
良い感じであったまってきましたね…みんなノッテルかい!イエイ‼
コチラのお店は目黒の老舗ジャズ・クラブです。
出演するバンドは音楽的にはジャズだけということではなく、フュージョンなんかも盛んに演奏されています」 「ボクの後ろをご覧ください。ロックといえばMarshallですよ!」
「このブルース・アレイ・ジャパンにこれだけMarshallを持ち込んだのはボクが最初じゃないですか?
ギター・アンプは当然Marshall。
ベース・アンプもMarshall」 「そして大二さんが使ってるNATALドラムス…コレもMarshall傘下のブランドです」
大二さんが再びニンマリしながら指をさしてくれたZENITH。
終演後、初めて叩いたご感想を伺うと…「もうバッチリ!」
そう言われると照れるね。
ナゼそんなにバッチリなのか…私にはわかる。音が良くて「バッチリ」なのは誰でもわかる。
大二さんの「バッチリ」はそれだけではないのだ。
下は1972年頃、四人囃子が始まる時に大二さんが入手したイギリスのPremier製のドラムス。
「円盤」も「ネッシー」もコレで録音した。
このPremierのキット、雰囲気が今回のZENITHに似てやしまいか?だから大二さんのニンマリ度が高いのだ…と私は思った。
つまりZENITHはそれだけ忠実にビンテージ・テイストを再現できているとうこと。
現役の方にお気に召して頂いているのだから間違いない。
ちなみにMarshallの創設者、ジム・マーシャルは元プロのドラマーでPremierの最初のエンドーサーだったんですよ。「今日はまるでMarshallの展示会のような勢いでお送りしております。
simoは、普段からMarshallさんにバックアップをして頂いておりまして、チラシにあるように今日もバッチリとサポートして頂いております。
今日のライブの模様は『Marshall Blog』というオフィシャルのブログでレポートされます。
Mashallのブログといっても代理店ではありませんからね。
イギリス本国のMarshallの方が今日もお見えになっています。
もう目黒でロックするぜ!ってことでして、これだけMarshallを並べたのは気合が入りました!」「『気合が入る』といえば、先輩であるJ-stのリハが先週あったんです。
陣中見舞いにお邪魔したんですが、6時間立ちっぱなしのリハーサル!
ホント気合が入ってますよ。
ということでボクらも気合入れておりますのでお客さんがより楽しんで頂けるように…そして、ワタシも大好きな先輩方に楽しんで頂こうと素敵なゲストをお招きしました。
日本が世界に誇るスーパーギタリスト…ワタシの師匠、森園勝敏!」ココからステージの様子がガラリと替わって「ブルースの世界」へと突入する。
まずはエディ・ボイドの「3rd Degree」。森園勝敏
森さんもMarshall。
以前のsimoでのライブでスッカリお気に召して頂いたSTUDIOシリーズから1959の20Wバージョン「SV20H」と1×12"キャビネットの「SV112」を併用。
ヘッドは関ちゃんが使っているモノと同じ。
さすが師弟コンビ!…と言いたいところだが森さん曰く「弟子を取った覚えはネェ!」。森さんと大二さん…やっぱり四人で囃そうが、二人で羽織ろうが、ナニを演ってもシックリ来ていいナァ。
半世紀以上にも及ぶ親交はダテじゃない。さっきまでのプレイとは打って変ってドスの効いた黒いピアノでニラミを利かす為人さん。
またギターを持ち替えた関ちゃん。
彼らしいアグレッシブなブルース・フィーリングがとても味わい深い。2曲目は「Crazy Mama」。
みんな大好きJ.J.ケイル。
「J.J.」と来れば…残念ながら私は「J.J.ジョンソン」。
もしくは「植草甚一」。関ちゃんのボトルネックが大活躍!
いつか「この曲は何も起こらなさすぎてかえって難しい」と森さんがおっしゃっていた。
でも森さんが歌っていると十分に何かが起こっている感じ。
魂の歌だ。今年に入って初めてsimoと演奏する森さん。
昨年は3度ほど一緒にステージに上がったそうだ。
福生では弟子でもないのに関ちゃんにピザをごちそうしたとか…そんな話からの~。ケーキ登場!
この日はちょうど森さんのお誕生日だったのだ!
そう、森さんも「THE FEB」ですもんね。
古希…おめでとうございます!花束も贈呈された。
「みんな、ノッテルかい!」「70歳でコレですもん…スゴイですよね。
まだまだ元気で演ってほしいですね。
ということで森園勝敏、そして岡井大二がステージ上にいるということはやっぱり四人囃子の曲を聴きたいですよね?
こうしてお2人が揃って四人囃子の曲が聴けるってなかなか貴重なレアな場面だと思います。
今日のお客様ラッキーですね!」為人さんのエレピからスタート。
もうこの時点で「おおお!」じゃない?『一触即発』から「空と雲」!
「♪長く細い坂の途中に お前の黄色いウチがあったよ」
いいナァ。
「ウチ」なんていうのは東京の人が使う言葉なんだよ。
江戸っ子は「イエ」なんて言わない。もう50年もの間何度も何度も一緒に演奏して来た曲。
大二さん、今日は何を考えて演奏に臨んでいるんだろう。四人囃子の曲で一番この曲が好きだとMCで言っていた関ちゃん。
演奏にも一層力がこもった。この曲は作曲者として中村真一さんがクレジットされるようだが、森さんが歌のメロディを付けたそうだ。
「この19歳でレコーディングしたんですから、なんてマセていたんでしょう」と関ちゃんが言うと…。
「そう言われると照れるね」←さっきからゴメンなさい、コレ、大二さんがらみのいわゆる「楽屋落ち」なの。simoのステージの最後の曲。
森さんが手拍子で3・2クラーベを打ち出す。締めくくりに演奏したのは「Big Legged Woman」。
森さんが快調にシャウトするこの曲、今回この記事を書くに当たって初めて知ったんだけど、この「Big Legged Woman」はフレディ・キング。
一方「Big Leg Woman」となるとマディ・ウォーターズになるのね?
もうひとつ…「Big Leg Emma」はフランク・ザッパ。
「big leg woman」というのは「魅力的だけど性悪な女」というような意味。 アウトしそうになったけどほぼ枠内に収めたスリリングな関ちゃんのソロ。
思いっきりやっちゃえばヨカッタのに!
間違えていると思われるのを避けるため、ココは安全策を採ったそうです。「I told you once, I told you tiwce」
「♪On the bayou 」
森さんのブルースの造詣の深さを思い知る1曲。為人さんはオルガンで豪快にグラインダー・スウイング!
宮野さんは森さんがリードする3・2クラーベのリズムでソロを披露した。
そして大二さんのソロ。
ZENITH、我ながらいい音だナァ~。 …と言ったところで大二さんの音になっちゃってるんだけどね。
それ自体がいい音なんだから仕方ない。歌にギターにまさに「ブルース・アンバサダー」として大活躍の森さんなのであった。
最後はもう一度関ちゃんがメンバーを紹介してステージを締めくくった。
simoの詳しい情報はコチラ⇒the Seki's Web
<後編>につづく
☆☆☆Marshall Music Store Japanからのお知らせ☆☆☆
バディ・ガイに認められた実力派ギタリスト/シンガー、ローレンス・ジョーンズ。
<Anywhere With Me>
コチラはMarshallのアーティスト紹介ビデオ<Artist Spotlight>。
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レコードもあり〼。
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(一部敬称略 2024年2月18日 目黒ブルース・アレイ・ジャパンにて撮影)