MAJESTIC HORIZONのデビュー・アルバム『Forever In Time』
今日はギタリスト金谷幸久さんの話題。
金谷さんとはもうずいぶん前から交流させて頂いているが、考えてみると…。
私の下の名前は「シゲ幸」といい、父は「シゲ久」といった。
その親子2人の名前から共通の「シゲ」と取り払うと「幸」と「久」が残る。
金谷さんである。そんな親近感を覚える金谷さんなのだが、活動の基盤をお住まいの関西にされていることから、なかなかお会いする機会がなく、今までに2度ほどしか実際にお目にかかったことがない。
初めてお会いしたのは2013年6月14日の鹿鳴館。
その時、金谷さんはEbony Eyesでステージに上がり、その姿をMarshall Blogでレポートした。そして、2回目は2015年…まだ横浜で開催されていた頃の楽器フェアの時。
ワザワザお訪ね頂き、リリースしたばかりのソロ・アルバム『Cry for the Moon』を手渡してくださった。
だからもう8年もお会いしていないことになるのだが、それほど疎遠な感覚がないのはfacebookのおかげであろう。
時折ご投稿される金谷さんのライブのビデオや写真を拝見するとうれしくなる。
ナゼならいつでも、どこでも金谷さんとMarshallとご一緒だからだ。上の写真のようにストラトキャスターのイメージが強かった金谷さんだけど、最近のご投稿を拝見するとES335Dをご使用されていることが多いようだ。
でも、ギターは替わってもアンプはいつだってMarshallなのだ!
愛器の写真だっていつでも必ずMarshallと一緒。こうしてMarshallを欠かさず露出して頂いているのは、お客さんにお聴き頂く実際の音を出しているのはギター・アンプ…すなわちMarshallであることをベテランの金谷さんは熟知していらっしゃるのであろう。そんな金谷さんが自身のバンド「MAJESTIC HORIZON」のデビュー・アルバムを発表した。
金谷さんの脇を固めるメンバーは、キーボーズが中野菜穂子、ベースが春田俊規、そしてドラムスが荘林誠。
つまり、ボーカルズなしのインストゥルメンタル・バンド。
私は歌なしの器楽曲は大歓迎。
いつの頃からか、日本のロックが自国の言葉でも演奏できることが発見されてからというもの、歌詞に重きを置いた曲ばかりが支持されるようになってしまったが、そういうのはフォークにやらせてあげなさいよ。
そのおかげで冷や飯を喰わされているのが歌のないロック。
イヤイヤ「『歌詞』はないけど『歌』はある」だな。
これはD_DriveのSeijiさんの受け売りだが、良質な器楽曲はまさにそうだと思う。
なまじツマらない歌詞に凡庸な旋律が付けられている音楽よりも断然「歌」を感じることができるというものだ。
こうして私は日頃からインストルメンタル・ミュージックがもっと一般市民に受け入れられることを望んでいるのだ。
コレがそのMAJESTIC HORIZONのデビュー・アルバム『Forever In Time』。
どこの海の水平線(horizon)であろうか?
美しい夕日の写真をまとったこのアルバムのタイトルは、そのまま「いつまでも」という意味である一方、家族や友人やペットといった誰もが抱いている大切な人やモノ、あるいはもう会うことのない肉親や友人たちに捧げる思いを込めて付けられた。下はアルバムの収録現場。
もちろんMarshallは欠かせない。ステージではJCM800 2203を使用することもある金谷さんだが、今回は全曲で愛用のJCM2000 DSL50と1960Aを使用した。
やっぱりロック・ギターのサウンドを作る現場はこうでなくちゃイケねぇ。
ナゼか?…それを言わせる?
「ホンモノの音」だからです。
ま、「その音をデジタルのオーディオ機器で再生している」と言う向きもあるかも知れないが、それは「揚げ足取り」というモノだろう。
金谷さん曰く、「頼りになるのはやっぱりいつもマーシャルなんです」。
17歳ぐらいの時に無理をして長いローンを組んでJMP時代の2203のフルスタックを入手。
それからず~っとMarshall。JMPからJCM800シリーズへの移行は1981年のことなので、金谷さんには45年ぐらいMarshallひと筋でお付き合い頂いているというワケだ。
この「ひと筋」というのがうれしいワケよ。アルバムの中には図太い歪み系のギター・サウンドがふんだんに盛り込まれているが、クリーン〜クランチのサウンドは、いわゆる「歪み系のペダル」は一切使用せず、ギターをDSL50に直結して手元のボリュームやトーン、さらにピッキングの強弱だけでニュアンスを表出した。
そして、ココ一発の歪みが必要な時だけブースターをオンにしたそうだ。
金谷さんはライブでもこのオーソドックスな手法を採っていて、それをそのままレコーディングスタジオに持ち込んだというワケ。
さて、この『Forever In Time』は金谷さんが昔からズ~ッとやりたいと考えていたことを思う存分詰め込んだアルバムとなった。
「インストゥルメンタル」というスタイルがなかなか受け入れられにくい環境がそうしたアルバムの実現を阻んでいたものの、過去に発表した歌のない曲がライブでの人気ナンバーになったり、また海外で受け容れられたりもして来た。
実際、周囲からはインスト・アルバムの制作リクエストを受けたり、音楽業界の関係者からも「インスト路線を経ての歌モノへの回帰」を勧められていたのだそうだ。
「インストルメンタルはシンガーの世界観やキャラ、声質や歌詞などに左右されず、何のフィルターも通さずに自分が作った曲やメロディをストレートに伝える事が出来ます。それが一番やりたかった事です」とは金谷さんの弁。
なるほどね~、まさに「自分だけの音楽を創ろうとしている人」の発言だわ。
制作に当たって気を配ったのは、ギター・インスト・アルバムにありがちな速弾きや難易度の高い複雑な曲の博覧会にはしない…ということ。
金谷さんがやりたかったのは、そうしたテクニック指向とは全く無縁の自分が目にした美しい自然の風景や印象的な出来事に接した時に浮かんだメロディを素直に曲に昇華させるということだった。
ジャケットの表パネルやブックレットにはそうした美しい風景の写真が使われている。
コレらの写真もすべて金谷さんが撮影したモノだ。
もちろん闇雲に写真を選んだのではなく、それぞれが収録曲に関連しているモノ。
つまり写真が収録曲の一部でもあるワケだ。
どの曲がどの写真と関係してるのか想像しならがらアルバムを聴くと楽しいよ。
「わかりやすく、そのメロディを口ずさむことができるようなインスト曲が好き」だという金谷さん。
壮大なスケールの「Theme of Majestic Horizon」からド迫力のドライビング・チューン「Run Through the Night」につないで『Forever in Time』のドラマが始まる。
リード・チューンのバラード「Bell」は金谷さんがSNSで公開していることもあるが、どの曲も親しみやすく、聴いていると「ココを聴いてくれ!」と主張しているのがわかるような気がしてくる。
個人的にビックリしたのは7曲目の「Back on the Seaside Street」。
曲名からするとゲイリー・ムーアを想起するが、トンデモナイ!
サルサ・ピアノでスタートするラテン・チューンなのだ。
2分チョットで終わってしまうのがモッタイナイがアルバムの極力なアクセントとしてとても良い仕事をしている。
聴けば金谷さんはサンタナがお好きでいつかラテン・フレイバーの曲に挑戦してみたかったのだとか。
そうして「Theme of Majestic Horaizon」でアルバムを締めくくる。ゼヒともインストルメンタル・ミュージックの魅力をお楽しみください。
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