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2023年4月13日 (木)

amber lumber ワンマンライブ~山本征史生誕祭 <第2部>

 
amber lumber『山本征史生誕祭』の第2部。
「lumber」は材木。
「材木」といえばヒノキ…ヒノキといえば木曽。
江戸の昔、ヒノキは建築物の素材として重用され、幕府や諸藩は一貫してヒノキの保護政策を採った。
「木一本、首ひとつ」、「枝一本、腕ひとつ」というのは良質なヒノキの産地である信州木曽の話。
勝手にヒノキを伐採したら死刑、枝一本でも盗んだら腕を切り落とす…ということね。
そうして木曽のヒノキは幕府の命により尾張藩によって厳重に管理された。
その「木曽」といえば島崎藤村。
藤村は馬籠宿の庄屋の生まれで、下の写真がその生家跡。
「小諸なる古城のほとり 雲白く遊子悲しむ…」は『千曲川旅情の歌』。
私がこの美しい詩歌の冒頭の部分(チョットだけよ)を諳んじることが出来ることを知る人は少ない。0r4a7645一方、「蓮華寺では下宿を兼ねた」で始まる藤村の代表的な小説は『破戒』。
市川雷蔵が瀬川丑松を、三國連太郎が猪子蓮太郎を演じた1962年の市川崑の『破戒』は思った以上にヨカッタ。Hk もうひとつの藤村の代表作『夜明け前』は「木曽路はすべて山の中である」という書き出しで始まる。
生半可な山ではないからね。今でも木曽谷は昼間が短い。
私も昔は薮原という所によく行ったもんだ。
その木曽路とは「中山道」。
今では国道19号線になって、塩尻を背に中津川まで何の苦もなく行くことができるが、江戸の昔は下の写真のような狭小な山道の個所が少なくなかった。
徳川第十四代将軍・家茂に降嫁した和宮親子内親王は京から江戸に向かう時に実際にこの山道を通過した。
それも2,000人からの大編隊で、行列の長さは50kmに及び、ある個所では最後の隊員が通過するまで4日を要したという。10和宮さまが天下の公道「東海道」を往かずワザワザこんな悪路を進んだのはナゼか?
それは防犯上の理由と、広い川がないため、川留めによる旅程変更の可能性が低かったから。
0r4a7630もうひとつ…東海道には「去った」を連想させる静岡の「薩埵(さった)峠」や浜名湖の「今切(いまぎれ)の渡し」など、縁起の悪い地名があったので中山道を選んだという説もあるらしい。
ヤッパリやることが違うわ。「大安吉日」どころじゃとても済まないのだ。
ちなみに上下の写真はその藤村の地元、「中山道六十九次」の43番目の宿場「馬籠宿」なんだけど、ナント、征史さんはココにある「万福庵永昌寺」という古刹に「ネコ大仏」をご奉納されているそうだ。
しかも、この「永昌寺」は島崎藤村の菩提寺で、訪れた観光客にあのネコ大仏の「おさとし」を配っているそうだ。
スゲエな、征史さん…もはや高僧の域じゃん!
ちなみに「万福庵」の「まんぷく」がアキラさんを連想させると言ったのは私ではありません。
0r4a7675 …ということで、東海道は日本橋のお隣りの神田のTHE SHOJIMARUから。
休憩をはさんでステージに戻って来たamber lumberの2人。
まずはアキラさんからひとこと。
「お気づきの方も多いかと思いますが、本日もMarshallのアンプを使用しております!
良い音で演奏させて頂いております!」
それはヨカッタ!
20
コレがアキラさんが紹介してくれたMarshallのアコースティック楽器用アンプ「AS100D」。
残念ながら今は生産していないが、50Wバージョンの「AS50D」は健在だ。30
第2部のオープナーは今日が誕生日の山本征史さんが作詞作曲して、amber lumberのファースト・アルバム『運命の輪っか』に収録された「アイラ―ビュー」。
久しぶりのチョイス。

40_ily
山本征史50v森永JUDYアキラ60v初めてこの曲をCDで聴いた時、「♪かつて僕には未来がなかった」というズバっとやる歌い出しがとても印象的だった。
そして、愛する彼女に出会って「♪アイラ―ビュー」。
まるで映画的な展開を1曲に閉じ込めたような作品ではないか。
75v
ココで相撲の話…というか相撲の行司の話。
「はっけよ~い!
木村容堂っていう人が大好きで、その人が出て来るともう取り組みなんかどうでもよくなっちゃう!
その人ばっか見ちゃうね」
70v
「木村容堂っていうのは、後ろから3番目に出て来る三役格の行司ですね。
ボクも大好きです」
行司までよく知ってるナァ。

80
「容堂、容堂」というから、私はテッキリ山内容堂のことかと思っちゃったよ。
土佐藩の第十五代藩主。
アキラさんがすっとんきょうな声を出してマネをするんもんだからテレビの相撲中継で確認してしまった。
ホントにそういう声だった!
山内容堂さんじゃなくて木村容堂さんのモノマネね。

Yodo_yamauchi
相撲の行司の好みまで同じということで…
「山本さんとはホント赤の他人で、よく『友達でもない』とか言ってますけど、例えば対バンを見ていて『ウワ!このバンドおもしろいな』と思うとだいたい山本さんも同じことを思ってるんだよね」
ま、そうでもなければ6年も続かないでしょう。
90
続いて演奏したのはamber lumberの最近作『Hermits』に収録されているワルツ、「最後のひとつ」。100_sh『Hermits』というアルバムはamber lumberの2軍の曲を集めたことになっているが(実際の内容はゼンゼンそんなことない)、最近はこの曲がとても気に入っていて完全に1軍入りしているとのこと。
落語の「三題噺」のようにお客さんから頂いた「ソラマメ」、「しし座」、「落ちる落ちる」、「ホラ後ろにいる」…等のお題を盛り込んで歌詞が作られている。
サウンド的にはディミニッシュの響きが強烈!
Img_8444曲の後半では征史さんのベースをフィーチュア。130vそんな1曲をドラマチックに盛り上げるベースのサウンドもMarshallから。
征史さんのMarshallは1992 SUPERBASS。
1966年から1981年まで生産していた100Wの真空管ベースアンプ。
76v
ステージ中央で中身の濃い~フレーズを連発した。120次はテレビ・ドラマの話。
私はテレビ・ドラマと新しい映画は10000%見ることがないので、話はチンプンカンプンだったけど、生きもので何が一番偉いか?という話に…
「そりゃ森永さんが一番偉いでしょ!」
240v2
「エライ」という流れであれば次は「カニ」にキマってますわナ。
征史さん自ら「山本征史の代表曲」と紹介した「カニはエライ」。
オイ、ナンだ?カニってヤツは横に這うけども、このカニは縦に這ってンじゃねえか」って言ったらカニが…「少し酔ってますから
征史さんがこの曲を作った時、この小噺がアタマの中にあったのかどうか私は知らない。
多分なかったであろう。
「カニ~!」170_kn「ポニーに乗って」、「ヨルノガッコウ」等、征史さんの「メルヘン・シリーズ」の1曲。
楽しいね~!
175v「クラブ&ピース!」190コレ、ラブソングなんだよね。
ま、作る歌を聴いていればわかるけど、征史さんってすごいロマンチストなんだよね。
そういえば、2016年に「Marshall GALA」で田川ヒロアキさんと共演してもらったことがあった。
その時に演奏したのは「初めて車を手に入れて、彼女を乗せてドライブする時のワクワク」を歌ったヒロアキくんが作った曲だった。
その歌詞を読んだ征史さんは独自の解釈を与えて、作った本人を驚かせてしまったのです。
私もその解釈を聞いてビックリした。
たくさん本を読む人だからね…だからそういうことができる。
でも、チョット前に教えてもらった「崇徳天皇」の本を買って読んだんだけど、私にはチト合わずに途中で離脱してしまった…征史さん、ゴメン。
200v話は戻ってアルバム『Hermits』。
「でもホント、2軍曲を集めた感じになったから弱いんじゃないかナァ~と私は最初思ったんだけど、思いのほか良いアルバムになりました」150_2 「行き当たりばったりでね、そういう曲ばっかりのアルバムにしようと思ったワケではなかったんだけど、たまたまそんな流れでそうなったんだよね」
160
このアルバムを聴いて誰が「2軍曲の寄せ集め」だなんて思いますか?
とってもクォリティの高いアルバムです。
スリーブもとても良い。
amber lumber、5枚目のアルバム『Hermits』好評発売中!Hm2曲前に演った「最後のひとつ」とアキラさんの中でつながっているという「ボクの場所」。
『Hermits』のオープナーだ。Img_8471 歌詞にマッチしたユッタリとした演奏がとても心地よいですな。Img_8383この曲がどうして「ソラマメ」につながっているんだろう?
凡人の私にはわかりませんな…今度アキラさんに尋ねてみよう。
Img_8399
「ありがとうございます。
この曲は若い時に作ったので、高いところが痒いんだよね。
それで歌えなかったの
ところが最近お酒を止めたら声が出だしましてね…止めてはいないけど」
Img_8409
「そのシュワシュワっとしたヤツはナンですか?
アルコールが入ってるヤツですか?」

240v
続いては『Hundresd Suns』から「ランデヴー」。
ナンカ今回は『Hundres Suns』からのチョイスが多くない?
私の気のせいかしらん?
250_lv
間宮さんのアレンジで複雑になったというんだけど、ホントだ…この曲元々5/4拍子だったんだ。
ゼンゼン気がつかなかった!
こういうのはいい変拍子なんだよ。
つまり自然に聞こえるということ。
以前、ポール・ギルバートの新しい曲を聴いて本人に「変拍子だね?」と言ったら「どうだった?自然に聞えた?」とすごく真剣に尋ねられたことがあったっけ。
この曲はメッチャ自然な5/4だよね。260アキラさんにスリ寄る征史さん。270こんなアクション、珍しいんじゃないの?
「amber lumberのランデヴー」ですな?275グッと雰囲気を変えて、『Mother Moon』から「半分の月」。280v_htシットリとジックリと演る1曲に観客の耳が釘付けになる。290vこの曲って私の中ですごくamber lumber感が強いんだよね…と思う。
時々、無意識のウチにサビのメロディを口ずさんじゃうんことがある。300v本編は残すところあと1曲。
「ボクの誕生日やからか知らないけど、最後の方トントンと行ってるよね。
いつも『帰りたくない』の一心でダラダラ、ダラダラしゃべってるけど、早く終わって、飲んで帰りたい…って感じですか?
遠慮しなくていいんですよ。ご自由にやって頂ければ」
「チューニング難しい…チューナーが山本さんのだから」(←チューニングに夢中で話を聞いていないという局面)
310
amber lumberは4月に北海道へ行く…ということから飛行機の話に。
アキラさんが時間に間に合うように空港に来るかどうかが大きな問題だというけど…ダイジョブ、ダイジョブ!
私なんか夜の12時と昼の12時を間違えてロサンゼルスから帰って来れなかったことがあったし、成田空港に行ってから、持っていた航空券が使えないことがわかった…なんてこともあったから。
航空会社のカウンターで「スミマセン、ロサンゼルスまで大人1枚ください」「はい、14万円になりま~す」「じゃ、カードで…領収書お願いします」ってなノリだったわ。
Img_8337_2 本編の最後は「ここにある宇宙」。
amber lumberのライブを特徴づける欠かせない1曲。340v_kkuもちろん「ここにある宇宙」とくれば曲の後半で征史さんのベースが大フィーチュアされるのはいつものこと。
でも曲は誕生日バージョンだよ~!
350v
「オラオラオラオラオラ!」
「ヤメれ~!」360思う存分暴れる征史さん。370Marshallとベースと三位一体となった激演!380v「シュワシュワシュワシュシワ~」…エフェクト・ペダルも大活躍だ。
この時の征史さんの足の開きは270°になっている。390vそのうちZippoのオイルで火でも点けちゃいそうな勢いだぞ!400v征史さんの「宇宙創造」完了!
そして本編終了。410vココからアンコール
「アンコールありがとうございます。
アレでボリューム半分も出してないですよ…Marshallアンプ、恐ろしいですよ。
ボリュームはだいたい1ぐらい。
さて、歳をとるといつが自分にとって最後のライブになるかわからへんけど、間違いなくそれに1本ずつ近づいて行ってるということを思いながら演っています。
ネガティブなことじゃなくて、ホントに1本1本すごく大事に思えてくるんだよね」
430「結成してすぐの時に夢を見たんですよ。
それは、ガラクタの山みたいなところを1人で登って行って、一番上に神社があって、ひとつだけ願いを叶えてやる…って言われる。
その時、『amber lumberがウマいこといきますように!』って夢ん中で手を合わせたんです。
それがホントにあの宮島につながっているような感じ…宮島の山の上にそういう『一願大師』というひとつだけ願いを叶えてくれる真言宗のお寺があるんです。
その宮島の時はボクたちの100本目の野外でのライブやったんですけど、山へ上がって『すいません、大師さん、もう1回ココへ来させてください』って手を合わせたんですけどね…まだ2回目のそこでのライブは演れてないんです。
でもアルバムはずっとそこに奉納していて、『アンバ~ランバ~』って祈祷して頂いているんですよ」450v征史さんが首から提げているお守り群。
広島にも「東照宮」があるのか…。
東照宮はご存知の通り徳川大権現をお祀りした神社。
現在、日本には100以上あるらしい。
最も多い時では全国に700以上もあったらしいよ。Img_8433 「そう!その御祈祷、最初なんかもう笑いこらえるのに必死!
だんだん慣れて来てありがたくなってきたましたけどね。
結成したのは、山本さんから歌詞が送られて来て、それに私は曲を付けて…っていうのがキッカケなので、その歌を今日は山本さんに歌ってもらいます。
今日1番最初に私が既に歌いましたけどもう一度山本が歌います」440v曲は「青い月夜」。480このチームはこういうことができていいね。
amber lumberの原点…征史さんが心を込めて歌う姿はとても感動的だった。485vもう1曲。
最後の最後ににぎやかに「とりあえずハッピー」を聴かせてくれた。490_thアキラさんも…500征史さんもとてもハッピー感満点!510「アイラービュー」から「最後のひとつ」、「カニはエライ」を通って「ボクの場所」。
「ランデブー」から「半分の月」、「ここにある宇宙」から「青い月夜」を抜けて「とりあえずハッピー」にたどり着いた時には観てる私たちもハッピーになったよ!(←ココの部分、ナニをやっているのでしょうか?正解を寄せてくれた人は征史さんから「あんころ餅」ぐらいもらえるかも知れません。ウソ、もらえません)520_2「ハッピー」はまだ続く。
そういえばハッピーとジェーンのトラウム夫妻はどうしてるかな?530THE SHOJIMARUさんからバースデイ・ケーキ贈呈!540征史さんは「フ~」ではなくて手で扇いでローソクの炎を消した。
お誕生日おめでとうございました!
550v「みなさん、これからもamber lumberよろしくおねがいします!」560「何人いるやろか?
ボクの夢を叶えさせてもろてもいいですか?
え~、みんなに1杯ずつおごります!」
スゲエ!
「オレのおごりや!」っていう実際の場面を生まれて初めて見た!
カッコいい~!
 
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200 (一部敬称略 2023年3月22日 神田THE SHOJIMARUにて撮影)