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2023年1月27日 (金)

Legend of Rock~SEVENTH SON初登場!<後編>


SEVENTH SON…「7番目の息子」さん。
すさまじい勢いで少子化が進む日本にあっては表彰ものの子だくさんではあるまいか。
私は長男だけど、実は「6番目の子供」になじみがありましてね。
そのココロはPANTA& HALの「ステファンの6つ子」という曲。
世界初の試験官ベイビー、「ルイーズ・ブラウン」をテーマに据えた曲「ルイーズ」と両A面で1980年にシングル・リリースされた。
若い頃はほとんど日本のロックを聴くことはなかったがPANTA & HALは例外で、発売直後に買いに行った。
タイトルはフランスのエドゥアール・ステファンという人が発見したペガサス座の方角に見える5つの銀河「ステファンの五つ子銀河」が由来となっていて、曲の中に「♪ステファンの6番目の子供になって」いう歌詞が出て来る。
いい曲なのよ。
S6さて、7番目。
IRON MAIDENに『Seventh Son of a Seventh Son』というアルバムがあるのね?
「7番目の息子の7番目の息子」として生まれて来る子は、その手を特定の病気の患部に当てるだけで治癒させる能力を持っている…というヨーロッパの迷信があるそうだ。
ニコはそんなこと言ってなかったな。
フランクフルトの車の中でウンコの話はしていたけど…コレが滅法オモシロくて、Marshallの連中も大笑いしていた。
それにしても、「7男坊の7男坊」なんて現実的にはムリだよね。
間に女の子も生まれるだろうから、7人の男の子が生まれるまでに大変な子供の数になるよ。
…と思ったら、間に女の子が生まれちゃったら失格なんだって!
ヤダな、そんな野郎ばっかりの家族は。
家の中に7人も男がいてみな…夏なんかスゴいニオイになるぞ。
で、そのあたりの俗言が転じて、今では「7番目の息子」には「未来を予知する能力がある」と言われているとか。
そんな7番目の男の子には、日本のこの深刻な「少子化問題」の将来を予見してもらうといいだろう。9imさて、Marshall Blog初登場のSEVENTH SONのライブ・レポートの<後編>は「Moonlight Dusk」から。
 
「dusk」とは「夕暮れ」とか「たそがれ」とか「暗がり」いう意味。
「From dusk till dawn(夕暮れから夜明けまで)」という決まり文句もあって、有名なジャズのスタダードの「Avalon」の歌詞なんかにも出て来ますナ。
そんなタイトルの映画もあった。
で、「dusk」と同じ意味で「crepsucule(クレプスキュール)」という言葉がある。
ナンカ響きステキじゃない?…「クレプスキュール」なんて。
コレはフランス語なの。
ジャズの巨人、セロニアス・モンクに「Crepuscule with Nellie(たそがれのネリー)」というバラードがあって、私はこの曲でこの言葉の存在を知った。
「暗がり」といえば、夕食をごちそうになりに白人の家に行ったりすると、部屋の照明がものすごく暗くてイライラすることがある。
アレは、白色人種は我々黄色人種とは目の作りが異なっていて、虹彩の色が薄いため連中は暗がりでもモノがよく見えるらしい。
「夜目(やめ)がきく」っていうヤツ。
我々だって決してビタミンAが不足しているワケではないのだが、アレはツラいな。
反対に明るい場所では、目に入っている光の量が多すぎるために連中にはサングラスが不可欠となる。
ダグラス・マッカーサーもバイデンも決してカッコをつけてサングラスをかけているワケではないらしい。
そのように暗がりが得意なのか、はたまた敏感なのか、英語には「薄暗い」というような意味を表現する言葉がたくさんあって、「dark」、「dim」、「twilight」、「dusky」、「gloomy」…と枚挙にいとまがない。
「obscure(オブスキュア)」なんてもあるな。
かつてイギリスには同名のレコード・レーベルもあった。
で、この「obscure」という単語は動詞になると「覆い隠す」とか「見えなくする」という意味になる。
さらにコレに「主義」を意味する接尾辞の「-ism」を付けると「obscurantism(オブスキュランティズム)」、すなわち「蒙昧主義」という意味になり「問題を明るみにすることを妨げる態度」のことを示す。
コレは大変に危険な振る舞いです。
だから中国では意味を一歩進めてこの言葉には「愚民化政策」という訳語を充てるらしい。
自分の愚民さを棚に上げて言うのもナンだが、日本は今、その政策の最後の段階に入ってしまった感がありはしまいか?
その次に愚民を待っているのは「戦争」ですよ。
脱線終わり。
  
照明が落とされ、ステージはまさにその「Moonlight Dusk」の風情。
曲は前曲とガラリと変わってのシットリ・ナンバー。10洋楽テイストタップリのメロディをYamaさんが情感を込めて歌う。
この歌のパート、日本語ではムリでしょうね。
英語詞だからこそ実現できる作品だ。
30v当意即妙にそのメロディに絡みつく大谷さんのボリューム奏法のギター。20vこうしたドッシリと腰を落ち着けて演奏するようなナンバーにも的確に対応する鉄壁のリズム隊。
ベースのGenkiさんと…   50vドラムスの正田さん。60v比較的スローなテンポとはいえ、そこはSEVENTH SONのこと、やっぱりスケールが雄大だ!
80このあたりで「泣き」のギター・ソロが出て来て欲しいところ。
S41a0030そしたらチャンと出て来た!
真空管アンプならではの極太のギター・サウンドで歌いまくった大谷さん。70vそして、曲は小林さんのピアノでしめやかに幕を下ろす。
この曲も3分チョット。
すこぶるまとめ上手なチームだ。
40v「ありがとうございます。
来年…まだ発表できないんだけど、すっごいことを発表します。
思わせ、匂わせ…そんなことをやっているとバレちゃうんだよね!
最近SNSとかでオレとGenkiさんが匂わせちゃった!」
210v「チャンと発表出来る時が来たらよろしくお願いします!
それまで楽しみに待っていてください。
次の曲も大事な曲です」
90正田さんの強力なロック・ビート(最近は「エイト・ビート」とか「フォー・ビート」とかいう言葉をなるべく使わないようにしています)ドラムスからスタートしたのは「Core」。0r4a0256 シンプルなリフを携えたヘヴィなアンサンブル。120大谷さんのアルペジオが出て来たと思ったら…140いきなり和風なテイストに早変わり。
イタリアン・プログレみたいでいいんだよナァ~、こういうところが!
ちなみに私が一番好きなプログレッシブ・ロック・バンドはAreaです。S41a0121 3分弱の「Core」からそのまま続けて演奏したのは「Insane」。
この2曲は「組曲」のような編成になっているのかな?160_is大谷さんが弾くギター・リフが「Core」で創造した世界を狂ったように(insane)引き裂いて曲がスタートする。170vクリスタル・クリーンのアルペジオから狂犬の牙のような激しいディストーション・サウンドまで、幅広い大谷さんのギター・プレイを完璧にサポートするのはJCM800 2203と1960Aのハーフ・スタック。
やっぱり真空管アンプの出す音は素晴らしい。
ことロックという音楽に関しては、「真空管」がこの世にあるウチは真空管アンプでギターを鳴らすべきだ。
真空管アンプを使わないのは、まだ新鮮な肉や魚が手に入るのに昆虫食を食らうようなもんだぜ。
そんなの虫しか食べるモノがなくなった時に口にすればいいじゃないか!
Marshallの真空管アンプを愛用する大谷さんは新鮮な食材で作った料理のフルコースを食べていることは他ならないんですわ。
180vさて「Insane」、疾駆するリズム隊の2人の…
230バツグンのコンビネーションが…
240Yamaさんの伸びやかな声とベストマッチしていて、聴いていて実に気持ちがいい!S41a0060「♪Insane」、Yamaさん大絶唱!
190小林さんのオルガン・ソロに続いて…
220v転調した次のパートは拍子が3/4に変化してのギター・ソロ。
200v様々な展開を見せた曲を締めくくったのは、これまた壮大にしてトリッキーなキメ!0r4a0199 次で最後の曲…エエエエ~!
SEVENTH SONのステージを締めくくったのは「Scars of Storm」。250_ssギター・リフを身体前身で浴びて…260v両手を広げながらひざまずき、あたかも何かに祈りを捧げているかのようなYamaさん!270vそしてYamaさんが立ち上がると…
310キタキタキタキタ~!
290v凄まじいシンフォニック・パートに突入。300v続いて大谷さんがミュートをしながら提示する主題のフレーズのひとつは…ん、ナンだコリャ?
譜面に書くとすると…7/8+4/8+7/8+3/8+7/8+4/8+7/8+5/8拍子ぐらいになるのかな?
私は世代が違うので、リスナーとしてDream Theaterの音楽に接することは全くないのだが、昔教則ビデオの監修の仕事をしていた時にマイク・ポートノイのビデオでこういうのがあったのを覚えている。
変拍子の分子が減っていって、また元に戻っていく…みたいな。
こうして書くといかにも複雑なんだけど、聴いてみるとすごく自然。
変拍子の曲ってコレが大切なんだよね。
ちなみにこのバンドは変拍子のパートが少なかったのが意外だった。
0r4a0149
そしてまたシンフォニックなパートに。
こういうのタマらんね。280v複雑極まりない器楽パートに対してYamaさんの歌はいたってメロディアスだ。320そうしてソロあり、アンサンブルありでSEVENTH SONの魅力を存分に発揮しながら、5人が一丸となってエンディングに向かっていった。
360v 
350 
340v  330イヤ~、オモシロかった。
今回演奏したレパートリーのほとんが新曲というのも素晴らしい。
ブルースのように「魂一発」、「コード進行一発」という音楽もいいけれど、SEVENTH SONのような音楽はやっぱり作るのが大変でね。
何が大変かというと、メロディですよ。
いいメロディをたくさん作らなければ曲が成立しない。
ナンダカンダ言っても音楽ってメロディですからね。
「プログレッシブ・ロック」とかナントカ、音楽のジャンルはさておいて、今どこを切っても同じような音楽やピロピロ・ギターしかない日本のロック界にあって、こういうバンドが元気に活動してくれていることは本当にうれしい限りだ。
エンターテインメントというのは「アレもあるけど、コレもある」という状態を保っていかないと絶対に発展していかないのだ。
370vさて、明日になってしまったが、巣鴨の獅子王で開催される『Laugh and Grow Fat』にSEVENTH SONが登場する。
『笑う門には福来る』…おめでたいイベントだ。
ゼヒ、SEVENTH SONだけの音楽世界をお楽しみあれ!
Cco ガンバレSEVENTH SON!
 
SEVENTH SONの詳しい情報はコチラ⇒SEVENTH SON Official Website

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イギリス南西部のコーニッシュ出身のキング・クリーチャー。
本場のブリティッシュ・ハードロックを存分にお楽しみあれ!

<Desolation>

<Captives>


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200 (一部敬称略 2022年12月16日 目黒LIVE STATIONにて撮影)