FRAGMENTS OF THE MOON 25th Anniversary <前編>~CONCERTO MOON & Cerveteri
CONCERTO MOONがファースト・アルバム『Fragments of the Moon』のオリジナル・バージョンをリリースしてから四半世紀が過ぎた。
25年前というと、1997年。
またいつものをやってみるに…
ハイ、総理大臣は誰だったでしょう?…………橋本龍太郎だって。
この年、「酒鬼薔薇」事件が起こっている。
アレはショックだったよね。
流行歌では安室ちゃん、Kinki Kids、Le Couple、globe、SPEEDってところか。
この年のヒット曲上位50位を見渡すに、すでに「歌謡曲」っぽいモノは完全に死滅している。
洋楽ではRadiohead、Chemical Brothers、Blur、Prodigyなど…と言われてもゼンゼンわからんナ。
とにかく、そんな年にCONCERTO MOONのファースト・アルバムはリリースされた。
今日はその『Frangments of the Moon』を全曲アルバム通りに演奏するという企画。まずステージに上がったのはCerveteri(チェルヴェーテリ)。
「チェルヴェーテリ」というのはイタリアのローマ近郊の町の名前。
そう…この日のためにワザワザ群馬の高崎から駆けつけてくれたのだ!
ん?急に思い出した。
そういえばイタリアには「Cervello(チェルヴェーッロ)」というプログレッシブ・ロックのバンドがいたナ。
『melos』という太宰とは関係ない唯一のアルバムを久しぶりに引っ張り出して聴いてみると…なかなかよろしい。
「cervello」というのは「脳」という意味のイタリア語だそうだ。
チョット綴りが違うだけでオッソロしく意味が変わるのね? さて、今回CerveteriはこのCONCERTO MOONのツアーのオープニング・アクトとして全公演に出演することになった。
いいね、こういうのは。
つまり、ベテランが若いバンドを「前座」として出演させてキャリアを積む手伝いをしてあげるということだ。
昔は来日ミュージシャンの公演には前座がつきものだった。
Rainbowの初来日の時は安全バンドだったし、AerosmithやKISSの前座はBOW WOWが務めた。
私は両バンドのことをその前座で覚えたものだった。
海外では今でもこの「前座システム」が盛んで、前座を務めた新人のアーティストたちは「〇〇とツアーをした」と必ずプロフィールに書き入れるし、海外のメディアのインタビューでは「過去に誰とツアーをしましたか?」なんて質問を必ずされる。
このCerveteri、実は2019年の2月にもMarshall Blogにご登場頂いていましてね、今日で2回目のご登場。
考えてみると、「concerto」も元は「協調」という意味のイタリア語だね。
今日は期せずしてイタリア特集じゃん!Hina
Isao
Chihiro
kazuma
今日のCerveteriのドラム・キットはNATALのメイプル!
一方、IsaoさんはドップリとMarshall。
スピーカー・キャビネットはCONCERTO MOONの島さんと共用だが…
ヘッドは持ち込み。
1987Xを愛用してくれている。Isaoさんが弾く伝統的なギター・リフで始まる…
「Retry」でスタート。
キャッチ―なサビのメロディを持つドライビング・ナンバー。
Isaoさんのシャープなギター・ソロ!
も~サービス満点!
2曲目は「Gypsy Boy」。
いいね~。
ギター・リフといい、歌詞といい、曲のつくりといい、70年代のロック・サウンド!
それでいてギター・ソロはグッとコンテンポラリー。
実にいいね~! ノリの良い曲と演奏でグイグイと会場の雰囲気を盛り上がる!
タイトなリズム隊のエイト・ビートに乗った軽快なイントロ…。
ポップさのサジ加減がとてもいい感じの3曲目は「ロックスター」。
Hinaちゃんの声にとてもマッチした女性ボーカルズならでは1曲。
ギター・ソロもポップにまとめた感じ。
コレ、いい曲だナァ。
最後の方の転調がまた実にいい効果を上げている。「本日はおめでとうございます!
私たちCerveteriをオープニング・アクトとして呼んで頂きましてありがとうございます!
ウチは『雨バンド』と言われていて、今日も自分たちが搬入している時には雨が降っていたんですが、その最中にCONCERTO MOONの三宅さんが来てくれたので雨が止みました。
2019年と去年出したアルバムの中から何曲か演奏しますので大いに盛り上がっていきましょう!」「2019年のアルバム」とはこの『arabesque』。
Cerveteriの魅力がテンコ盛りの一作だ。それをパワー・アップさせたのが昨年リリースした『Don't Stop the Rock』。
1960BX、ご愛用ありがとうございます。その『Don't Stop the Rock』から2曲。
Chihiroさんのスラップが冴えわたる「Spotlight」。
色んな要素がツマっていてこの曲もカッコいいわ~。
もう1曲は「Eterno」。
「eterno」とはイタリア語で「永遠の」という意味。
英語だと「eternal」ですな。
語源は「長い時間」とか「長い年月にわたる」を意味するラテン語の「aevum」。♪ズンズクズンズク…コレも胸のすくようなドライビング・ナンバー。
やっぱりIsaoさんのMarshallサウンドがゴキゲンだった。「本日はツアーの初日です。
実はギターのIsaoがCONCERTO MOONが大好きで、追っかけをしていたぐらいなんですよ!」「はい、CONCERTO MOONを追いかけ続けて21年!
今日は島さんにお会いしてサインを頂こうと思ってCDを持ってきました。
ファースト・アルバム発売25年周年の記念のライブで、自分たちがオープニング・アクトを務めることができるなんてとても光栄です。
21年前の自分に教えてあげたい!」…と、ユックリ大喜びしている間もなく、早くもCerveteriのステージは最後のセクションに突入する。
まずは『Don't Stop the Rock』から「IDEAL」。 歌のパートとつながっているとは思えないようなハードなキメとソロが痛快だ。
親しみやすいメロディの中に何度も出て来るディミニッシュ・サウンドもこの曲の特徴か。
そして、最後を締めくくったのはファースト・アルバムから「Keep the Faith」。
思いっきりハードに押しまくる1曲!
ツアーの1発目のオープニングを景気よくまとめ上げるのに最適な1曲!
4人の一糸乱れる完璧なアンサンブルが気持ちヨカッタ!
このチーム、結構70年代ロックなんですよ。
そこに今のロックには欠かすことができない「ポップさ」を大量に持ち込んだ感じ。
「歌は今風、演奏は70年代」と、伝統と現在をグサっと串刺しにしたようなサウンドは大きな快感だ。
さすが、ノンちゃんがツアーを通して前座に選んだだけのバンドではあるまいか?
Cerveteriの詳しい情報はコチラ⇒Cerveteri Official site
さて、続いてはCONCERTO MOONの25年前にタイム・スリップ!
冒頭で触れたように1997年にリリースしたファースト・アルバム『Frangment of the Moon』を再現するステージ。猛り狂うギター!
アルバムの1曲目…「Alone in the Paradise」!
芳賀亘
三宅亮
中易繁治
河塚篤史
そしてCONCERTO MOONの総帥、島紀史。
1発目からやらかしてくれたギター・サウンドは愛用のMarshall MAJOR 1967から!
今でも取り上げられることの多いこの曲。
芳賀ちゃんも完全に自家薬籠中の1曲だ。キタキタキタキタキタ~!
ノンちゃんのソロの第1回目が炸裂。
もう爆音がどうのとかじゃないの…相変わらずのサウンドでとにかく安心するのよ。亮くんのソロが迎え撃つ!
イッチョ上がりでハイ、ドッカ~ン。
2曲目は「Run to the Sky」。
♪ズンズクズンズク…グ~っと低いところをいく中易さんのベースが心地よいね。
ドヘヴィの中にも佳き歌メロ。
ノンちゃんのギター・ソロは曲の良さを何倍にも膨らませる欠かせないパート。
ドラマチックにしてロマンチック…とてもいい曲だ。
「ヘイ!東京!
お待たせしました、CONCERTO MOONです。
今日は『FRAGMENT OF THE MOON 25th Anniversary Tour』ツアーの初日です。
25年前から聴いてくださっている方も、今日が初めてライブ参加という方も、すべての人に楽しんで頂けるようなライブにしたいと思っています。最後までよろしくお願いします」「鹿鳴館!
芳賀も言いましたが、ファーストアルバムから25年ということで、こうして皆さんにたくさん集まって頂きました。
非常に感謝しています…どうもありがとうございます!
鹿鳴館というのはホームグラウンドとして演らせているんですが、当時ファーストアルバムを作る頃になって、やっと鹿鳴館でライブを演らせてもらえるようになったんです。
今はボクしかいないんですけど…。
それから25年が経過して、そのアルバムのアニバーサリーをココでできるというのは非常に感慨深いワケですよ。
しかしこういう企画って次にナニが出て来るのかみんなわかってるっていう…なかなかのモンがあるな。
それで楽しんでもらえるのかい?
(お客さん拍手)
一緒に演奏できる喜びに浸れるメンバーたちと25年前の曲を今に蘇らせようと思って考えた企画ですので皆さん最後までよろしくお願いしま~す!」 「では、そんなスペシャルな愛をユックリと、そしてジックリと楽しんでください」
コーラスからは甚る3曲目は「Cry for Freedom」。
やや入り組んだイントロリフをシャープにサバいていく河塚さん。
ミディアム・テンポのヘヴィ・チューン。
ノビノビと思いの丈をギター・ソロに込める。
この左手とワーミーバーの派手な動き…ソロがうまく仕上がった瞬間だ。
早くも亮くんのア・カペラのキーボーズのソロ。
ノンちゃんに一歩も引けを取らない熱演だ!
ギターのアルペジオ風のリフからソロで始まるのは…
アルバム4曲目(←今ココ)の「Holy Child」。
コレもひたすらヘヴィに徹するミディアム・テンポ・ナンバー。コレまた凄まじいソロ!
「アータ、ナニもそこまで弾かなくても!」…というぐらい弾いちゃう。
ソロの後半は指から煙が出ていた(←ウソです)。続けて「Hold on」。
芳賀ちゃんの声も絶好調。
『Fragments of the Moon』の25周年を祝うステージはまだ始まったばかりだ。
あと9曲。
至高の時間は続く。
CONCERTO MOONの詳しい情報はコチラ⇒CONCERTO MOON Official Site
<後編>につづく
■□■□■□■□■□お知らせ■□■□■□■□■□■□
Marshall Music Store Japan
Marshallのレコード屋さん「マーシャル・ミュージック・ストア・ジャパン」営業中です!
Marshall Recordsのバンドの作品を販売するお店。
Marshall Music Store Japanはコチラ
↓ ↓ ↓
Marshall Music Store Japan