simo@LOUNGE ZERO~関雅樹、岡井大二、石井為人、宮野和也 <第2部>
そういえばこの日はスゴい雨模様だった。
生地がメッシュだったとは気が付かず履いて行った靴のせいで靴下がビッチョビチョになってしまい、辛抱できず会場のすぐ近くのコンビニへソックスを買いに行った。
ナニしろココはハス向かいにルイ・ヴィトンのビルがあるようなロケーションでしょ?
そのコンビニには靴下の類を何種類か取り扱っていてが、完全に女性向けのアイテムしか置いていなかった。
妙にそのことに「銀座らしさ」を感じてかなり遠くの別のコンビニまで足を伸ばしてビジネスマン用の靴下を買ったとさ…。
濡れていない靴下はやはり気持ちよかった!
ま、私にとっての銀座エリア「女性の街」でも「接待の街」でもなく、誰がなんと言おうと「ハンターの街」なんだけどね。
しかし今にして考えてみると、中古レコード屋がTVコマーシャルをやっていたなんて夢のような話だったな。
最後に「ハンター~!」と叫ぶのが印象的でね。
大二さんがこの声のモノマネが得意だとおっしゃるのでsimoのステージでそのウチ披露して頂けることだろう。
その時は絶対にこのLOUNGE ZEROでお願いしたい。
そして、数寄屋橋の方を向いて絶叫して頂くのだ!(あの時のソニービルはもう跡形もないから) さて、simoのライブ、<第1部>のレポートをご覧頂いてナニからお気づきになりました?
ならない?
ま、いいか…この話はもう少し後で…。
「では、2回目を始めさせていただきます。
楽しんでますか?お酒の入ってるお客様はいいですね~。
今日は15年ぶりに来てくださったお客様がいらっしゃいます。
新曲いかがでした?」
第1部の最後に演った「De Mo Ne」の感想を訊くと客席から…
「昭和だった~!」というレスポンス。
確かに。
でもサビはかなり歌謡曲離れした感じだったよね。
「割と時間をかけて作ったんですよ。良かったかな?」
反応よし!
「'言葉'じゃなくて'音'で伝わるってうれしいですね。
さっきチョット歌ったったけど、アレでわかるでしょ?(筆者:わかる~!)
だからsimoはインスト・バンドなんです。
歌えたら、そりゃあ歌いますよ。
でも逆に言うとインストが好きな方っていうのは、歌詞が邪魔だ!って言う人もいますからね。
『アイ・ラブ・ユー』って言われちゃうと、もうそのままでしょ?
インストの場合、『この曲はあなたのために書きました』と言われて、歌詞が無ければ勝手に妄想できますからね。
女子は得意でしょ?…妄想。
そんなわけで第2部の最初も新曲を持って来ました。
『Elementary pop』を聴いてください」関ちゃんの言う通りでね、なまじ歌詞があるばかりに曲全体のレベルが下がってしまうなんてことはよくあることで、Wishbone Ashなんてのがいい例だろう。
コレはイギリス人のギタリストの受け売りなんだけど、「あんなに美しくてカッコいい曲を歌詞のクダらなさが台無しにしている」と言っていた。
こっちは子供の頃から聴いているWishbone Ashの音楽の歌詞なんて気にしたことがなかったからチョット驚いた。
それで歌詞を調べてみた…完全に納得。
英語がわからなくて幸せだった。
だから日本語のロックだと派歌詞を聞いて意味がわかっちゃうだけにヘビメタの人たちなんかの作詞は難関中の難関だと思う。
だから日本語のハードロックのバンドってコミック系か魔界系になりがちなのではなかろうか?「Elementary Pop」は関ちゃんのディレイ・トリックを派手に取り入れたsimoのレパートリーの中ではハードな部類のナンバー。
少なくとも全然ポップではない。為人さんのストリングスが怪しげに曲にのしかかるし…
宮野さんのベースも重く、暗い。
でもいつもより楽しそう。
ナゼ楽しいのか、その理由はもう少し後でね。曲の後半でメロディを奏でるように大二さんがフィルを挿入していくするパートがカッコいい。
混とんとした雰囲気の中から聞こえだす3連のパルス…。
simoのオハコ、ホレス・シルバーの変形マイナー・ブルース「Senor Blues」。
まずはギター・ソロから。
オハコだけあって水を得た魚のようなスムーズなソロだ。続いて為人さんのソロ。
これまた密度の濃いプレイでソロ終わりで客席から拍手が沸き上がった。「ありがとうございます。
第2部の1曲目は『Elementary pop』という新曲から『Senor Blues』をお送りいたしました。
うるさかった?」
全然大丈夫ですよ~。
「ステージを見ていただきますと、Marshall。
ネッ、ゼ~ンブMarshall。
キーボーズの後ろにもMarshall。
そして、べースの'みやんの後ろにもMarshall。
ボクの後ろにはもう10年以上Marshall。
Marshallさんには大変お世話になってます!」
こちらこそ!ドンドンドン!!と大二さんがバス・ドラムを鳴らす!
「ハイ。大二さんが使っているドラムスのNATALも実はMarshallです…っていうことは?
今日はMarshallの機材オンリーで演ってます!
Marshallの代理店のヤマハYAMHAさんじゃないですからね。
ボクらは本国、イギリスのMarshallさんのご協力を得ています。
為人さんの後ろにそんなにデカいアンプがあって、今日のボクのギターアンプが1番小さいんじゃないかな?
楽器がわからない人でも、このロゴは見たことがありますよね?
この前、ヨーロッパのツマらない映画をガマンして観ていたんですけど、屋根裏部屋で主人公がくつろぐシーンでちゃんとMarshallが出てくるんですね。
『Marshall』ってロゴを目にするだけでパッと色々連想できるから小道具にも使われるんだろうな。
コチラ銀座LOUNGE ZEROさんはこんなにMarshallが積まれることはないですよね?」 「今日は、実は…Marshallの取材も入っておりまして…」
ココで関ちゃんがMarshall Blogの説明をしてくれた。
「読み物としても、ものすごく読み応えのあるブログです。
世界で唯一、アンプの裏まで見れる、非常にコアなブログです。
是非!皆さんもチェックしてみてください」
「ど~ですか?Mashall…やっぱり違いますか?為人さん」
「そりゃ~そうですよ!」
為人さん、ニコニコ!為人さんが使用したMarshallは、JVM210Hが2台。
キーボードを2台使うのため。
それを1960BVをステレオにセットしてそれぞれの系統を8Ωで接続し、スピーカーを2発ずつタテに分けて鳴らした。
チャンネルはもちろんCLEAN/GREEN。
JVMのCLEANはヘッドルームが大きいので余裕のクリーン・サウンドを出すことができるのだ。関「'みやん'のMarshallは、実はギターアンプなんですよ」
宮野「もうね、楽しくてしょうがない!」
関「昔のアンプってギターもベースも区別なかった。みやん、リハからズーッとピロピロやってる」
宮野「だって楽しいんだもん!もともとMarshallが一番好きなんですよ」
関「じゃあ、オレがず~っと羨ましかったんだぁ?」
宮野「そうそう!」
関「いい音してますね~!」
知らなかった…もう宮野さんと知り合ってから10年近く経つのかな?
もっと早く言ってよ~。
「Marshallが大好き」だなんて、この日初めて知りました。
道理で今日の演奏がいつにも増してノリノリだったワケだ!宮野さんのMarshallは関ちゃん所有のJCM800シリーズ時代の1959とJCM900時代の1960A。
「昔はギター用とベース用の区別がなかった」と関ちゃんが言っていたけど、イヤ、あるんですよ。
でも、ほとんど変わらなかった。
だから値段が安かったベース・アンプをチョチョイと改造してギター・アンプとして使う、ということが昔流行ったんだね…もう40年以上前の話ですよ。
下のヘッドは完全にギター用です。
でも、ホントいい音だった。
スゲエ抜けるの。これだけじゃなくて、ベース向けにJMP時代の1959とEDENのTerra Novaまで用意されていた。
関「ありがとうございます。大二さん、NATALはいかがですか?」
岡井「しっかり鳴っちゃうの。すごくいい!
トラディショナルなサウンドとコンテンポラリーなサウンドが実にいい具合に混ざっているんですよね」大二さんはZEROではいつもこのキット。
18"バス・ドラムのCafe Racer(カフェ・レーサー)。
NATALのバスドラムはよく鳴るので18インチで十分…なんておっしゃっていた。スネア・ドラムは現在は入手できなくなっている「Stave(ステイヴ)シリーズ」。
「stave」とは「桶」のことね。
温泉なんか行くといまだに使われている木の桶みたいな構造になっている。「だいぶお客さんの反応も良くなってきましたね。
Marshallさんのサポートでお送りいたします」関ちゃん&みなさん、ありがとうございます!
こんなにオールMarshallなのは珍しい。
まるでディープ・パープル!
だから大二さんはよく「Smoke on the Water」のエンディングを演っているんですね。(←コレは私の妄想です)
ディープ・パープルはかつてMarshallのデモンストレーション・バンドを務めていた。
だからキーボーズはもちろん、イアン・ギランのボーカルPAまでMarshallだったのです。
でもドラムスはLudwigだった。
だから4対4で引き分けか!
本社のミュージアムに展示してあるこの赤い「ピクチャー・フレーム・キャビネット」は実際に当時イアン・ギランが実戦で使っていた物だそうだ。 お~っと!
次の曲に行く前に肝心の関ちゃんのMarshallを紹介しておかないでどうすんだよね~。
この日は新しく導入した大人気のSTUDIOシリーズ SV20Hと1922のコンビネーション。
それに1974Xを組み合わせてステレオで鳴らしていた。それと久しぶりに…足元のようす。
コレはもうサッパリわからん。次に演奏したのは宮野さん作曲の「Koto」。
関ちゃんは「Softly as in a Morning Sunrise」を少しクウォートしていた。
どこかで「All the Things You Are」もチラリと出て来てたナァ。コレもsimoのライブには欠かせないこのチームの愛奏曲だ。
為人さんの生ピアノがピタリとマッチして実にいいムード。
そして、宮野さんのソロ。
初めて耳にするMarshallで弾く「Koto」のベース・ソロ。
いいフレーズが次から次へと出て来る出て来る!
スゴイ気合だった!楽器がプレイヤーを鼓舞するいいパターンを目の当たりにした。
「ハイ、ありがとうございました。'みやん'の『Koto』をお送りしました。
あと2曲となりました。
もう1曲オリジナルを演ります。
コレはね、15年くらい前に芸能の仕事をやってる時、田舎町での仕事で周りに何にも無かったんです。
部屋にジーッとしてるしかなくて、何もやることがなさすぎて出来た曲です」
またFirebirdに持ち替えて演奏したのは「Simple Way」。
関ちゃんと…
為人さんの掛け合いから…
こんな感じ!
第2部のハイライト!ノリノリです!
コレにもMarshallのパワーが働いているのかッ?!そんな皆さんを大二さんが徹底的にプッシュする!
「次の曲はいつも最後に演ってるんですけど、ボクは四人囃子のファンです。
色んなめぐりあわせで、師匠と思ってる森園勝敏さんと知り合って、そこから大二さんと出会いました。
四人囃子は自分にとってものすごく大きな存在です。
最後は四人囃子が1989年に発表した『眠い月』という曲を演ります。
もうお亡くなりになりました四人囃子のベースだった佐久間さんの曲です。
ボクなりにアレンジしてみました。
本日もどうもありがとうございました」最後にもう一度ストラトキャスターに持ち替えて演奏した「眠い月」。
今日はとても眠くなってなんかいられないバラードとは思えない4人の大熱演を聴くことができた。
この魂がかった演奏もMarshallのおかげかな?…そう思っておこうっと!
ありがとうsimo!
アンコールはまず関ちゃんの独奏によるホーギー・カーマイケルの「The Nearness of You」から。
何でいつもコレなの?と訊いたら「イヤ、別に…」だって!
続いてビートルズの「Dear Prudence」。
この「Prudence」というのはポランスキーの『ローズマリーの赤ちゃん』で有名なミア・ファローの妹さんの名前なんですってね。
ビートルズと一緒にインドに行った時、メンタル面に支障をきたしてしまい、小屋から出て来なくなってしまったプルーデンスに向かってジョンが外からこの曲を歌うと、プルーデンスが表に出て来たとか…。
オイオイなんだ?「プルーデンス」ってのは「天照大御神」か?
関ちゃんのチョイスは大好きなハイラム・ブロックの影響でしょう。
私はその昔、マーカス・ミラーのバンドで来日したハイラムに開演前の楽屋で会ったことがあるんだけど、太りすぎてしまっていてステージに上がるまでその人がハイラムだったとわからなかった。
ハイラムは『Manny's Car Wash』というライブ・アルバムで11分半に渡ってこの曲を演奏している。
simoの4人もそれに勝るとも劣らない内容の濃いパフォーマンスを見せてくれた。
関ちゃんは「♪Dear Prudence, won't you come out and play」と歌まで披露。
なるほど、歌詞が「天岩戸ストーリー」になってるわ。今日も充実のステージだった!
最後はみんなでご挨拶。
関雅樹の詳しい情報はコチラ⇒the Seki's Web
■□■□■□■□■□お知らせ■□■□■□■□■□■□
Marshall Music Store Japan
Marshallのレコード屋さん「マーシャル・ミュージック・ストア・ジャパン」営業中です!
Marshall Recordsのバンドの作品を販売するお店。
Marshall Music Store Japanはコチラ
↓ ↓ ↓
Marshall Music Store Japan