Marshall Blogに掲載されている写真並びに記事の転載・転用はご遠慮ください。
【マー索くん(Marshall Blog の索引)】
【姉妹ブログ】
【Marshall Official Web Site】
【CODE/GATEWAYの通信トラブルを解決するには】

« 【Marshall Records】 ピーター・キャップスティックのインタビュー | メイン | Live, Alive, D_Drive <前編> »

2021年7月14日 (水)

泣いて笑ってクラッファーズ(秦万里子、岡井大二、駒沢さっき)

 
ああ~楽しかったナァ~。
観た後の充実感たるや生半可ではなかった。
キチンとした芸を持った人が自分が作った楽しい音楽に真剣に取り組む素晴らしさ…こんな風に思わせてくれるショウは久しぶりだった。
ピアノの秦万里子、ドラムスの岡井大二にベースの駒沢さっきのトリオ「Craughers(クラッファーズ)」。

10この日のショウは3つのパートで構成された。
まずは秦さんの即興のピアノ・ソロ。20秦さんの演奏は、前回この会場に稲葉囃子が出演した時に初めて耳にした。
その時は「泳ぐなネッシー」他の四人囃子の曲をモチーフにした即興演奏を披露してくれた。
それは素晴らしいとしかいいようのない演奏だった。30vまずタッチがすごく好き。
音色がすごく上品で理知的に聞こえるのだ。
そして、何よりも楽しい!40v今回もそのタッチで魅力的な演奏を聴かせてくれた。50「七夕」、「When You Wish Upon a Star(Over the Rainbow添え)」、「キラキラ星」等、季節がら「星」にちなんだ曲のメロディの断片がどんどん飛び出してくる。60vさらに時節に合わせたロサンゼルスの「Olympic Fanfare」、「ジョーズ」、「スターウォーズ」といったジョン・ウィリアムスのおなじみのメロディはキラ星のごとし。65それらのモチーフと秦さんが即興で作り出すメロディが絶妙に絡み合って、この瞬間だけの音楽を紡いでいく。
ウットリとしながらいつまでも聴いていたくなるピアノの音色と演奏なのだ。70vああ~ん、終わっちゃった!80vインターネットの情報によると、弟子入りを希望したというほどジョン・ウィリアムズがお好きだという秦さん。
このブログでジョン・ウィリアムズについて書くことなどそうないであろうから、いい機会なので少し脱線してみたいと思う。
何でも秦さんが大きく感銘をお受けになったのは1984年のロサンゼルス・オリンピックのテーマ・ソングだったとか。
1984年、私は大学4年生で、当時入っていたジャズのビッグバンドの金管の連中がしょっちゅう演っていたのをよく覚えている。
金管楽器っていいな~って思った。
あの夏、就職活動の真っ只中でね、面接の時の典型的な質問のひとつに「最近感動したことは何ですか?」というのがあった。
それには「ロサンゼルス・オリンピックです」と答えるのが一番無難とされていた。
どこかの会社の面接で実際にそう訊いて来た面接官がいて、私が模範解答通りに答えると「ナゼですか?」と質問を重ねられて困ったことがあった。
「やっぱりアメリカはスゴイと思ったからです」ぐらいのツマらない返答をしたように記憶している。実際、あの頃はまだアメリカに憧れていたのよ。
その前のモスクワでスッタモンダがあったが、あの時分はまだオリンピックもかなり健全なイメージだったね。
そういえば、今回のオリンピックのテーマソングみたいなモノってどんなん?

90s_2ジョン・ウィリアムズのことを調べていて、いくつか純クラシック作品を残していることを知り、「ヴァイオリン協奏曲」と「ファゴット協奏曲」と「チェロ協奏曲」の3つを実際に聴いてみた。
交響曲も1曲作っていて、本当はそれを聴きたかったんだけど、残念ながらSpotifyで見つけることはできなかった。
「ヴァイオリン協奏曲」は第3楽章がそれこそ『インディアナ・ジョーンズ』のクライマックスみたいでオモシロかったけど、「チェロ協奏曲」が一番ヨカッタ。
「ファゴット協奏曲」あたりは「のび太」の顔が浮かんじゃって…。

150意外だったのは、1969年、ピーター・オトゥールの『チップス先生さようなら(Goodbye Mr. Chips)』の音楽を担当していたのね?
下は私の宝物のチラシ・コレクションのウチの1枚。
コレ、珍しいB4見開き仕様。
配給会社もこの映画によっぽど力を入れていたのだろう。
100監督はハーバート・ロス。
ピーター・オトゥールの相手役を演じたのは「♪ダ~ウンタウン」でおなじみのペトゥラ・クラーク。
すごいね、「世紀の大公開」だよ。
テアトル東京、好きだったナァ。
私の一番の思い出は、1975年、13歳の時に父とココで『七人の侍』を観たこと。
スゴイ雨の日で、超満員。
ココは客席と舞台がなだらかなスロープでつながっていて、舞台の上まで客が入っていた。
「何てオモシロい映画なんだろう!」と興奮して以来、カレコレ30回以上は軽く観ている。
ちなみに私は自慢じゃないけど『スター・ウォーズ』って1編も、1回も観たことがないんです。
みんなが観てるから自分はいいか…みたいな。110もうひとつ。
『屋根の上のヴァイオリン弾き(Fiddler on the Roof)』の編曲を担当しているのは知らなかった。
ということで早速ウチにあるサントラ盤を引っ張り出して来た。120ジョン・ウィリアムズは「Music Adopted and conducted by」のクレジットになっている。
コレ音楽を作ったのはシェルダン・ハーニックとジェリー・ボックというコンビ。
ジョン・ウィリアムズは「編曲」というよりも、ミュージカル用に音楽を作り直す作業をしたのだろう。
コレによって1971年のアカデミー編曲・歌曲賞を受賞した。130『屋根の上のヴァイオリン弾き』というと何が何でも「Sunrise, Sunset」ということになるのであろが、2曲目の「Matchmaker, Matchmaker」というワルツがヤケクソにいい。
さすが、ジョン・ウィリアムズ、アレンジもカッコいい。
若い頃、「マッチ屋」の歌かと思っていたが「カップルをマッチさせる人」、すなわち「仲人」さんのこと。
この曲、「My Favorite Things」のようにもっと色んな人が取り上げてもいいのに…と思うのだが、私がパッと思い浮かべる限りでは『Movin' Wes』でのウェス・モンゴメリーぐらいか?
ま、このアルバムは1曲目の「Caravan」を聴くためのようなモノだからこの曲には誰も耳に止めないと思うけど。
やっぱりコルトレーンの影響力はスゴイね。140s「足元の悪い中、おいで頂きましてありがとうございます。
ひとたび転んだら骨を折ることになるかも知れない危険を冒してまで来てくださってありがとうございます」
齢を重ねると、ホント骨がくっつかなくなるからね~。
数年間、左のアバラ骨にひび入れてみたところ、ずいぶん長い間クシャミができなかった。145「ココでお題を頂戴したいと思います。
今回1番で予約を入れて頂いた方?」
即興演奏のためのお題ですな。
頂いたお題に則してこの場で秦さんが音楽作り上げる趣向。
落語で言えば「三題噺」。
明治の大名人、初代三遊亭圓朝は「酔漢」、「財布」、「芝浜」の三題から「芝浜」を演じたという。
あの「芝浜」が即興?…ホンマかいな?
夢だったんじゃないのかね?
怪談噺の一種「鰍沢」も圓朝の三題噺で出来上がったという。
146vその方が出したお題は「カエル」。
梅雨時でアマガエルのイメージか?
「この中でカエル触れる人?」と会場に問いかける秦さん。
コロナ下の満席の会場から結構手が挙がってビックリ!
私はダメです。
秦さんは昨今のライブにおける満員状態のことを「ソーシャル・ディスタンス満員」と呼んでいらっしゃる。
うまいことおっしゃるナァ。150「カエル」らしく照明がグリーンに。
やっぱりアマガエルだな。160カエルらしく元気に飛んだり跳ねたりしているイメージ。
「♪カ~エ~ルの~う~た~が~」を題材にするなんてことはあり得ない。
切れ味の鋭い秀麗なカエルなのだ!
170v「いつまでそこで聴いているんだ?
ソロソロ出て来てください!
♪岡井くん、岡井くん
♪カエルがアナタを呼んでいる~。
♪もうすぐ誕生日~!」180大二さん登場!
これまで配信をご覧になっていたとか…。
200さすが、大二さん。
当意即妙に秦さんのピアノをドラマチックに脚色していく。190もちろん大二さんが使用しているドラム・キットはNATAL。210vCafe Racerの12"、16"、18"というコンフィギュレーション。
可愛いバスドラムだけど大二さんが踏むと、それはそれは立派な音が出て来ます。220大二さんが配信をご覧になっていて気になったのが秦さんのズボン。
というので、わざわざ立ち上がって見せてくれた。290vト音やヘ音の音部記号や見慣れない拍子記号が描かれている。
15分で仕上げたとか…。
そういえば開演前に秦さんの楽屋を通り過ぎた時にマジックインクを手にしてナニかを書いていた姿をチラリとお見受けした。
寄せ書きかなんかかと思っていたら…アレはこのズボンだったのね!300大二さんが加わったところでもう1曲。
即興ではないけど、これこそ三題噺の「音楽版」。
「3 Notes」と題して、子供が好き勝手に選んだ3つの音を使って作った曲。
この写真だとわからないかも知れないが、大二さん、大変にムズカシいお顔をしていらっしゃる。

S0r4a0049 秦さんはシレっと弾いていらっしゃるが、この曲、まずリズムがエラク複雑なのだ!

Img_1730 6/4拍子だの5/4拍子だのが入り組んでいるのかな?
途中でわからなくなってしまった。Img_1815 カッコいいわ~。Img_1708 大二さんは「(ピアノの鍵盤の)ココとココとココって子供が選んだのがナンでこんなにムズカシくなるの?」とおっしゃっていたがイキイキとしてNATALを叩かれていた。260v「ありがとう!
この曲ムズカシイの…うまくいくとうれしくて!」270ココでベースのさっきちゃん登場。330さっきちゃんのベースの音を出していたのはMarshallの4x10"キャビネット。
1980年代の後半に製造していた「Integrated Bass System」というシリーズの1540。

340「次の曲は…『アンティグオ』でいいんだっけ?
スペイン語のわかる人しか意味がわからない…おじいさんが作った曲」
「おじいさん」とは大二さんのこと。
2人で「おじいさん」、「おばあさん」と呼び合っていた。
そんなコンサートある?
350v「アンティグオ(antiguo)」というのはスペイン語で「古い」という意味。
元がラテン語で、英語で「骨董の」とか「古風な」という意味を表す「antique(アンティーク)」と兄弟の言葉ですな。
それより私は「Antigua(アンティグア)」を演奏するのかと思ってかなり驚いたんですよ。
「Antigua」は別名「Anti-Carypso」といってギタリストのローランド・プリンスという人が作ったエルヴィン・ジョーンズの愛奏曲。
こっちはカリブ海にある島の名前ですな。
さすが大二さん、エルヴィンか~!と思ったら違った。360「徘徊」というサブ・タイトルまで付けられていた!370曲は大二さんのドラムスからスタート。380vさっきちゃん、超久しぶりのMarshall Blog!390vシリアスなインスト・ナンバー。
秦さんのピアノのタッチと思わず聴き込んでしまうフレーズの組み立てが素晴らしい。
ホントに聴いていてウットリしてしまう。400v「ウチに帰れた?おじいさん」
「イヤ通り過ぎちゃった!」と大二さん。
280v後で酔っぱらってマンションの階を間違えて知らない人の家に行っちゃう…なんて話も出ていたけど、私も遠い昔に社宅でやったことあります。
430「次の曲は歌があるの…。
『泣き笑い』を歌えたらいいな…と思って。
『泣く=cry』、『笑う=laugh』の2つを合わせて『クラッフィング』という名前ができて『クラッファーズ』とこのバンドに名付けたんです。
楽しくて、うれしくて、色んな人と生きていけるな…っていう曲を歌います」
 
大二さんが開演前に「今日のライブは前半と後半で雰囲気がゼンゼン違うからね!」と何度かおっしゃっていたが、それは本当でした。
この先、秦さんの歌が入ってからというもの、前半のシリアスな雰囲気はとこへやら、ガラリとステージが変わってしまった。
ここからが輪をかけて楽しかった!
420v「♪今は今 過去は過去 心配なんてありゃしない」、「♪アソコでもコッチでも生きていけるもんさ」と歌うのは「生きていけるもんさ」。440「You can't hurry life」とでも言いたくなるような楽しい1曲。

450リズム隊の2人が抜群のグルーヴを秦さんに提供する。
410スカートを履いてステージに上がった来たことが話題になったさっきちゃん。
座奏でベースがズリ落ちてしまうので、100円均一で売っている滑り止めのゴムをモモの上に敷いていることを発表。
「昨日の夕方、どしゃ降りの駅のロータリーで前にショッキング・ピンクの車が停まっていて、『すごい車だな』と思って見ていたら、ゼンゼン知らないオバちゃんが私の車に乗って来たんですよ!
散々話した挙句、私の顔を見て、『アラ!私間違えちゃった!』って言って前の車に乗って行ったの!…あのオバさん秦さんじゃなかった?」
ココでみんなで勘違いの話となる。
今考えてみるとコレが後の曲の伏線になっていたのね?
ステージ運びのすごい高等テクニック!470v次に「ロシアよりもったいないを込めて」。
世の中もったいないモノやコトばかりですよね。
でも、それが経済を回していると言わざるを得ないからイヤになっちゃう。
ほぼすべてのもったいないを一発で解消する方法がひとつだけあると私は思っていて、それは江戸時代の暮らしに戻ること。
言い換えると太陽と一緒に暮らすということ。
この辺りの本を読むと大変オモシロいね。
もちろん今となってはそんなことはできないので、本当に無駄なモノやコトは思い切ってズッパズッパと切り捨てなければならない局面に来ていると思う。
例えばネオンサインとか夜中のテレビ放送とか。
もちろん私はもったいないので本はほぼ全量ブックオフで買っています(ウソ、セコいだけ)。480_russこの曲では秦さんの手の合図に合わせてお客さんが「ヘイ!」と掛け声を入れる。
その秦さんの手の振り方がスゴイ迫力なのだ!
「ハイここッ!!!!」みたいな。

490va

490bv_2ノッて来たゾ~!

510「ヘイッ!」
バッチリとキマりました。

520「ゴルフは3歳から初めて3歳で止めた。バンドも18歳で初めて1年で止めた」
さっきちゃんから「バンドを始めたのが18歳って若いの?」とツッコミが入ったが、トンデモナイ!
私もどちらかといえば秦さんや大二さん世代にくくられる方だと思うんだけど…年齢は結構離れているけど、「ロック」という音楽が「ロック」だった時代を知っている古い人間であるということ…秦さんが18歳の頃に女子でバンドをやっているなんてレア中のレアだったハズよ。
始めるもナニも、存在自体が一般的ではなかったと思うよ。

530v「ウチのオヤジなんて80歳で車の免許取りましたよ」
大二さんのお父上は、「大二さんのお父さん」だけあって立派な方ですから。
秦さんは「ドラマーで免許を持っていない人に初めて会いましたよ」と大二さんのことをおっしゃっていたけど、ジャズ方面なんかではベテランのミュージシャンで車の免許を持っていない人が結構多いんだよね。
ナゼなら忙しくて、とても教習所に通う時間がなかったんだって。
それで、18年前、大二さんと同じ年齢の世界的なジャズ・ギタリストに「合宿の教習所」なるモノがあることを教えて差し上げたことがあった。
その方、その手の教習所に通って見事免許を取得されました。
ファンの教官がビックリして、レコードを持って来てサインを頼まれたとか…。
 
「今日はMarshallのNATALドラムスを使っています!」と大二さんにNATALを紹介して頂いた。
ありがとうございます!0r4a0081 次の曲もヨカッタ…グッと来た!
「あんな息子」という曲。
大谷くん、八村くん、松村くん…あんな息子がいたらどうでしょう?…という歌。
歌には出てこなかったけど、あと藤井くんもかな?
わかるよな~。
正直、ウチの子が翔平くんだったらな~…と思うことはありますよ。
まずはお願いして家を建て直してもらいたいわ。
540_sonいい素材に…

550vいい演奏…

560vそして感動。
曲は「今の家族が一番 今の家族が私にはちょうどいい」と結ぶのだ。
 
ウチの子は2人とも勉強しなくてね~。
ロクな学校しか出れなかったけど、健康で、よく気が利いて、自分のことよりも親のことを心配してくれる優しい子に育った…全部家内のおかげだけど。
息子や娘が東大を出て、官公庁に勤めて…なんて、そりゃスゴイけど上をみたらキリがないし、自分がやってるワケじゃないので人に言うことでもない。
人間、「アソコでもコッチでも生きていける」もんでしてね、とにかく一番大切なのは心と身体の「健康」ではないかと最近つくづく思うのです。
ただ、どんなことがあってもひとつだけやっておいた方が良いと思うのは「読書」です。マンガはダメよ。570v「次の曲は立って演ります」
ズボン、カッコいいな~。
最近、ズボンっていう言葉もあんまり使わないのかな?
アメリカ式に「パンツ」?
スペイン式に「パンタロン」?
日本ではナゼか絶対に出てこないズボンの名称がイギリス式の「トラウザーズ」。
ま、ドップリとイギリス派の私も日本にいれば口にすることはないけど、イギリスに行けばみんな使っている言葉。

580v_who「えーと、コレはおジイさんからでしたね?」
「ハイ、ワタスでぃす!
恥ずかしながら~、ワタスからいっでみようかねハァ」
おジイさんの山形弁、あ…失敬、大二さんの得意技炸裂!
そういえば今回「Smoke on the Water」が出なかったな。
おジイさんも相手を見てアレやっていらっしゃるのか…。
代わりに…
曲は大二さんのカウントから。
「キーはズーマイナー。
ワン、トゥ、スリー、フォー!………と言ったらはずめて下さい!」
590「や、やられた…」
超古典的なギャグがうれしい。600v「チョット!私大分前からGのところ押さえているんですからねッ!」
とあまりに前置きが長いことで待ちきれなくなってしまったさっきちゃん!
会場は大爆笑!610v予告通り大二さんのドラムスから曲はスタート。620v曲は「あなたどちら様」。630タイトル通り、話しかけてきた人が誰だかサッパリわからなくて困っちゃう歌。640vさっきのさっきちゃん(←ややこしい)のショッキング・ピンクの車のオバさんの話通り!
ココへの伏線だったんだな。650vコレはね~、年々多くなるんだよね。
ホントにイヤなもんです、申し訳なくて。
顔はわかっても名前が出ない…なんてのは日常茶飯事。
私ですらそうなんだから大勢の人と会う秦さんみたいな方々は本当に大変だと思う。
でも、失礼になるのでわかったフリをしているというのが社交辞令。
それなのに「覚えていますか?」とか訊かれる時があるんだよね~
アレは困る。
落語の「鰻の幇間(うなぎのたいこ)」に出て来る一八みたいになっちゃう。
 チョット脱線して…。
ギタリストの田川ヒロアキさんとそんな話をしていた時のこと。
やっぱり彼もモノスゴイ数の人と日頃から会っているワケ。
ご存知の通り全く目が見えないので、声で相手を識別するしかない。
それなのに「田川さん、お久しぶりです!」と話しかけて来て、こっちが怪訝そうな顔をしていると、「おわかりになりませんか?覚えていないんですか?」と強引に自分をわからせようとする。
「コレは正直に『わからない』と答えた方が安全そうだ」と、意を決して相手との関係を尋ねると…「覚えてないかな~。15年前に下関で一度お会いしたモノですよ!」
わかるワケがない!
顔を見ていたって覚えていられないのに「声」だけでそんな昔に一度だけ行き会った人を識別なんかできるワケがない…という話。
こういうのは全くの非常識であって、自分からダレダレとまず伝えるべきでしょう。
 
最近は私はもう「年齢」とか「加齢」とか「老化」という状態を利用して、相手がわからない時は「ンンンンンン~」と、正直にわからない仕草を見せて正直に謝ることにしている。
するとみんな親切にいたわってくれる。
歳を取るって悪いことばかりはないんよ!…違うか。675v秦さんの歌を引き立たせる臨機応変なドラミングは名人芸。
リズムはタンゴ。
そう、私は今の日本の音楽界は猛烈なリズム貧乏だと思っている。
マンボにルンバにチャチャチャにドドンパ…。
この世には色んなリズムがあるのにこの国ではほとんどそれらが壊滅状態でしょう?
昔はもっとリズムがにぎやかだった。
ロックの方でもすでに若い人の間にはブギとかシャッフルという三連系のリズムがほぼ絶滅しているからね。
670結局、相手が誰かわからない。
これぞ泣き笑い!
 
3人のステージは笑いとステキな演奏ばっかりだった!

680_ku

690v

700v「え、ワタシ?私、鈴木じゃありませんよ!」
相手は完全に人違いをしていた…という話。
さすがにこの経験はないな~。
会場を大爆笑させて本編を終了した。660v本当はアンコールも含めてもう少し演る予定であったのだが、終演時間を遵守して終わり。

「もうすぐ岡井くんの誕生日!」とおバアさんからおジイさんに花束が贈られた。705「ありがとうございます!7月8日で68歳になります!
まだまだ色々やりますのでよろしくお願いします!」
730v「四捨五入して65歳から『70歳』って言っておくと74歳になっても『70歳』なのよ!」
ん?
740「ジイさんとバアさんと若い娘です。これからもよろしくお願いします!」
なんか、ホンモノの家族みたいですね~。710「どうか転んだりしないように気をつけてお帰り下さい。
怒っている人もいるかも知れませんが、また来てください!
最後なので私が『蛍の光』を弾いてお別れします」
720vピアノに戻る秦さん。

750退場していくお客さんを見守る秦さん。
この「蛍の光」がまたカッコよかった!760最後の1人がホールを出るまでキチっと弾き続けた。
 
秦万里子の詳しい情報はコチラ⇒秦万里子オフィシャルウェブサイト770その後ロビーでは「♪ハッピーバースデー」の大合唱!
1週間遅くなっちゃったけど、大二さん、お誕生日おめでとうございます!

780 

■□■□■□■□■□■□お知らせ■□■□■□■□■□■□

Marshallのレコード屋さん「マーシャル・ミュージック・ストア・ジャパン」営業中です!
Marshall Recordsのバンドの作品を販売するお店。
よろしくお願いします!
 
Marshall Music Store Japanはコチラ
  ↓   ↓   ↓
Marshall Music Store Japan

S  200 
(一部敬称略 2021年7月2日 二子玉川Geminiシアターにて撮影)