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2021年7月 2日 (金)

目覚めよ!ヘルレイザーズ!!~HELL FREEZES OVERの新たなる旅立ち <前編>

 
若きヘヴィ・メタルの雄、HELL FREEZES OVERがメンバー・チェンジを経てパワーアップして帰って来た。
去る6月26日、『Wake Up, Hellraisers!!~The New Beginning of H.F.O. 2021』と題した新しい体制での単独公演を開催した。
10vそのステージのようす。20右から見ても…

30左から見てもMarshallスタックだらけ。
そして、真ん中にNATALドラムス。
やっぱり「ロック」を演るステージはこうありたいものですな。
40場内の物販コーナー。
55色々と取り揃えております。
60お!
H.F.O.をご存知で『Marshall GALA2』へお越し頂いたのか、はたまた『GALA2』をご覧になってH.F.O.をお気に召して頂いたのか…とにかくうれしいものです。
70コチラは楽屋のようす。
楽屋にもMarshall。
ウォーミング・アップ用に使われていたギター・アンプはCODE25。Codes開演前の記念の一枚。
このメンバーで人前で演奏するのは初めてだからね。
ゲイナーくんに言わせるとこのポジションは「岩倉使節団」の5人なんだって。
左から木戸孝允(=桂小五郎)、山口尚芳、岩倉具視、伊藤博文、大久保利通…ってか?
この5人が2年ぐらい欧米に行っている間に西郷さんが色々とやらかして長州の皆さんはハラホロヒレハラになっちゃったんだねェ。
 
いいですか~、「幕末~明治」にかけての歴史は薩長側から語られるばかりですが、コレは大変な不公平であり偏った歴史観です。
この辺りの勉強する時には必ず幕府側の著述にも目を通すように努めてくださいね。
「官軍」だ、「賊軍」だ、なんてトンデモない。
もうチョット慶喜がシッカリしてればナァ。 S0r4a0013 さぁ、本番!
勇猛なオープニングSEに包まれて5人のメンバーがステージに上がった。80TREBLE "GAINER" AIDYSHO85vRYOTO

90vRYOTOくんのMarshall。100vロゴ付けようよ~。
「DESTROY」なんて書いてあるけど、ココは「CAME OFF」だろうね。
「destroy」というのは「修理が不可能なまでに壊す」という意味だから。
…なんて揚げ足を取ってみたけど、徹底的に欧米仕様にこだわっているこのバンドのウェブサイトの「ボーカル」の表記はちゃんと「Vocals」と語尾に「-s」が付けられている。
シッカリ勉強してますよ。 
ま、歳を取るとね、英語表記が特段「カッコいいモノ」とは思わえなくなってくるから、今のうちに勉強して楽しんでおいてください。
私も若い頃は憧れたモノです。
でも、今は視認性に富む日本語の表記が一番いい。
かつてはMarshall Blogも「人名・バンド名・作品名」についてはオリジナル通りの表記をしていたけど、最近人名だけはカタカナで表記することにした。
読みやすいし、英語表記だと存在をすごく遠く感じるから。
バンド名は「The」の取り扱いがムズカシいのでオリジナル表記を使っている。
「キンクス」とは言っても「ザ・キンクス」とはあんまり言ったり書いたりしないでしょう?
でも正しくは「The Kinks」だから。そのまま書いた方がいい。
アルバムや曲のタイトルは、当然滑稽な邦題を避けるため。
そのくせ、Marshall Recordsの販売に際しては勝手に邦題をつけているんだよ…ワイルドだろう?
 
そこですごく不思議に思うのは、facebookなんかを見ていると外来語だけをアルファベットで表記している人がいるけど、アレはどういう考え方なんだろう?
例えば…
 
昨日リハーサルだったのでGuitarを2本持ってStudioへ行ったんだけど、OverdriveとDelayを忘れて来ちゃって…BackingはまだしもSoloを弾く時はツラかった。

 
みたいな…。
「リハーサル(rehearsal)」は綴りが少々ややこしいのでカタカナだったりする。
こういうのどこが便利で、どこがカッコいいのかがサッパリわからないのです。
 
RYOTOくん、ゴメン!変なところで変に脱線してしまった!
こんなつもりではなかったのに。
LogoがCame Offした愛用のMarshallはJMP 2203…もういいか That's enough!
 
RYOTOくんが使っているヘッドは1975年から1981年まで生産されていた「JCM800 2203」の前身モデル。
名前はやっぱり「2203」。
ノブが「ゴールド・トップ/ブラック」ではなくなっているのでオリジナルとは雰囲気がだいぶ違う。
シリーズは違っていてもモデル・ナンバーが変わらないのは~…
そう、「100Wヘッド、マスターボリュームつき、1チャンネル、2インプット」仕様のモデルをすべて「2203」と呼ぶから。
ナゼそれが「2203」という数字なのかは、過去のMarshall Blogに掲載してあります。
興味のある人は探してみてください。
どうして「1959」なのか、どうして「1960」なのかが書いてあります。
あ、「Marshall」と「Marshall Blog」という言葉はアルファベット表記をしていますのでよろしく。110それと、一応コレも参考までに言っておくけど、この1960Aを横にしちゃう置き方ね。
Marshallはコレをキライます。
コレをやってるのって日本人ぐらいなもんじゃないかしら?
海外でやっている人もいるのかも知れないけど、私一度も見たことがないな。
Marshallがコレを嫌う理由は、ひとこと…「ugly(醜い)」だそうです。
横にする音響的な理由はわかるけど、せっかくのジム・マーシャルのデザインが台無しになっているように感じるんだと思う。
 
何でも好き勝手に書いちゃってゴメンね。
こんなことH.F.O.の時じゃないと書けないから…それだけカワイがってるってことよ。
100v
HIROTOMO120vHIROTOMOくんのMarshall。130vJCM800 2210、通称「スプリット・チャンネル」。
「へ~、昔は茶色いフレット・クロスが張ってあったんだ」というのは誤り。
このクロスは元々は黒だった。
昔のクロスの素材は布地が100%で、時間が経つとこうして色が抜けて茶色になった。
その後、ヨーロッパの法律で難燃材を布地に混入する義務が定められ、それ以降のフレットクロスに使用される化学繊維の布地は色が抜けず、ズッと黒さをキープするようになった。
上で説明した2203同様、「100Wヘッド、マスターボリュームつき、1インプット、2チャンネル」のモデルが「2210」の定義。
マイケル・シェンカーの愛器として知られる50Wモデルは「2205」だ。
今では「2チャンネル」なんてもはや「死語」にも近いような感じさえするけど、発売した1983年当時は大変な技術で、開発にすごく苦労したらしい。
140新加入のベーシスト、RAY。150vRAYくんのMarshall。
この4x12"キャビネット!
なつかしいな~、その名も「Marshall DYNAMIC BASS SYSTEM」。
通称「DBS」シリーズ。
VBAシリーズの前のベースのラインナップで、2000年になる前に生産終了となってしまった。
モデル・ナンバーは7000番台が採用され、このキャビネットは「7412」。
Marshallのベース・アンプってすごくいいと思うんだけど、売れないからすぐに終売しちゃう。
どうしても「ギター・アンプ」のイメージが強すぎてしまって損をしてるんだよね。
今でもVBAシリーズを探している人っているんだよ。
「あの店、ラーメンだけかと思っていたら、チャーハンもメッチャうまいんでやがんの!」となってもらいたいものです。
今はEDENをやっているけど、何かの拍子にまたMarshallがベース・アンプを製造することになったら、ベーシストの皆さん、よろしくお願いしますよ~!
160vリアパネルの「SUPER LEAD」の「LEAD」の部分を手書きのマジックで「BASS」と書き換えてあったところを見るとコレは1959なのかな?
昔はベース・アンプの「1992」はギター・アンプの「1959」より値段が安かったため、ベース・アンプを買ってギター・アンプに改造するケースが散見された。
名ベーシスト、伊藤広規さんは1992のフル・スタックの出す音がお好みで、も~何十年も山下達郎さんのバンドの低音をMarshallで出して頂いている。170TOM LEAPER180vTOMくんはNATAL。190コンフィギュレーションは10"、12"、13"、16"、2x26"。
NATAL、日本初の26"バス・ドラム!200やっぱりデカいな~。
その分、音もド迫力だった!
素材はメイプルで、仕上げは「ピアノ・ホワイト」。210さて、1曲目は「Roadkill」。
爽快でストレートなエイト・ビートのイントロから…230_rkシャッフル風のノリに替わりヘヴィに突き進む!240vギター・ソロ。
またエイト・ビートに戻るところがカッコいい!250サビ前のEm/C/Dのパートは我々世代にはかなり馴染みのあるメロディ…こういうところがまたいいのよ!
260
最後はまたエイトビートに戻って全力で走り切る!0r4a0058 続けて「End the Breath of the Night」。
RYOTOくんのチャンクに乗って歌い始めるGAINERくん。270v_endこの2曲は昨年の8月にリリースされたHELL FREEZES OVERのファースト・アルバム『Hellraiser』に収録されている曲順。
彼らがいわゆる「レコ発ライブ」なるものを開催したのかどうかはわからないが、このライブはそれに該当するようなものだったのでしょう?
収録された10曲のウチ、9曲を披露したのだから。Shrコレもハードに突っ走るエイト・ビート・ナンバー。
いいね~、実にいいよ。265_endH.F.O.の大きな魅力のひとつは、もちろん2人のギタリストの激演。280v

290v時には息をのむようなバトルを、そして時には美しいツイン・ギターのハーモニーを聴かせてくれる。
「ロック」っていいナァ…と思わせてくれる瞬間だ。296一糸乱れぬフォーメーションも見どころのひとつ。
一生懸命やるよ~!295ゲイナーちゃんが下がってサオの3人が「♪ダバダバダバダバ」と刻む。
コレは戦闘ヘリコプターのエンジンの音を模しているところだろう。
ウマいことやりよる!
曲は「Phantom Helicopter Attack」。300_heliクレッシェンドしていくTomくんのスネア・ドラムが緊張感を高める。
320vもちろん2人のギター・ソロは欠かせない。0r4a0388『Sabbath Bloody Sabbath』か…。
45年前、中学3年生の時に生まれて初めて買ったBlack Sabbathのアルバムがコレだった。
サッパリわからなくてすぐに手放してしまった。
コレがトラウマになったのか、その後Black Sabbathには一度も夢中になったことがなかった。
タマにとはいえ、聴くようになったのは結構最近のことなのです。Img_1367sゲイちゃんの「コイツを紹介させてくれ~!」のひと言でスポットライトを浴びたのは…

330vRAYくん!

310vオリジナルの音源でも中間部でフィーチュアされているベース・ソロ。
レコーディングに臨んだ前任者とは異なるピック弾きのRAYくん。
その利点を活かしてクールにソロをキメてくれた。
350v続いては「Writing on the Wall」。
「writings on the wall」といえば「Very Supersticious」じゃんね。
あ、そういうことだったのか!
コレは後でGAINERくんのMCのところで説明します。360_wallこの曲だけは最初のミニ・アルバム『Speed Metal Assault』からのチョイス。
S817bdefoehl_ac_sl1417_もちろんこの曲でもタップリとギターを聴かせてくれる2人。370vコレはホント、Marshallがなかったら出来ない音楽だね。
他のギター・アンプじゃ無理だ。Simg_1411 コロコロと情景が変わるパノラミックな1曲。
楽しみどころが満載だ。380「や~、久しぶり!
どこのライブでも言ってると思うけど、今日は大変な時期に来てくれてどうもありがとう!」

381v新加入のRAYくんを紹介。
「見ての通り男前のベーシスト!ひと言どうぞ」
「ふつつか者ですが、どうぞよろしくお願いします」
「メッチャ謙虚じゃん!」
嫁入りかッ!?382「コレ、何だかわかりますか?」
ゲイちゃんが手にしているのは靴ヒモ。
「こんなめでたい日に靴ヒモが切れるという不吉なことが起こりました…案外ジンクスを気にするタイプなんで…。
でも皆がこんなに来てくれたし、そんなジンクスなんかブッ飛ばしてやるゼ!」383楽屋で突然「ウワッ!」と叫び声をあげたGAINERくん。
みんなビックリして「ナニナニ?どうしたの?」と尋ねると「ク…靴ヒモが切れやがった!メッチャ不吉じゃねェ?」と大騒ぎ。
GAINERくん、見かけによらず「Very superstitious(かなり迷信深い)」な人だったのね?
ココで出て来るのがスティーヴィー・ワンダー。
もちろん「迷信(Superstition)」ね。
歌いだしの歌詞が;
Very superstitious, writing on the wall(コレぞ迷信、壁に書いてあること)
ホラね、さっき演奏した曲のタイトルが「Wrinting on the Wall」だから…ちゃんと計算して靴ヒモが切れたんだよ。
歌詞はこう続く;
Very superstitious, ladder 'bout to fall(これぞ迷信、倒れそうなハシゴ)
欧米の人はハシゴの下を通過するのをすごくイヤがります。
Thirteen month old baby (13月齢の赤ちゃん)
もちろん「13」は不吉・
broke the lookin' glass (姿見を割ってしまった)
昔は「鏡を割ると不幸になる」と信じられていたらしい。
…等々の迷信が歌詞になっている。
オモシロいね。
で、H.F.O.の曲名の「Writing on the Wall」ね、コレは「see the writings on the wall」で「イヤな予感がする」という意味になるのです。

Ssw ついでに…フランク・ザッパの『Fillmore East - June 1971』というライブ・アルバムに収録されている「Tears Began to Fall」という曲。
コレも;
Thears began to fall (涙がこぼれ出した)
The writings on the wall (イヤな予感がしたんだ)
「fall」と「wall」で韻を踏ませて歌っている。
失恋の歌。
コレ、出て行った彼女がナニか別れの言葉を壁に書いて行ったのかと思っていた。
このアルバム、やっぱり15歳の時に初めて買ったザッパのアルバムでしてね。
ザッパはコレ以来45年追っかけ続けて来たんだけど、最近はスッカリ熱が冷めちゃったナァ。
歳を取るってのはこういうことよ。1971 「Hellraiser~ッ!!!!」と、ゲイちゃんの叫び声でスタートするファース・トアルバムのタイトル・チューン「Hellraiser」。390v_hrRYOTOくんの弾く高速リフからブッ放つドライビング・ナンバー。400vTomくんの激烈ドラミング!
汗がコッチまで飛んでくるようだ!410vソロの応酬から…
450v
460ツイン・リードのハーモニーへ!420続けての曲はカバー。430_stsDIOの「Stand up and Shout」。
なるほどコリャH.F.O.向けの曲だわ。440vリズム隊も大変ですわ、このバンドは!470v

480v「DIOの曲を公衆の面前で演ったのは初めてです。
感極まっちゃってサ…オレ達もイライラが溜まっていて、みんなの前でライブができなかったフラストレーションね。
締め付けられる環境の中でバーっと解き放たれた瞬間がこの状況です」
 
HELL FREEZES OVERの詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAl WEBSITE

490v<後編>につづく
 
*****シゲじいの思い出*****
DIOって聞いて思い出した。
下の写真は2012年にMarshallの50周年コンサートを開いたウェンブリー・アリーナの隣のホテルのバーでのひと幕。
コレは本番前日のリハーサルの後で、ヘラヘラ笑っているけど、丸一日爆音の中にいたのでクッタクタになっていた。
私の隣にいるのがエンジニアのサンチャゴ。
 
ロニー在籍時のBlack Sabbathに「Heaven and Hell」っていう曲があるでしょ?
あの曲をこの日のリハーサルでダグ・アルドリッチとティム・リッパー・オーウェンズが演奏したのね。
上に書いた通り、私はサバスはほとんど知らないのね。
で、2010年にロンドンで開催された『High Voltage』というオールド・ファンのためのロック・フェスがあって、トニー・アイオミのHeaven and Hellがこの曲演奏して会場が大合唱になったワケ。
「♪オーオーオーオー」って。
感動したわ~。
ナントならば、このフェスは開催の直前に亡くなったロニー・ジェイムス・ディオのメモリアル・イベントでもあったから。
その時私はこの曲を知らなかったんだけど、この合唱に驚いて一発で曲を覚えてしまった。
それで下の写真の日、ダグが1曲目にこの曲のリフを弾いたもんだから、『High Voltage』の時の感動を思い出してしまい、それから何度も自分で「♪Sing me a song, you are a singer」とクチずさんでいた。
その先の歌詞は知らない。
すると、私とズッと一緒にいたサンチャゴが知らないうちに「♪Sing me a song~」と歌っているんですよ。
うつっちゃったワケ!
で、2人でズッとそれをやっていたら、そのウチに写真の一番右の人が我々のところへやって来てこう言った。
「オイオイ、お前らズッとそれを歌っているからオレまでうつっちゃったじゃねーか!」
この人、NWOBHMのムーブメントで活躍したGrim Reaperの創設者のニック・ボウコット。
知らない間にニックまで歌ってやがんの!
そして、ニックは続けてこう言った。
「その先の歌詞を教えてくれ!え、知らないのか?ナンだよ!その先まで歌いたいのに!」って。
サンチャゴと大笑い!
私は私でこの「Heaven and Hell」という曲はDIOの曲で『Holy Diver』に収録されているものとズッと思い込んでいたのです。
そしたらBlack Sabbathの曲だったのね…。
どうでもいい話でした。

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Photo

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(一部敬称略 2021年6月26日 新宿WILD SIDE TOKYOにて撮影)