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2020年7月25日 (土)

イギリスのライブハウス救済策

イギリス政府と日本政府のロックに対する姿勢が全く異なることを記録しておこうと思い、2020年7月25日のBBCのウェブサイト・ニュースを翻訳してココに掲載しておくことにした。
 
 
イギリス政府が国内のライブハウスに1.4億円の緊急経済支援
 

Bbc_news_2

 
政府は、4ヶ月間にわたる休業によって廃業の危機に瀕しているイギリス国内のライブハウス最大150軒に合計1.4億円の緊急経済支援を実施。
 
これは政府が打ち出した2,200億円の芸術救済のための経済対策の第一弾。
Music Venues Trustはコレを「応急処置」として歓迎している。
※MVTについてはコチラ⇒【Marshall Blog】I've Got Music in Me~MVT:イギリス版「ライブハウスを救え!」
 
今月はじめ、リーアム・ギャラガー(元OASIS)やデュア・リパ(イギリスで人気のシンガーソングライター)からサー・ポール・マッカートニーに至る1,500のアーティスト連盟がミュージック・シーンをサポートするための公開状にサインをした。
※サー・ポール・マッカートニーは60年代に活躍したザ・ビートルズというバンドのベース/ボーカルズ…知ってるか。
  
もし150のライブハウスが救われるとなると、各店は平均で210万円ずつの支給をうけることになり、最大1,120万円までの支援金を受け取るケースも出て来る。
  
ライブハウスを代表してMVT曰く、「今回の支援はとてもありがたいこと。最近政府が発表した『芸術保護のための2,200億円の経済対策』がどのように運用され、配分されるのかをノドから手が出るほど知りたかった」
 
主幹のマーク・デイビッドはこう付け加える、「このとりあえずの救援は応急処置として廃業の危機に瀕している店に支給されるだろう。
しかし、我々はそうしたライブハウスの将来が保証されるために極めて重要な更なる救済措置がいつ、どのように実施されるかの情報や手法を大至急知らされる必要がある」
  
オリバー・ドウデン文化大臣は…「そうしたライブハウスやコンサート会場は、ほとんどすべてのアーティスト並びに世界的に成功を収めている我々のスター達の原点である。
我々はCOVIDの嵐からそれらを守り抜かなければならない。
今、我々は2,200億円の残りを出来る限り速やかにお届けするように動いている。
ナンとならば、我々の次の世代に引き継ぐべき大切な文化的財産を守り抜かなければならないからだ」
 
コロナ禍で発動するイギリス全体の経済支援額の700分の1がライブハウスに配分されることになり、それらの支援金は家賃、メンテナンス費用や他の支払いに充当されることになる。
 
支援金は「イギリス芸術評議会」が数週間以内に支払うことになっているが、通常ではこの団体が普通のライブハウスに資金供与をすることはない。
 
2週間の間に、マンチェスターの人気ライブハウス、「Gorilla」と「The Deaf Institute」は閉店の危機からナントカ持ちこたえたが、ハル(Hull:イングランド北東部の町)の「The Welly」と「The Polar Bear」は破産申告をしてしまった。
 
2,200億円のこれ以外の使い道は近日中に発表される。

ドウデンさんは以前にこう言っていた、「支援は国の『Crown Jewel(王様の宝石)』と国中のライブハウスを守ることになるだろう」

 
※「Crown Jewel」とは「企業の収益性の高い事業部門」のこと。つまりブリティッシュロックはイギリスの大切な商品であり、それを継続するためにはライブハウスを守らなければならないと言っている…のだと思います。
 
※本文中では「venue」という言葉が使われていますが、あえて「ライブハウス」と言い換えました。