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2020年2月 1日 (土)

【Marshall GALA2】vol.3:HELL FREEZES OVER

 

6_marshall_gala_2_logo2 『Marshall GALA』を制作していて一番大変なこと…でも一番楽しいことは、その内容をキメること。すなわちどなたにご出演を依頼するかということなのね。
土台、Marshall/NATAL/EDENという楽器ブランドを宣伝するためのイベントなので、当然それらの楽器をご愛用されている方にご出演頂くのが望ましいことは言うまでもない。
動員のことを考えると当然知名度が高い方、あるいはバンドがありがたい。
巷間のイベントでは「ダレダレが出るのでチケットが即完!」なんてことを耳にするが、正直「いいナァ」なんて思うこともありますよ。
「Marshall」の名に便乗してそういうバンドさんにお願いすることも色んなツテを通じてできないこともない。
でもね~、ソレをやったら意味がないのよ。『Marshall GALA』は「ロック・フェスティバル」ではないし、それならどこでもやっていることだからね。
「Marshall GALA」は、他では観れないことをやりたい。
例え他で観ることができるバンドでも違う環境で演奏してもらいたい。
とどのつまりは、「動くMarshall Blog」でありたいんだよな~。
どなたかが『Marshall GALA』のことを「シゲさんの、シゲさんによる、シゲさんのためのコンサート」と形容してくれたが、まさにドンズバですよ。
英語で言うと「Hit the mark!」
でも「Almost hit the mark!」かな?
「ための」のところがチョット違う。
「コンサートが成功して社内の評価が上がる」ということを考えれば確かに「ための」はあり得るかも知れない。
でも、失敗したらヤバいじゃん?日本の会社と違うからね。
おかげさまで結果オーライでここまで来て「次回もまた」ということにはなっているのは大きな幸いなんだけどね。
その「ための」は「シゲのため」ではなくて、「お客さんのため」なんですな。
それも普通のお客さんじゃない。
「いい音楽をユックリ聴いて、観て、楽しみたいお客さん」のためなの。
騒ぐだけがロック・コンサートじゃないでしょ?
「ロック」だって音楽のひとつなんだから、「チャンと聴いてもらいたい」と思っているハズだし、実際我々の世代は「音楽を聴くために、動くホンモノを観るために」武道館や厚生年金会館や渋谷公会堂に行ったのですよ。
レコードは高かったし、YouTubeどころかビデオすらなかった時代だからね。
ま、そんなことを考えながら3年間出演者を考えているワケ。
 
やり方には2つあって、昨日レポートしたTHE CORAL CANDIESのように『Marshall GALA』でしか観ることができないセッション・バンドを組んで頂くのがひとつ。
コレが忙しい皆さんのスケジュールを合わせるのが大変!でも、自分のドリーム・バンドだからして思いをめぐらせるのはとても楽しい。
「自分だけの夢のバンド」なんて、中学生の頃考えたりしなかった?
「まず、ギターはリッチー・ブラックモアだな…。ボーカルズはカバーデイルじゃなくてイアン・ギランの声がいいな。ドラムは…やっぱりイアン・ペイスだろうな。キーボードとベースはよくわからないからジョン・ロードとロジャー・グローヴァ―でいいや…アレ?コレって結局Deep Purpleじゃねーか!」
…なんてね。私だってDeep Purpleに夢中だった時期があった。
GALAにおいてのこういうセッション・バンドさんにはやっぱりよく知られた曲をコピーしてもらうのが常道だし、それがまた楽しい。
クセのあるミュージシャンが集まって既存の曲がどう料理されるのかを楽しむ。
それと、もうひとつはパーマネントのチームに出て頂いて、シッカリ自分たちの音楽を演奏して頂く。
コレにも2つの意味合いがあって、ベテランのバンドさんの妙技や確固たる音楽性を楽しんで頂くということがひとつ。
もうひとつは、頑なに自分たちだけの音楽を演っている若めのバンドさんを紹介するということ。
今、「音楽の良し悪し」というモノがコンサート会場の規模やフェスティバル参加の可否でキマっているように見受けられるでしょ?
そんなんじゃイカン。
音楽が最初に来ないと!
そこで自分たちしかできない音楽を貫き通しているミュージシャンに少しでも世に出るチャンスを与えることができれば、イヤ、チャンスとなるキッカケだけでも与えることができればいいナァ…と思って「コレは!」と思う若いチームを出してあげたいと思ってるんだ。
ハヤリスタリではない音楽をやってガンバっている若い人たちを何とかしてあげないと!ということ。
でも、もちろんMarshallを使ってなきゃダメよ。
だっていい音楽を作るにはMarshallが必要でしょう?
そんなMarshallの家族を紹介する場が『Marshall GALA』なのです。
まぁ、世間的、規模的には全く大したコンサートではないけれど、こうして色々と考えてやってるワケです。
あ~、イカン!チョット書きだしたらこんなに長くなってしまった!
 
さて、『Marshall GALA2』のステージに2番目に上がったのはHELL FREEZES OVER(以下「HFO」)。
私との付き合いはまだそう長くはないが、どうしても今回のGALAで紹介しておきたかった平均年齢25.6歳のチーム。
トップバッターのTHE CORAL CANDIESとは対照的に、男、男、男~!

05TREBLE "GAINER" AIDYSHO

10vRYOTO

20vHIROTOMO

30vTAKUYA

40vTOM LEAPER

50vTOMくんが叩くNATALの高速フィルでステージはスタート!
ヘビメタだ~!

60こういうヤツね。

7

 RYOTOくんの弾く高速リフは「BURN YOUR LIFE」。
80「イエェェェェェェェェェェェェェェ!
オマエら座ってたって声ぐらい出せるだろォォォォォォォォォ!!!!!」
親の敵にでも出くわしたかのような大絶叫。
やっぱりコレはロックにあってしかるべきモノだな。

70そして、まずはHIROTOMOくんのソロ。

S41a0083 それを引き継いでのRYOTOくんのソロ。

90_2どこまでも疾駆するTOMくん。

100vそれにピッタリと寄り添うTAKUYAくんのベース。
コリャ若くなきゃできんわナァ~。
25.6歳か…その頃アタシャもう「お父さん」だったよ。毛はキミたちに負けなかったゾ!

110最初のTHE CORAL CANDIESがバカ受けすることはわかりきっていた。
その次に出るチームはチョット気の毒にも思った。
修行をしてもらうなんてつもりは毛頭なかったけど、とにかく若さと激しさでつないでもらおう…と思い、HFOに2番手での出演をお願いした。
もちろん心配なんかナニもしていなかったよ。
そして、1曲目が終わった後のこの大きな歓声!
やっぱり私の構想は間違っていなかったと思ったね。
この日、間違いなくHFOはこの1曲目で新しいHELL RAISERS(HFOのファンのこと)を獲得したのであった。

Dsc_3599 2曲目はミディアム・ファストの「GRANT YOU METAL」。

120v中間部のキメからRYOTOくんのソロ。

130vTAKUYAくんのピック・アップもバッチリ!
リッケン、いいね~。
EDENの音ってのはやっぱりヌケがよろしいな~。

Dsc_3470 曲の後半ではHIROTOMOくんのソロも炸裂した。

140v「『Marshall GALA2』に呼んでくれて本当にありがとう!」
イエイエ、こちらこそ参加してくれてありがとう。
HFOの皆さんも気合いをタップリ入れてくださいましてね。
事前の準備はRYOTOくんとズットやり取りをしていたんだけど、その気合いが形になって色んなことをリクエストしてくれるワケ。
スモークを炊いてどうこう…とか、緞帳が開いたらどうこう…とか。
うれしいんだけどね~。
RYOTOくんは『Marshall GALA』を見たことがないので仕方ない。
すると…「待てよ、GALAが初めてなのは何もRYOTOくんだけじゃないな」…と思い、出演者の皆さんに「GALAのステージはこういうモノです」ということを慌ててアナウンスした。
答えイッパ~ツ!
私はこう説明した…「高校の文化祭を想像してください」…と。
スモークもない、緞帳ももない(←コレ、Zappaの『Does Humor Belong in Music?』みたいで却ってカッコいいな)…飾り気のない舞台にとにかく次から次へとバンドが出て演奏をして頂きます。
…てな具合。
RYOTOくんにもイッパツでご納得頂いたようだった。
 
そしてGAINERくんのMC…「Marshallってのは、さっきビデオでも流れていたんだけど、ロックというジャンルにおいてスゴク大きな貢献を残したひとつの…あの~…なんて言うか…『会社』だよね」
いい!
まさか「会社」という言葉が出てこようとは!ここはせめて「ブランド」とか「楽器」とかでしょう!
 
HFOの皆さんは1993年あたりの生まれだ。
つまり70年代のハードロックも80年代のヘヴィメタルも、リアルタイムで全く経験できなかった。
でも、こんなに若い人たちがMarshallの意味合いを咀嚼して、Marahallがなければできない音楽を演奏してくれている。
スゴくうれしいことですよ。
コピーではなくて若い彼らの音楽でロックやMarshallの魅力を伝えてくれている。
コレこそが本当の『伝承』だと思うワケ。
だからHFOに出てもらった。

150_mc「Marshallの壁…ホント素晴らしいよね!今時こんなの観れないよね、マジで。チョースゴいよ!」
GAINERくん、ありがとう!
オジちゃんが高校生ぐらいの頃はどこへ行ってもこうだったんだよ。
そして、最高の『ロック』を聴くことができたんだ!
ステージにギター・アンプが置いてない…なんて考えられるかい?
おかしいだろ?
ロックってギターで演るもんだろ?
そんなギター・アンプがないような地獄のステージなんかHFOのパワーで凍らしてしまえ!

155「オマエらMarshall好きなんだろ?ということはデカい音が好きなんだろ?
デカい声が好きということはデカい声だせるよナァ!イケるよナァ!」
今日、こういう場面はココだけです。
すごく目立ってヨカッタと思います。

150v3曲目は「END THE BREATH OF THE NIGHT」。

150_3コレまた目の覚めるようなドライビング・チューン!160GAINERくんの声がまたいいんだわ。
「野太い声」というワケではないんだけど、よく抜けて迫力がある。
ただただ素っ頓狂に高い声を出せばいいワケではないのだ。
210vココでも徹底的にバンドをドライブさせるTOMくんのドラム!

175中間部で弾くRYOTOくんのピックアップ・フレーズがいかにもHFOらしくて気持ちいいぞ!

1802人のソロから…ツイン・リードのパートへ。
さりげないこういうアレンジを挟み込むところがニクイ。

200最後を締めくくったのはメロディアスなHIROTOMOくんのソロ。

190vHFOのステージの最後を飾ったのはキラー・チューンの「OVERWHELM」。

220_4イケイケ~!

230やっぱり私にとってはHFOはこの曲の印象が一番強いかな?
初めて彼らを見た時のことをまるで昨日のことのように思い出すゼ…って、まだ1年チョット前のことだったわ。

230v

240v

250v

260v

Dsc_3589_2 キックのフォーメーションもバッチリとキマった!

8  20分にわたって文字通り「Speed Metal Assault(高速鋼鉄攻撃)」しつくしてくれたHFO…最高!

270インタビューのコーナー。
HFOのCDを手にしてバンドとの馴れ初めについて語る私。

290コレがそのCD『Speed Metal Assault』。
このMarshallが描かれているジャケットの使用許可をめぐってHFOと近しくなったのだった。
その前にも一度、ある人を通じて紹介してもらったことがあたのだが、フェイドアウトしてしまった。
だからこのCDが今回のGALA出演の架け橋になってくれたというワケ。

340cdHFOがイス席の会場で演奏したのは今回が初めて。
「緊張した」というRYOTOくん。
それでも手を上げてくれている人がいたので、「自分たちの音楽が届いているんだ。それなら立っていようが、座っていようが関係ない」と思ったという。ココで拍手が沸き上がった。
もちろん立ち上がって楽しんでいるお客さんもいらっしゃったけどね。

320「売れようと思ってやっているワケではなくて、好きだからやっているんです!」

300v長髪に細いジーンズ、そしてドラマーはハダカ。
ステレオタイプと笑わば笑え。
コレがロックの正装なのだ。

310RYOTOくんにHFOの野望を尋ねると「100年後にも残る音楽を作りたい」と答えてくれた。
大きな会場で演奏することだけを成功と考えるようになってしまった双六のような現在のロック界からは、100年どころか1年持ちこたえる音楽すら出て来ることはほとんどないだろう。
そんな野望を抱く5人のメンバーが同じ方法を向いて頑張っているHELL FREEZES OVERの姿に期待と感動を覚えるのだ。
とにかく続けろ!止めちゃダメだぞ!
 
HELL FREEZES OVERの詳しい情報はコチラ⇒Official website

285<つづく>
 

200_2  
(一部敬称略 2019年11月9日 東京キネマ倶楽部にて撮影)