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2019年4月11日 (木)

Sound Experience 29 <後編>~ Strange,Beautiful and Loud

 
さて、29回目の『Sound Experience』。
お?…と、ここまで書いて気がついた。
「29」は素数じゃんね。10番目の素数。
「2」と「5」を除く「素数」を逆数…つまり「1/素数」にして、小数で表すと全て循環小数になるんだって。
知ってた?
循環小数って学校で習ったでしょ?
1/3の0.33333みたいに、小数点以下の数字がある区切りで繰り返すヤツ。
素数である「29」も、もちろん例外ではなく、1/29を小数にすると0.034482758620689655172413793103448275862068965517241379310
344827586206896551724137931
...になるんだけど、色分けした数字の列がこの後も永遠に続くワケ。
このひとくくりの数字の列を「循環節」という。
で、この循環節を構成する数字の個数は、29の場合は28個。
29の前の素数の23は22個。
29の2つ後に出て来る素数の37は36個。
そう、つまり素数を逆数にして小数で表した時にできる循環節を構成する数字の個数は、常に当該の素数から1を引いた時の数と等しくなるっていうんだよ。
コレ例外もあって、例えば29の次の素数31の循環節の数字は15個なんだけど、31-1は30でしょ?
その15は30の約数。
同様に13の場合の循環節の数字の個数は6個。ね、13から1を引くと12…そして、6は12の約数。
つまり、「素数-1=循環節の数字の数」が成立しない素数は、その循環節を構成する数字の個数が必ず「素数-1=循環節の数字の数」の約数になるんだって!
メチャクチャおもしろくない?
でも、こうした単純な定理ほど証明するのが厄介らしい。
「フェルマーの定理」なんてのは有名だもんね。
数学はカラっきしダメだけど、こういうのはすごく好き。
だってこんなどうでもいいことに太古の昔から真剣に取り組んでいる人たちがいるワケで…ロマンを感じない?
数字という芸術に対するあまりにも深い愛情とでも言おうか?
この「数字」を「音楽」に置き換えた時に浮かび上がってくるのが三宅さんだ。
果てしなくつづく音楽の循環節。
もちろん三宅さんが取り組んでいるのは「どうでもいいこと」などではなく、今の音楽界に最も必要なモノだと思うのだ。
久しぶりの三軒茶屋!

10三宅庸介

20v今日もJVM210Hと1960BV。

30vね、このポコンと跳ね上がったストラップ・ハンドルが「三宅庸介使用中」の目印。
そういえば、他にもコレをやっている人がいたナァ。誰だったっけかナァ?

35_2河野充生

40v金光健司50v金光さんはPONさんと同じくNATAL Cafe Racerを使用。

6013か月ぶりのSBLの三軒茶屋…オープニング曲のキッカケを出したのは金光さんのスネアドラムだった。

70_if曲は「if」。

80SBLのキラー・チューンのひとつ。
納得のいくスタート!

90そうかな~、アレからそんなに経つかな~?
前回書いた通り、私は「28」にお邪魔できなかったので、SBLのこの景色を見るのは2017年の11月17日以来になる。
ベースは征史さんだった。
すると、私は15ヶ月ぶりになるのか…でもそんな感じもしないナァ。
三宅さんの強靭な音楽は時の流れをも超越してしまうのだ。

1002曲目に人気曲「murt'n akush」を持ってきた。
なんか三宅さんもホームへの帰還をとても楽しんでいるようだ。

110v_mk金光さんも絶対に同じ。

120vこの音色で繰り出されるあのフレーズ!
やはり現場の雰囲気も音楽の一部分だね。

130そのまま続けて「bloom」。

0r4a0352SBLのファースト・アルバム『Lotus and Visceral Songs』に収録されているこの曲のベースを弾いているのは河野さんだ。
勝手知ったるSBLミュージック、何の違和感もない。
ドラムスは金光さんだったので、アルバムの完全再現ということになった。

150v「皆さん、こんばんは~。メッチャ静か…」
久しぶりに接する三宅さんの熱演にお客さんが圧倒されていたのだ。
「ココでは13ヶ月ぶりぐらいですかね?一昨年の12月以来になります。
コチラでお世話になるようになってどれぐらい経つのかな?…2002年か、2003年、ベースの河野くんの紹介で出るようになったんです…だから17年ぐらいになるのかな?
歳も取るよね…ココで自分の音だったり、音楽を作ってきたような気がします。
そんな大事な場所なので死ぬ間際にはココが走馬灯のように回るんでしょうね」
と、復活に際しての感慨を吐露した。

160vそして…
「1年間、出入り禁止だったんですが、こうしてやっと出られるようになりました。
やっぱり音が大きいんですね。
だからまた出られなくなるかもしれない。
やっと戻って来ることができてカッコいいこと言うワケではないんですが、ココに出ることがボクの人生の一部になっているんですね。
チョットずつ音を小さくしていこうかな?
また出られることを祈っていてください」
そしてメンバーを紹介。
「チョット大きな音でお騒がせしますがしばしお付き合いください」

Nk0r4a0343 続けてファースト・アルバムから「Stratify」。
久しぶりだ!

170_stココの話とは別に…
なんだか最近は「爆音」がスミに追いやられている感じがして寂しいね。
あるいは、「爆音」という言葉がギャグになっているように思う。
昔は「爆音」なんて言葉もなかったしね。
ロックはもう姿も形も精神も本当に昔と変わってしまった感じだ。
そして、ベテランまでがその「爆音」を敬遠していることが大変心配なんだな。
演るロックのタイプにもよるんだけど、いくらPAが発達したとしてもやっぱり中音が小さいロックはおもしろくないよ。
外で聞いていて迫力が違うんだよね。

180だからノンちゃんや三宅さんのような、ロックの原形を知っているギタリストに何とか頑張ってもらいたい!
そもそもライブで三宅さんのこの曲をチマチマした音で聴いたって魅力半減でしょう。
Marshall通してこのフレーズが空気を震わすところを味わわなきゃウソだ。

190v_p金光さんはファースト・アルバムでこの曲もプレイしている。
でもベースは河野さんではなくて征史さんだった。

200_2そのまま「petal」へ。

265vいつか三宅さんが「愛奏曲」とMCで語っていたのが忘れられない。
そしてこの曲の独特なメロディは一度聴いたら忘れようにも忘れられない。

0r4a0427 ガツンと「devil」。

210_dv力強いスティックさばきで猛然と切り込んで来る金光さん。

220一心不乱に音に紡ぐ河野さんの達観した感のあるベース・ラインが魅力的だ!

240前回も書いたが、三宅さんが最も気持ちを解放して曲と同化したプレイができるという曲。
今日もバッチリ人間と曲が溶け合っていますな。

230v最後は「virtue」。
この曲もアルバムでは金光さんがドラムスをプレイしている。

260_vt三宅さんのレパートリーの中ではさっき演った「bloom」とともに一番古い部類に入る作品。

280vこの曲を三軒茶屋復活の締めくくりに持って来たのは三宅さんのこの曲への思い入れの大きさがなせる業か…。

290「スリーピースのロックバンドが激しいブルースの演奏の演り方でヴィヴァルディが如く美術的な旋律をプレイする」…というのがこの曲のコンセプトだと三宅さんは言う。

300vそんなオリジナリティあふれる音楽をこうしてキチンとしたロックの音量で聴くことこそ「美徳(virtue)」なのだ!

0r4a0425

320v

330v三宅さん、GRAPEFRUIT MOONでも復活おめでとうございます!
またココでこの姿が見れるようになってうれしいね。
そして次回、5月7日のSound Experience「30」!
お相手はYOUさんの「You-VAL メロン with 淳」。VALさん久しぶりだ!
Marshall Blogでライブ・レポートを掲載する際には、可能な限りさかのぼってその歴史を振り返ってみましょうか…お楽しみに!
 
Strange, Beautiful and Loudの詳しい情報はコチラ⇒facebook

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200

 (一部敬称略 2019年2月18日 三軒茶屋GRAPEFRUIT MOONにて撮影)