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2019年1月15日 (火)

NK. VALVE MANIACS <前編>~マカキンカルテット&HEAVEN'S CROW


心臓ってスゴイと思わない?
「ハ~、新年会が続いて胃がもたれるから今日の夕食はやめておこう」
「ア~、疲れた。パソコンのやりすぎだわ。こんなことなら思い切ってハズキルーぺを買っておけばヨカッタ。目を冷やして休ませてやろう」
「ゲ~、腰がイテエ!ここのところ立ちっ放しの仕事が多かったからな~。明日は休みだし横になって腰に負担をかけないようにしよう」
ココまではいい。
じゃ、こういうのはどうよ?
「ヒ~、もう緊張して心臓がバクバクだわ!疲れた~。少し心臓を止めて休ませてやろう」
コレが出来る人は既にこの世にいないことになっている。
つまり、生まれて「オギャー!」と泣いた瞬間(実際にはそれ以前)から、「あ…あ…後のことは、秀頼のことだけはよろしく頼む…(ガクッ!コレは豊臣秀吉ですな)」と息絶えるまで、人によって稼働時間は異なるが心臓は一度も休まず、文句を言わず、ビートを刻み続けるワケですよ。
コレを考えると怖くなっちゃってさ。
1回も休んでないんだぜ!
20年以上前にプッチーニの『ラ・ボエーム』を元ネタにした『RENT』という大ヒット・ブロードウェイ・ミュージカルがあった。
そのリード・チューンが「Seasons of Love」という曲で、こういう歌い出しだった;
「♪Five hundred twntyfive thousand six hundred minutes」
つまり「525,600分」と歌っている…こんな歌詞スゴイよね。
525,600分、すなわち1年の長さを分で表しているところね。
この『RENT』式にやると私の心臓は概算29,433,600分の間、1回も休まずドックンドックン血液を身体中に送り続けてくれている。
あ、ウソ。
どうも私の心臓は少しサボっていたフシがあって、どうも頭皮方面にはあまり送り出さなかったようなんだよね。
それでも感謝していますから。
そんな立派な仕事をするから「ハツ」ってのは美味しんだよね。
私はホルモンを食べないんだけど、ハツだけ別…大好きなの。
「ハツ」っていうのは心臓だから「Herat」がナマったのがその語源って言われているでしょ?
それは正しくないらしい。
コレはドイツ語で「心臓」を表す「Hertz」から来ているらしいッスよ。
つまり「ヘルツ」。
昭和の初期に九州の偉大性が焼き鳥屋で「ヘルツ3本、塩で!」とやったのがことの起こりなんだって。
で、言っておきますが、私が知っている限り、普通の外人はレバー以外のホルモンを絶対に食べないからね…どころか、ものすごくイヤがる。
そりゃ連中はフィレだの、サーロインだの、いくらでも肉が食べられるのに好き好んで臓物なんか食べるワケないわね。
でも焼肉は好んで食べるね。
それでも、見てると絶対にミノとか口にしないよ。
そして、私がもうひとつ好きなのは西川口の「ハーツ」。

10ナゼかといえば…こんなブッキングだから!
まずタイトルがいいじゃんね。
「NK.」とは「西川口」。
省略を意味する「.」までチャンと打ってある。
そして「Valve」よ、ヴァルブ!
イギリス英語で「真空管」のことね。
もうコレだけでMarshall臭が漂ってくるじゃない?

20vまずステージに上がったのはマカキンカルテット。
カルテットなのに5人。
5人は「クインテット」、6人は「セクステット」、7人は「セプテット」、8人は「オクテット」、9人は「ノネット」、10人は「デクテット」。
ジャズのコンボだと9人から上は「ナイン・ピース」とか「テン・ピース」とか言っているような気がするけど、正しくは「ピーセズ」だろうね。

30リーダーの真壁雄太。

40v川満"アトランティス"恵一郎

50v長谷尾颯(はせおはやて)

60v弓田秀明

70v雄太くんはMarshall。

80愛用の、そして自慢の2555 Silver Jubileeのハーフ・スタック。

90vもうひとりのギターは公平憲吾。
彼がサポートで参加してくれているのクインテット編成になっている。
クレイジーキャッツの石橋エータローと桜井センリのような関係ではない。
ちなみに筆者は大学時代に谷啓と共演したことがある。

100v憲ちゃんのMarshallは1959サイズの1987。
110vリアパネルにガッツリ「CRYING MACHINE」と記された1975年製。

120ドラム・キットはNATALのメイプル。

130弓ちゃんはこの日スネアもNATALを使用。
14"x5.5"のアルミニウム・シェル。

140マカキンは歌なしの器楽演奏チーム。
マカキンの「マカ」はもちろん真壁の「マカ」。
「じゃ、『キン』は何なの?」と尋ねたところ「イヤ、『HIKAKIN』のパクリなんスよ」…と言われてもわからん。
「HIKAKIN」ってのは人気YouTuberの名前だそうで…。
オジさんが若い頃は「YouTuber」なんてお仕事はなかったんですよ。
みんな額に汗して働いていたの。
180バリバリとソロをこなす雄太くん。
1曲目は「名探偵コナンのテーマ」…コレもわかりません。
「コナン」は知っているけどね。観たことはない。
イヤ、コレでいいんですよ。
世代世代のに音楽があっていい。

150恵一郎くんがくわえているのはEWIというシンセ・サックス。正しくは「ウインド・シンセ」と言うらしい。
「アトランティス」なんて言っているところを見るとWayne Shorterのファンなのかしらん?
160v恵一郎くんの機材。
この日はアルトサックスとそのEWI。
EWIってのは1970年代の終わりぐらいに出て来たのかな?
当時は「リリコン」とか何とか呼ばれていたような…。
あの頃のフュージョン・ブームってのはスゴかったよナァ。
170「オイ、座れ!お前、全然メタルじゃないんだよ!出てけ~!」…颯くんは見事な小芝居を披露。
「披露」というより「強制」と言った方がよさそうか?
着ているモノといい、勇気あるパフォーマンスだ。
そして、恵一郎くんは言われた通りステージを降りた。

190雄太くんからメンバー紹介。
そして、次のオリジナル曲の解説を加えた。

200v次の曲はドラキュラの映画を観ながら作ったという「Vlad」というマイナー・ナンバー。

210_v比較的ロング・トーンを多用したメロディと細かいパルスを刻むリズム隊の対比が面白い曲。

220コレね、原形を壊さないようにしてチョット手の込んだアレンジを施すといち段とスケールが大きくなる曲だよ。

230v2曲目もオリジナルで「Apocalypse」。
コチラはシュレッダー真壁の面目躍如たる1曲。

240v_ap憲ちゃんのサポートを得て一層ハードにドライブしまくった!

250vそしてステージは一変!

260_f1颯くんに叱られてメタル仕様になってステージに戻って来た恵一郎くん。
ん?コレってメタルか?
まあいい。
今日はF1の「Truth」。

270v「Truthに」続いて…曲は「ああ、とうとう出てしまったか!」…の「Spain」。
ゴメンね、雄太くん。
もう「Spain」と「Burn」は耳に巨大なタコができて、そのタコが破れて血が噴き出してるのよ~。
もちろんモノの例えですよ。
でもね、ロドリーゴの「アランフェス協奏曲」の「第二楽章」が始まると私は「青菜に塩」になってしまうのだ…「またスペインか…」って。
あのね、この「アランフェス協奏曲」ってMiles Davisのせいで「第二楽章」ばかりが有名になっちゃったけど、一番カッコいいのは「第一楽章」ですから!
この第二楽章だけ聴いて「アランフェス」を聴いた気になってんじゃねーぞ!
で、ナゼにこれほどまで「Spain恐怖症」になっているのかというと、やっぱりあのテーマなんだよね。
繰り返し繰り返し出て来るあの特徴的なメロディ。
そりゃ18歳ぐらいで初めて聴いた時は「ああ、なんていい曲だろう!」と思いましたよ。
でも、さすがに飽きるってば。
他の記事でDeep Purpleの「Burn」がナゼ飽きるかということについて研究した。
原因はあのカッコいいリフにあって、数えてみるとアレが1曲の間に20回出て来る。
その長さたるや時間にして120秒、すなわち2分。
すなわち6分数秒の曲の1/3があのリフでできるんだね。
そりゃ耳に付きますよ。
同じように「Spain」もやってみた。
こっちはさすがに「昔巨匠」のチック・コリアだけあって、テーマの組み立てが複雑で簡単に計算はできないんだけど、ザっと計測してみた。
曲全体の長さは『Light as a Feather』のオリジナル・バージョンで9:48。
そのうち、イントロを除いて何がしかテーマに関連しているパートの時間が4:04。
実に1曲の41%がテーマ関連のメロディで作られているのが「Spain」という曲なんですよ。
しかもそのメロディが、砂糖多めの割り下で頂くすき焼きのようで、たくさん食べることがムズカシイ。
Joe FarrelやChickのソロは実にカッコいいんだけどね。
だから曲中のテーマをすべて排除していればこんなことにならなかった。
そして、誰を手本にしてロック・ギタリストが時折この曲を取り上げるのかを私も知っているけど、やはりこのコード進行でロックフレーズを並べられるのはツラいんだよね。
コレが私の「Spain」感。
280vでも…と来る。こっちも仕事だからね。相手は若いんだし、ホメてあげなきゃ!
 
でも、この2人のバトルをふんだんに盛り込んだ演奏はかなりエネルギッシュだった。

290まぁ、ナント速く指が動くことよ!

300v恵一郎くんが何だかサンボーンに見えて来たぞ!

310vココでもリズム隊が怒涛の快進撃!

320v若手2人も頑張った!330v

340vさすがに肩車の逆さ吊りは期待できなかったが、こんな余裕な表情も。
ひとつ提案。
折角演奏がうまいんだから、Chick Coreaだったら、もう「La Fiesta」も「Armando's Rhumba(「Armando」はChickの本名。「Chick」は「ひよこ」という意味ですから)」もヤバいので、思い切って「第七銀河」とか「Captain Senor Mouse」とか「Nite Sprite」とか演ったらどうスかね?
「Sicily」とか「Samba Song」とかもいいんじゃない?
オジさんが言っているのは、人と同じことをするのではなく、とにかく色んな音楽を聴いて他の人のやらないことをしたらどうですか?ということね。

350最後もオリジナル曲で「マカキン・ファンタジー」。
5人ともパワフルでスキルフルな素晴らしいパフォーマンスだった。

360v

370v

380

390v

400v雄太くんは自分のバンドIOSISのメンバーを入れ替えてこの週末にお披露目したばかり。
現在絶賛巻き返し中なので乞う応援!410v2番目に登場したのはHEAVEN'S CROWというバンド。

420HINA

430vSHUN

440vGAKU

450vkusama

460vkaito

470vオイオイオイオイオイオイオイ、全員1997年生まれだってよ!
1997年って一体いつだよ!
つい最近じゃねーか!

480まだ学生さんの5年組。
若いけど、サウンドは結構オールド・スクールで「基礎ができています!」という感じで見ていて大変気持ちがいい。

490何しろギターのSHUNの持て余し気味にしか見えないエネルギッシュな動きが圧倒的だ。
コレ、出番の後半ではありませんからね。
最初からハダカ。
ハナっからダック・ウォークでステージを往来していたからね。
Marshallづかいというのがうれしいじゃないの!

500元気に歌もこなしちゃう!

510そして、そんなSHUNくんに一歩もヒケを取らないのがHINAちゃん。

520徹底的にシャウトしまくる生粋のロック・シンガーだ。

580vこの2人が燃え上がりながらステージが展開する。

590_2 もちろんそんな2人を支えるリズム隊もパワフルだ!

600実は偶然、この週末にもHEAVEN'S CROWを観たんだけど、この時よりもスケールアップしていたね。

610いろんな音楽を聴いて、いい曲をイッパイ作って、たくさんのロック・ファンを楽しませてやれ!
若いんだもん、ガンバレ!
Marshall、NATAL、EDENを使ってくれるウチは応援します…ナンチャッテ!

620vしかし、最近「Heaven」が付くバンド名が多くてオジさんチョット困ってますよ~!
 
HEAVEN'S CROWの詳しい情報はコチラ⇒official website

630

200_2
(一部敬称略 2018年12月8日 西川口HEARTSにて撮影)