CONCERTO MOON~MESSAIAH WILL COME AGAIN TOUR 2018 <前編>
元々スポーツが好きな方ではないせいか、マンガひとつ取っても私は子供の頃から「巨人の星」のような「根性もの」があんまり好きではなかった。
でも「ド根性ガエル」は好きだったナ。
しかし、最近は「根性」なんて言葉自体あんまり耳にしなくなったよね。
「根性」といえば格闘技。
それで何でも「格闘技」にしちゃう傾向があるでしょ?
アレがまた気に喰わない。
「アイスホッケーは氷上の格闘技だ!」はまだいいにしても、「将棋は頭脳の格闘技だ!」とか…そんなワケねーだろ!
他にも「柔道は畳の上の格闘技だ!」とかね…あ、コレは正しいわ。
さて、今日の主人公はそんな格闘技のような音楽人生を送っている人…島紀史と彼のバンドCONCERTO MOON。
ま、本人自身も尋常ではない「プロレス博士」なワケだけど、度々発生を余儀なくされるメンバー・チェンジにもめげず、七転び八起き、まさに「格闘技の根性ものドラマ」ようなバンド人生はまさに骨の折れる思いであろう。
…と思ったらホラ。
いくら骨が折れてもチャンと大丈夫なようになっていた。
ちなみにこの「島接骨院」、南千住にある「プロレスの神様 カール・ゴッチ」のお墓にほど近いところにあります。
コレも何かの因縁か?…関係ないか。
キーボーズにメンバー・チェンジがあり、その後、7年に渡って活動を共にしたシンガーの久世敦史さんが脱退。
やはりバンドの音を大きく作用する「声」の変更は痛い。
しかし、CONCERTO MOONは少しのインターヴァルを経て帰って来たのだ!
「エエ~!まだやっていたの?」と思わざるを得ないアルバム『Messiah Will Come Again Tour』のレコ発ライブが新しいシンガーを迎えてついに締めくくられた。
ウォルト・ディズニーがこう言ったってよ。
The flower that blooms in adversity is the rarest and most beautiful of all.
どういうことかと言うと、「逆境で咲く花は、どの花よりも貴重で美しい」
いいこと言うわ~。
いつものオープニングSEが流れ終わり、従来の4人のメンバーがステージに現れた。
おお~っと、もうひとつ…CONCERTO MOONといっしょに帰って来たノンちゃんの後のヤツを忘れちゃイケねえぜ。
Marshall 1967MAJORのフルスタック。
やっぱコレがないとね!
記念すべき1曲目はナンだったか!
人気の「Dream Chaser」だったよ。
「記念すべき」と言っても、すでに大阪と名古屋でこの5人のメンバーでステージには立っている。
前任者とは全く違うシャープで伸びやかな声。
コレが新しいCONCERTO MOONの音だ!
しかし、「はがわたる」なんて、まず名前がいいね。何せ私は「ジェスロ・タル」の大ファンなのだ。
そして、このMarshallトーン!
何も変わっていなくて、自分の方が古巣に帰ってきたような感じがするわ。
続いて最近作『Tears of Messiah』から「Light in the Shadow」。
この一体感…あたかも、もういきなりピークに上り詰めたかのようだ。
亮くんもメッチャ新しいメンバーなのにもう完全にハマっちゃってる。
ノンちゃんのご挨拶。
「オレはめげないぞ!」…いいぞ、いいぞ!
「みんなに歓迎されているようでうれしい」…歓迎してるって!みんな待ってたんだから。
「とにかく早く帰って来たかった!」…そりゃそうでしょう。Marshallが置かれたステージこそがアナタの居場所なのだから。
そういえばこの日、会場へはリハーサルが終わった頃の時間にお邪魔したんだけど、楽屋に挨拶に行ってまず聴こえて来たのがノンちゃんの話声。
もちろん話題はディープ・パープル。
アレが一番CONCERTO MOONが帰って来た感じがしたわ。
ガツンと時間を巻き戻して1998年のデビュー・アルバム『From Father to Son』から「Surrender」。
大変だね~、新しいメンバーさんは。
とくにCONCERTO MOONのような歴史を持つバンドは山のような過去のレパートリーを頭に叩き込まなければならないからね。
…ってなことはおかまいなしにガンガンいっちゃう総帥。
とてもうれしそうにプレイしているノンちゃんの姿を見るのがコッチとしてはうれしい。
2人のコンビネーションもいいんじゃない?
ノンちゃん、こんなだもん。
コレも1998年の『Fragments of the Moon』から「Run to the Sky」。
やっぱりコレは格闘技か?
荒れ狂うノンちゃんのソロがスゴイわ!
おお~、やっぱりいい感じ。
お気に入りの1枚。
仲良くやってださいよ~!
しかし、さっき「レコ発」って書いちゃったど、そうでもないんだネェ。
つまり『Tears of Messiah』の曲でセットリストを固めるのではなくて、コレは新しいCONCERTO MOONのショウケースだね。
とにかく早くステージに帰って来たかったというノンちゃん。
「この鹿鳴館はCONCERTO MOONのオウン・グラウンドです。できればココで復活ライブを演りたいと思っていたんですが、ありがたいことに鹿鳴館さんが土曜日を空けてくれました。
もう大感謝!」
さすが鹿鳴館!
「オイオイ、『CONCERTO MOONの第ナン期』とか数えるんじゃない!パープルだって4期以降は数えないだろ!」
なるほど。
しかし、考えてみると後づけにしろ、メンバーが替わるたびに「マーク〇」とか「第〇期」なんて数えられているバンドってDeep Purple以外にないね。
イヤイヤ、他はそんなにメンバー・チェンジしないってか?
そして、コレも人気の一編、「Black Flame」。
アーティスト写真撮ったね~。
ココで亮くんのキーボーズ・ソロ。
そう!ノンちゃんは亮くんを紹介する時に「オン・キーボーズ!」って言ったの。
コレはうれしかったね。
ノンちゃんがちゃんとロックのライブ・アルバムを聴いている証拠。
いつもMarshall Blogに書いているように、ボーカル、キーボード、ドラムがパート名を示す時は、「ボーカルズ」、「キーボーズ」、「ドラムス」と複数形にするのが正しい…ハズ。
Frank Zappaのライブ盤を聴いてごらん。
ザッパのライブ・アルバムにはたいていメンバー紹介のコーナーが収録されていて、必ず上の3つのパートは複数形にしているから。
でも実はこの間、Quincy JonesのA&M盤『Walking in Space』で「Vocal」という表記を見つけてしまったんだけどね…イヤ、とにかく複数形にしましょう。
この「♪ムイ~ン」というムーグのサウンドが丸っきりCONCERTO MOONで落ち着くね。
昔のハード・ロック・バンドのキーボーズ・ソロはみんなこうだった。
そして、コレでいいのだ。
また『Fragments of the Moon』に戻って「Holy Child」。
ココまで歌って汗をかくどころか、吐息ひとつ乱さない亘くん。
コレはスゴイわ!
そして、この4人の凄まじく気合いの入った演奏!
後半も楽しみだ!
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