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2018年12月28日 (金)

DON BROCO PLAYS NATAL 2018


チョット前の「フランクフルトのポスター」の時にも触れたけど、「洋楽vs.邦楽」の話。
私がとても若かった頃、レコード(CD)の売り上げの比率は洋楽がかなり大きかったように見えても50:50が関の山だった…と書いた。
もうチョット書き足させて頂く。
調べてみると…1980年から2014年の年間アルバム売上ランキング上位50位に入っている作品の数を比較していくと、80年代の終盤から90年代の前半にかけてかなりの落ち込みを見せてはいるが、ビックリするほどの差はないと言ってよさそうなのね。
問題はその「1980年の終盤」で、1988年頃から日本の音楽業界が急速に活性化し、邦楽が力をつけ出した。
つまり「ロック」が完全に日本国民の間でマジョリティ化して国産化が進んだということでしょうな。
そうした瞬間にお手本であり、先生であった洋楽がスミに追いやられたのは何とも非情な話ではあるまいか?
というのは、ベスト50圏内の洋楽のアイテム数が近年も変わらないとはいえ、ベスト10に食い込むアイテムがLady Ga Gaを除いてはほとんど無くなってしまったのだ。
笑ったのは、その34年の間に日本のレコード売り上げ上位50に食い込んだ洋楽のアイテムがビートルズ関連以外、ウチにはただの1枚もなかったのだ。
人が夢中になっているモノには手を出さないで生きて来た成果がココに来て開花したといえよう…ナニ言ってんだか。
とりわけ音楽に関するヘソは曲がりまくってるからね。おかげさまでロックの枠に囚われることなく、クラシックから民族音楽までを楽しんでおります。
そうでもなきゃMarshall Blogもココまでできなかった。
で、そんなアマノジャクでも気になるのがその「洋楽vs.邦楽」の現在の売り上げの比率。
昔は50:50。
レコード会社の友人なんかに訊くと、チョット前まではよく20:80と言っていて、洋楽が「20」を切る日も近いと分析していた。
今はどうだと思う?
2017年の統計では11:89だってよ!
もう日本の洋楽文化は絶滅間近だよ。
ああ、今10ccだの、Yesだの、UFOだの…メンバーの顔とレコード・ジャケットが走馬灯のように脳裏を横切ったわ。
巷間では「クイーン、クイーン」と中学生のチョーキング(今は「ベンド」って言うようになったのかな?)みたいなことを言っているけど、洋楽人気の復活とまではいかないだろうナァ。
年の瀬に暗鬱な話をしてしまって、私の同輩のようなオールド・ファンには申し訳ありまへんな。
 
そんなこんなで今日は久々の外タレ。
Don BrocoというMarshallの本社があるブレッチリ―から東へ15kmほど行ったベドフォード出身のバンド。
今月来日し、18日(大阪)&19日(東京)に『ONE THOUSAND MILES TOUR 2018』というイベントに出演した。
Marshall Blogには2回目の登場となる。
10Rob Damiani

20vSimon Delaney

30Tom Doyle

40今回はキーボーズ奏者も加わった。

50そしてドラムスはMatt Donnelly。

60MattはNATALなんですよ~。

70今回Mattが使用したのはNATAL Originalのメイプルのキット。

80v本国イギリスでの人気はかなり高いそうだ。
いつかMarshallの工場に行った時にシアターと呼ばれているホールでリハーサルをしていたことがあってね、このチームには何となくかつ一方的、個人的に親近感を持っているんだけど、今回も観に行かれなかった。
とういうのは前回も不幸が重なって行かれなかったの。
待てよ…新橋に「ドン・ブランコ」というメキシコ料理店があってね、親近感が湧くのはそのせいかも知れない。

90やっぱりこういう舞台に「NATAL」のロゴが鎮座しているのを見るとうれしいね。

100Don Brocoは今年の2月に『Technology』というニュー・アルバムを発表していて、そのレコ発来日としての側面もあったようだ。
下がその『Technology』。
法衣をまとった犬が手にしているのは「¥」。
で、早速このアルバムを聴いてみる。
アルバムにはドンズバで「¥」という曲も入っている。
歌詞をチェックしてみると…
「みんな仕事に一生懸命 みんな贅沢をしたがってる その世界を変えるつもりはない 週末なんだからノンビリしなよ」
ん~、わかってないな。
今、日本はそんな状況じゃないってば。皆さんが思っているよりゼンゼン状況が悪い。
どんなに働いたってラチが開かないほど世の中がおかしくなっちゃってるのですよ。
イヤ、働く人すらいないんだから。Techでもね、サウンドはとてもいい。
どう良いのかと言うと「ロック」なんだよね。
当然ギター・リフもギター・ソロもない。
音作りが新しくて70年代のロックで育った私のようなジジイにシックリとハマるサウンドではないんだけど、「ロック」かどうかと言えば「ロック」を感じるよね。
そこがJ-POPというのが、今の日本の若いバンドさんと大きく異なる点だろうな。
まずシンガーの声がいいの。「ロック」の声なの。
それと、連中の奥底には「ロック」のしっかりした潮流が流れていて、「ロック」という音楽が今風にポップに変化しただけということが感じられるんだけど、今の日本のロック・フェスに出ているようなバンドが演っている音楽は「ロック」が歌謡曲になってしまったようなモノに聞こえるんだよね。
「声」はその辺りを決定づける大きな要素だと思う。
日本のロックの土台はGSだから。
やっぱりルーツが違うと子孫も大きく違ってくるということだ。
コレなら「観てみたかった」と思うわ。

Fyd_6118この人がMatt Donnelly。

120s「ボクは自分のNATALが持つパワーが大スキだ。
キミがどんな音楽を演ろうとも、NATALは完璧な支柱となっていつも助けてくれるよ」

130いいこと言うわ~、Matt。

110次回はゼヒ!

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(一部敬称略 2018年12月18日&19日撮影 ※Photo:Daisuke Sakai Twitter:@ImDaisukeSakai ※協力:H.I.P.)