【イギリス-ロック名所めぐり】vol.31~『Let It Be』を観たよ
皆さん、こんにちは。
私、Marshall Blogといいます。覚えていらっしゃいますか?
なんて…中断している期間はあったものの、「毎日更新」を標榜して10年。
決して挫折したワケでも、ネタやアイデアが枯渇したワケでも、関係者の皆さんから敬遠されているワケでも、はたまた読者の皆さんから愛想をつかれたワケでもないんだけど…ダメだ!
あまりにも他にやることが多すぎてMarshall Blogを書いている時間が取れない。
「徹夜してでもやれ!」って?
そんなことおっしゃって頂けるのはとてもうれしんだけど、絶対にやらない。
11時以降は絶対に仕事をしない。
もうこのことだけは守ってる…ナゼか?
年老いているから。
チョットでも無理をしたり、生活のリズムが崩れるとすぐに身体の調子が悪くなっちゃうんよ。
ま、決して自分が完全な健康体だなんて思わないけれど、取り敢えず寝込んだりしないで済んでいるのは、この「生活のリズム」をキープしているのと、極力化学薬品の入った食品を摂取しないように努めているからだと思ってるのです。
音楽のリズムはボロボロだけど、寝起きのリズムはバッチリよ。
それと、晩酌を止めてる。
いいね~、グッスリ眠れる。
コレぞまさにジジイの会話…こんなどうでもいい事を書いている間に新しい記事を書けばいいんだけどサ。
それにもリズムが要るんですわ。
今、Marshall Blogは変拍子のパートをやってるの。19/16拍子ぐらいかな(Keep it Greasy)?22/8拍子か(First Circle)?
さて、それでも今日筆を執った!
その理由と内容がまたけしからん。
ナントShige Blogの記事をMarshall Blogに引っ越ししただけ!
どうだ?
ズルいだろう?
いい加減だろう?
でも、どうしても急にコレがやりたくなっちゃったの。
…というのは、当該の記事をある読者に紹介したくてMarshal Blog内を探したんだけど見つからない。
記憶をたどってありとあらゆるキーワードを使って検索をかけても出て来ない。
それで、もしかしたらShige Blogに書いたのかも…ということにようやく思い至って、探してみたらあったじゃないの~。
そして、内容を読み返してみたら、「コレ『ロック名所めぐり』に組み入れてもいいんじゃん?」と思ったワケ。
内容はビートルズ。
2012年の10月16日のShige Blogに掲載した記事だけど、加筆訂正してお送りする。
未読の方には是非ご覧頂きたい。
舞台はピカデリー・サーカスとレスター・スクエアのちょうど間ぐらいにある劇場、Prince of Wales Theatre。
おお~っと!
「Theatre」で思い出した!
以前、Marshall Blogで三宅坂(皇居のとなり)にある国立劇場の看板の英語表記がイギリス式の「National Theatre」になっているのに対し、その目の前にある信号についている標識の英語表記が「National Theater」とアメリカ式になっていることを指摘した。
そして、「国がこんなことをやっているから日本の英語教育はいつまで経ってもダメなんだ!」と息巻いて見せた。
だってそうじゃん?
そしたら…。
つい先日、車で国立劇場の前を通りかかって驚いた。
見てるんだよ、国の連中も…Marshall Blogを…。
ナント、信号機の方の英語表記がイギリス式の「Theatre」になってたのよ!
スゲエな、Marshall Blog!
コレ、同じ英語でもどうしてイギリスとアメリカで「-re」と「-er」という違いがあるのかということは他の記事に書いたことがあるので興味のある人は検索してみてください。
ちなみに、この通りの先にはイギリス大使館があるでね。
大使館の誰かが指摘したのかも知れないね。
イヤ、Marshall Blogのおかけだろう。
貧乏旅行…私の場合、食費を削ることよりも、音楽グッズを買い控えたり、観劇をガマンしたりすることの方がツライ。
誰かに渡すお土産は別にして、洋服ときたら自分にはTシャツ一枚買ったことすらない。
その代わりCDやら、本やら、大好きなミュージカルには惜しみなくお金を使う!…と行きたいところだが、当然そうもいかない。
両替したポンド紙幣の減り具合を確認しながら、恐る恐るCDや本を少しずつ買い込まざるを得ない。CDや本はいつかまたどこかで再会できることが期待できるので(ま、私が欲しいモノなんて大したアイテムじゃないから…)、ちょっとした努力で買い控えることもできよう。
いつかオレゴンの「ベンド」だか「ベント」だか、ジェリー・ドナヒューのようなチョーキング名人がORIGINが集まっていそうな町に行った時のこと。
小さな小さな町だったが、そこに中古レコード店を見つけた。
すぐに店内に入りROCKの「Z」コーナーへ。
当然のごとく、ナニかFrank Zappaの珍しいアイテムがないかとチェックしたワケだ。
エサ箱に入っていたのは十把一絡げののありきたりのモノばかりだったが、最後に『Apostrophe(')』と『Over Nite Sensation』の4チャンネル盤というのを見つけた。
$10チョット程度だったかな?
普段なら絶対「買い」なんだけど、こういうに悪魔が囁く。
イヤ、時差による疲れのせいか思考が妙な具合にブレるのだ。
自分「欲しいナ、問答無用で買いだろ?」
悪魔「イヤ、待てよ、こんなもの持ち帰ってどうするんだよ?4チャンネルのステレオなんか持ってないじゃんか!」
自分「でも日本でこんなの見たことないゼ」
悪魔「そうかも知れないけど荷物になるゾ~。LPがどれだけ重いか、おまえならよ~くわかってるだろう?」
自分「コレクションのためだ、それぐらいガマンするさ!」
悪魔「それもよかろう。しかしだぞ、このLPをスーツケースの底に入れてだな、持って帰った時にヒン曲がっていたら苦労して持って帰った甲斐がねーゾ!」
自分「それもそうだな…やめようかな?」
悪魔「やめとけ!やめとけ!」
…で、結果、悪魔が勝利して買うのを止める。
そのまた結果が「後悔」である。
こういうの普通は買っちゃう方が「悪魔」の役回りなんだけどね。
それらのアイテムに後日出会ったことがない。だから、ほんのちょっとの犠牲で済むのであれば、「欲」を貫いた方が後々ラクである。
これが私の「海外買い物人生訓」なのだ…ま、しょっちゅうブレてるしセコい買い物なんだけどね。
でだ!チョットどころの犠牲で済まなくても自分に「Goサイン」を出すべきは、ミュージカルやコンサートなどのエンターテインメントである。理由は単純。他の場所では経験できないからね。
私が考えるに、実は日本は驚異的なエンターテインメント後進国である。
正確に言うと経済先進国の中にあっては、西洋エンターテインメントを国内で経験できない、その方面においては最も遅れた国だと思うのです。
言葉の問題もあるし、落語やその他のオリジナルの古典芸能も豊富にあるので、ミュージカルなんて観ちゃいられんよ…ということもあるのかもしれないが、まぁ、寂しいもんです。
かといってお能観にいかないでしょ?!
それもこれも「観劇」という習慣がないから仕方ないのでしょう。
でも、江戸時代は盛んだったのよ。
その結果、現地で観るということが必須になってくる。これは現地で見逃すと他では経験できないことが多いので、もしくは「劇団○×」の焼き直しなど観たくはないので、多少の犠牲を払ってでも経験しておくようにしている。
たとえ大枚はたいて観たショウがその時少しぐらい気に入らなくても、後年「お、オレ、それブロードウェイで観たよ。メチャよかったよ~!おまえも観た方がいいよ~。ま、オレはミンスコフ劇場で観たけどね…」とかいうことになる。
おのぼりさん根性と笑わば笑え。どうせショウ・ビジネスにおいては、日本人は絶対に永久に向こうの連中にはかなわないんだから…。
さて、ロンドンの地下鉄の広告で見つけたのがビートルズのミュージカル『Let It Be』。
コレか~。日本でもテレビで盛んに宣伝してたな…。どうせ日本公演のキャストは2軍、3軍だろう。コイツぁ、本場で本物観てやろうかと…。
財布の中身を確認しつつ、ハーフプライス・チケットのオフィスに行くが、9月下旬に始まったばかりの興行なので、この晩のチケットはソールドアウト。
「クソ!もっと早くチケット買っておけばよかった!」と思いつつ、「フ~、金使わないで済んだ~」と安心したりして。
ボックスオフィスで興行日を確認すると、あくる日にマチネーがあることを発見。
マチネーというのは昼間の興行のことね。補欠のキャストでシレっとやっちゃう。
ここで、このあたりのシステムになじみのない方に簡単に説明しておくと、日本では「劇団ナントカが何年ぶりに『ドッグス』の公演をします!」とかにぎにぎしくやってるでしょ?期間を決めて興行しますよね?
ところが、NYCのブロードウェイとかロンドンのウエストエンドでは毎日興行がかけられているのね。ウエストエンドの場合は、日曜日には全興行がパタリとお休みになってしまうけど、その他の日は決まった劇場で毎日同じ出し物が上演されている。
で、人気のあるショウは(ウエストエンドの場合)、木曜日と土曜日には昼間にも上演される。これがマチネー。(マティニーと発音する)ブロードウェイは月曜休みで、水&土曜日にマチネーだったかな?
公演当日の夕方近くになると、同じ公演をかけるのに席を余らせておいてもモッタイないから、一斉にチケットの安売りが始まる。
これを待ってチケットをゲットしてもいいのだが、ソールドアウトと変な席しか残っていないという危険性があるワケ。合理的です。
コレを20年とか続けるワケですよ。
当然ヒット作ともなると延べ観客動員数は凄まじい数になる。
もちろんこれはイギリスに住んでいる人だけが観てるワケではなく、大半が私のような海外からのおのぼりさんだ。そこへ行くと東京のショウは日本の人しか観ないからね、動員数がケタ違いに小さくなる。
さて、人気の興行も時間が経てば動員力が徐々に減って集客が鈍くなる。
それでも終わらせるには惜しい。
すると今度は、ウエストエンドの場合、キャパの小さい劇場に引っ越して行って、しまいにフェイドアウトする。
私が10年ウエストエンドを見て来て、『レ・ミゼラブル』は2回引っ越してるハズ。
今3か所目の劇場になるけどまだやってるもんね。
『オペラ』はいまだに「ハー・マジェスティ」で演ってる。それにいまだにハーフプライスが出ない。人気のほどがうかがえるというワケ。
だからね~、東京なんかはいかに海外からの観光客が少ないかって思うんですよね~。
もっともっと海外の人が興味を持って来るような魅力的な街になってもらいたい。
今もね、年末にイギリスの友人が来るっていうんで観光のプランを練っているところなんだけど、観せるとこないよね~。
二重橋?お台場?スカイツリー?そんなんでよろこぶかな?それよりあまりにも混沌とした渋谷の駅前とか歌舞伎町の方がよろこびそうだな…。
それと、東京の観光地ってそれぞれがエラク離れてるんだよね。世界一の大都市だから仕方ないんだけど、ロンドンとかニューヨークはせま~い中に見どころがギューギュー詰めになってる、博物館だとか美術館が充実しているので1週間いてもまだまだ見きれやしない。という地理的ハンディも東京にはあるのかもしれない。
話し戻って、チケットオフィスの人によれば翌日のマチネーのチケットはあるということで明日チケットを買うことにした。コレが失敗だった…。
マチネーは3時から。
午前中に西ロンドンでマーシャル関連の取材を済ませ(これがまた面白かった!)、ウエストエンドに戻りマチネーのチケットを買おうとすると、ヤッチマッタ!
昨日聞いた値段よりガバッと上がってやがる!
ニューキャッスルからの電車の時にあれほど失敗したのに!…というのはギリギリまで待てば安くなるかと期待していたのよ~!ああ、バカな私。
ま、それでも5,000円ぐらいで始まったばかりのショウが観れるなら…とチケットを買った。
コレがプログラム。£4だったかな?こういうものはよほど高くない限り必ず買うことにしている。
劇場の名前がガツンと入っているところがうれしい。
ま、思い出というよりも「観た」という証拠みたいなもんですな。
そしてコレが「Prince of Wales Theatre」。現在の建物は1937年に再建されたものだが、オープンは1884年という由緒ある劇場だ。
ロンドンやニューヨークで観劇する際のもうひとつの楽しみは、劇場そのものを味わう…ということ。日本の劇場はジャンジャン壊してしまうので歴史も風情もスっ飛んでしまうが、こちらは長い間に上演された数々の名作のポスターや写真が飾ってあったりして実に味わい深い。
NYCのリンカーンセンターにあるエイヴリー・フィッシャー・ホールに飾ってあるボールペン画によるカラヤンやベームらの名指揮者たちのポートレイトなんて実に面白かった。
それと、その名館に入ったという満足感ね。
ロイヤル・アルバートにもパレス・シアターにも入ったことがない若輩が言うのもなんですが…。(オペラ座とかスカラ座とかとは別の次元で話してます)
オワ~!ジミー・スチュアートが1975年にここの舞台に立っているのね!大感激!!
コレは『Harvey』ですな。
1944年にブロードウェイで初演。
1950年にはこの人が主演して映画化もされた。
主人公にしか見えない大きなウサギの話し。ジェイムス・スチュアートはオスカーの主演男優賞にノミネートされた。
でも、映画自体はあんまりピンと来なかったナァ。
コチラはメル・トーメ。
「The Man with the "Velvet Fog Voice" from the U.S.A.」ってのがいい。
「ベルベット」はわかるけど「霧」は解せん。そうかな~、そんな霞がかってるかしら?
「Mel Torme」のドデカイ表記の下の「Mountain Greenery」というのはロジャース=ハート・コンビのペンによる1920年代のミュージカルの挿入歌で、イギリスではメルのレコーディングが大ヒットした。
だからガツンとフィーチュアされている。舟木一夫の「高校三年生」的な?
メルは2週間もここで歌ったんだネェ。聴きたかったナァ、若き日のメルの声!
ちなみにメルはCONCORDにこんなデュエット・アルバムを残している。
デュエットのお相手はデイㇺ・クレオ・レーン。
デイㇺは男性の称号でいえば「ナイト(Knight)」。「Sir=Lady」の上だからエライよね。
先日The Kinksのレイ・デイヴィスがナイトを叙勲したのは記憶に新しいい。
で、このクレオ、ジム・マーシャルの幼友達だったらしい。
ジムのお別れの会にも出席して、ひとことご挨拶されていた。
彼女の『Shalespeare and All That Jazz』というアルバムが結構好きで時折聴いている。
イギリス人らしくていいじゃん?
ディック・モリッシーとかジョン・サーマンとか、マイク・ウエストブルックとか、イギリスのジャズ・ミュージシャンって結構スキ。
さて、肝心の『Let it Be』。
どうもシックリ来なかったんだけど、道理で…。
日本で盛んに宣伝しているビートルズのショウは『Rain』っていうヤツなのね。
こっちに帰って来てから気が付いた。まったくの勘違いだった!
ビートルズデビュー50周年ということで盛り上がってるんでしょう。
それにしても2012年はイギリスにとって本当にスゴイ年回りだよね。私もそうなんだけど。
考えてみると、ビートルズもMarshallも私も、みんな同じ年なんだよね。
この作品は特にミュージカル仕立てでもなんでもなく、ビートルズの曲を演奏するだけの、ごく普通のコンサートなの。
ただ、デビュー当時から順に衣装を換えてその時代のレパートリーを演奏するので、無理して言えばチョットしたビートルズ物語にもなってる。
それよりも、皆さんの前にビートルが再び現れたんですよ!50年前にロンドンで演奏した時と同じなんですよ!という疑似ビートルズ体験ができるというワケ。これには弱い!
「なんだよ、そんなら六本木でも観れるやんけ~」なんてことは思っては絶対にイケません。演奏がウマイとかヘタとか、似てるとか似てないとか、こんなことを考えるのもヤボです。
何しろ、この「ロンドンで観ている!」というロマン。
そして大枚はたいているという意地があるからです!
でも本当に楽しめましたよ。
写真は撮れないので劇場の外観だけしか掲載できないのが残念。
ステージ左右にはビデオスクリーンがハメ込まれた大きなクラシック・ラジオの造作が設置され、「ビートルズ・クイズ」が放映されている。
開演を待つ観客のビートルズ度を鼓舞しようというたくらみ。
みんなそれを読んではドヤ顔で小声で答えている。
BGMはニール・セダカやコニー・フランシスらのオールディーズがガンガンに流れていて、お客さんがもうしっかりとそれに合わせて歌っちゃってる。
そう、かなり年齢層が高いのだ。
オイオイ、ヘタをすると私が一番若いんじゃねーの?というぐらい。
もう完全に「あなた方本物のビートルズを見てるんでしょ?」という感じ。
実際にイギリスへ行くと、「ビートルズを観た」というお年寄りがウジャウジャいるからね。
「She Loves You」でショウはスタートして「From Me to You」だの「Please Please Me」だの初期の定番が連なる。
曲間にはジョン役の人が「高い席のお客さんは宝石を鳴らしてください。安い席の方は拍手してください」だっけ?有名なMC。
怒られちゃったヤツ。
ジョンはこのセリフをこの劇場で言ったんだよね。また感激!
そういうことをして、あたかも本物が演奏しているような演出をするんですよ。
入り口の看板に「Experience the Beatles Live in London」と謳ってあるのはダテじゃない。
ところで、本当にこのジョンのMCを実感している日本人ってあんまりいないんじゃないか?って思った。
イギリスは今でも「差別社会」といわれるが、この劇場の座席の別なんてまさにその表れで、実に細かく値段によって席が分かれている。
舞台に一番近い、つまり高い席を「ストールズ」といい、2階席が「ドレス・サークル」とか「ロイヤル・サークル」とかいうエリアになっている。
社会の授業で習ったカーストでいえば、ここまでが「バラモン」。士農工商なら「士」だね。
私なんかがいつも利用するのは一番安い「バルコニー」というエリア。4階席ですよ、4階席。
カーストならスードラであり、「商」に属する。
安いぶん仕方ないんだけど、このバルコニーともなると、他の高い席の方々と出入口も異なるのですよ。
ま、言いたかないけど、「貧乏人様はコチラへ」みたいな…。
で、ロンドンの劇場はみな100年ぐらいは軽く経っている古い建物なのでエレベーターなんかついていない。
エッチラオッチラ階段を上がって行かなければならない。
別に悔しくも何ともないんだけど、ジョンが言ってたのはこれか~、最初にロンドンでミュージカルを観た時思いましたよ。
ブロードウェイは劇場がウエストエンドに比べて小さいせいか、こういうケースは少ない。
ショウはつづく。
ナゼか「Day Tripper」で総立ち大合唱!
でもすぐ座っちゃうよ~、ご年輩だから、手拍子も1&3拍。ああ落ち着くなァ~。
衣装替えの時にはステージ両側のビデオスクリーンに60年代のロンドンの風俗が映し出される。
トゥイッギー、マリー・クワント、Vespaなどなど、みんな「なつかし~」とか「あった、あった」とか言って騒いでる。
第2部ではサージェント・ペパーズの衣装で登場。
ドラムの人が「With a Little Help」を歌ったんだけど、これが何ともよくてね~。泣けたな~。
最近ようやくビートルズの歌詞がダイレクトに頭に入って来るようになりましてね。
やっぱスゴイです、「ファブフォー」は。一番泣けるのは「She's Leaving Home」なんです。「With a Little」には会場も大合唱。隣の隣のおじさんも目頭を押さえてた。
『サージェント』からは他に「When I'm Sixty-four」も演った。
お客さんの平均年齢がどう見ても64歳以上なんですよ。
みなさんの膝の上にヴィラだのチャックだのデイヴが乗ってるかはわからないけど、これも完全に大合唱。
私も『ガープの世界』好きだったからね~、大感動。
ちょっとポール役の人が時々自分風にアレンジするところが気になるナァ~。
何しろお客さん全員が全曲を完璧に英語で歌えるところがスゴイ。案外感動モンですよ。海外へ来た感があふれてる!
「A Day in the Life」とか「Love is All You Need」とかも披露。
ポールは今でも自分のステージでビートルズのレパートリーを演奏しているけど、ジョンはもうできないからね。コピーだとはわかっていても、そういう意味ではすごく新鮮に感じる部分もあった。「Strawberry Fields」とか「Lucy in the Sky」とかヨカッタな。
「♪Lucy in the sky with diamonds」の前のキメのところなんかお客さん全員膝叩いて合わせちゃうんだから。
となりにいたご夫婦ももう70歳近くにお見受けしたが、そういう年齢の方がビートルズの曲をソラで歌っちゃうんだよね、もちろん英語で。
初期の曲ならわかるんだけど、ちゃんと『Revolver』以降の曲もちゃんとマスターしてる。
本当にお茶の間にビートルズがいたんだなって感じがするワケですよね。日本だったらどうなんだろう?GSとかかな?この差はかなりデカイ。
アコースティック・セットでは3人が同時に「Blackbird」を弾いたりして…。
「Here Comes the Sun」や「In my Life」と続く。
ん~、ここは確かにお日様がありがたいところだからね~。この名曲もここでは余計に心にしみますよ。
ジョージ関連では残念だったのは「While my Guitar gently Weeps」を勝手にアレンジして演ってたこと。ソロは完全コピーだったけどね。ジョージの人、スゲエギターうまかった。
最終のセットは映画『レット・イット・ビー』のイメージだよね。最後にビートルズが演奏したアップルの社屋があるセヴィル・ロウはここから歩いて5分ぐらいのところなんだから臨場感が違う。『Abbey Road』のジャケットがバックドロップに映し出されるところがあるんだけど、これにしてもアビィ・ロード・スタジオがある「St. John's Wood」まで地下鉄ですぐだもんね。
家でホンモノさんのCD聴いていてもいいんだけどね、でもせっかくロンドンにいるんだし…こうした何とも言えない本場感を味わうようなもんですよ。
アンコールの最後に「Let it Be」を演奏。
コレで終わりかと思うとみんなが「Hey Jude!」とリクエストするの。私なんかは
「Hey Bulldog」の方が好きだったりっするんだけど。
この「Hey Jude」は今年のイギリスの大イベントたちのおかげでビートルズのNo.1曲になった感じがするね。当然大合唱よ。
手をつないでいっしょに歌っている老夫婦の姿なんか感動的だった。
客出しのBGMが「I Wanna Hold Your Hand」でさ、みんな大声で歌いながら帰ってった。
ナンダカンダ言っても、ビートルズはやっぱりこの国の人たちの誇りであり、この国の人たちのモノなんだなって思った。