AZAZEL~初のワンマン・ショウ
「ガールズハードロックバンド」、AZAZELの初めてのワンマン・ショウ。
いいね「ハードロック」なんて言葉。好きです。
この日を待ちわびていた人もおおかったのだろう、チケットは完売!
おめでとう、AZAZEL!
この日はJCM2000 DSL100と1960Aのハーフスタックを使用。
スネアのサウンドがまた彼女の大のお気に入りなのだそうだ。
スネア・ドラムもキットのモノを組み合わせる…外人みたいでカッコいいね。
先日のサマソニにはNATALを使うバンドが3つ来日して、私がキットの面倒を見たんだけど、全員スネアもNATALの指定だった。
今までもそういうことは多かった…というよりも、スネアだけを他のブランドに換えている外人のドラマーってひとりもいなかった。
アレ、持って来るのがメンドくさいからなのかな?
日本人は絶対と言っていいほどスネア・ドラムとペダルを持参するでしょ?
Mayoちゃんが日本人離れしているということか。
そして、Mayoちゃんの鬼神のようなドラミングがなだれ込んでくる!
女性だから鬼子母神ドラムかな?ファースト・アルバム『3513 chain A』から「Spica」でスタート。
コレ、アルバムの2曲目に入ってるんだけど、1曲目に入っていそうなバリバリのナンバー。
私の40年以上に及ぶロック経験から言って、2番目にそういう曲が入っているアルバムって大抵よくできてるんだゼ。2曲目も同じく『3513』からヘヴィに「Howling」。
続いてミニアルバム『Inside Reflection』からタイトル・チューン。
イントロから想定外のAメロへ展開するところなんざオモシロイな。
しかし、スゴイなMayoちゃんのドラムは。
Mayoちゃんは同じNATALドラマーの石川達也くんから紹介してもらったんだけど、「日本で一番音の大きな女性ドラマー」という触れ込みだった。
そして、先日Marshall社の社長夫妻が来日した時、空也ちゃんと共に懇親会にお招きした。
Mayoちゃん、ナゼか「アポロチョコレート」持参。
向かって左のジョナサン・エラリー社長が手にしているのはAZAZELのCD『DISCLOSE』。
後日このCDは海を越えてイギリスへ渡った。
もうひとつイギリスへ渡ったのは「The loudest girl drummer in Japan」というMayoちゃんのキャッチコピー。
ロンドンのキングス・ロードあたりで出くわした音楽の詳しそうな若者に「Who do you think the loudest girl drummer in Japan?」と尋ねると間違いなく「No doubt, it's Mayo!」と答える…かどうかは知らない。
「AZAZELの初ワンマンへようこそ!今日はアルバム・リリース・ツアーのファイナルにしてAZAZEL初のワンマン・ライブだ~!
ワンマンをやるとキマってから正直ドキドキで毎日悪夢を見ました。でもちょっとワクワクの気持ちもありました。
でも、こんなにイッパイになるとは思っていませんでした!
今日はAZAZELの全部を出し切っていくので、とことん楽しんで行ってください!」
んん?ナンダこのリフ?
4/4拍子なんだけど、4・5・3・4とアクセントがズレて変拍子に聞こえる。
やるな~、AZAZAEL!
「Never...」、「Revive」とノリノリのナンバーが続く。
MCをはさんで「Still」、「Go Ahead」、「Angel's Stairway」。
「Still」の大サビとでも言うのか、「♪滲む世界綺麗すぎて」のパートのメロディはすこぶるカッコいい。
空也ちゃんの作曲か…Marshallがインスピレーションにひと役買っていたらうれしいね。
yuriちゃんのベースが活躍する「Go Ahead」なんて真正ブリティッシュ・ハード+ジャパニーズ・ガール・バンドのテイストが満載でカッコいいよ。
このあたりは今の若い人のバンドにない音楽性だと思う。
「♪ル~ルル、ルルルル~ルル」
ハードな曲の連続から一転、会場に「徹子の部屋」のテーマ・ソングが流れる。
「まさかの『空也の部屋』の生放送…」、空也ちゃんフィーチュアのコーナー。
このコーナーのためだけに持参したアコギで…
「Helix」をジックリと聴かせた。
「Helix」とは「らせん」のこと。
ピアノの山下洋輔にDNAの二重らせん構造をテーマにした「Double Helix」という曲があるが、AZAZELファンは聴かない方が賢明だ。空也ちゃんとMiyabiちゃんがステージを降り、颯爽とステージに姿を現れすMayoちゃん。
おお~、豪快なドラム・ソロ!
ん~、このダイナミズム!「女の中の男」だね~。
そして、やっぱり素晴らしいNATALサウンド。
もうドラムス全体でウナリを上げているようだ。
とにかく「豪快」のひとことに尽きるMayoドラミング。
アタシャ、ベテランの男性ミュージシャンの中にMayoちゃんを突っ込んで、トラディショナルなハードロック・ドラムを叩いてもらいたいと思ってるんだよね。
もちろんNATALでなきゃダメよ。
そして、ソロはyuriちゃんにバトンタッチ。
コチラもMayoちゃんに負けないハードなソロ!ノリノリのベースとドラムスのコンビネーションに客席は大盛り上がり!
メンバー全員がステージに戻り、Mayoちゃんのドラムスでスタートした次の曲は…
「Untamed Heart」。
チョット「20th Centuray Boy」を連想するリフ。カッコいいんだけど、今の若い子のバンドの曲ってどうしてサビのメロディがこうなっちゃうんだろうナァ。
「ロック度」がガクっと落ちて、サビになるとどのバンドも全部同じになっちゃう。
勝手なことを書いてゴメンね、でもサビまでがカッコいいだけにモッタイナイ!とオジサンは思うのだ。「古い」ってことか?
次の「Shadow Town」もハードロック色が濃くていいね~。
そして愛と感動のAZAZEL初のワンマン・ショウも最後のセクションに突入する。
ポップなテイストの「Song for」。
矢継ぎ早に「Fall down」。
デス・ボイスから普通の声に戻るところがなんとも言えないぞ!
もうこの辺りになると、客席はこんなアリサマ。
グルグルと忙しい!
この日も尻痛覚悟で高めの脚立のてっぺんに腰を掛けて撮影していたんだけど、上からこういう光景を見ていると実にオモシロイね、色んな人がいて。
とにかくナニがナンでも特攻する人、どんなに体当たりされても完全にシカトしている人、人の顔色見て行動をキメている人…。
ただひとつ言えるのは、みんなとにかく楽しそうだ…ということだね。それでいいのだ。
「Keep Holding my Hand」でおしとやかに本編の幕を降ろした。
スゴイわ、この熱気!
当然すぐに沸き上がった「アンコール!」の大合唱。
今、AZAZELのメンバーは着替えているからね、その間にCDの紹介なんぞを…。
今回のレコ発ツアーの「レコ」がコレ。
6月にリリースした5曲入りのミニ・アルバム『Inside Reflection』。コチラは昨年11月発表のシングル『DISCLOSE』。
そして、2016年3月に発売した初のフルアルバム『3513~Chain of A~』。
今日は『Inside Reflection』の収録曲全部を演奏するだけでなく、初のワンマンらしく各アルバムから几帳面に選ばれた曲たちによってセットリストが構成された。
演奏の前にメンバーから今日の初のワンマン・ショウについての感想が述べられた。
「もうやりたくないです!ダマされた気持ちです。ベース・ソロとかやりたくない!
虫を食べさせられる夢を見たんですよ。それって夢占いだと『すごくストレスが溜まっている』ということなの!夢の中ではお母さんが代わりに食べてくれました」
お母さんはありがたいね~、夢の中でも娘のことを助けてるんだから。
「私は海外に行ってパスポートがなくて、自分だけ帰れないっていう夢を何回も続けて見ました」
そして、空也ちゃんは昔のことを思い出して涙がポロリ。
「このワンマンは私にとって大きなことです。また新たなスタート地点に立った気がします。本当にありがとうございました!」
私はタバコを止めてから数年の間、つい吸ってしまって「ギャ~、ついやっちゃった!」という夢を何度も見たな。
それと卒論の面接で落第して留年がキマってしまう夢。コレも何度も見た。
おかげさまで今はもう両方とも見ることはありません。
「『森のクマさん』も出て来たけど…とても楽しかったです!でも本当に大変だった。もうワンマンはやらないと思う。
今度やる時は武道館クラスのところでやります!」
なんて言っていたけど、Mayoちゃんも感極まってナミダ!
よく泣くバンドだナァ~。男性に負けないあんなダイナミックなドラムを叩くMayoちゃん…でも女の子なんだね~。
しかし、こういうシーンはヤロウのバンドでは見れないからね。
イヤ、絶対に見たくないわね。「AZAAELを始めてこの3人に出会えたことが本当に楽しかった!結成して4年ぐらい?幸せなAZAZELでいたいです!
最後まで楽しんで行ってください!」
アンコールは「空也の部屋」でアコースティックで演奏した「Helix」をバンド・バージョンで。
そして「DSICLOSE」でAZAZEL初のワンマン・ショウを完結させた。
AZAZELは「生音勝負!!」を信条としているそうだ。
何のことかと思ったら、「同期」を使わない100%人力の演奏を標榜しているという。
超大賛成!
そもそも「同期」なんて言葉が気に喰わない。
「打ち込み」ならまだいい。
「同期」なんて「桜」じゃあるまいし。「救心」でも飲むか?
コレも「コピーバンド」を「トリビュートバンド」とか「カバーバンド」って呼んでいるのと同じ現象だと思う。
バンドのメンバーが出せない音を機械で付け足すなんて「カラオケ」じゃん?
昔はね、こういうことは恥ずかしいことだったんよ。「なんだ、あのバンドってテープ使ってんの?」って。
どんなにテクノロジーが進歩したとしてもそんなことするもんじゃない。
それが「音楽」を創造するにおいて善か悪かは、ジャズやクラシックがそんなことをやっていないのを見れば一目瞭然だ。
しかし、このバンドはナンですな…派手なソロこそないものの、ギター・リフがチャンとあって、ヘヴィなリズム隊でトラディショナルな音を聴かせる反面、デスボイス等、コンテンポラリーな要素もふんだんに盛り込まれていてとてもオモシロイと思うんよ。
「骨がある」っていうのかな?
結成して4年ぐらいとMiyabiちゃんが言っていたけど、とにもかくにも続けて欲しい。若いバンドさんはアッという間に解散しちゃうから。
ガンバレ、AZAZEL!
AZAZELの詳しい情報はコチラ⇒AZAZEL OFFICIAL WEB SITE