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2018年7月 5日 (木)

misai Plays NATAL

  

ナンダカンダ言って、アレは野茂から始まったのかね?
優れた野球選手がアメリカへ渡って大リーグでプレイするのがもうそんなに珍しいことではなくなった。
「あ、そう。メジャー?じゃあ日本のチームを辞めじゃーの?」…なんてね。
大谷選手みたいに鳴り物入りで大リーグでデビューするプレッシャーはスゴイものだろうし、かといってインディーズさながら異国の地に赴いてマイナー・リーグで地道に頑張るのも、いくら好きなこととはいえ、さぞかしキツイことだろう。
音楽はどうだろう?
今ではアニメの力も背景にあるせいか、日本のバンドがジャンジャン渡米するようになった。
こんなの70年代なんかでは全く考えられなかった。
それこそフラワー・トラベリン・バンドとサディスティック・ミカ・バンドぐらいしかイメージが浮かばない。
個人では山内テツとかダモ鈴木とかいうことになろうか?
クラシックは別として、そうしたソロのミュージシャンが渡米して活動した(あるいは「する」)最も古いケースは穐吉敏子ではなかろうか?
1956年だからね。
60年以上前、まだ人種差別も盛んだった頃、女性ひとりで言葉も通じない異国の地へ行ってですよ、本当に音楽の力だけで成功したんだから本当にスゴい。
その後といったら、それこそLOUDNESSまで待たなければならないんじゃない?
私なんかサ、イギリスだ~、英語だ~、なんて騒いでるけど、マァ2週間が限度やね。
生活のベースを完全に移せばまた話は違ってくるんだろうけど、まず朝ごはんでムリだわ。
英語だってイヤだぜ~。
今、タマタマ根詰めて厄介な英語の仕事をしてるんだけど、も~イヤ。
そんなことをモノともせず、単身アメリカに渡って早や9年。
以前にも何回かMarshall Blogにご登場頂いているが、ラスベガスを拠点に活動する日本人女性ドラマー、misaiのお話。

10v今回、misaiちゃんからお便りがあった。
それは、彼女がゲストで参加したBlack CrystalというLAをベースに活動するバンドのビデオが完成したということだった。
J-ROCKが大好きなシンガーを中心に2013年に結成されたバンド。
マァ、我々の世代からすると「何が悲しゅうてアメリカ人が日本のロックに憧れるのよ」という引っ掛かりは拭えない。
ジジイだからしょうがない…許せ。
やっぱりね、アニメなんですって。
このBlack Crystalもアメリカで盛んに開催されているアニメのイベントに引っ張りダコなんだってサ。
時代は変わったのだ…そして、オレはその「時代」に付いて行くゾ~!
先述の通り、misaiちゃんはラスベガスを拠点に活動しているワケで、一体どうやってBlack Crystalと知り合ったのかを尋ねると…facebookだって。
misaiちゃんのfacebookへの投稿を発見したバンドのシンガーが「フ~ム、ヘビメタが叩ける日本人女性ドラマーか…コイツぁイケるぞ…」と思ってコンタクトして来たそうだ。
時代は変わったのだ。
「メンバー募集!ドラマー急募。当方、プロ志向の4人組。メタル中心。できれば日本人女性。ヤル気のある人求む。まずは一緒に夢を語りましょう!」なんて雑誌の真ん中あたりのページでやり取りしている場合じゃないのだ。
misaiちゃんはあくまでもゲスト。
要するに「トラ」での参加。
20_2misaiちゃんはNATAL…待ち。
今、彼女のキットを作ってもらってるところなのだ。

90_2_2で、今回の撮影に使用したキットはアメリカのディストリビューターから拝借したもの。
Josh, thank you very much!  We really apprciate your generous cooperation!

30v_2で、完成したビデオがコレ。
なるほど、なるほど…「日本のロック」ねぇ。
ナンカ、すごく不思議な感じがするナァ。
同じ日本のロックでもアメリカ人が頭脳警察とか外道を手本にロックを作ったらどうなるんだろう…なんて想像しちゃったよ。
NATAL、アメリカでも活躍中…というお話でした。

して、そのmisaiちゃん。
彼女の話のウマさもあって、音楽の話題もさることながら、英語の苦労話や、文化の違いの話で会うたびに大盛り上がりしちゃうんだよね。

2_img_4042misaiちゃんのホームはラスベガスが拠点のDollfaceというバンド。
日本でいうところの「ハコバン」ということになるのかな?
時代を問わず膨大な数のロックのスタンダードをクラブなどで演奏している。
それも、ラスべガスだけでなく、LAだのシアトルだの、全米各地を回るもんだから大変なんだって。
最近は日本でも週末になると、バンド演奏までいかなくても小編成によるチョットした生演奏を聴かせる店がすごく増えたけど、向こうはそういう生の演奏が当たり前だからね。
もちろんレパートリーは彼らの音楽だからして、懐メロ感覚も手伝ってお客さんは大合唱、あるいは汗ダクになってのダンス大会も珍しいことではない。
イギリスも同じ。
ダンス好きなのよ、みんな。
そんなだから少しも気の抜けない演奏を毎夜強いられるワケ。

40髪の毛が赤くなった。
赤く染めた途端、仕事が増えたそうだ。
つまり、人と同じではダメということなのね。
目だってナンボの世界で9年も過ごしているのだ。

80しかし、こんな濃い人たちの中に入って…大変だろうナァ。
実際、言葉には苦労したようだ。
何しろ最初は「三単現のS」すら知らなかったっていうんだから!
コレ書いていいのかな?
書いちゃえ。misaiちゃん、マズかったら消すね。
まだ英語がゼンゼンできなかった頃、メンバーからスケジュールが知らされず大変困ったことがあったんだって。
身ぶり手ぶりを交えてその理由を尋ねると、「misaiは英語ができないからスケジュールを知らせなかった」と言われたそうだ。
そんな…。
考え方がおかしいでしょ?と思いがちだが、連中って最後の最後は、英語が喋れないヤツは「人間」とは見做さないんだよね。
差別とかそういうことではなくて、イギリスが七つの海を制覇した時から、世界はそういう論理で成り立ってると諦めるしかない。恨むならエリザベス一世を恨んでください。
また、「音楽に国境はない」とか言っても、スタジオから一歩出たらたちまち「英語」だからね。
ナンダカンダ言っても喋べれないとコミュニケーションなんてできない。
文化や考え方が違うんだから正確に意思疎通するには最終的に「言葉」しかないのよ。
だから、日本のように英語のできない政治家が世界の舞台に出て来るなんて、相当キテレツなことと受け止められていると思うよね。
misaiちゃん、そんな苦労の成果もあって、今ではネイティブ同士の会話もバッチリ聞き取れるそう。
私はできません!このままの状態では多分一生ムリでしょう。

100_2misaiちゃんが単身がんばっていられるのも、この相棒がいてからこそ。
「ジャックでしゅ」
ジャックくんは反対に日本語が得意でね~。
misaiちゃんがツアーに出かける時に預けられてしまうキャット・ホテルが苦手なんだって。

90vラスベガスは今、もう気温40度だって!
ヤダね~、行きたくないね~。
世間話の脱線になるけど、昨日Marshallの経理の女性とメールでやりとりをしていたんだけど、イギリスも相当暑いんだって。
以前はこれほど暑くならなかったし、夏が短いので、一般の家庭エアコンがついていることはまずあり得ない。
ロンドンでも古い建物にはエアコンが設置してなくて、テナントのお店も同様。営業中にも関わらず、信じられないぐらい店内が暑かったりする。暑いのがキライな私なんか、デンマーク・ストリートのギター・ショップに入れなかったもんね。
ちなみに古いダブルデッカーの2階はエアコンが効いていないので要注意。
あ、そうそう、Marshallの本社の事務所にもエアコンがついていない。暑いときは窓を開て外の空気を入れるだけ。
それで、その女性に夜はどうしてるのかと思って尋ねてみた。
さすがに夜は気温が下がるのでエアコンは全く必要ないようだ。
そして、こう説明をつけ加えてくれた「それでも、ひと夏に何日かは気温が20℃を下回らない夜があるの。そういう時は天井に設置されているファンを回してしのぐのよ」
ハァ?…何日かは20℃を下回らない?
アータ、コッチはもうすぐ毎晩熱帯夜ですよ~。
ああ、早く秋にならないかナァ。
110smisaiちゃん!とにかく身体にだけは気をつけてがんばってくだされ!NATALでがんばってください。
 
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70s

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(一部敬称略 写真提供:misai)