LOUDNESS World Tour 2018~RISE TO GLORY <前編>
本年1月にLOUDNESSが前作『THE SUN WILL RISE AGAIN』から約4年ぶりに満を持してリリースした『RISE TO GLORY -8118-』。
昨年末にEXシアターで発表した通り、その新作を引っ提げてのツアーが催され、東京公演にお邪魔してきた。
アルバムがまだリリースされていなかった前回のステージでもリード・チューンを1曲披露していて、アルバムへの期待が募る一方だった。
その後アルバムがリリースされ全貌を知った時、当然「ナマで聴いてみたい!」という欲望と期待が高まらない方がおかしいワケで、首を長くしてその日を待ちわびていた。
そして、いよいよその時が到来したのだ!
会場は勝手知ったるZEPP TOKYO。
ロビーには夥しい数の祝い花。
いつものように「樋口宗孝がん研究基金」のスタンドも設置されていた。
このツアーの1ヶ月前、2月の初旬に脳梗塞で入院したドラマー、鈴木"あんぱん"政行を励ますメッセージ。
一日も早い復帰を願って、あんぱんさんへに応援の言葉を送るファンが後を絶たない。
「I WILL BE BACK!!」というあんぱんさんのメッセージが入ったタオルも注目を集めていた。
開演と時間となり、客電が落ちる。
ステージには様々な色で照らし出される「LOUDNESS」ロゴ。
場内に満ち溢れるオープニングのSEはアルバム冒頭の「8118」だ。
コレは否が応でも興奮しちゃうよね~!
そして、メンバーがステージに現れ、ショウが始まった!
オープニングはアルバムと同じ流れで「Soul on Fire」。
あんぱんさんに代わってLOUDNESSのドラム・スローンに座ったのは西田竜一!
「Soul on Fire」が昨年末のステージでも演奏された曲だ。
そして高崎さんのソロ。
一段と歓声が高まる!
それにしてもいい音だにゃ~。
このグリーンのギターは「お初」かな?
ちょっとファンキーなイントロを経て曲は爆発。
RYUさんの切れ味鋭いドラミングが小気味よい。
言いたいことだけを言って、決してムダぐちをきかないソロ。
この曲、アルバムではフェイドアウトしてるんだけど、もちろんライブではピタリと着地を決めてくれた。
「Tokyo, say yeah!
お約束通り新しいアルバムを引っ提げて戻って来ましたよ!まさか、新しいアルバムを聴いていない人はいないよね?
聴いてきた人?」
客席を振り返ってみたら限りなく全員に近い人が手を上げてた!
「ウソはいかんよ、ウソは!今日は新曲もタップリやります。
歌えるものならウサ晴らしに歌って、楽しんで帰ってくださいよ~!」
イヤ、ウソではなくて、手を上げた人全員、すなわちこの時ZEPPにいた人ひとり残らずアルバムを聴いていたんじゃないかしら?
みんなLOUDNESSの新作を楽しみに待っていたんですよ、二井原さん!
さらにアルバム通りに曲は進む。
典型的なハード・ロック・チューン「Go for Broke」。
こういうストレートなハード・ロックを演ってビシっとさまになる日本のバンドってないんだよね。LOUDNESSはやっぱりどこを切っても洋楽の香りしかしない。
歌詞に出て来る「golden gate」ってナンのことだろう。
予想を裏切ってポップに展開するこのギター・ソロ・パート。
でもチョットしか見せない…そこが実にウマい!
「誰が長渕やねん!『乾杯』歌うぞッ!」
二井原さんがアコギを手にしたのは「Until I See the Light」。
デューク・エリントン作のスタンダード・ソングに「I'll Beginning to See the Light」という陽気な曲があるが、「光を見る」まではヘヴィにカマす!
そしてエレクトリックに持ち替え、重厚なサウンドをお見舞いする。
この曲の泣きのソロもいいな~。
おいしいフレーズがテンコ盛りだ。
客席も大層盛り上がって、この曲はすごくウケが良いようだった。
「どうもありがとう!楽しんでますか?
こうして新曲を人前で演奏するのはコレで5回目ぐらいなんですけど、だいぶ慣れて来ました。歌っていても楽しいです。
次の曲はアルバムのタイトル・チューンです」
もちろん曲は「Rise to Glory」…LOUDNESSのハード・ロック賛歌。
やっぱりいいナァ、こういうロックは。
今の若い人たちって、こうしたロックを聴かないままに人生を終わらせてしまうのだろうか?
いくら時代は変わるにしても、「ロック」が「ありがとう」や「がんばれ」を歌う音楽だと思ったままこの世を去って行くのだろうか?
そんなのモッタイない!
「ロック」とひと口に言っても色々なスタイルがあるけれど、プログレッシブ・ロックの大ファンである私でも、最終的にはこうしたハード・ロックが最も「ロック」をイメージさせるんだよね。
この素晴らしい「ロック」のサウンドを何とか未来の世代にパスしていきたいものだ。
「大丈夫ですか?ちょっぴりスピードアップしますか!」
ニューアルバムから「Massive Tornado」。
ドワ~!
まさに巨大な竜巻が迫りくるようなマッシヴなサウンド!
「♪Massive Tornado」と連呼する二井原さんがすさまじい。
こういうところは「Blackstar Oblivion」をチョット連想させる…私にはね。
昨日ちょうどテレビでやっていたんだけど、よくサイズの大きな食べ物を指して「ボリューミー」とか言うでしょう?
ああいうの、ヤメてもらいたい。
そんな英単語はないよ。
「マッシヴ」って言えば、それだけで正しい英単語をひとつ覚えることができるのに!
コレね中間部がすこぶるカッコいいんだよ。
ギター・ソロのキメのパートね。
起承転結の「承」に当たるのかな?
少し落としてクレッシェンドしていってからのギター・ソロ~!
まだまだ続く新作コーナー。
雰囲気が変わって「Rain」。
ドラムスのRYUさんは普段「Ra:IN」でも活躍中だ。
どうしようもない絶望感あふれる歌詞と曲の雰囲気。
そして二井原さんの身体が張り裂けんばかりの熱唱!
この曲のイントロってスゴイと思わない。
イントロが先にできたのか、曲の本体が先にできたのか、あるいは同時に作られたのかはわからないけど、チョット中華風なイントロ・フレーズとダークでヘヴィな曲本体をくっ付けるこのアイデア!
それが決してチグハグになってなくて、むしろこの曲はこのイントロでなければダメ…という感じすらして来る。
いつか菅沼孝三さんのソロ・アルバムに高崎さんが提供した曲がちょっとカントリー調のモノで、あまりにも意外な作風だったので、レコーディングにお邪魔した時ビックリしたことがあった。
でも、何をやっても「高崎さんの音楽」になっちゃうんだよね。
ココで新作から離れてヒット・パレードのコーナー。
まずは「Crazy Night」
RYUさんが加わった「Crazy Night」。
やっぱり百戦錬磨のスキルフルなドラマーだけあって何の違和感もなし。
ナチュラル至極なプレイはさすが!
「Crazy Night」は2位、「Let It Go」は12位にファンから選出された人気曲。
そりゃこのあたりは盛り上がるにキマってる!
鮮やかなギター・ソロにひときわ大きな歓声が上がった。
『THUNDER IN THE EAST』から「Never Change Your Mind」。
とてつもなくスケールの大きなギター・ソロが会場の隅々にまで響き渡る!
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