【姉妹ブログ】
【Marshall Official Web Site】
【梅村デザイン研究所】
Marshall Blogに掲載されている写真並びに記事の転載・転用はご遠慮ください。

« EXCITERS MEETING <前編>~D_Driveの巻 | メイン | ATOMIC TORNADOのA story behiNd a Decade <前編>~TORNADO-GRENADE & Fury of Fear  »

2017年6月23日 (金)

EXCITERS MEETING <後編>~CONCERTO MOONの巻

  
D_Driveに続いてCONCERTO MOONがステージに上がった。

10_2島紀史

20v久世敦史

30v中易繁治

40v河塚篤史

50vそしてサポート参加の遠藤均。

60v再びドカンとMarshallサウンド。
うれしいね。

70Marshall MAJOR 1967が2台と年季の入った1960B。

80vいつもの長~いオープニングSEに導かれ、ステージに上がった5人がまず演奏したのは「Savior Never Cry」。

90いきなりの人気ナンバーに会場が一気に燃え上がる!
なんつーか、「お客さん」という乾いたスポンジが水ではなく、ものすごい勢いでCONCERTO MOONを吸収しているようなのだ。

100キタキタキタ~!
この音、このフレーズ!
そう、コレが島紀史だ。

110v続いて「It's not Over」。

120ノンちゃんと久世ちゃんの挨拶に続いて「Angel of Chaos」。

130v皆さんはダムの放水って見たことある?
湛水が規定量を超えた時、重力式ダムのてっぺんから思い切り水を放出するあのシーンがノンちゃんの今のソロのイメージ。
アレ、放たれた水が落ちるところを「水打ち」っていうんだけど、時間が経つとあの硬いコンクリートが水流で削られ、摩耗されてツルッツルのスベッスベになっちゃうんだゼ。
その「水打ち」の滑らかさがノンちゃんのギター・ソロだ。

15099年のアルバム、『RAIN FOREST』から2曲。
「Lonely Lat Journey」と「Victim of Desire」。

160vこうしたクラシカル・ナンバーも完全に自家薬籠中のモノとしているリズム隊。

170v今日もへヴィに快走中!

180v「楽しんでますか?今、レコーディングをしています。ビックリするくらいのモノが出来上がるかと思います」と近況を報告かたがた新作への期待をあおった。
すごい自信!
自らハードルを上げた久世ちゃん。
しかし、そこは百戦錬磨で海千山千のCONCERTO MOONのこと、ファンの期待を裏切るようなことは万が一ないだろう。(久世ちゃん、ハードルをもう一段階上げといたぜ!)

185vギターを持ち替えて「From Father to Son」。

260v

「Black Flame」…もちろん、フォーメーションもバッチリキマってた。

210

さらに「Take you to the Moon」とづなげた。
しかし、いい音色だな。
太く、伸びやかで、カシカシとピッキングの音も力強く高らかに、まるで歌を歌っているようだ。
Stanly Jordanって知ってる?
80年代の初頭にタッピング・ギターでジャズを演った黒人のギタリスト。
当時は大層話題になり、再生Blue Noteからのリリースとあって話題性も高まり、アルバムもずいぶん売れたハズだ。
人気が上がると同時に「果たしてギターの音がコレでいいのか?」という評論家の意見も台頭した。
要するにピッキングを全くしないので、両手で指板上の弦を叩くサウンドが従来のギターの音と大きな隔たりを見せていたのだ。
このことはね、この人が出て来た時にすぐに私も気が付いた。
フレーズ自体はギンギンにバッピッシュでカッコいいんだけど、別にコレならピアノやサックスでもいいじゃん…ということ。
ギターの音色をもってしてそういうフレーズを弾くからカッコいいワケ。
ギターという楽器の一番の魅力はビブラート(海外では「ヴァイブラートォ」)と昔から言われているが、ことロック・ギターに関してはピッキングのノイズも大きな魅力だということよ。

S41a0594早くも最終セクション。
「エ~!」
最近作から「Between Life and Death」。

190遠藤さん、お久しぶり!
以前からおなじみのサポート・メンバーだ。

200島田勘兵衛がお百姓さんから受け取った米のように、一音たりともおろそかにしないソロ。
すさまじい集中力だ。

220vそして、出番の最後を締めくくったのは「Change my Heart」。

230しかし、久世ちゃんの歌。
ヤケクソにカッコいいわ。
CONCERTO MOONに入った頃は、正直、ただ声が出る…という感じだったけど、今はそのどこまでも野太い声に磨きがかかり、言葉の発し方とか歌い回しが異常なまでにカッコよくなった。
この人の歌は日本のメタル・ボーカルズを背負っていく実力と魅力があると思うんだよね。
やっぱり、環境が人の才能を伸ばすということか。

240そして、この2人のコンビネーションもすごく自然に映るようになった。
以前は久世ちゃんがチョットおっかなビックリみたいなところがあったが、今はもうゼンゼン平気。
日本の名門メタル・バンドのフロント・マンの自身があふれ出ている。

250新作が楽しみだゼイ!
  
CONCERTO MOONの詳しい情報はコチラ⇒Official Website

270「せっかくなので…」とアンコールはD_Driveとのセッションとなった。
「セッションはイヤなんですよ…グダグダになるでしょ?それがイヤなの。でもD_Driveとだったらグダグダにならないと思うので…やります!」
そう、ノンちゃんの言う通り。
永久に続くかと思われるペンタトニックづくしの速弾きギター合戦に付き合わされるのは結構キツイ。
たいていそういうギター・バトルって、静かに掛け合いを始めるじゃない?
最終的には盛り上がらないと気が済まないワケで、そうするとクライマックスに達するまで時間がかかるワケ。
コレをひとつのショウで三回も演られるとさすがに悲鳴を上げちゃう。
私が演出するなら、ノンちゃんが言うように絶対にグダグダ演って欲しくない。
ソロを回すならワンコーラスを一回ずつにするな…「そのワンコーラスだけのソロで思い切り腕を見せて盛り上げてくれ!」とお願いする。
もう今はギターのテクニックが出尽くしてしまったからね。40年ぐらい前に比べると、速く弾くことの希少性が格段に低くなり、その意味も薄れてしまった。
速く弾くよりも、いかに密度の濃い魅力的なフレーズ、あるいはオリジナリティあふれるメロディを弾くことを目指す局面が今だと思う。
若いバンドにギター・ソロがないのは間違いなくこのあたりが遠因のひとつだろう。
練習するのもシンドイし、速弾きを体得しても皆同じに聴こえるし…。
ところが、反対にギター・ソロやアドリブ・パートがないロックもまたツマらないもんでしてね。音楽の楽しみの一部を削り取ってしまったのと同じだから。
だからVan Halenはスゴかった。
何とかして新旧のロックの融合ってものが図れないものだろうか…。
290

さて、ナニを演るか…。
ノンちゃんだからナニを演るのかはだいたいわかるけど。

280やっぱり「♪スッピ~~~ドキッ!」。

300当然ギター・バトルとなるが、ノンちゃんがMCで口にした通り、グダグダはやらない密度の濃い展開となった。

310

320v

330v

340vこの曲を聴くと「♪宵越しの金は持たないオレだ」とか「♪米食べろ、豆つまめ」とかいう歌詞がすぐに思い浮かんじゃうんだけど、コレ、原曲の最初のコーラスは「Good Golly Miss Molly」とか「Tutti Frutti」とか「Lucille」とか、Little Richardの代表曲のタイトルで固められているんだね。
知らなかった。
実際Deep Purpleは「Lucille」をレパートリーにしてたし、Little Richardへのリスペクトということ?
今度、ノンちゃんに会ったら訊いてみよう。
そもそも「Speed」というのは薬物を意味していて、「米」も「豆」も薬物。
「豆(beans)」はその後に出て来るNew Orleansに韻を踏ませている。
歌詞をパッと読んで気が付いたことはコレぐらいなんだけど、やっぱり向こうの人がうらやましいよね。
こういうフックを自然に楽しむことができるんだから。
いつも書いているけど、私も含めて、日本人は洋楽の半分も味わっていないと思う。
映画の字幕も読まないような若い人たちが言葉のわかるJ-POPに取り込まれちゃうのも無理ないことなんだよね。
どっかでこういうトリヴィアルなことの講義をやらせてくれないかナァ。誰も聴きたがらないか…。

S41a0578 途中で他のDeep Purpleの曲も織り交ぜ、グダグダにならないガッチリとしまったセッション・コーナーとなり、お客さんを喜ばせた。
私といえば、脚立の天端が尻肉に食い込んで痛いのなんのって!ショウの中盤から地獄の苦しみを味わってしまった。尻に深紫のアザができるかと思った。
次回あの脚立を使うときは絶対にクッションを持参せねばなるまい。
あ、ちなみに「Deep Purple」は1930年代のジャズ曲のタイトルですからね。

350_2(一部敬称略 2017年4月16日 新宿WILD SIDE TOKYOにて撮影)