NK. FEELGOODのTORNADO-GRENADE
西川口に来たのは、コレが生まれてはじめてのこと。
そういえば高校一年の時の担任が「川口」という数学の先生だった。
かなりの肥満で、その体型からアダ名を「ブヨ」といった。
よく、「先生は蓄膿でなぁ、モノを覚えるのが苦手なんだ~。だから数学を勉強したんだ~」と言っていたんだけど、数学だって相当記憶力が必要だよね。
私が思うに、人間の知性や知識を増進させる三つのポイントって、①好奇心②記憶力③集中力…だと思うんだよね。
音楽もしかり。見ていると、優れたミュージシャンってのは必ずこの三つのポイントが人より抜きん出てる。
さて、その高校時代、学校のロッカーに教科書を置きっ放しにしておくことはかなりの重罪だった。
でも、どうせ家に持って帰っても勉強なんてするワケないし、重い教科書をカバンに入れて電車で持ち歩くのは実際にかなりの重労働だった。
そもそも熱湯に漬けてペッチャンコに固めてしまったカバンには教科書なんか入るワケがない。
ある日の放課後、ブヨが「ハイ、ロッカー検査~!」と、抜き打ちに生徒全員のロッカーを調べた。
当然、私のロッカーからは大量の教科書が出てきた。
ブヨの裁定は「ハイ、ビンタ三発~!」だった。
コレは罪の重さによって一発から三発までのバリエーションがあり、私の場合は極刑に値した。それほど置きっぱなしにしておいた教科書の量が多かったのだ。
ブヨのビンタは両方の平手を同時に頬に当てるスタイルで、先述の通り、かなりの肥満ゆえその破壊力たるや尋常ではない。容赦なく、まったく手加減せずに思いっきり頬に両手を当てるのだ。
一発目…イッテエ~!
二発目…アレ、そんなに痛くないな…。
三発目…ああ、何だか気持ちいい~。
そう、ほんの一瞬のことだが、気を失ってしまったのだ。
ま、こんなことされても先生にハラを立てるなんてことは一切なかったナァ。
だって自分がルールを破ったんだもの。それぐらいのリスクを負って悪さをするのは当然のことだ。
私が通っていた学校は、私立の男子校だったせか、比較的体罰が盛んだった。
バッチン、バッチンやられるヤツもいたけど、すごくサッパリしていた。
生徒の素行を注意するために親が学校に呼び出されることはあっても、先生の体罰に抗議するために親が学校へ乗り込んでくるなんてことはもちろんなかった。
生徒もやられたって平気なモンだったな。今にして思うとアレは愛情だったのか…とさえ思う。
コレが私の「川口」の思い出。
空き時間にBOOK OFをのぞくと、植草甚一の『スクラップ・ブック』を見つけてでゲット。
奥付けを見ると「2005年3月25日新装版第二刷」とある。
新装して、すでに第二刷…ベストセラーではないにしても、このシリーズって昔からよく読まれているんだね~。
一体、今の世の中、植草さんの著述を誰が読んでいるのだろうか?
私はジャズを聴き始めた35~36年前、鑑賞の手引きのひとつとしてちょくちょく目を通した。
何しろ、現代音楽のエキスパートで、50年代から始まったモダン・ジャズのムーブメントをリアルタイムに経験した人だ。
後にロックにこ傾倒し、「今度アメリカから出てきた新人のフランク・ザッパはなかなかいいよ…」なんて文章も残している。
ちなみに植草さんが収集した貴重なジャズのオリジナル盤のコレクションは、散逸を防ぐためにすべてタモリが私費で引き取ったというのは有名な話しだ。
実は、私は植草さんの著述を、その豊かな音楽の知識を吸収するより、「書き方の教科書」として今でも愛読している。
熟読はしない。無意識のうちにマネをするようになってしまうから。
植草さんが後進のジャズ評論家に言ったというセリフをいつも意識している。
「ホラ見てごらん。キミの書いた文章は真黒だ。ボクの文章は白いでしょ。漢字が多すぎるんだよ。そんな真黒な文章なんて誰も読みたがらないよ。」
漢字のことに限らず、優しい言葉を用いて、難しいことをわかりやすく文章にするというワザを学んでいるつもりなのよ。
翻って(ひるがえって)、最近のコンサート評なんてのはムズカシイことが書いてあるよね~。
サード・イヤー・バンドやヘンリー・カウのコンサートじゃないんだから…。
若い人達、ああいうのホントに読んでるのかしらん?
書き手はきっと音楽的な知識が豊富なのだろうから、どんどん音楽ウンチクをわかりやすく、かつ面白おかしく語ってやって、若い人たちが色んな音楽に興味を持つような工夫をしてもらいたいと思うナァ。
ハイ、Marshallジジイのつまらない前置きは終わり。
今日、西川口に来た目的はココ!
Heartsというライブハウス。
大塚の姉妹店Hearts+には何回かお邪魔しているが、ココははじめて。
ロケーションは住宅街。
「エ、こんなとこに?!」とまず驚かされるが、きれいで、しゃれたロビーがあって実にいい感じ!
ホールも天井が高く、真四角で実に使いやすい。
今回お邪魔したのはライブハウスがシリーズで主催しているイベントの取材だ。
題して『NK. FEELGOOD』。
もちろん「Dr. Feelgood」のモジり。「Dr. Feelgood」については以前ココに書いておいた。
で、「NK.」ってナンダ?…としばらく考えた。
コレ、「西川口」なのね?!
当日は5バンドが出演したが、今日はそのうちのふたつを紹介する。
まずはHöLDERLINS(ヘルダーリンズ)。
2015年に結成したガール・バンド。
メンバーのプロフィールが濃い!
リーダーでHカップレスラーのボーカル、キラ☆アン。
「Hカップ」はありがたいですね。
以上の三人がメンバー。
ガール・バンドなのでさすがにこの人はトラかな?
インヤ~、驚いたよ~。
楽屋で小柄な女の子をヒョイと見ると目が合った。
お互いに「アレ?」…よくある話しなんだけどさ、
それはNao★ちゃん。
Who the Bitchのベーシスト。ギター/ボーカルのehiちゃんがMarshallだったもんで昔はWho the BitchにはよくMarshall Blogに登場してもらった。
このバンドにはパンチ―でキュートな曲が数多くあって、とりわけ「チキンハート」という曲がとても印象的に残っていた。
最近タマタマそれを思い出して鼻歌を歌っていたのだが、どうしてもメロディの一部がわかならいでいた。
YouTubeにもアップしていないし、CDもないし、そのメロディが思い出せないで悶々としていたところ、この日西川口でホンモノにバッタリよ!だから余計に驚いた。
もちろん途中まで一緒に歌って、忘れていたメロディを教えてもらったよん。
昔の仲間ってのはいいもんだよね。
Who the Bitchは現在休止中だけど、また活動を再開するようだ。
楽しみ~!
Who the Bitchの詳しい情報はコチラ⇒Official Site
それと、ドラムのJackson。
シャープでパワフルなドラミング!聴いてすぐにビビっと来た。
後で話をしたら、「NATALをよく知っている」っていうじゃない?
うれしいね~。NATALも知名度が広がって来たよ~。
それもそのはず、HoneyWorksのAtsuyuk!さんのお友達というのだ。
「NATALのアクリル、カッコいいですよね~!」なんて言ってくれた。
もっと話しを聞くと、Fruit Pochetteがらみでノンちゃんのことも知っているというのですよ。
コチラもかなりビックリ!
Nao★ちゃんもJacksonちゃんもこの日が最後のサポートだった。
そんな二人のリズム隊を得たHöLDERLINS。
ポップに、ハードに、ガールバンドの魅力満載のパフォーマンスを見せてくれた。
そうそう、アンちゃんが言っていたんだけど、よくステージの前ってガランと空いてしまうことがあるじゃない?
確かに恥ずかしくてアソコへ行くのは勇気がいるよね。
アレのことを「シャイ・ゾーン」っていうんだって。
以来、この言葉使わせて頂いております!
2016年12月17日には六本木VaRitにてワンマンライブが決定している。
HöLDERLINSの詳しい情報はコチラ⇒BandPage
「Sex, Spice, Rock'n' Roll !!」、塚本”JOE”旭。
以下、「」内はオフィシャル・ニックネーム。
「Mr.Little Heart」の松浦カズマ。
カズマくんのニックネームだけ悪口っぽいと言われている。
今日はJCM2000 DSL100と1960Aを使用しているが、本来は1959好きのカズマくん。
「ジャパメタ界のキューティーハニー」をやってるドラゴンシャドウ村田。
今春発表したファースト・フル・アルバム、『LOVERUPTION』からのレパートリーを中心にセットリストが編まれた。
会場の隅々まで響き渡るJOEくんの雄叫び。
キューティハニーとは思えない猛ドライブのシャドウ・ドラミング。
リフにソロにと派手なプレイで観客の目を引く雄太。確かにハイテンションエクスタシー!
同じくキレのよいギター・プレイを見せる上手の要衝、カズマ。
ギタープレイはまったくLittle Heartじゃない!
そして、低域を固めてバンド・サウンドをガッチリまとめるリョータ。
素早いアクションはまさにカーニバルのダンス。写真が撮りにくいぞ!
このバンド、好きだナァ。
毎回書いているけど、キチンとしたトラディショナルなロックのエキスを若い感性で料理していると感じるからだ。
こういうバンドこそ、そこらのフェスティバルに出ればいいと思うんですけどネェ。
お得意の「ワル」MCも絶好調。
ただし!
このコーナーはもっとネタを練らないとこれからキツイだろうな。
人を笑わせるのは本当にムズカシイ。
いいの、いいの。
「何が何でも人を楽しませよう」というこのエンターティンメント精神が尊いのだ。
EXILEのグルグルもうまくいった!
コレも前回見た時より断然うまくなったな。
『LOVERUPTION』のリード・チューン「Rise up to the win」の熱唱!
雄太くんのJubilee独特のヌケヌケ・サウンドは曲にピッタリだし、
カズマくんの分厚いサンドも素晴らしい。
何がいいたいのかというと、やっぱりMarshallってことよ!
真空管アンプにしか出せないサウンドをタップリと聞かせてくれた。
リズム隊のハチ切れぶりも見物だった。
どんな曲でもモノスゴク安心して見ていられる鉄壁のチームだ。
最後はテーマ曲「Sex, Spice Rock'n Roll」で締めくくった。
Heavy Metal Strikes Back!
TONADO-GRENADEの詳しい情報はコチラ⇒Offcial Web Site
1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
(一部敬称略 前半:2016年7月16日 西川口Heartsにて撮影)