実は「あずきふらわあ企画」第2弾~あずきふらわあ&Stranege,Beautiful and Loud
く、く、暗い…。
コレ撮れるかナァ…?
初めてのハコ。
何とかシャッター・チャンスを狙って撮ったつもりだけど、人生で二番目に光の少ないライブハウスだった。
さて、タイトルにある通り、「あずきふらわあ企画」のイベントにお邪魔してきた。
「あずきふらわあ」の企画なんだからヘッドライナーは当然「あずきふらわあ」!
ひらがな表記のバンド名って文章に組み込むのがムズカシイ。見慣れないひらがなの連結ですごく読みにくくなっちゃうのね。なので「 」を付けているの。
Charlieさんは自身のバンド、梵天で何度かMarshall Blogにご登場頂いている。
白い1987Xを愛用。
Sorimachi Yuki Tetsuyuki
ヒサジマ ヨシロウ
何でもネコ好きが集まって結成されたとか…。
「ネコふんじゃった」と「イヌのおまわりさん」ってどっちが人気あるんだろう?
ネコと音楽の距離ってイヌよりも近い感じがするナァ。
ジャズメンのこと「Cat」って言ったりするし…。
こんなのご存じ?
イギリスはグラスゴー出身のシンガーソングライター、Al Stewartの1976年のアルバム。その名も『Year of the Cat』。
実は、私、コレ一回しか聴いたことがなくて、内容を全然覚えてない。
Al AtewartやらCat Stevens(お、コレもネコちゃん!)とかまったく受け付けないんだよね。
それなのにナゼこのLPを持っているかというと…大好きなジャケットなの。
パステル調で描かれたアイテムのすべてがネコのイメージになってる。
コレが実に凝っていて、Gitanes風のタバコは巻紙のガラまでネコちゃん。
ファッション誌の「Vogue」は「Mog」になっていたりする。「mog」とは「moggy」の略語。イギリスの俗語で「猫」を意味する。
Tabby、Pussy、Kitty、Scratch等、商品名も全部ネコ絡みで見ていて実に楽しい。
デザインはHipgnosis、さすが!
あ、私は特段ネコ好きとかいうことではありません。
でも30年以上前に純白のペルシャ猫を飼っていたことがあった。
耳がピンク色でとても美しいネコだった。
母がディズニーの『わんわん物語』の「レディとトランプ」から採って「レディ」と名付け、ずいぶん可愛がったが、引っ越しで飼えなくなり、泣く泣く知り合いに引き取ってもらった。
今は何と言ってもトランプだネェ。
以上、マーブロ史上初の「猫話し」。
「あずきふらわあ」なんて可愛らしいバンド名だけど、サウンドはトンデモナイ!
YUMI.さんの「桜ダイナマイト」級の雄叫びが炸裂するゴキゲンなカルテット。
もちろん腕利きが揃っているだけにYUMI.さんのボーカル以外も聴きどころが満点だ。
そしてYUKI.さんの破天荒に明るくキャラクターで楽しさ倍増!
何といっても曲がとてもよろしいな。
どの曲もフックがあって「ロックとは何ぞや」を示してくれているようだ。
暴走機関車のようにすさまじい勢いで持ち時間を終了した。
そして、アンコール。
♪ドンドダッタ、ドンドダッタ…いい曲だナァ。久しぶりにこういうリズムの曲を聴いた。ジェットコースターのように上下するメロディが実に印象的だ。
こういう芯のしっかりしたバンドがジャンジャン活躍してくれることを願って止まない。
この日はいくつかのバンドが出演したが、「あずきふらわあ」の前に濃霧の向こうに見たものは…Strange,Beautiful and Loud!
もはや完全に三宅さんの自家薬籠中の物となったJVM210H。
今ではどこのライブハウスに行ってもモクモクだけど、考えてみると、屋根裏だとかロフトだとか、昔のライブハウスはそんなんなかったんよ。
ホールのコンサートでもドライアイスのローフォグだけで、今みたいにロビーまでモクモクしているようなことはなかった。
だから昔のステージ写真ってカラっとしててきれいなんだよね。
そして、とにかくミュージシャン・フィーチュア主義。
私なんかそういう写真を見て育った世代なので、やっぱりああいう若いバンドさんでよく見かけるような写真、すなわちスモークやお客さんがメインのようなライブの雰囲気写真は苦手で、クッキリとステージの上のミュージシャンの姿を収めて、その音楽や才能を写真で表現したいと思っているんだよね~。
ま、とてももくろみ通りいってるとは自分でも思わないけど、そういうミュージシャンへのリスペクトだけは失わないつもりでシャッターを切ってるのです。
何にせよ、あのスモークの原料、「フォグ・リキッド」っていうらしいんだけど、開演前にスモークマシンにトボトボと補充している様子を見ると、コレ果たして身体に悪くないのかしらん?などと思ってしまう。
で、気になって調べてみるに、アレは「高純度のプロピレングリコール、脱イオン非界面活性化剤、脱イオン水」というものでできていて、その毒性は家庭用洗剤程度なのだそうだ。
だからライブ会場へ「チャーミー・グリーン」か「ママレモン」をタンマリ飲みに行くと思えば何でもない?
コレってカビの生えない餅やパンを食べているよりはマシということになるのだろうか?
何日も店先に置いておいても何ともないパンや、カビが生えない食べ物って、カビですらイヤがる物質ということだからね。それを「ウマい、ウマい」と言って食べちゃうだから日本人はスゴイ。
以前にも書いたけど、イギリスやオーストラリアのパンは一発でカビカビになっちゃうからね。
ご参考まで…。
Strange,Beautiful and Loudのセカンド・アルバム『Orchestral Supreme』の冒頭に収録された曲。
三宅さんの好きなフランシス・レイの影響で作り上げた世界。
フランシス・レイは、『白い恋人たち』とか『ある愛の詩』とか、代表作を挙げたらキリがないほどのフランスの大作曲家だ。
ダークでへヴィなワルツ、「If」を聞いてフランシス・レイを連想する者はもちろん皆無であろう。
三宅さんが影響されたのは反復するメロディやコード進行等、作曲の手法に関することだ。
『イージー・ライダー』あたりのアメリカン・ニュー・シネマからだろうか?
映画音楽も有りものの音楽を体裁よくペタッと貼り付けて「はい、出来上がり」というのがスッカリ当たり前になっているよね~。
ウィリアム・フリードキンの「Tublar Bells」とかコッポラの「The End」なんかはものすごくウマくやった例のひとつだとは思うけど、昔の映画は必ずオリジナル・スコアの音楽が付いていた。
恐らくサイレント時代の名残りなんだろうが、ヒッチコックなんかはトーキーになっても全編にうっすらと音楽を流していた。『レベッカ』なんかそうだったように記憶している。
あ、ちなみに「ベッキー」というのは、一般的には「レベッカ」の愛称だからね。死んだ私の友人の彼女がレベッカ・ジョーンズという名前だったけど、友人や私はベッキー、ベッキーと呼んでいた。
さて、それらの音楽は、もちろんその映画のためだけに書き下ろされたスコアで、一流の作曲家が曲を作り、それを一流のオーケストラが演奏する。
何てゴージャスな時代だったんだろう!?
フランシス・レイはそこまで古くはないけれど、何しろ美しいメロディを映画のためにたくさん紡ぎ出した。
そういう意味では、「映画音楽」という楽しみもかなり縮小してしまった。
オープニングに演奏することも多いこの「If」は今やSBLのテーマ・ソングの感も強い。
金光さんのフィルが鳴り出すと「来た来た来た~!」という感じになるSBLのパブロフ。
今日も「三宅+JVM」サウンドが絶好調だ。
征史さんのSUPER BASSに金光さんのNATAL…やっぱりいいわぁ。Marshallで固めたサウンド・アンサンブルは世界を征服する。Marshall帝国の太陽は沈まないのだ!
新しいレパートリー「devil」。
コチラはアストル・ピアソラにインスピレーションを受けて作られたとか…。もちろんタンゴではない。三宅さんとラテンって「極北」って感じがするもんね。
「リフがあって、メロがあって」というコンセプトではなく、リフそのものを大きなメロディとして捉えて作曲したという。
私もどうもラテンが苦手なんだよね。サルサとか…。どうもそういう血が一滴も身体に流れていないような気がするの。
うれしいことにこ「の曲のリフをMarshallとストラトキャスターで鳴らすのが楽しい」と三宅さんは言う。
楽器がアーティストをインスパイアし、アーチストが望む音楽をクリエイトしているとても良い例なのではなかろうか?
私の中のヒット曲、「murt'n akush」。ナチュラルな5/4拍子が独特の世界観を構築する。
あ、私はMarshall Blogで変拍子について触れることがよくあるが、変拍子がスゴイとか、特に素晴らしいなんてことはツユほども思っていないんよ。
ただ、4/4というあまりにも普通な曲想を飛び出して、変拍子に自分だけの世界を希求するアーティストの姿が好きなのだ。
この緊迫感は「がんばれ」やら「ありがとう」の草食系ブロイラー・ロックには絶対に感じることのできないものだ。
そのワン&オンリーの三宅ミュージックはこの2人なくしては成就し得ない。
そういえば、2~3日前、征史さんに街でバッタリ会ったナァ。
征史さんは自分磨きのためにお出かけされていた。
もう私は何十回とこの三人の演奏を見てきているが、本当に「いよいよ!」という感じがするんだよね。
あと、願わくば日本人の音楽的資質がこの音楽を受け入れて欲しいということだ。
30年前だったら十分にイケたハズなんだ!
それはこの音楽がアナクロということでは決してない。かえって新しい。
残念ながら周りがこうしたメインストリームになりにくい音楽(失敬!)を受け入れる素養を失ってしまったとしか言いようがない。
その証拠にこのような音楽をやっている人が他にもうほとんどいないでしょ?
70年代はオランダのFocusですら音楽誌の人気投票上位の常連だったのだから。
濃霧の向こうで「petal」と「virtue」を披露してSBLはステージを去った。
どれも三宅さんが何もないところから見つけ出した原石をピカピカに磨き上げた曲だ。
海外の人は、仕事で自分が苦労して生み出したモノを「Baby」と呼ぶが、三宅さんの曲たちはまさにそのBabiesという感じがする。
Wayne Shorterを得た『Miles in Berlin』以降の諸ライブ・アルバムのように、SBLはもう少しするとフリー・ブローイング時代のMilesみたいになるのではなかろうか?
レパートリー的には桂文楽、パフォーマンス的には古今亭志ん生といった風情?
これこそが即興音楽の一番面白いところだ。
それとね、今流行っているいるfacebookの「私を構成する9枚」とかいうヤツの中に三宅さんがMilesの『Nefertiti』を選んでいたので(三宅さんがこのアルバムを好きなのは以前から知っていたけど…)、久しぶりに聴いてみたら何かすごくわかるような気がした。
それは一般的に言う、Milesが念願のWayne Shorterを得て作りだしたジャズ的な世界というよりは、「サウンドの精神性」みたいなもので、SBLのサウンドをよく聞かなければ一向に理解できない感覚だと思う。
やっていることは異なれど、『Nefertiti』に関していえば、表題曲だけでなく「Riot」や「Pinocchio」とか、あるいはアルバムで『Miles Smiles』とか…重圧な雰囲気や精神性はSBLのそれに共通しているような気がする。
このバンドが世間一般で広く受け入れられる世の中が来ることを期待している。
イヤ~、それにしても今日はすごい霧だった~!
Strange,Beautiful and Loudの詳しい情報はコチラ⇒三宅庸介ブログ
さて、そのStrange,Beautiful and Loud、既報の通り、3月6日開催のMarshall GALAに出演して頂く。
Strange,Beautiful and Loudのようなバンドを広く紹介する機会を得るのは大変にうれしいことだ。
東京キネマ倶楽部にお越しくださる皆様にはゼヒ三宅さんたちのパフォーマンスに注目して頂きたい。
そして、三宅さんが繰り出すMarahllサウンド…他では滅多に聴くことができない「ギターの音」を聴かせてくれることはまず間違いない。
Marshall GALAの詳しい情報はコチラ⇒Marshall Blog
1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版作ってます。)
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(一部敬称略 2015年11月19日 高円寺CLUB MISSION'Sにて撮影)