【NAMM速報】 こんなにちっちゃくなっちゃった! <追補版>
…ということでNAMM 2016ももう最終日。
この後、最大の難関が待ち受けている。
それは展示会につきものの「お片付け」だ。
「お片付け」は準備する時よりはるかにキツイ。数日間立ちっぱなしで大騒ぎして疲れ切った身体であたらなければならない。Marshallの重さが搬入時の倍ぐらいに感じて容赦なく腰を攻めてくる。
でも、何よりもツライのはさびしくなっちゃうこと。「祭りの後」ってヤツ。
さっきまで色とりどりの衣装を着た人達がスッカリ姿を消し、あんなに賑やかだった会場からネオン・サインが消え、野球帽を被ったTシャツ姿の屈強そうなオジさんたちが工具を手にして続々と現れる。
次々と展示品が運び出され、華やかだったスタンドの飾りは無残にも粉々にされる。
赤や青に彩られていた展示場の床は、見る見るうちに不愛想な灰色のコンクリートへと豹変する。
コレが実にさびしいのよ。
そして、翌日には寝食を共にした友人に別れを告げ、ああ、また10時間内外にも及ぶフライト…。
さ、その前にMarshallのスタンドからもうひとつ新商品のシリーズを紹介しよう。
それは、このふたつのモデル。
見た目の通り、「Mini Silver Jubilee」というシリーズ。
こんなに小さくなっちゃった!
こちらはお父さんの2555X。
Marshallの25周年、Jim Marshallの音楽ビジネス在勤50年を記念して1987年に発表したモデル。
昨夏にMarshallスタック生誕50周年を記念してリイシューしたところ世界的に大ヒット!
アメリカなんかバカ売れだった。
日本でもおかげさまで大変に評判がよく、コレを通じて新しいプロ・ギタリストのお友達が増えた。
だ~から言ったんだよ。
Jubileeのリイシューのリクエストはもうずいぶん前からしてたの。…というより「JCM800系で2チャンネルのモデルをリイシューしようよ~、2210とか2205とかJubileeとか」…みたいにね。
それからずいぶん時間が経っていよいよ去年実現して大ヒット→ホレ、見たことか!という図式。
ま、私の提案ドンズバでリイシューが実現したとは全く思わないが、「スタック50周年」をターゲットにアイデアを温めていたということだ。
ただし、ワッテージが低い分、パワー管(EL34)がが2本という構成になっている。
搭載しているスピーカーはCelestion G12M-25。
ところで、Jubileeはオリジナルの時代にも100W(2555)や50W(2550)ヘッドだけでなく、こうしたコンボやミニヘッドがラインナップされていた。
コンボは1X12"が2554、2x12"が2558。ややこしいんだよ、このシリーズは。
驚くことにこの2554のアメリカの広告には「Marshall Jazz」のキャッチコピーのもと、ナントBill Friselが起用されていた。
当時のこれらのコンボの出力は50W/25Wで、今回の2525CはJubileeシリーズ初めての20W仕様となる。
Mini Jubileeシリーズはヘッドも20Wで、LOWパワーにすると5Wまで落ち込んでくれるので使い勝手がよいだろう。
オリジナルのJubilee他にも2555や2550よりひと回り小さい2553というモデルも発売されていた。
さらにダウン・サイジングしたSilver Jubilee 3005 Lead12というモデルもあった。
フロント・パネルには「Jubilee 25~50」と記してある通り、Jubileeシリーズが出た1987年だけに限定で発売された。
回路はトランジスタ。ま、どちらかというと、Jubileeの系譜というよりパネルの構成からしてもLead12のミニ・スタックのシルバーという印象が強い。
このふたつ、日本での発売価格&時期の情報はまだ入って来ていないが、とても楽しみなモデルだ。
そして、すでにフランクフルトで発表されているASTORIA(アストリア)シリーズ。
NAMMでは初めての登場となった。
完成品を去年の5月に工場で試させてもらったんだけど、コレがまたおっそろしくいい!
とにかく「素晴らしい」としか言いようがない。
ようやく日本にも上陸するので、Marshall Blogで試奏レポートを衝撃の誕生秘話とともにお送りするのをとても楽しみにしている。
ASTORIAはすでにMarshall Blogでも興奮まぎれに紹介しているが簡単にラインナップだけに触れておくと…
超極上のクリーン・サウンドのASTORIA CLASSIC。
さて、Marshall以外のファミリー・ブランドも益々元気だぜ!
まずはNATAL。
NATALも世界的ににグングンと浸透度が上がっているので鼻息が荒い。
ロックだけではなく、アメリカではジャズの世界でも活躍し出している。
海外ではハンドハンマード・スネアとステイヴ・スネアが大人気とのこと。
やっぱり海外でも音だけでなく仕上げの美しさも人気の理由なんだって。
日本でも一生懸命普及活動をしているけど、こないだもある現場にNATALのキットを持って行ったところ、「お!これこれ!コレ、スゲエ評判いいんだぜ!」なんて言われた。
その後、「これ何て読むの?」なんて訊かれてズッコケたが、評判がいいことは間違いないようなので、ま、いいか。
「ナタール」といいます。
EDENも弾いてビックリ、こんなにいいベース・アンプなの?とお褒めの言葉を頂戴することが実に多い。
おかげで愛用者も増殖し続けている。
弾いて気にいるとみんな言うんだよね~、「コレ、ええでんナァ~」って!
そして、新商品のTerra Novaが注目を集めていたようだ。
可搬性に優れた軽量設計にして充実の機能。
コンプレッション回路、エンハンス・コントロール、トーンの微細なコントロールを容易にする4段階のEQ等々、使い勝手はまるでWorld Tourシリーズのようになっている。
500WのTN501と225WのTN226がラインナップされている。
どうでもいいけどベース・アンプってドンドン小さくなっていくナァ。
…とにぎやかなMarshallファミリー。
今年もよろしくお願いします…って新年の挨拶みたいになっちゃったね。
ハイ、今年のNAMMも終わり!