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2015年1月21日 (水)

東京ネイルキャッツ~10th anniversary live~@東京キネマ倶楽部 <前編>

最近は30~40年前と異なり、ロック・ミュージシャンの人口分布もすっかり変わり、50~60歳台のミュージシャンが相対的に増えてきた。
いつもいつも書いていることだが、「ロックがロックだった黄金時代」の音楽の薫陶を受けた人たちが活動を続け、その息吹を後世に継承することは誠に素晴らしいことだ。「隠居なんかしてらんネェ!」ということだ。
その結果、結成35年とか30年というバンドもそう珍しくなくなった。
35年前と言うと1980年。30年前で1985年。
パンク/ニュー・ウェイヴやMTVのムーブメントを経て、急速に日本でもロックが一般大衆化した時代に結成されたグループということになろうか?「時代に勢いがあった」ということになるのだろう。その勢いに乗ったパワーが今でも温存されているとしか思えない。

頭脳警察…Frank Zappaの「Who Are the Brain Police?」という曲から名付けられたこのバンドを、いつかMarshall Blogで詳しく触れたくて、そのチャンスが訪れるのをおとなしく待っている。
頭脳警察の結成は1969年…とPANTAが直々におっしゃっていた。途中、活動休止の期間が大分あったにせよ結成46年!あと4年で50年。是非とも実現させてもらいたい。

…とロック界の大先輩たちの話しで切り出してしまい多少筆が進めにくくなったのは自業自得。
ま、んなことは関係ない。今日明日と紹介するグループは結成10年!
最近はホレたハレたで一緒になった夫婦だって10年はとても長いモノ(ウチはもう銀婚も終わっちゃったけどネ)。
見知らぬ同士が「音楽」で結ばれて10年も同じ方向を向いている…なんてとても素敵なことだ。
そのバンドは「東京ネイルキャッツ」。

10その10周年を記念するコンサートが年末に開催され3つのバンドが駆け付けた。
東京ネイルキャッツが実際にここに登場するのは明日の記事になるが、ギタリストが大のMarshall好きということもあって、Marshallの壁がセットされた。
やはりロックの祭典は紅白の幕ではなく、Marshallの壁がもっともふさわしい。

20最初に登場したのは茨城は日立出身のTHE SALA。

30ボーカルのEmiko Otaka。

40vギター、Sou Inoue。

50もうひとりのギターはKouhei Tsutsumi。

60vベースのYoshihito Nakamura。

70vそして、ドラムはHiroki Yurugi。

80v私も若いバンドに接するのは特段珍しいことではないので、若いひとたちのパワーを目の当たりにすることには慣れているが…

90このバンドはすごかったナァ~。

100有り余るパワーをすべてステージにブチまけている感じ…とでも言えばよかろうか?

110ポップでわかりやすい急速調な曲で会場をグングン盛り上げる。

120vかと思うと、メンバー全員が右手を挙げてドラムを囲み、ゴスペル風にア・カペラで歌うシーンもあったりする。

130このベースのYoshihitoさんのアクションがすさまじく、飛ぶわはねるわ、走るわ、客席に降りるわの超ハイテンションで暴れまくっていたのも見どころのひとつだった。
150
THE SALAの詳しい情報はコチラ⇒official mobile site

140物販に飾られていた可愛いイラスト。

1602番手は2010年に結成された東京のバンド、camp。

170ボーカルとギターの細谷晃人。

260v

ベースは中谷。

200v鍵盤ハーモニカにエア子。
240
ドラムはHIRO-4。
250v

冒頭は以上の正式メンバーだけで演奏。
大半はそこへ加わったサポート・メンバーとの演奏。

190

サポート・メンバーの楽器はキーボードと…

210vトランペット。オーケストラやバンドの楽器の編成を決めることを英語では「instrumentalisation(インストゥルメンタリゼーション)」というが、このバンドのソレは実にユニーク。
鍵盤ハーモニカにトランペットが入っているバンドなんて初めて見た!

230しかし、サウンドの方はスイートなロック。やさしくかつ情熱的に歌い上げる細谷さんをみんなでサポートしている感じ?
180

かと思うとベースの中谷さんはTシャツを脱ぎ半裸に!いい身体しちょる…兄ちゃん、拳闘やってみないか、拳闘…って感じ。
ステージが進むにつれてこのルックスにふさわしいアツアツの展開となった。
280v

エア子さんはソプラノ・リコーダーも演奏。これまた珍しい!

270vしかし、鍵盤ハーモニカってのはなかなかいいもんでしてね。Donald Fagen、中村哲、小川文明、みんなすごく効果的に使ってカッコいい音楽をクリエイトしていた。哲さんなんか平気でジャズ・フレーズを弾くもんね。
エア子さんのプレイもcampサウンドの要になっているようだった。

290vcampの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

3003番目に登場したのは麒麟。

310ボーカル、上村雅史。

320vベース、角田陽栄。

330vドラム、丸山猛。

340vギターは昨年加入したばかりだという藤掛重人。

430v
「スタイリッシュなロックンロール」を標榜する麒麟。
昔、渡辺香津美さんもKYLYNというフュージョンのオールスター・バンドがあって私も一時ずいぶん聴き込んだが、麒麟はもちろんゼンゼン違う、まさに「スタイリッシュなロックンロール」。

350徹底的に「スカした」メンバーがクールにロックンロールをキメる。
昔はこの手のバンドが時々いたんだけどね…今はゼンゼン見なくなった。それだけにメッチャ新鮮!
チョット年配の方々だったら彼らのいでたちを見ただけでバンドのサウンドが聞えてくるんじゃないかな?
考えてみるとこの手のロックも日本独特のものと言えよう。
「スカす」なんて言葉も使わなくなった。

370
ま、正直言ってさすがにMarshallの壁はちょっとシックリ来ないな…。
新加入とは思えない藤掛さんのギター・プレイ。

360モヒカンに…

380vポマードで決めた短髪…もう両方できない。
ポマードつけるところもなくなって来ちゃった。
Sonny Rollinsみたいなモヒカンも毛があるうちに一回ぐらいやっておけばヨカッタ。
「ポマード」って言葉も聞かなくなったな~。

390vこの2人よるものすごくサッパリした塩味感のリズム隊がまたいいのだ!

440
全編を通じて一寸のスキもなくキメまくる上村さん。
MCでは「東京ネイルキャッツ、10周年おめでとう!でもさ、オレたち今年15周年なんだよね」と笑いを取っていた。

400vだってこの靴!
元来白い革靴を履くなんてのはスタイリッシュな証拠なのだ。
白い革靴を見ると映画『お熱いのがお好き(Some Like It Hot)』に出て来る悪役スパッツのことを思い出す。
英語のスパッツは日本のスパッツとは異なり、靴の中に小石や雪が入らないようにする覆いのようなもので、映画の中ではオシャレの象徴の小道具として使われている。
このスパッツ、ギャングの親分なんだけど、部下がコーヒーかなんかをそのスパッツにこぼしただけで殺しちゃうような超オシャレなワケ。
私はこのビリー・ワイルダー監督の作品をコメディ映画ベスト3にランクインしている。超おススメ。
変態だから音楽のおススメはアテにならないけど、私がおススメする映画は絶対に面白いよ。
映画の最後のセリフ知ってる?
流れはこれから観る人のために書かないが、「Nobody's perfect!」…「完璧な人はいないさ~!」。

410イヤイヤ、この上村さん、何でも完璧じゃないと気が済まない雰囲気が横溢している。やっぱこうでなきゃイカン!
そんなカミソリのようなロックンロールもまたよき哉。

420麒麟の詳しい情報はコチラ⇒麒麟official website

450<後編>につづく

NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)

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(一部敬称略 2014年12月8日 東京キネマ倶楽部にて撮影)