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2014年3月12日 (水)

人間椅子 『バンド生活二十五年 ~猟奇の果~』

こんなことを書くと「あまりに図々しい!」と呆れる読者もいらっしゃるかもしれないが、Marshall Blogの書き出しは朝のワイド・ショウ番組でやってるようなオープニング・トークを気取っているんですわ、ハハ…。
何かその日の内容にちなんだ話題を(半ば強引に)取り上げて、記事につなげていこうとしているワケ。
やりやすい書き出しのパターンのひとつに、「語句の解説」というのがある。その日の主役がアルバムやツアーのタイトルに使っている言葉などを頼まれもしないのに説明しちゃうという迷惑な荒業。
で、今回も「それで行こう」と思い立ったのは「猟奇」という言葉。

人間椅子がバンド生活25周年を記念した開催したコンサートのサブ・タイトルが、「猟奇の果」なのだ。江戸川乱歩だね。

そそるよね~、猟奇。猟奇事件。結局みんな興味あるんだよね。
言葉の意味は「奇怪・異常なものに強く興味をひかれ、それを捜し求めること」だ。

もしこのMarshall Blogのオープニング・トークをお好みという方がいらっしゃれば、それこそ「猟奇」ということになろう。

10和嶋慎治

20v鈴木研一

30vナカジマノブ

40vこの開演前に執り行われたのが「BEST FUNDOSHIST AWARD 2013」の授賞式。
「フンドシスト」なんていうと犬に関係するドイツのナンカの賞みたいだけど(「犬」はドイツ語で「Hund(フント)。だからダックスフント」。「ダックス(Dachs)」はアナグマ)、要するに「褌(ふんどし)」を締める人のことだ。
「その年に、ふんどし普及に貢献し、活躍された著名人」が受賞の対象となり、メンバー全員がふんどし愛用者で、鈴木さんがコンサート会場で魅せるふんどし姿が話題となった…がゆえの、おめでたい受賞!鈴木さんは長年のふんどし愛用者だそうだ。

でもね、本当にいいんだってね、ふんどし。ブリーフと異なって腿の付け根がフリーでしょ?アレがものすごく身体にいいって聴いたことがある。
この授賞式を傍で見ていて、マジで私も締めてみようかな…と思った。
黒地で、前の▼のところ、Marshallのスクリプト・ロゴを白地で染め抜いちゃってサ!
イギリスの連中にプレゼントしちゃおうかな?日本のサイズじゃ収まんなかったりして…あ、イカン、イカン、マーブロは下ネタは避けるようにしています。

そういえば、ふんどしは「はく」ではなく「しめる」が正しいコロケーションだ。
「褌を締める」…日本語ってカッコいい!

おめでとうございます!

50…とおめでたい儀式を終えたところで開演。
昨年9月に向かいのWESTを2日間超満員にしたばかり。今日のEASTも超満員!
コレ、武道館でやった方がいいんじゃないの?…的な。

60いつも通り『萬燈籠』の「此岸御詠歌」に導かれて登場する。
まず演奏したるは「新調きゅらきゅきゅ節」。

70もういきなりのハイテンションでお客さんも「♪きゅっきゅきゅ~、きゅっきゅきゅ~」の大合唱。

80v今日の和嶋さんのMarshallは2段積みの4連。使用しているのは左から2番目のお札が貼ってある愛用の1987Xと1960TV。

90この2段積みの横並びもなかなかいいね。Jimmy Pageみたいで。
照明が青でも赤でもやっぱりMarshallは映える!
並んでサマになるのはMarshallとウルトラ兄弟と仮面ライダーだけですから!

95引くとこんな感じ。

100「爆弾行進曲」から「りんごの泪」へと続く。

110客席を埋め尽くす、立錐の余地などまったくない超満員の客席を眼下にエキサイトする和嶋さん!

120堰を切ったように飛びだし来る、何ともへヴィなサウンドがタマらん!

130v『萬燈籠』から「時間からの影」。
150「怪人二十面相」。コレもカッコいいな。
小学校の時は、「黄金虫」だの「青銅の魔人」とか「サーカスの怪人」とか「電人M」とか江戸川乱歩を夢中になって読んだ時期もあったけど(もう忘れているので私に乱歩の話題を振るのはご遠慮ください)、今にして思うと、どれもスゴイ語感だよな。
「怪人二十面相」なんて言葉出ないよ、フツー。
「明智小五郎」って子供ながらにいい名前だなって思ったもん。ものすごくアタマよさそう。

140「九相図のスキャット」。
「九相図(くそうず)」というのは、外に転がった人間の死骸が朽ち果てる経過を9段階にわけて描いた仏教絵画。趣味悪いな~。
でも、昔の人は伊達や酔狂でこんなことをしたワケではなく、人間の身体がグッシャグシャになっていくサマを描いて、修行僧の煩悩を払い、現世の肉体を不浄なもの、無常なものと悟るための修行なんだそうですよ。だってチベットだかどこかでは「鳥葬」が最も尊い弔い方だとか聞いたことがある。
『猟奇の果』らしくなってきたッ!
ダム好きも一種の猟奇よの~。

160「ねぷたのもんどりこ」。ここも「♪ヤーレヤーレ、ヤーレヤー」の大合唱。
「♪ね~ぷたのもんどりこッ」って口に出してごらん。語感が気持ちいいでしょ?
一時期テレビに出ていた中国系の女の子が「日本語で一番好きな言葉は?」と訊かれ、彼女は「接着剤」と答えていた。
何でも「セッチャクザイ」という音が中国語にはないらしく、口にすると気持ちがいいのだそうだ。
言葉って実に面白い。でも、接着剤そのものを口にしてはイケませんよ、アレ辛いから。

165この曲にはそうした言葉の魅力が詰まっていると思う。
200「品川心中」。

180_2和嶋さん、ここで本格的に噺を披露。「1,000人の前で落語をやるのは大御所だけですよ」と鈴木さんに突っ込まれちゃった!

今もやってるのかな?昔は「東横落語会」とかホール落語なんていうのがあった。今はなき新宿厚生年金会館なんかでやるんだからそのキャパは軽く1,000人を超えたもんですよ。
今はそんなに人が集まるのかしらん?
私はその東横落語会で志ん朝と談志を見た。寄席に行くことはなかったし、談志さんは寄席に出なかったので好きな2人をいっぺんに観れてうれしかった。小さんも出てたな。入船亭扇橋もメッチャよかった。
志ん朝さんが「佃島」を演ったのをハッキリ覚えているのだが、談志さんはナンカ軽い話しをかけたような気がする。
もうチョット脱線しますね。だって和嶋さん落語なんか演っちゃうんだもん!

2ni_img_0091 それから何年かして、平成2年、私が長野に住んでいる時に権堂という飲み屋街で談志さんにバッタリ出くわした。彼は小坂憲次の選挙応援で信州に来ていたのだ。
私も少々酔っていて、大好きな落語家を目の前にしたもんだから興奮して談志さんのモノマネを本人の前でついやってしまった。

「地べたを掘ったって、一文たりとも出てきやしねェ!」

すると、談志さんは「お。『鼠穴』だね?今日は面白い人に会ったな!」とお付きの人に命じて私に名刺を差し出させたのだ。『鼠穴』は「わらしべ長者」に似た人情噺の大ネタだ。
下の写真がその時に頂戴した名刺。私の宝物のひとつだ。もうその談志さんもいなくなっちゃった…。
もし私が落語演る機会があったら『寝床』をやりたいナ。

Ni_danshi2 静止して立て板に水のごとく語らう和嶋さんのギターのヘッドに発見!
お守りがくくりつけてあるのだ!

190v「黒百合日記」。これも『萬燈籠』から。

170ニヤリ…鈴木さんの不敵な笑い。スゲェ迫力!

210「冥土喫茶」、「踊る一寸法師」、「相剋の家」と代表的なナンバーがゾロリと続く。
人間椅子の面目躍如たるところ!

220vここでノブさんのフィーチュア曲、「蜘蛛の糸」だ。

300vいろんな掛け声が飛び交う中、力いっぱい叫び狂うノブさん。ここもひとつのハイライトだった。

240「天国に結ぶ恋」。

250vバンド生活25年という大きな足跡を残す記念碑的なイベントもあと僅かとなった。

260本編の最後は定番「針の山」。
270この曲、人間椅子のバージョンの方がオリジナルより全然カッコいいよね!

280歌詞もいいが、何といっても鈴木さんの声がいい。間違いなくこの曲はこういう声で歌われるべきだ!

290ノブさんのラスト・スパート!渾身のドラミング!

230こうして全15曲に及ぶ猟奇の宴は終了した。
310v
アンコールには開演前に受賞した「BEST FUNDOSHIST AWARD 2013」の賞状を手にして登場!

320「どうじゃ!」
大歓声が沸き上がる!これを見て会場に来ていた多くの男子が翌日からブリーフを脱ぎ捨て、ふんどしをキリッと締めた…かどうかは定かではない。
鈴木さん、よくお似合いです!

325アンコールは「猟奇が街にやって来る」と…

330v「地獄風景」。

340v「アニキ~」だの「ダム~」だのノブさんへの声援も絶えることがなかった!
そういえばノブさん、開演前のふんどし姿の撮影の時、はじめは下だけ脱いでふんどしを見せていたんだけど、「やっぱ、これでなきゃ!」と自主的に上まで脱ぎだして文字通り「ふんどし一丁」で撮影に臨んだのであった。そのあたりの人間のデカさ(?)も人気の秘密だね。ダム好きに悪人はいない。ダムを作るほうは色々あるのかもしれないが…。
3502回目のアンコールは「どっとはらい」。

355v和嶋さん、大跳躍!
370v

360v

380v

390「25年」…四半世紀ですからね。「継続は力なり」。人間椅子にはホント、元気をもらうわ!

「I Love the Dead」だとか「Welcome to my Nightmare」とかAlice Cooperも昔は猟奇的なナンバーを携えていたが、すっかり丸くなってしまった。
後期のGraham BondだとかQuintessenceのようなドロッドロしたサウンドを出すバンドはあっても、ポーを題材に徹底的にその世界を追及している海外のバンドなど私は浅学にして知らない。
人間椅子のディスコグラフィを眺め、そこに収録されている曲のタイトルを片っ端からチェックしてみる…こんなバンド、世界にふたつとあるまい…と独りごちる。
人間椅子にはどうかこの猟奇の旅を続けて欲しい!

400そして5年経てば30周年だ。5年なんてアッという間だからね。その時は武道館だな…。
ますますの発展を大いに期待している。

まずは3月20日の「人間椅子vs. ZAZEN BOYS」!

410人間椅子の詳しい情報はコチラ⇒人間椅子オフィシャルサイト

420(一部敬称略 2014年1月18日 TSUTAYA O-EASTにて撮影)