陰陽座 『冬の三都に馳せ侍ふ也』 東京公演
本当に久しぶりの陰陽座。
昔はちょくちょくコンサートにお邪魔させていただいたが、Marshall Blogがマーシャル社の直営になってからはコレが初めての登場だ。
今回の取材にあたり、事前にスタッフの方やマネージャーさんに電話をして、恐る恐る取材を申し入れたのだが、答え一発、あまりにも快くご了承いただいた。
当日になり、会場の東京ドームシティホールの楽屋にお邪魔すると、メンバーの方々も私の姿を見つけて「お久しぶりです!」と気軽に声をかけてくれた。とてもうれしかった!
「昔の仲間」なんて言ったら分不相応にすぎるかもしれないが、本当に素敵な人達だ。
…ってんで久しぶりの陰陽座、気合を入れて拝見させていただきました。
東名阪と三都をめぐるツアー。久しぶりのワンマン・コンサートということもあってか、会場はもうパンパン!
個人的な印象だが、この会場はとてもホーム感が強いナ~。「陰陽座のコンサートというとココ」…みたいな。
チケットが一枚も残らない完全売り切れの大入り満員状態!ま、いつものことだけど…。
ひっさしぶりに機材を見てみよう!
まずはMarshallの壁。これは必須。ありがとうございます。問答無用で陰陽座のステージにはお似いだ。
この壁もしばらく見ないうちに進化した。以前はヘッドなしの4段4列、最上段のみAキャビで構成されていた。
それが今回並べられたのは同じ4段積みでも、ヨコ5列、そして最上段がJCM900 4100になった。こっちの方がMarshall感が強くてゴッキゲン!!
こちらは狩姦さん。
JMP-1に加えて100W+100Wのステレオ・パワー・アンプ、EL34 100/100がセットされている。
ま、自画自賛で恐縮だが、久しぶりにEL34 100を見ると、そのシンメトリックで黄金の美しいフロント・パネルにホレボレするね~。重いんだよ~。でも、いいアンプやキャビネットは重いと相場が決まってる。
こちらは瞬火さんのバックライン。
失礼ながら知らなんだ、瞬火さん、EDENだったのね!うれしいワ~!
でも、以前の取材時にはMarshall社にはEDENの「E」の字もなかったのでまったく意識していなかった。よく見てみると「Marshall」の中にはも「D」も「N」もないな…。
でも今はEDENブランドはMarshall社のものです。
こちらは最近Marshall Blogにもちょくちょく登場しているWorld Tour 800、WT800だ。
こちらはNavigator 1000。
瞬火さんという素晴らしいプレイヤーを擁してEDENも心強い!
オープニングは「吹けよ風、轟けよ雷」。待ちに待ったファンの歓声で会場が揺れ動く!
続いてはファースト・アルバムから「百の鬼が夜を行く」を配置。新旧織り交ぜたバラエティに富んだセットリストでお客さんを狂喜させる。
それにしても陰陽座のレパートリーはスゴイ。
コレ、大変だよ。瞬火さんのクリエイティビティにはまったくもって恐れ入る。
私は音楽の、あるいは音楽家の理想的な姿としてパット・メセニーを例に引くことが多いが、陰陽座もこれに当てはめることができるかもしれない。
それは、オリジナリティがあって、それが自分のやりたいことであり、芸術性が高く、なおかつ一般的な聴衆からの支持が大きいとされているということだ。
タイトルや歌詞を英訳してしまっては何の意味も無いが、陰陽座も海外に誇れ得る日本を代表するバンドのひとつだろう。
日本人に海外のバンドのマネができても、海外のバンドに陰陽座のマネは決してできまい。
演奏はモチロンのことだが、異常にカッコいいのは瞬火さんの曲紹介。「蒼き独眼ンンン!」には鳥肌が立った。
ショウの間、曲名に故意に触れないバンドやミュージシャンもいるが、私は曲名を紹介することに賛成だ。
ましてや瞬火さんのようにカッコよく紹介できればそれもその曲の一部になるのだ。だって、みんなイアン・ギランの「ソンコーハイウェイスター!」にはシビレたでしょ?
惜しげもなくテクニックを披露する2人のギタリスト。色々な音楽を聴いて、とても勉強熱心なのを私は知っている。
そんな2人の壮絶なソロの応酬!
また、陰陽座を陰陽座たらしめるハードで抜けの良いギター・サウンドもこのコンサートの見どころ(聴きどころ)のひとつだった。
「喰らいあう」で締めた本編は全18曲。約2時間のステージ。
もちろんコレでアンコールをチョチョいと演って終わる陰陽座ではない。
1度目のアンコールでは「焔之鳥」、「鳳翼天翔」、「がいながてや」の3曲をプレイ。
3度目のアンコールに突入する。ここでは5曲を演奏。本編で演奏した組曲「九尾」の一部、「殺生石」をアンコールに持ってくるなんてイキだ!
しかし、タフだ。
この後も2度のアンコールに応じ、締めて5回登場した6人。
カレコレ4時間近くが経過したが、ショウのはじめと何ら変わらない集中力で鉄壁のパフォーマンスを披露してくれた。普通のコンサート悠に2回分だぜ!
わかっちゃいるけど、恐るべきは陰陽座!
もうひとつスゴかったのはお客さん。早めに入場した人は5時間近く立ちっぱなしだったワケ。ところが、疲れの表情を見せている人なんかひとりもいなくて、みんなみんな、幸せそうな顔をして楽しそうに会場を後にしたのだ。あの晩、床に入ったはいいけど、みんな興奮して眠れなかったんじゃないのかね?
私も中学生の時にRainbowの初来日公演を観た夜はそうだった…イヤ、あれは耳がキンキンしていたからか…1976年のお話し。古い話しだニャ~。
え、この陰陽座の時はどうだったかって?みなさんによくしてもらって大満足の一日、グッスリ休ませていただきました。歳を取ると、もう滅多なことでは耳もキンキンしないんじゃ!
これが2013年の私の最後の現場となったが、最高のコンサートで締めくくることができたよい年末となった。
2つめのベストアルバム『龍凰珠玉』を発表し、『式神謳舞』なるライブDVDをリリース。そして矢継ぎ早にシングル『青天の三日月』がもうすぐお目見えする。
絶好調の陰陽座なのだ!
陰陽座の詳しい情報はコチラ⇒陰陽座公式庵頁
(一部敬称略 2013年12月29日 東京ドームシティホールにて撮影)