【イギリス-ロック名所めぐり vol.8】 ロンドン・ロック秘宝館?
「アレ?こんなのあんの?!」
Piccadillyで偶然にパンフレットを見つけてしまったのだ。
BRITAIN'S MUSEUM OF POPULAR MUSIC…ま、イギリス・ポピュラー音楽博物館ですな。
危ないんだよな~、こういうの…。チープな香りがプンプンする。
迷いに迷った結果行ってみることにした。どんなものであろうが、「名所めぐり」の名を掲げている以上、一応は訪れておかねばなるまい。
また、安くないのよ…。£13だから今の為替レートで言えばだいたい2,000円。
ま、これがよく温泉地や高速の入口で見かける(イメージ)「○○秘宝館」のような類であっても、O2アリーナを取材すればいいや…と思って行くことに決めた。
O2アリーナ自体の設備についてはすでにShige Blogでレポートしているので、コチラをご覧になっていただくとして…。
入口までの壁にはショウに熱狂する観客の写真に音楽史の重要な出来事をコラージュした年表がディスプレイされている。「ビートルズ、デビュー」とか「ウッドストック」とか…。不思議だったのは、レッド・ツェッペリンの名前が出るのは「『フィジカル・グラフィティ』発表」というとこだけなのよね。そんなに重要なの?
かつて「Classic Rock」というイギリスの雑誌の「ブリティッシュ・ロックのNo.1アルバムは何か?」というアンケートで『IV』が選ばれてたんだけどね…。
O2アリーナは現在ロンドンで一番大きな屋内競技場だ。次にツェッペリンで有名なアールズ・コート・コンベンション・センター、次いでマーシャルが50周年記念コンサートを開催したウェンブリー・アリーという順番になるそう。
これがアリーナへの入口。
アリーナの外の回廊にはミュージアムの看板がたくさん設置されている。興奮するような、しないような…。イカンイカン、期待は絶対に禁物だぜよ。
チケットを買うと、このクレジット・カードみたいなものがもらえる。
ランヤードも別売りで用意されているが、そんなものはいらん。自前のMarshallのランヤードをひっ付けるとこんな感じ。
このカードは展示品の音声ガイドのリモコン(っていうのかな?)になっていて、各展示についている印にこのカードをかざすと解説が始まるというワケ。これがなくても解説は聴けるので、ま、記念品みたいなものですな。
さて、肝心の内容というと…これがなかなか面白かった。もちろん、期待のバーを極限まで下げていたことがかなり効果的だったのだが…。
恥ずかしながら、それでも2時間半も見てしまった!
館内は完全に撮影禁止なので、文字でしか内容を伝えられないのがチト残念。
展示品はロック前夜のスキッフル時代からズラ~っと歴史順に並べられていて、それぞれのアイテムに解説が付けられている。
どんなものがあるのかというと…
●The Whoの有名なMarqueeの告知ポスター。もちろんホンモノ。
●見たこともないThe Beatles関連グッズ。おもちゃだの服だの。
●The Yardbirds、Jim McCartyのドラムヘッド。
●Marqueeのチラシ。
●Moody Blues、Justin Haywardのシタール。
●Fairport Convention、Dave Swarbrickのヴァイオリン。
●Jimi Hendrixの衣装。
●1969年のワイト島のプログラム。
●「I Feel Fine」の歌詞を記したメモ。
●Dusty SpringfieldやCilla Blackの衣装。
●The Zombiesの名盤『Odessey and Oracle』のオリジナルのアートワーク。
●Jethro Tull、Ian Andersonのフルートとギター。「Locomotive Breath」の歌詞のメモ。
●Steve MarriottのJTM45/100!
● Roxy MusicやSladeの衣装。
●The Rolling Stones関連グッズ。
●David Bowieの衣装いろいろ。これはスゴイ。
●Woodstockの時のRogerの衣装。あのピラピラね。ホンモノかいな?
●Nick Masonのドラムセット(イギリスでは「Drum Kit」という)。
●Elton Johnのサングラス。
●Fredie Marquryの衣装やBrian Mayの6pence plectrum。
●Mark Bolanのギターや衣装。
●The Sweet、Andy ScottのES335(「Blockbuster」や「Ballroom Blitz」のレコーディングで使ったとか)
●Ritchie Blackmoreの335(ノンちゃん、どうよ!)
メタル関連では;
●Rob Halfordの衣装。
●Ozzy関連グッズ。
パンク/ニューウェイヴ関連のグッズも山ほど飾られていたけど割愛。
こうしたメモラビリアは3階に展示されていて、2階は特別展になっている。
私が訪れてた時はヨリによってレゲエだった。レゲエだよ、レゲエ。ああ、これがプログレ展とかだったらなァ。
それでもBob Marlyなんかのカッコいい写真がズラリと並べられていて、ま、それなりに楽しめた…かな?
スター・グッズの他にも歴代のオーディオ機器の展示なんかもあって、これはおもしろかったナ。
でもね、実は私がもっとも楽しんだのはスターのグッズでもオーディオ機器でも、ましてやレゲエでもなく、イギリスのロックに関する展示だった。
これはバカでかいイギリス全土の電飾の地図がデーンと場内に据えられていて、自分のカーソルをツラツラと地図上のある地点に移動すると、その場所にゆかりのあるミュージシャンやロック史に残る出来事が示される。
普段からブリティッシュ・ロックの層の厚さに興味を持っている私にはこれがおもしろくておもしろくて!長い時間これで楽しんでしまったというワケ。
結果的には£13分は楽しんだかな?あ、特におススメはしません。止めもしません。
帰途North Greenwich駅で見かけたポスター。Status Quoのコンサートのポスター。サポートアクトはBonnie Tyler。
すごいでしょう、ステイタス・クォー!「Quofestive」、クォー祭りですぜ!さすがイギリスの国民的バンド!O2アリーナで演っちゃう。白いフル・スタックでパイル・ドライバーかましてくれい!(クォーが白いマーシャルを使う理由はまたどこかで…)
つづく