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2026年1月 5日 (月)

amber lumber~9周年記念ワンマンライブ<前編>

 
明けましておめでとうございます。
Marshall Blog2,533本目となる2026年最初の記事はamber lumber。
9周年を記念する単独公演のレポートをお送りする。
10v「マー索くん」を使って調べてみると、Marshall Blogでは5周年から毎年欠かさずこの記念公演をレポートしてきたことがわかる。
だから今回は5回目。
この日の屋台村のようす。20目につくのは新発売の「amber lumber号フェイスタオル」。
羽がついているネコの顔をした赤いオープンカーが虹を渡っている。
美人のアキラさんに目をやると…いかにも楽しそうにもろ手を挙げて助手運転席に乗っている。
…ということはこの時は免許をお持ちでなかったか?
とても楽しいデザインだ。
30コレはこれまで発表してきたアルバムのリスト。
それぞれに付けられたひと言キャッチ・フレーズが正鵠を射ているようでオモシロイ。40この日のエッセイとおさとし。
ネコ大仏に混ざって1枚だけカメ。
それには「弁天池」と記されている。
0r4a0004「弁天池」という名前の池は恐らく全国各地に存在していることと思うが、最も名の知れている「弁天池」は吉原のそれではなかろか?
現在は埋め立てられ、下の写真の「吉原弁財天」となっている。
正月から縁起でもないが、ジム・マーシャルが生まれた大正12年(1923年)の関東大震災の時、吉原遊郭が炎上し、その火の手から逃れようと弁天池に飛び込んで命を落とした遊女が600人にも上ったという。
現在は関東大震災の犠牲者を慰霊する施設(神社ではない)になっている。
その門柱には「春夢正濃 満街櫻花 秋信先通 両通燈影(春の夢はまだ濃く街は桜で満ちているが、早くも秋の便りは届き両側の通りには燈籠の影が揺れている)」という詩が刻まれている。
コレは吉原のシンボル「吉原大門(おおもん)」が明治14年に鉄製の柱に建て替えられた時にその門柱に入れられた詩をそのままコピーしたもの。
この詩を書いたのは福地櫻痴(本名:源一郎)。Img_1738櫻痴は明治のジャーナリスト/政治家/劇作家。
「東京日日新聞(今の毎日新聞)」の社長を務めた気骨溢れる報道人であり、渋沢栄一らと「東京商法会議所(現在の東京商工会議所)」を設立した。
歌舞伎座の創立者のひとりでもあり、現在でも人気を誇る演目「鏡獅子」を書いたのも櫻痴。
下は長崎の有名な古刹「崇福寺」のすぐ近くにある櫻痴の生誕地。
長崎を訪れた時に見て来た 。008a0320桜痴は東京では「茅町(現在の池之端)」に居を構え、それが森鴎外の『雁』に出て来る。
高利貸しの末造が主人公の「お玉(映画では高峰秀子と若尾文子が演じた)」を囲うことを計画し、本人の承諾を得る前に妾宅を探す場面。
候補地のひとつが櫻痴の邸宅の隣だった。
櫻痴の墓は池之端からほど近い「谷中墓地」にある。220v さて、下はこの日のステージのようす。
今回も演奏している曲が収録されているアルバム・ジャケットをステージ中央に展示した。50さぁ、9周年のステージはどんなことになるのかニャ~?
そういえば…開演を待つお客さんの会話を傍らで聞いていて吹き出してしまった。
「あの髪の毛を洗わない歌ってナンていうんだっけ?アレ、最近演ってないよね?」
『Order Made』収録の「ラッタカ」のことだ。
「そう、演ってない。ナンカ最近は髪の毛を洗っちゃってるらしいよ」
「アラマ~、それじゃ『地球にやさしくない女』になっちゃったんだ」
ファンの皆さんはアキラさんのご洗髪をお望みでないようです。
70定刻になって2人が登場。
「また雨を降らせてしまいました。
amber lumberです…本日はありがとうございます!
雨も降ったし、チョット珍しい曲から演ってみようかと思います」
809周年記念のステージの1曲目を飾ったのは「キミの知らないボク」。
 
森永JUDYアキラ90v_2山本征史100v「雨でシットリ…ありがとうございます」
2曲目はガラリと雰囲気を替えて「ランデブー」。110コーラスをつけていた征史さんが…120vアキラさんのいるステージ上手にヒタヒタと移動して…130v背後にピタリを身を寄せて結成9年目の仲の良さを見せつけた。140v「私、歌とギターを担当しております、森永JUDYアキラと申します。
 最後までどうぞよろしくお願いします!」
軽く自己紹介をして「ドウシテコンナニコワインダロウ」。150v「♪プライド、プライド、プライド」
パンチの効いた歌声を…160切れ味のよい自らのファンク・ストラミングに乗せる。
180そのアキラさんのギターをナチュラルな音で鳴らしているのはMarshallのアコースティック楽器専用アンプ「AS100D」。170征史さんのソロ。
もちろんMarshall。
200v今回はいつもの「1992 SUPER BASS」と「1960A」。210v長い付き合いのMarshallでバラエティに富んだサウンドを送り出した。
ん?
Marshallの上に乗っかっている赤いヤツはナンだ?
220カワウソが赤い布団に入って気持ちよさそうに寝てるわ。
真空管アンプの上はとてもあたたかいからね。
江戸の昔、カワウソは医学の手伝いをしていたって知ってる?
当時の医者は医学を発展させるためには人体を解剖して実際の体内の様子を精査することが不可欠であることを知っていた。
ところがその頃は「死」は穢れ多いモノとされていたため一般人が死体に触ることがご法度になっており、「腑分け(人体解剖)」などトンデモナイ話だった。
そこで登場したのがカワウソ。
誰が言ったか、カワウソの内臓は人間のそれに似ているとされて、捕獲して腹を裂いては中を調べたそうだ。
その後時代が下りシーボルトやポンぺが来日し、オランダ医学の優良性が認められるようになり、山脇東洋や杉田玄白のような人たちが出て来て刑死者の遺体を用いて人体解剖をするようになった。
そうした腑分けに立ち会った医者たちは人間とカワウソの臓器の様子があまりにも違うことに驚き、「やっぱり人間とカワウソの体内が似ているというのは本当ではなかったか…ま、相手がカワウソだけに仕方ない…」と言ったかどうかの記録は多分残されていないであろう。
はじめ腑分けは幕府の厳しい監督の下で実施され、杉田玄白らでも死体に触れることが一切許されず、担当の役人が玄白らのリクエストに応じて臓腑をイジくったらしい。
日本の医学の発展史ってものすごくオモシロイよ。
ま、その歴史はすべて東大の医学部に通じるんだけどね。
ちなみにオリンパスが世界で最初に開発した「胃カメラで」の場合は犬が実験台にされたそうだ。
麻酔で寝かせた犬の口にコンドームを被せた試作の胃カメラを突っ込んでは実験を繰り返した。
しかし、操作がうまくいかず胃や食道を突き破ったりして多くの犬を犠牲にしてしまった。
その甲斐あって、最終的には開発に成功した。
9_img_5422 「ありがとうございます。
私たちの衣装…新衣装です。
8月に作ってもらったんだけど山本さんのはエリの部分がエライことになっていて、ドンドン切って短くしちゃったのが気に入らないっぽい」230v「チョット端切れ使いましたぁ?みたいな感じだったよね。
また、戻してもらってもいいですか?長いのがまだ余ってるんですよ。
旅人感がなくなっちゃったから」
旅人?…そう言われてみると征史さんの衣装は「スナフキン」みたいだもんね。
スナフキンが旅人かどうかは知りませんけど。240v「私が作った歌を3曲聴いて頂きましたので次は共作曲を演ります…共作をしていたこともあるんですよ。
アハハハ!最近、ホント共作をしていませんね。
子作りをしていませんってこと…ホントにアカンですよ」250「一応、言っておきますけど2人は夫婦でも、恋人でも…」260v友達でもない!
でも共作は実は結構あるんですよ」270v「たね」というライブ・バーをやっている友人にあてたラブレター「tane」。280バッキングにソロにベースがまるでアキラさんと一緒に歌っているようだ。290vいい曲だよね。
コレ、いつも演っていたっけ?
アキラさんの歌と征史さんのベースが実にいい具合の割合で溶け込んでいて聴いていてとても気持ちがいい。300「呼吸とテレパシー」もアキラさんの勇猛なストラミングから。310征史さんのスペイシーなベースが重なって…320v力強い歌が導き出される。330v征史さんはソロ・パートで爆発!340v「♪とどけ~!アナタの元へ!」
しかし、ギターのドライブ感がスゲエな。350最後は征史さんのジャ~ンプ!360v「今日は会場のアチコチに我々の9年間の軌跡が散りばめられています」370vステージの上だけでなく、会場内にはこれまでの作品のジャケット画が展示された。
そのアルバムの数は7枚。
9年間の間のライブの回数も440本に及ぶそうだ。
60「今日の1曲目もそうなんですが、次は9年前に初めて森永さんと合わせた曲を演ります」380「あの時演った曲って全部覚えてます?
私は覚えてない…その時のヤツ全部演ろうぜ!」390vアキラさんのソロ・アルバム『Arms』収録の「ボクの上に降る雨」。400v征史さんがグイグイとファンキーなグルーヴを押し出して…410v気魄のこもったソロを聴かせると…420アキラさんもラップ調の歌い回して曲をエキサイティングに仕上げる。
普段のライブではあまり取り上げられない曲かな?430v「スゴイね。今、演奏出来たことに自分がビックリ!
私ってチョット認知症疑惑があるんですよ。
多分、脳を輪切りにしたら委縮してると思うんだ。
『若年性ナントか』っていうヤツだと思うんだけど…」440v「若年性?
それって『若い年』って書くんですけどね…」
会場大爆笑!450v「だけど歌詞は忘れないんだよ」
認知症をテーマにしたドラマについての話をして…
「すごく懐かしい。そう言えばナンカ思い出したわ。
初めて一緒に合わせた時、今から演る曲を歌っていて、山本さんから圧が出て来てすごく泣きたくなっちゃたことを思い出しました。
今日はどうなんだろう。
別れの歌ではありませんよ…歌をよく聴け!」460「認知症をテーマにしたドラマ」といえば、今どうしても観たい映画のひとつが1973年の『恍惚の人』。
主演は高峰秀子と森繁久彌。
もちろん原作は読んでいるし、DVDになっていることも知ってはいるんだけど、レンタルとかサブスクでテコでも見つからない。
DVDは買えば中古でも安くないし…。Kh アルペジオでジックリ歌うアキラさん。
曲は『mamma mia!』から「冷めたスープ」。
470v「ウッカリ冷たくしてしまったスープをもう一度焦がさないようにユックリ温めよう」ってんだから「別れの歌」ではなくて「やり直しの歌」だわね。
この「ウッカリ」と「ユックリ」が耳に残る(双方原詩ではひらがな表記)。
聴いていて心が温められますナァ。
480「やっぱり恋人に歌っている曲でしたね。
でも何事も続けていくって難しいじゃないですか。
だからチョット心が折れそうになってももう1回火を付けて…今日のテーマは『初心忘るべからず』ですから。
『初心忘るべからず』って誰の言葉か知ってる?…世阿弥ですよ。
じゃ、1部最後の曲はドラムスに行くよ」500征史さんはアキラさんが準備している間に今日のペダルボードの説明をした。510vプチamber lumber仕様と夜叉仕様を合体させた。
こんな感じ。S41a0441アキラさんがドラムスを叩くのは…
530vもちろんamber lumberの解体新書、「I Wanna Be Your Blood」だ!520今日も征史さんの大激唱!540v最後はこの曲のルーティンの大ジャ~ンプ!550v「サンキュー、赤血球!」
9周年もバッチリとキメた~!
ちなみに杉田玄白は『解体新書』を出したことで今でいう億単位の印税を手にしたんだよ。
反対にオランダ語からの翻訳で大活躍した前野良沢は名前を出すことすら良しとしなかったそうだ。
『解体新書』の詳しい情報はコチラ⇒『冬の鷹/吉村昭(新潮文庫刊)』
 
amber lumberの詳しい情報はコチラ⇒amber lumber Official Web Site560<後編>につづく
 200_2(一部敬称略 2025年11月9日 神田SHOJIMARUにて撮影)