MERGE FES vol.1~ヘアメタル研究会<後編>&TAKANAGER CRUE
『MERGE FES vol.1』レポートのつづきは…ヘアメタル研究会のステージの中盤から。
ジャーニーをもう1曲。「Send Her my Love」という、主語が省略されているにせよ「第4文型(SVOO)」の見本のような題名。
コレを「Send my Love to Her」と第3文型に書き換えるとガラッと雰囲気が変わって事務的になっちゃうから不思議。
YOFFYさんの伸びやかな声がこの曲にピッタリだ。自慢のヴァン・ヘイレン・モデル…じゃないギターでソロをキメたTOKIさん。
「ジャーニーの名曲をお届けしました。
ボクたちは曲の素晴らしさを皆さんに伝えたい…そして、おウチに帰ってグーグル検索して本物もちゃんと聴いて欲しい…そういうコンセプトで演っていますので多少のコトには目をつぶってください。
『多少』じゃなかったら、もう両目をつぶって、心でボクたちの歌を感じてください!」続いてはホワイトスネイクの1978年ぐらい(YOFFYさんによる情報)の全米No.1のヒット曲「Here I Go Again」。
調べてみると1982年のヒット曲のようです。コレはいい曲ですよね。
この曲でドラムスを叩いていたのはイアン・ペイスだったのか…。
カツラがスッ飛んでいくこともなくイアン・ペイスの向こうを張るドラミングを披露するSHOWさん!ドラム・キットはNATAL。
ちなみにディープ・パープルって、ボーカルズ、ギター、キーボーズ、ベースのアンプすべてがMarshallだった時代があったんだよ。
つまりMarshall商品のデモンストレーション・バンドを務めていたのだ。この曲のソロでもTOKIさんのヴァン・ヘイレン・モデルが大活躍!…だから違うって!
自らも「いい曲!」と認めているだけあってYOFFYさんの熱唱も印象的だった。
ところで、デヴィッド・カーヴァーデイルに会ったことってある?
ホワイトスネイクが来日してダグ・アルドリッチに挨拶をしに中野サンプラザへ行った時の話。
楽屋の廊下を歩いていると、いきなり後ろからガバっと両肩をつかまれてモミモミされたのね。
「ウワ!誰だ?!」と思って後ろを見たらデヴィッド・カヴァーデイル。
そして「Hey, brother!」と私の手を握ってくれた。
私のことなんか全く知らないのに…ですよ!
ナンダカンダ言っても私もディープ・パープルやレッド・ツェッペリンで育った世代でしょ?
「ディープ・パープル・マークIII」のシンガーにそんなことをされてごらんよ。
もううれしいやらビックリ仰天やら!
トミー・アルドリッチもそんな感じだった。
この時に撮らせてもらったステージの写真は私の大のお気に入りです。
「元ディープ・パープルのメンバー」ということで言うと、私、ニック・シンパーにも会ったことがあるのです…珍しいでしょ?「オレたち、全米No.1の曲しか演らないんだ。
今『ウイングマン』っていうドラマやってるじゃん?昔アニメだったヤツの実写版。
オレたちって気持ちとしては、そのウイングマンと同じなのよ。
『ヒーローになりたい!』っていう…オレたちが憧れたロックスターになりたい!
どうやったらオレ、金髪になれるんだろう?
何度も色を落としたけど、ナゼか出てくるのは黒い黒い髪の毛だ。
そして、たどり着いたのがこういうコスプレ!
コスプレをして変身したワケです。
そういうことで、皆さん、お加減いかがですか?」ヘアメタル研究会のこの金髪のカツラにはそんな思い入れがあったのか…。
今、この「ギョエン・アリーナ」を盛り上げて、十分ヒーローになっているじゃないか!
ということで「It's My Life」。またボン・ジョビ!人気あるんだネェ。
そして、またトーキング・モジュレーター。
私が中学生の時の話。
紙で作った短い筒をイヤホンにセロテープで取り付けてラジカセのイヤホン・ジャックにつなぎ、一方でギターをライン・インにつなぐ。
そして、その紙の筒を口にくわえてギターを弾いて遊んだものです。
要するに即席トーキング・モジュレーター…原理は同じだから。
あの頃ってトーキング・モジュレーターって市販していなかったんじゃないかな?
ボン・ジョビよりはるか昔のジェフ・ベックのBBAの時代の話ね。
その頃、「トーキング・モジュレーターなるモノは口の中で鳴らすギターの音の振動が脳を振動させて頭をおかしくしてしまう恐れがある」という話が広まった。
まぁ、そんなの今でいう「都市伝説」とかいうヤツなんだろうけど、みんなそれを信じてラジカセを使ったトーキング・モジュレーター遊びをパタリとやらなくなった。
コレにはそんな思い出があるのです。サングラスをハズしたTOKIさん。
ヴァン・ヘイレン・モデルを弾く気分でギターにコーラスにと気合が入る!それにつけてもボン・ジョビは盛り上がるね~。
「次の曲はシブがき隊ファンにはお馴染みの曲です。
ナイト・レンジャーの『Don’t Tell Me You Love Me』。
シブがき隊が頂いちゃったんですよね…コレ、最高裁まで争ったらシブがき隊が負けます。
そんな曲なのにシブがき隊を訴えなかったナイト・レンジャー偉い!
やっぱりアーティストは心が広くないとダメだよね。
チョット文句言われたくらいで告訴とかしちゃイケないのよ。
でも『ヘアメタル研究会はワケわからない』とか悪口をポストするのはヤメてね!刑事訴訟しちゃうぜ!」
フーム、そうなのか…知らなかった。
どれだけ似ているのか気になって早速調べてみると、イントロのことね?…なるほど、コレは同じだわ。
ま、こういうのを探すのもまた楽しみのひとつでしてね。
私は年末にスゴイのを発見しましたよ。
イタリアのオザンナというバンドが「プロッグ・ロックの名盤」との誉れ高い1973年の『Parepoli』なるアルバムで、1962年のウェス・モンゴメリーの「Full House」というワルツ曲のテーマ・メロディを100%盗んでいた。
「ジャズの曲だからロックを聴く人にはわかるまい」と思ったんだろうね。
それとは別に、フランク・ザッパは『Chunga's Revenge』という1970年のアルバムで「Tell Me You Love Me」という曲をリリースしています。
ナニかに似てるでしょ?
ジャーニーとかボン・ジョビとかはゼンゼン知らないけど、パンク/ニューウェーブ以前の洋楽とジャズ全般のことなら任せておいて!ということでシブがき隊の「ZOKKON LOVE(命)」のイントロからナイト・レンジャーの「Don't Tell Me You Love Me」。
こういう風に書くと世界歌謡大将になっちゃうか?しかし、「♪Tell me you love me」と繰り返すクダリあたりはザッパの曲に引っ掛からなくもないな。
ま、色んないきさつはあるにせよ、問答無用のドライビング・チューンであることは間違いない!
パワフルなリズム隊が叩き出すグルーヴに乗って…
ギター2人のソロと…
アンサンブルがエキサイティングに展開する!
客席から湧き上がる大きな歓声にこたえるYOFFYさん。
残りあと1曲となったところでHARUKIさんから衝撃の告白!
「すごく言いヅラかったんですけど…ボクのカツラは『楽天』です!」 「ウッソ~!オレたち『へアー・フロム・アマゾン』よ~!
楽天かぁ!オレ、楽天となると箱が傷んで安くなっているポッキーを買う時だけだからナァ」
ココでウチワやらCDやら物販のご案内。
「皆さんのご貢献によって次のヅラが変わるか…ちょっとグレード・アップして中野ブロードウェイの専門店で買っちゃうかもしれません!
そして最後の曲は『だいじょうび、ボンジョビ』。
ボク昔、泉谷しげるさんに『だいじょうび、ボンジョビ』って直接言われたんです。
それを座右の銘として生きてきました。
分かる人にはわかると思いますが本当の話なんですよ!」オ~っと!
泉谷さんの話が出たところで脱線。
下は先日訪れた長崎の漁業市場の中にある「長崎水産食堂」という新鮮な魚を安く食べさせてくれるお店。 この食堂の壁に飾られていた写真のウチの1枚。
こうしてさかなクンとか泉谷しげるさんもお見えになっている。
そして、下の写真の向かって一番右で片腕を上げている人。
「まさか!」とは思ったけど…アタリ!
この人は「板谷達也」さんというドラマーなのです。
アダ名は「ダニ」。
こんな不鮮明な写真でナンでそれがわかるかというと、大学の時に所属していたジャズのオーケストラで1年半、毎日のように顔を合わせて一緒に演奏していた人なのです。
だからすぐにわかった。
とてもウマくてね~、ライド・シンバル1枚、スティック1本で猛然とスイングしちゃう。
私の結婚式の披露宴でもドラムスを演奏してもらった。
いつ下の写真を撮ったのかは不明だけど、ダニは現在も泉谷の片腕としてドラムスを叩いている。
「江戸の友達を長崎で」…港の食堂の壁で知っているヤツに出くわしかなりて驚いたわ!
魚も最高でした。 そんなワケで最後も「だいじょうび、ボンジョビ」で「You Give Love A Bad Name」。
お!コレは鬼奴のヤツじゃん!
大いに盛り上がる客席を前に5人は出番最後の熱演を繰り広げた!
「どうもありがとうございました!」
ヘアメタル研究会の詳しい情報はコチラ⇒オフィシャルサイトこの日、トリを務めたのはTAKANAGER CRUE。
「ドックン、ドックン」…心臓の鼓動音をバックに会場までの道のりを撮影した手の込んだビデオを放映した後、メンバー4人がステージに姿を現した。
このチームはモトリー・クルーのコピーがレパートリー。
1曲目は「Saints of Los Angels」。DONNI
TK
愛器はフェンダー…
そしてMarshall。
2台セットされたハーフ・スタックの奥の方の「DSL100H」と「1960A」を使用。YOU
HIMAWARI(以下「ヒマちゃん」)
このバス・ドラム!
なんか向こう側にスッポリと収まったヒマちゃんの居心地がすごく良さそうだな。しかし、LAは大変なことになってしまったネェ。
もうすぐNAMMショウだけど、あんな状況で開催できるのかしらん?
「You know where you are?!」
シーン。
「オマエハドコニキタ~?」
客席をアオっておいて…ブットいMarshallサウンドでTKさんがリフを弾くのは、Wild Side Tokyoで演る「Wild Side」!
スミマセン!
はじめにお断りしておきますが、モトリー・クルーもゼンゼン知らないんですわ…私、世代が古いモノで。
でも、このチームの3/4のメンバーさんを存知上げていたわ。
DONNIさんに初めてお会いしたのは、7年前、この会場の向かいのライブハウスだった。
あの時歌っていた人とは完全に別人だわ!
そういえばその日、ブックオフのトイレに車のカギを流してしまって大変な目に遭ったんだっけ。ストレートな低音でグイグイとバンドをプッシュするベース。
YOUさんもある撮影で一度ご一緒させてもらったことがあるの。ヒマちゃんのドラムスから「Looks That Kill」。
ヒマちゃんは昔から知ってる。
相変わらずのハデな叩きっぷりが見ていて気持ちいい!「トキオ!」とかけ声を挟みながらシャウトするDONNIさん。
やっぱりあの時とはゼンゼン違うゾ!ヌケの良い音で弾く「ロック・ギター然」としたギター・ソロがカッチリとハマる。
たて続けにイキのいいナンバーを3曲。
もちろん客席は一発で盛り上がった!「トキオ…タノシンデイルカ?…トキオ。
フロム・ロサンジェルス、トゥ・シンジュク・ギョエンジェルス。
タノシンデ、トキオ。
サケベ―、サケブ―、サケブトキ」
ココでメンバー紹介。最後に紹介されたヒマちゃんが叩くドラムスからそのまま…
「All in the Name of ...」へ。
胸のすくようなロックンロール・ナンバー!
ギター・ソロも飛ばしに飛ばして…
「Too Young to Faii in Love」をつなげた。
今度はミディアム・ファストのテンポでヘヴィに大騒ぎ!
なるほどネェ。
モトリー・クルーが好きだという人が私の周囲にも少なくないけど…わかるわ。「タノシムカイ?トウキョウイキテル?
タノシムノカ?イキテルカ?」
コレに時折挟み込まれる怪しい英語…でも、エラそうに言うワケでは決してないけど、DONNIさんは結構英語を勉強しているでしょう?
「chaos」を「ケイオス」と発音したり、勉強していなければ出て来ないであろう単語や慣用表現を口にしていたからね。
ホントはペラペラなのか?TKさんが弾くMarshallの威力を見せつけるようなハードなリフは「Live Wire」。
タイトル通りまさにエネルギーに満ち溢れた1曲!
すさまじいパワーでどこまでもスッ飛んでいく向こう見ずな疾走感がタマらないね。
「♪Live wire」の絶叫もバッチリとキマった~!
「タノシンデマスカ?トウキョウ。
英語が苦手になってきました。
もっと大事なモノが…ジャジャン!」DNNNIさんの合図とともに背面のスクリーンに浮かび上がったのはオリジナルTシャツ。
「絶賛制作中!…欲しい人いますか?
コレを着て丸ノ内線に乗る勇気はあるか?
JR新宿からココまで歩けるか?」
ホントにモトリー・クルーが好きなのね?そして、人事異動。
ヒマちゃんがドラムスから離れて腰を下ろした先はキーボード。
バラード「Home Sweet Home」を演奏。
上に書いた通り、ヒマちゃんのことは昔から知っているけど、鍵盤楽器を奏でるのを目にしたのはコレが初めてのこと。どれぐらい前からヒマちゃんのことを知っているのかというと、最近、こんなチラシを引っ張り出して来てくれた人がいた。
MarshallとシンバルのZildjianのデモンストレーションをDustar-3にお願いして札幌や鹿児島まで行ったことがあった。
私はこのイベントの司会を務めさせてもらった。
下がその「パンツロックサマーセミナー」の札幌公演の告知チラシ。
2005年だって…この時から20年の時が過ぎただなんてとても信じられん!
この時は楽しかったナァ。ガラリと雰囲気を変えてヒマちゃんのピアノをバックにシットリと歌い込むDONNNIさん。
そして「♪与作~!」。ウマい!
詳しくは今回のレポートの<前編>をご覧あれ。 今度は白衣を着けたDONNNIさん。
コレ、グッズを演奏している間もスクリーンに映しておくってのはいいアイデアですナァ。曲は「Dr. Feelgood」。
だから白衣なのか…カッコいい曲だよね。YOUさんを診察して…
最後の曲に取り掛かった。
出番を締めくくったのは「Kickstart my Heart」。
問答無用のドライビング・ナンバーに4人が燃え上がる!
「ロックの権化」ともいえるような曲と演奏でTAKANAGER CRUEのステージも盛り上がった~!
なるほどね…モトリー・クルーの曲を初めてこんなにまとめて聴いたけど、私たちの世代で言うと『Rocks』の頃のエアロスミスって感じかな?
もし、10歳若かったら私もモトリー・クルーに夢中になっていたことでしょう。そしてアンコールは3バンドのメンバー入り乱れてのセッション!
曲はこの手のシチュエーションで出て来る確率が高いKISSの「Rock and Roll All Nite」。
なんたって無条件で盛り上がるからね。
各チームからシンガーが登場して…ギターはSUSSYさんがTKさんに合流。
ロック・ファンなら誰でも知っている曲だけあってみんな大喜び!
こうして終始熱気に包まれた第1回目の『MERGE FES』が幕を下ろした。
次回も楽しみにしています!<おしまい>
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<K.B.B.>
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