Marshall Blogに掲載されている写真並びに記事の転載・転用はご遠慮ください。
【マー索くん(Marshall Blog の索引)】
【姉妹ブログ】
【Marshall Official Web Site】
【CODE/GATEWAYの通信トラブルを解決するには】

« 恐るべき電気の騎士達 <後編>~MOMO & THE SHOCKERS | メイン | 金属恵比須~邪神"大和田千弘"覚醒 <後編> »

2024年9月 2日 (月)

金属恵比須~邪神"大和田千弘"覚醒 <前編>~私の「日本映画と音楽」

 
4月末の『猟奇爛漫FEST vol.6』に続く金属恵比須の単独公演のレポート。
今回はキーボーズに烏頭(うず)の剛腕ピアニスト、大和田千弘を迎えての『邪神覚醒』。10「烏頭」って「トリカブト」のことなのか…知らなかった。
トリカブトと言えば、華岡青洲。
有吉佐和子の『華岡青洲の妻』は原作、増村保造の映画、ともに素晴らしいのし。
と、今回のレポートの冒頭は金属恵比須の総裁、高木さんの許可を得たうえで比較的ドップリと映画の話題をお送りしたいと思うのし。
「…のし」は有吉さんの出身地で頻繁に作品の舞台に登場する和歌山の方言だのし。Hst その前にひとつご報告。
前回「玉川上水」のことに触れて、その普請に当たった「庄右衛門」と「清右衛門」の玉川兄弟を描いた井上苑子という女流作家が著した小説を読んでみよう…と書いた。
で、実際に読んでみた。
下の写真の通り、文庫で600ページにも及ぶなかなかの大著だ。
で、読んで驚いた。
いつもMarshall Blogに書いている通り、私は「吉村昭友の会」に名を連ね、長崎や宇和島など小説の舞台を訪れることを大きな楽しみのひとつにしているほどのファンであるゆえ、つい吉村先生の作品のような緻密な取材に基づく玉川水道建設の苦労譚を期待していた。
ところが、ツラツラと読み進めてみすと、100ページを過ぎても、200ページを過ぎても段取りに奔走する兄弟の姿が描かれているだけで一向に工事が始まる気配がない。
確かに昔も今と同じで、大事業にはつきものの利権騒動が絡んだり、岩盤に当たって開削工事の進路を阻まれ取水地が2度も変更になる経緯もあった。
しかし、300ページが過ぎ、400ページが過ぎても工事が本格化してくれない…オイオイ、コレで取水地の羽村から四谷まで43kmもの難工事の記録を網羅できるんかいな?…と読んでいていよいよ心配になってきた。
するとどうだろう、最後の残すところ100ページぐらいの時点でほぼいきなり「ハイ、工事終わり!完成~!」と相成ってしまった。
ナンじゃコリャ?間はどうしたんだ?
これでは推理小説で事件が起こって全く操作なしで犯人を逮捕するようなもんですよ。
この内容であれば吉村先生だったらきっと30ページぐらいで書いちゃうな。
ってんで作者ご本人のあとがきを読んでみると、この工事は残されている記録や情報が極端に乏しく手も足も出せなかったらしい。
そんな環境の中で600ページもの大作を著した井上さんがエライのか、強引に書き通してしまった井上さんがヒドイのか私にはわからないが、コレで終わってしまうのもチト気の毒に思い、井上さんの著書を他に何冊か買ってみた。20そのウチのひとつがコレ。
まだ読んでいないんだけど、何でもNHKの大河ドラマになったという「川上貞奴」に関する一編。
30貞奴はMarshall Blogの犬神サアカス團の記事内で連載している『私の谷中墓地』で「オッペケペー」の「川上音二郎」のことを調べていて興味を持った明治時代に活躍した「日本で最初の女優」とされる人。
芸妓時代には伊藤博文や西園寺公望からヒイキにされ、女優になってからは音二郎と共に欧米を巡演し、ロダン、ドビュッシー、ピカソ、ジイドらが彼女を演技を称えたというのだからスゴイ。
120年以上前の話。
下は谷中墓地にある川上音二郎の顕彰碑。
肝心の音二郎の銅像部分は戦時中に供出されてそのままになっている。35vところは替わって下は「木曽路はすべて山の中である」で始まる島崎藤村の『夜明け前』の舞台、長野県木曽は南木曽(なぎそ)の読書(よみかき)地区。
立派な橋が木曽川にかかっているでしょう。
パッと見はまるでマンハッタンのイースト・リバーに架かる「ブルックリン橋」。40この橋は手前の石に刻んである通り「桃介橋」といって、明治末期から昭和初期にかけて日本の電力業界を取り仕切り「電力王」の異名をとった「福澤桃介(ももすけ)」が架けた橋。

50渡ってみるといよいよブルックリン橋!
この桃介、元の名字は「岩崎」といった。
慶応義塾を出た後、福澤諭吉の次女と結婚して婿入りし「福澤」姓を名乗るようになった。
ところがこの桃介、晩年には正妻をヨソに貞奴と良い仲になってしまって、どこへ行くにもいつも一緒という始末。
諭吉相手にいい度胸しているな…と思ったが、諭吉も音二郎も亡くなった後のことのようだ。
だからOKというワケではありませんよ。
…ということを予てより知っていたので井上さんの本を読んでみようと思ったワケ。60ついでに藤村が出て来たところで…あ、藤村の実家は木曽の馬籠の庄屋さんだわ…ついでに書いておくと、大東亜戦争の際「生きて虜囚の辱めを受けず」と謳って夥しい数の悲惨な事件の元凶となった『戰陣訓』という訓令があるでしょ?
この訓令を推敲した何人かのウチの1人が島崎藤村だったそうだ。
他の先生は郵便で事を済ませたが、藤村はワザワザ出かけて行って編集担当者に面談のうえ「オリジナルの文章は固すぎてよみにくい」と熱心に指導したらしい。
確か徳富蘇峰もこんなことをやっているんだよね。Sjkさて、ライブの当日は下にある作曲家の「伊福部昭」の生誕100年を記念するコンサートの告知チラシが会場で配られた。
アララ、ダメよ。コレは素通りできません。
伊福部さんとくるのであれば「日本の映画音楽」について少し書かせてもらわなきゃ。
この先しばらくその辺りのことが続きますので興味のない方はどうぞグワ~っと画面をスクロールしてくださいね。70v伊福部さんと言えば一般的には何といってもあの4/4と5/4拍子を組み合わせた「ゴジラのテーマ」の作者として知られているのであろうが、もちろん元はチャンとしたクラシック音楽の作曲家だ。
「武満徹」なんかもそうだけど、ほぼ独学だというのだから驚いてしまう。
そんな作曲家が映画音楽の世界に足を踏み入れたのは1947年(昭和28年)の『銀嶺の果て』。
同じ北海道出身で仲もよかった作曲家「早坂文雄」の口利きだった。
三船敏郎のデビュー作となったこの映画、音楽がどうだったかはサッパリ覚えていないけど、黒澤さんが脚本を書いているのでとてもオモシロいです。
80fこの作品を手始めに伊福部さんはありとあらゆる映画の音楽を担当した。
日本の映画は昭和33年に早々とピークを迎え衰退の一途を辿ったが、昔は一番の娯楽としてまさに玉石混交、アホほどたくさんの映画が作られた。
当然それぞれの作品には音楽が不可欠なわけだが人出が足りず、武満徹や「佐藤勝」などはずいぶん早坂文雄のゴーストをやったらしい。
で、チョット意外だったのは、伊福部さんは新藤兼人の監督作品の音楽をいくつも手掛けているんだね。
私は乙羽信子が好きなので新藤さんが監督した映画の大半は観た。
新藤さんは収益重視の大手映画会社の方針を嫌って「近代映画協会」というインディーズの制作会社を設立して、チョット変わった題材の映画を作った。
いわゆる「独立プロ」というヤツ。
下は私が観たその「新藤+伊福部」コンビの作品。
一風変わった作風でどれもオモシロい。
新藤さんは1952年の監督2作目の『原爆の子』から合計10作品で伊福部さんとコンビを組んだが、1959年の『第五福竜丸』以降は「林光」の音楽に替わった。
脚本家と作曲家ということではその後も『銀座の女』や『その壁を砕け』などという作品で一緒に仕事をしている。
000_shindo新藤さんは元々は脚本家で溝口健二の薫陶を受け、世界の戯曲をトコトン研究した人だけあって文章がとても上手で著書はどれもオモシロい。
ところがどの本を読んでも伊福部さんのことには一切触れていなかったように記憶している。
いつも新藤さんは製作費で困っていたのでギャラの問題でもあったのかネェ?
下はウチにある新藤さんの著書。
『祭りの声』という岩波の黄色い新書ね、広島からアメリカへ移民し、戦時中にはカリフォルニアの強制収容所に入れられたお姉さんの苦労話を綴っているんだけど、感動しますよ~。
青い岩波新書は師匠の溝口健二の評伝『ある映画監督』。
コレも滅法オモシロかった。
この本は後に『ある映画監督の生涯 溝口健二の記録』というタイトルで新藤さん自身がドキュメンタリー映画にしたが、溝口映画を知る人にはタマらないであろう。
溝口健二といえば世界に名だたる大巨匠ですからね。
黒澤さんが「溝さんはコワいよ。ボクなんか優しいでしょ?」と言ったほど厳しい人で知られた。
何しろ撮影スタジオに一旦入ると一切外に出ることはせず、尿瓶を持ってその場で用を足していたという。
100さて、その黒澤さんと伊福部さん。
黒澤さんが撮った30本の作品のウチ、1作だけ一緒に仕事をしている。
それは進駐軍が入り乱れて「来なかったのは軍艦だけ」と言われるほどに激化した1940年代末の有名な「東宝争議」の時に大映で撮った『静かなる決闘』。
戦地で負傷兵の血液から梅毒に感染してしまった軍医が婚約者と結婚することができなくなり思い悩む話。
本来であれば黒澤さんとはツーカーの仲だった早坂文雄が音楽を担当するところだったが、「作曲家まで東宝から連れて来た」と言われるのを避けるため、『銀嶺の果て』の監督の谷口千吉が伊福部さんを紹介したらしい。
ところが、伊福部さんによると、どうも黒澤さんは伊福部さんのことに親近感を持っていなかったらしく、相手がいつもの早坂さんであれば血みどろの戦いを経て音楽を付けるところだが、黒澤さんは何の注文もして来なかったそうだ。
また、伊福部さんもこの作品についてはやや批判的な意見を残している。110f_2やっぱり黒澤映画の音楽といえば、早坂文雄→佐藤勝→武満徹→池辺晋一郎という系譜だもんね。
伊福部さんのイメージはないな~。
そんな流れをまとめた5枚組のCDボックスセットが家にあるんだけど、100年に1回ぐらいしか聴かない。
直接映画を観ちゃうことの方が多いから。008a0546 黒澤さんとはダメでも伊福部さんは他にスゴイ映画の音楽をたくさん担当されているから大丈夫。
例えば、広島出身の月丘夢路さんが反原爆を訴えるためにノーギャラで主演した『ひろしま』。
溝口健二が原案を作り、自身で監督するつもりが白血病に罹患してしまい叶わなかった『大阪物語』。
この映画はヤケクソにオモシロいよ。
今東光の『惡名』だって、子母澤寛の『座頭市物語』だって伊福部さんだ。
それと、私は「熊井啓」ってチョット苦手なんだけど、田中絹代の演技がスゴいのに感動した1974年の『サンダカン八番娼館 望郷』も伊福部さん。
映画の音楽は編集が終わった段階で一番最後に映像に引っ付けるのが普通なんだけど、熊井さんによれば、伊福部さんは撮った映像の全てに目を通してイメージを膨らませて音楽をクリエイトしていたそうだ。
もちろん他にも山ほど映画音楽作品を残しているけど、ココでは自分が実際に観た映画だけについて触れました。
そんな伊福部さんの生誕100年を記念するコンサートの告知チラシが金属恵比須のライブ会場で配布されていたというワケ。
000_miscさて、今度は京橋。
ココに「国立映画アーカイブ」という映画の資料館がある。Img_0490この施設の特別展で昨年『和田誠 映画の仕事』という企画が催され見に行ったのだが、大変にオモシロかった。Img_0101 で、同じく『日本映画と音楽』という特別展がチョット前まで開かれていた。Img_0492_2まぁ、日本の映画が好きな人は一度行ってみるといい。
私は父親の影響で10歳に満たない頃からドップリと映画にハマり、ズ~ッと洋画一辺倒だった。
ところが、こうして歳をとってみると昔の日本映画がタマらなく好きになっちゃいましてね…。
上に登場している映画は、黒澤作品以外はココ数年の間に観た作品なんですよ。
まぁ、月並みだけど、トーキーになってからの小津安二郎作品はほぼ全部、溝口健二、木下恵介、成瀬巳喜男の作品もかなり観たわ。
もっとたくさん観たいんだけど、観る術がなくて困っている。
ちなみに『トパーズ』を除いたヒッチコックのトーキーとキューブリック、それに寅さん(2周)も全作品観ています。
洋画に関してはフランク・キャプラ、ビリー・ワイルダー、ウィリアム・ワイラーの作品は死ぬまでに1本でも多く観ておこうとしている。
そんなだからこの「国立映画アーカイブ」に入り口に飾ってあるこの幟を観ただけで大興奮なんですわ。
せっかくの機会なのでチョットだけ中をご案内させてくださいまし。Img_0287常設展では日本の映画の開闢以来の歴史を紹介している。
戦時中の映画界の様子だとか実に興味深い。
Img_0503「戦時中」といえば、もちろん甘粕正彦の「満州映画」にも触れている。290 メモラビリアもチョコチョコ展示してあって、コレは絹代さんの愛用の文房具。
鎌倉の御殿で使っていたのであろうか?Img_0555溝口さんのデスマスクとか…。Img_0633「観た、観た!」なんてやりながら飾ってあるポスター類を見て歩くのも楽しい。
コレは溝口健二の最高傑作の呼び声も高い『西鶴一代女』。
『The Life of Oharu』として「ヴェネツィア国際映画祭」で「国際賞」を獲得した。
メチャクチャ良い作品です。
コレとか『雨月物語』とか、『山椒大夫』とか、『噂の女』とか、『赤線地帯』等の溝口作品は誰に薦めてもゼンゼン恥ずかしくない。Img_0630伊福部さんの『ゴジラ』も当然飾ってある。
この作品に出演している平田昭彦はお公家出身の久我美子のダンナさまで東大出身。
「死神博士」の天本英世とか、山村聰とか、増村保造とか、山田洋次とか、昔の映画界には東大出がゴロゴロしていた。
それゆえ上智大学出身の井上ひさしは映画界に入ることを諦めたと自身が語っている。
知ってた?
ヤクザ役をやらしたら天下一品の成田三樹夫も東大なんだよ。Img_0657「廻れば大門の見返り柳いと長かれど、お歯黒溝に燈火うつる三階の騒ぎも手に取る如く…」…いいもんですよね?
樋口一葉の「にごりえ」他の作品をオムニバスにした巨匠今井正の『にごりえ』。
芥川比呂志、久我美子、淡島千景、宮口精二等の競演がヨカッタ。
Img_0659撮影時のスナップ写真も楽しい。
コレはその今井正監督の『ひめゆりの塔』かな?
真ん中は『七人の侍』で「志乃」を演じた津島恵子。
向かって右は『ひめゆりの塔』の作品のヒロインを演じた香川京子。
時々女優さんは花嫁衣裳を身にまとったシーンを撮影するでしょう?
『晩春』の原節子、『秋刀魚の味』の岩下志麻、『笛吹川』の高峰秀子、『紀ノ川』の司洋子、『赤ひげ』の内藤洋子、『男はつらいよ』の「さくら」ちゃん、とそんなシーンは枚挙にいとまがなく、皆さん究極的に美しい。
でもダントツに可愛かったのはナンと言っても成瀬巳喜男の『おかあさん』の香川さんだな~。
ま、好みもあるだろうけど、本当にカワイイ。Img_06543年前に香川さんが舞台挨拶をされる『ひめゆりの塔』の上映会に行ってご本人の著書にサインを頂戴した。
もちろんウチの家宝である。
実際の香川さんは終始ニコニコとしていらして、品があって、背がスラっと高く、姿勢も良くて、鈴を鳴らすような声でしゃべる姿はとても90歳のお婆ちゃんには見えなかった。
香川さんは『どん底』、『悪い奴ほどよく眠る』、『天国と地獄』、『赤ひげ』、『まあだだよ』と5本の黒澤映画に出演しているが、一度も怒られたことがないらしいよ。
そりゃそうだよ、カワイイもん。怒れないよ!
000_kkb で、その「日本映画と音楽」展。
ほとんどの展示が写真NGだったのが残念だった。
「著作権がどうの」とかいうのが理由らしいが、撮影した展示物で何かを作って金儲けを企む輩がいるというのか?
文化的民度の低さが出ますナァ。イギリスを見習いたまえよ。
入り口には小津さんの『東京暮色』。
コレ、ネコちゃん(有馬稲子)がかわいそうなんだよね。Img_0662もちろん伊福部さんのコーナーあり。
Img_0670当時の気鋭の作曲家たちのコーナー。
日本映画の音楽って黒澤明の早坂文雄や佐藤勝、木下恵介の木下忠治(実弟だから)、成瀬巳喜男の斎藤一郎、新藤兼人の林光みたいな定番コンビもあったが、手あたり次第に色んな作品の音楽を手掛けている作曲家もいて、その代表は黛敏郎と芥川也寸志ではなかろうか?
黛さんは溝口、成瀬、川島雄三、市川崑と超ヴァ―サタイルな仕事をこなしていて、観る映画、観る映画片っ端から音楽が黛さんだったりする。
Img_0671もう1人は黛さんと團伊玖磨で「三人の会」という会派を組んだ芥川也寸志。
もちろん芥川さんは龍之介の三男坊で、長兄が上の『にごりえ』なんかにも出ていた俳優の芥川比呂志。
最初の方で紹介した伊福部さんが音楽を担当した『銀嶺の果て』でピアノを弾いていたのは也寸志さんだったんだって!
Img_0674下の写真の真ん中にある『煙突の見える場所』という1953年の五所平之助の作品ね。
写真は高峰秀子、デコちゃん。
Img_0673デコちゃんの可愛さは言うに及ばず、コレも絹代さんがスゴクよくてね~。
「歯が痛い」と言って箸で痛む歯を突っつくシーンがあるんだけど、そういうチョットしたしぐさがものすごく自然で上手なんですよ。
この作品は芥川比呂志も出演し、芥川也寸志が音楽を付けている。
とっても好きな1本。1953この映画に出て来る「煙突」というのはコレ…「東京電力千住火力発電所」のこと。
大正15年から昭和38年まで稼働していた。
見るロケーションによって4本の煙突が3本に見えたり1本に見えたりすることから「オバケ煙突」と言われた。
私の父は時々この煙突を思い出しては自分の持ち物でもないのに自慢げに話しをしていた。
東京も昔はこんなモノが町に中にあったんだネェ…と言っても周りにはナニもないけど。
東京を舞台にした昔の映画には時々このオバケ煙突が出て来る。
成瀬巳喜男とデコちゃんの『女が階段を上る時』なんかもそうだった。
でも、実はこの発電所には「浅草火力発電所」という前身があって、関東大震災で壊滅する以前は明治の昔から蔵前で石炭を燃やして発電していたそうだ。
ま、隅田川があるからね。
発電所ってのは、水力はもちろん、火力でも原子力でも水源が近くにないと作れないんよ。
この浅草発電所で作られる電気に則って日本の交流電気の周波数が50Hzになった。
で、この千住火力発電所…Tdロンドンだったらコレだからね。
『四重人格(Quadrophenia)』であり、ピンク・フロイドであり。

OpAn
この4本の煙突を擁する建物はテムズ川南岸にある「バタシー発電所(Battersea Power Station)」。Img_0246これらの写真を撮ったのはもう20年近く前のこと。
近くにゴミ処理場があって生ゴミ臭かった。
ところが、ロンドンのビクトリア駅まで電車でひと駅という立地から再開発が始まって、2年前に近代的な巨大複合施設になってしまった。
だからこの時に行っておいて本当にヨカッタと思っている。
「ロンドンは建築家によってナチスの空爆より多大な損害をこうむった」…コレは現在のイギリス国王のかつての言葉。
たった20年しか見て来ていない私ですら大きく変わってしまったと思うロンドンの様子をチャールズが嘆くのはよくわかる。
でも、それを言うなら「東京」だよね~。
関東大震災と東京大空襲は仕方ないとしても、東京はオリンピックで自らを破壊しつくしてしまったんだよ。
Img_0254「国立映画アーカイブ」の帰りがけに目に留まったポスター。
あっら~、こんなのあるのね?行きて~!
浜松か…そう簡単には行かれないないな。
木下さんは浜松の大きな漬物屋さんの息子さんだっただからね。
それでいて大の漬物ギライ。
いつもニコニコしている木下さんだけど、ロケ弁に漬物が入っていると一気に起こり出してその日の撮影が中止になることもあったとか。
だから周囲のスタッフは弁当を木下さんに渡す前に必ずフタを開けて「漬物チェック」をしたのだそうだ。
そういえば、木下さんは日本で初めてのカラー映画『カルメン故郷に帰る』を作り、その続編の『カルメン純情す』では全編カメラをハスにして撮ってみたり、深沢七郎の『楢山節考』を歌舞伎仕立てにしたり、『笛吹川』ではワザとモノクロで撮って後から部分的にフィルムに色を入れたり、とかなり実験的な姿勢で映画を製作していた。
実弟の木下忠治と組んでそれらの映像に付けた音楽もかなり独創的だった。
『二十四の瞳』では全編を唱歌だけで固めたり、『永遠の人』という作品では聴いているこっちが赤面してしまう変な日本語のフラメンコにしたり、『死闘の記録』ではアイヌのジョー・ハープ「ムックリ」だけを使ってみたりしてヴィジュアル、サウンドとも進取の気性に富んでいた。
この木下さんの記念館と下関にある「田中絹代ぶんか館」にはいつか行ってみたいと思っている。Img_0676_2ハイ、終わり。
ご覧頂いてくださった皆さんにはココまでのところをきれいサッパリ忘れて頂いて吉祥寺へGo!
 
で、会場のシルバーエレファントに到着。
場内は立錐の余地がない満員状態。
定刻前、まずはいつも通り高木さんの前説から…
 
「今日はお暑い中お集まり頂きありがとうございます。
初めて金属恵比須をご覧になる方はいらっしゃいますか?
あ、ありがとうございます。
それではココでリーダー自らが金属恵比須のライブのルールをお伝えします。
カリスマ性のカケラもないリーダーで申し訳ございません」
20「まず、SNSへの投稿は自由になっておりますので、写真はいくらでも撮ってくださって結構です。
動画も1曲フルとかではなく、常識の範囲内であれば撮って頂いても構いません。
ただし、撮ったモノは個人で楽しむのではなく必ずSNSで公開してください。
今回のライブはいくつかの媒体でレポートされます。
先ずは『CDジャーナル』に自分でレポートを書きます…自作自演です。
それから『MONOマガジン』…コレも自作自演ですね。
さらに『レコードコレクターズ』さん…コレはボクは書かないので公平な記事になります。
そして、いつもレポートして頂いているMarshallとドラムスのNATALでおなじみの『Marshall Blog』。以上の4つの媒体にレポートが出ますのでお楽しみに」
高木さん、ご案内ありがとうございます!
30v「本日はレコーディングをします。
演奏が壊滅したらもう1回やり直したりするかもしれません。
その時は笑って優しい目で見てください」
そして、この日「おとみやげ」というデモ音源を収録した手作りCDが5個限定で販売されることをお知らせした。40そして、ショウがスタート。
まず舞台に上がったのは4人。
高木さんの指揮で冒頭でご登場頂いた芥川也寸志の作による『八つ墓村』の挿入曲の「呪われた血の終焉」のオケと合奏。
コレも金属恵比須のルーティン。
否が応でもこれから始めるステージへの期待が高まるというものだ。
確か『八つ墓村』は中学生の時、安藤くんといっしょに内幸町のイイノホールで開かれた日刊スポーツ主催の試写会で観たな。
コレ、脚本は橋本忍だったのか…。
当時、角川の宣伝戦略が当たり当たって横溝作品が爆発的な人気だったんですよ。
黒地に緑のフォントをあしらった文庫本の装丁の意匠が魅力的で私も通学の電車の中で結構読んだ。
映画も『女王蜂』あたりまでは安藤くんが誘ってくれる日刊スポーツの試写会で観た。
『女王蜂』は中井貴恵のデビュー作で、上映前に時舞台挨拶をした。
それで覚えている。
今では超カッコよかったお父さんが出ていた映画をしょっちゅう観ています。
50高木大地60v稲益宏美70v埜崎ロクロウ80v後藤マスヒロ90vバンド・アンサンブルを経て高木さんが弾くリフから「罪つくりなひと」。
2018年発表の『武田家滅亡』からの1曲。S41a0135 「♪さよなら、さよなら」
全編を貫く物悲しいメロディを稲益さんが歌い込み…100高木さんのソロがフィーチュアされる。110高木さんはもちろんMarshall。
今日も愛用の「1959SLP」と「1960A」の組み合わせだ。120vロクロウくんのクランチーでゴリンゴリンのベースと…130vマスヒロさんの「歌うドラミング」が鉄壁のリズム・コンビネーションを生み出す。140マスヒロさんはNATAL。
コンフィギュレーションは10"、12"、14"、16"、22"という「偶数ゾッキ」。
フィニッシュはタバコ・サンバースト。
ちなみに「ゾッキ」とは群馬地方の方言で「お揃い」という意味。
新品の本に赤い線を入れて大きく値引きして販売しているのを時々見かけるでしょ?
ああいうのを「ゾッキ本」という。
売れ残った同じ(お揃い=ゾッキ)本をまとめて安く販売して「新古本」として取り扱わせるビジネスだ。150続いても高木さんのリフからミディアム・スローのヘヴィ・ナンバー「鬼ケ島」。
リード・ボーカルズも高木さんだ。160_ogs高木さんの歌にピタリとハーモニーを重ねる稲益さん。240稲益さんの傍らの「三寸」に目をやると…おお!「Mellotron」!
元より私は鍵盤楽器に全く詳しくはないのだが、こんなコンパクトなメロトロンがあるのか。
「メロトロン」といえばその原始的かつ前時代的な構造ゆえ、とても壊れやすく取り扱いに細心の注意が必要な楽器の代表格と言えようが、コレならバッチリだ。
0r4a0197 ところで「三寸(さんずん)」というのはナンのことか知ってる?
「三寸」というのは、お祭りや縁日に出ている露天商が使う台のこと。
下の写真の赤いヤツ。
お祭りに行けば必ず目に入るでしょ?
露天商の方々はコレがないと商売にならない。
ギタリストで言えばアンプみたいなもの。
つまり「三寸」は「テキ屋のMarshall」というワケだ。
稲益さんもメロトロンやハンド・パーカッションを置いておく台がなければ演奏できないので「三寸」に例えたワケ。
下の写真は奥にスカイツリーがチョコッと見えている通り浅草寺の境内で撮ったモノ。
まず「三寸」に屋台を支える柱を取り付ける…この柱のことを「屋台骨」と言う。
博徒の方々はビジネスを展開するエリアを「シマ」と呼ぶが、そうした皆さんと異なる香具師(やし)、つまりテキ屋の皆さんは「庭場」という。
そして、こういう有名な神社や大きな祭りの現場の場合は「高市」という。
「高市」ったってどっかの議員さんじゃないよ。
「高市」と書いて「たかまち」と読む。
栃木の小山にこの三寸を作っている業界では有名なメーカーがあるんだけど、その名を「タカマチ産業」という。
190ココはずいぶんユッタリしているけど、何しろこの類のお仕事は場所が命。
昔は10cm違うだけで売り上げが30万円増減したとか。
何しろ「テキ(的)屋」の語源は「的に当たると大きい」ということかららしいから。
調べて見るとなかなかに大変な商売であることがわかる。
とても寅さんみたいなワケにはいかない。
最近では「インスタ映え」がするように商品の見せ方にも大変気を遣っているそうだ。
ナゼなら若い人たちは重要なお得意さんで、三寸の上の写真を撮ってはSNSにポストして「このリンゴ飴おいしい~!」とやってくれて、その評判で客数が変わってくるんだって。
反対に「この店キッタな~い!」などと悪評が立ってしまうと命取りになりかねないのだそうだ。
「国の始まりがヤマトの国なら…」なんて寅さんもご存命であればYouTubeで啖呵を切っていたのであろうか?200 右手の手袋をハズしてメロトロンを奏でる稲益さん。
やっぱりこの手の音楽にはメロトロンの音色が不可欠だね。
チョット鳴らすだけでも雰囲気が全然変わって来るから不思議だ。
1806/4拍子のトリッキーなパートから…
220vロクロウくんがリードする3連のハードなパートへ。210v高木さんのソロも暴れまくる起伏に富んだいかにも金属恵比須らしいナンバー。230v「みんな暑い中ありがとう!オ~イエイ!
ビックリするぐらい暑くて皆さんも来るのが大変だったでしょう?
今、大丈夫ですか?涼しいですか?ヨカッタ~。
ついにマスヒロさんと私はネッククーラーを付けました。
暑すぎて話題が『暑い』しかない!」
250v「はい、ということで今日は特別ゲストを迎えております…塚田円!
違う、違う、大和田千弘で~す!」
260v大和田さんご登場!
「よろしくお願いします!」
何とも明るい雰囲気がステキ!
大和田さんにお会いしたのはこの時が初めてだったんだけど、失礼ながらゼンゼンそういう感じがしない最高に気さくな方。
サウンドチェックの前にマスヒロさんとMagmaのお話をされていて、なんのためらいもなく話に割り込んでしまった。
あの時は失礼しました。
さらに、私は「マグマ≒ストラヴィンスキー論」を勝手に唱えていることから、「釈迦に説法」よろしくストラヴィンスキーの「結婚(Les Noces)」という曲を強力におススメしてしまった。
千弘さん、聴いて頂いたかナァ?S41a0739 「まず演ります曲は『虚無回廊オープニングテーマ』でございます。
コレ、毎回ライブでネタになっているんですが、人気のない曲の筆頭なんです。
でも、ボクは1番好きなんです。
今回はワガママでチョット演らせて頂こうかなぁ~と思います」
高木さんが着ているTシャツ、『マタンゴ』なのね?
アレも夢中になって観たな。
キノコと言えば、今でもシイタケは食べられないけど(ダシはOK)…。
60年代って『吸血鬼ゴケミドロ』とか変な映画がたくさんあったね。
どれもオモシロかった…こっちは子供だったせいもあるけど。
310v「今回はキーボーズを3つのパートも分けてアレンジし直しました。
自分で作った曲なのに覚えきれないので初めて楽譜を見て演ります。
でも、小澤征爾かなんかの本に『楽譜は暗譜じゃいけない』って書いてあったんですよ。
作曲者の思いがその行間に隠れてるから必ず楽譜を見ながら指揮をしなきゃいけない…っていうんですね。
だから作曲者の行間を読もうかと思いましてね」
…って自分が作った曲でしょうに!
小澤さんも同じだったんでしょうけど、カラヤンなんかも毎日楽譜を6時間読んでいたという話ですよ。
楽譜って書く時と読む時に使う脳ミソが違うんだよね。
私も昔ハコバンをやっていた頃、バンドのメンバーに渡すコピー譜を書くのがとても好きだったけど、譜面を読むのは大っキライだった。
左右の脳ミソのバランスが悪いから。
高木さんなんはこのバランスがすごくうまく取れているに違いないのだ。300大和田さんが弾く不吉なピアノから『虚無回廊オープニングテーマ』が始まる。
左手の和音が気持ちイイ!
320_kk大和田さんのピアノのアルペジオに稲益さんのメロトロン、
350vそれに高木さんが弾くシンセサイザーのメロディが重なる。
アリス・クーパーの『Welcome to my Nightmare』という名作に「Steven」というリード・チューンがあって、その前奏曲的に「Years Ago」という3分にも満たない小品が配置されている。
コレがものすごく印象的に残るワルツで、高木さんが弾くメロディを聴いていてそれを思い出してグサっと来てしまった。
ちなみにこのアルバムに収録されている「Cold Ethyl」という「ネクロフィリア」をテーマにしたハード・ロック・チューンは、かのスラッシュをして「世界で一番カッコいいギター・リフ」と言わしめた。
コレには私も同感です。
340v3人のキーボーズ…おお、コレは素晴らしい!
行間が見えて来たぞ!330そして、大和田さんの破壊力バツグンのピアノ・ソロ!

ところで、ナンだって「この曲の人気がない」って言うのよ?
誰がそんなこと言うのよ?
私なんかにはとても魅力的に響きますけどね。
370バンドがデクレッシェンドしたところに気合一発!
Marshallから繰り出される轟音リフ!380_msja久しぶり…というか、前回のショウでは取り上げられなかった「魔少女A」。390「♪ズンズクズンズク」という王道ロック・ビート。440vシャープなフィルひとつひとつが心地よいマスヒロさんのドラミング。
我ながらNATALの音っ

ていいナァ。
イヤ、叩き手が良いのだ!
420フーム、この手のビートの曲をピアノで演奏するとこういう感じになるのか。
とてもいいですな~。
以前、ディープ・パープルのステージでドン・エイリーが生ピアノで全曲演奏したとかいう話を聞いたことがあるが、こんな感覚だったのではなかろうか?
さすが「楽器の王様」だ。
410レスポール・モデルに持ち替えた高木さんのソロというよりコンパクトな間奏。
430v 稲益さんは歌だけでなく、後半ではメロトロンを操って曲を分厚く彩った。
400vアウトロで大和田さん大爆発!
問答無用でカッコいい!
S41a0295 「大和田千弘!
ヤバイでしょ!コレはなかなかないっすよ。ホントにみんな来てヨカッタね!
リハーサルの時から大興奮だったもんね。
リハは1回しか演ってないんだよ…でももう仕上がっちゃてる!
あとお互いにネコちゃんを飼っているのその話題で盛り上がれます」
450v「大和田さん曰くだんだん乳酸が溜まっていくセットリストですね。
だんだん激しくなっていきます。
ゼヒとも復習は『おとみやげ』を買って、アーカイヴを観て…。
さて、次の乳酸が溜まる曲いきましょうか」460v曲は「躑躅ヶ崎館」。
現代音楽に出て来そうなピアノの不気味な音の連なり。
好きよ。
アルゼンチンのヒナステラなんかはELPでスッカリ有名になっちゃったけど、シュルホフとか、カプースチンとか、ダマーズとか、世の中にはまだまだ一般的ではない魅力的な音楽がい~くらでもありましてな。
私も大して知っているワケではないんだけど、さすがにジャズもロックも大量に聴いてきたのでプライベートで聴く音楽としてはそうした調性のある現代のクラシックの音楽作品にひとつの活路を見出しているのです。
だからこういう演奏に出くわすととてもうれしくなるのです。670_gysそこへマスヒロさんが切り込んで来た!
カッチョええ~!490vベースを持ち替えたロクロウくんが加わり…
640v高木さんのロバート・フリップを思せるソロが入って来ると…610vそこはもう「音のバトル・ロイヤル」よろしく、まさに組んずほぐれつの「四すくみ」状態!
しかし、こんな『Earthbound』のような演奏をしているチームは今の日本にそうざらにはいまい。
若い人に聴いてもらいたいとは思うが、聴くワケがないというのが実情だろう。
70年代のミュージックライフのリーダーズ・ポールではELPが1位だったり、Focusが7位だったりしたんだけどネェ。
いい時代だった。
しかし、武田家の本拠地はこんなんだったのか…とても落ち着けないな。
620一転して大和田さんの静謐なピアノ。480_ttjgsy稲益さんの歌が加わって「月澹荘綺譚」。
高木さんがMCで「何年ぶりかに演る」とおっしゃっていたが、この曲は去年の4月の高円寺で披露している。
私は三島を読まないので、その時「月澹荘綺譚」ってナンじゃろな?と思って調べたのを覚えていたのです。680vこの曲はキーが「Gm」で「Eb7+9」と「D7+9」と半音進行させて「Gm」にドミナント・モーションするところがカッコいいと思うのです。S41a0305 大和田さんのピアノのソロがロマンチックにキマって…690vディレイを深めにかけた高木さんのソロがドラマチックに曲を演出する。700v曲の後半ではマスヒロさんのダイナミックなフィルが曲をクライマックスに押し上げた。710vそして、エンディングはまさかのピカルディ・ケイデンス。
こんだけ重苦しくマイナーでやってきたのにこうして〆る意外性は素晴らしい。720_pica「大和田さん、乳酸溜まってきました?」
730v「溜まってきました!」720<後編>につづく
 

☆Marshall Music Store Japanからのお知らせ☆

エルトン・ジョンが絶賛してイギリスで人気爆発のNOVA TWINS!
 
<K.B.B.>

<Choose Your Fighter>


Marshall Recordsからのファースト・アルバム『スーパーノヴァ』絶賛発売中!
 
お求めはコチラ⇒Marshall Music Store Japan9novatwinscd レコードもあり〼。(盤面の仕様は写真と異なる場合があります)
 
お求めはコチラ⇒Marshall Music Store Japan
9ntv Marshall Music Store Japanでお買い上げのお客様にはMarshall特製スクエア・ロゴ・ステッカーを3枚プレゼント!

9img_9727 
200 (一部敬称略 2024年8月3日 吉祥寺シルバーエレファントにて撮影)