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2024年1月15日 (月)

CONCERTO MOON~YEAR END SPECIAL : Member's Choices & Covers<後編>


「ゴメンナサイ!」
…と、Concerto Moon『YEAR END SPECIAL』のレポートの<後編>はお詫びから始まる。
メンバーの自選曲でセットリストを構成したこのショウのレポートの<前編>で「誰がリクエストをしたのか知らないが…」みたいことを書いてしまった。
ゴメン、完全に知っていたわ。
決して隠していたワケではなく、そのデータは既に一般にも公開されているモノでその存在を忘れていただけのこと。
折角なのでレポートの後半に入る前に前半で演奏した曲に関する情報を記しておこう。
( )内が選曲責任者。
 
1. Life on the Edge(島)
2. Burnt Society(芳賀)
3. Struggle to the Death(島)
4. Cheating Fortune Teller(三宅)
5. Alone in the Dark(河塚)
6. Victim of Desire(中易)
7. Almighty Wings(島)
8. Flaming Thunder God(芳賀)
9. Over the Century(中易)
 
「エエエ、あの人がこの曲を?」なんてビズリーチみたいになっている方もいらっしゃるかも知れない。
インスト・ナンバーを芳賀ちゃんがチョイス(正しくは「チューズ」)しているところがオモシロイ。
イヤ、「インストを1曲入れるとしたらナニがいい?」と、演奏に参加しない人に客観的な意見を求めたのかも知れない。
これらのデータを基に「Survey of the Moon」と題した参考資料を巻末に追加しておいたので今日も最後までご覧くださいまし。
「オマエら最後までイケるのか~!」
「オオ~!」
イケね、ついやっちまった!
10v 「ありがとうございます!
皆さん、気分はどうですか?我々はメチャクチャ楽しく演らせて頂いてます!
今回のツアーは『Member’s Choices & Covers』ということで次はカバー曲を演ろうと思います。
個人的にカバーは4年、5年前に何かのイベントの時、急遽『芳賀くんも一緒にどう?』と1mmも1秒も聴いたことがない曲で半ば強制的にステージに上がったことがあります。
カバーってそういう思い出しかないんですよね。
それに『Concerto Moonでカバー』ってあんまり演ったことないですもんね」
10v_2「そう、『最後にみんなでセッションしましょう』…っていうのはあるけど確かに真剣にカバー曲を演ったことがないと思っていたんですよ。
そしたらこの間の名古屋の時に『以前はカバーを演っていた』ということを言われましてね…そんなの全く記憶になかったんです。
で、今回は『歳末特別企画』ということで本気でカバーを演ってみようか?っていう話になった。
さっき芳賀が今回初めて演るConcerto Moonの曲が5、6曲ぐらいあると言っていたでしょ?
それならカバーも5、6曲入れるか?と思ったんだけど、そんなことをしたら自分たちの曲がしょっぱくなるかもしれないでしょ?
ダメでしょ?そういうのは?
だから1曲か2曲ということで選曲してみたワケ」30v_2そのウチの1曲がRainbowの「Can't Let You Go」。
ノンちゃんの選曲だ。
コレは1983年の『ストリート・オブ・ドリームス』というアルバムに収録されている1曲…なのか。
中学2年生の時に武道館で観たRitchie Blackmore's Rainbowのコンサートが私の人生初の外タレなんだけど、その後のRainbowのことは全く知りませんでね。
そもそも「80年代」というだけで私にとってはいまだに「新しいモノ」なのよ。
古い人間よ。
ところで、このアルバムの原題は『Bent Out of Shape』。
コレは「釘が曲がっているような状態」を指す表現であることから、be動詞やgetを伴って「不快なことに腹を立てる」という意味になる。
テレビの政治のニュースなんかに接するといつでも「I get bent of shape!」だ。
ちなみに古いジャズのスタンダードに「Street of Dreams」というとてもいい曲があります。
0r4a0277 芳賀ちゃんは全くストレートな歌いっぷりで爽快そのもの!
超まっすぐです。50ノンちゃんがRainbowを選曲するということになると、『Rising』あたりからの曲になりそうなものだけど、ココは芳賀ちゃんの声質を考えてコレを選んだんだのかな?
大変にシックリきていました。
 
ノンちゃんが赤尾和重さん、小笠原義弘さん、山口PON昌人さんと「Stargazer」を演奏しているビデオはコチラ⇒Marshall GALA2

60v_2亮くんのキーボーズのガイド・トーンから「The Shining Light of the Moon」。70v_slmConcerto Moonには珍しいコーラス始まりの曲。0r4a0030 2011年の『SAVIOR NEVER CRY』に収録されているこの曲は中易さんのチョイス。
昔のステージでは必ずこの曲を取り上げていたナァ。
110vこのサビの最後のメロディのメジャー感がとても懐かしいのだ!80v続いては河塚さんの選曲の「The Vail of Mystery」。
シャープなキメのイントロがとても印象的なこの曲は2013年の『BLACk FLAME』から。
もう10年経ったのか…当時のメンバー3人の写真をウチで撮影したことがとても懐かしい。
あの黒っぽい写真を撮るために照明機材を新しく買い込んだんだっけ。
100v_vomコレも芳賀ちゃんにとっては初めてだった曲のウチのひとつではなかろうか。
そうでもないか?
自家薬籠中に入れた歌いっぷりはさすが。
120vというのも、ノンちゃんがクリエイトする一貫した「コンチェ節」がココにもしっかりと流れているからであろう。
決してブレない。130v_2「盛り上がってますか!ありがとうございます。
今日はこのツアーの最終日です。
来年は新しいアルバムを発売する予定で、それに伴うツアーも予定しております」
140「イヤ~、今年ボクは皆さんにずっとウソを言い続けてねェ。
本当だったら、今頃皆さんはニュー・アルバム聴いているのよ。
スミマセン!ウソをついていました!
でも、何もしていないワケではないんですよ。
本当にこだわって、こだわって作ろうとしていて…今日も開演前にレーベルの人が楽屋に来て『いつ出るんだ?いつを予定していればいいんだ?』と訊かれたので『4月だ』と答えたんです。
これから歌を録るからね。
ドラムスを録ったのは今年(2023年)の正月なんです。
どうだ!ドラムスを録った1年後にボーカルスを録るなんてデフ・レパードみたいでカッコよくないか?」
150_2「ま、そんなつもりはなかったんだけどね。
もう『出す!』って決めておかないとライブの予定が組めないからね。
5月からツアーに出て、東京のライブは7月ぐらいになりそうかな?
まだアルバムのタイトルも決まっていません。
『なんとか・ファイヤー・イン・ザ・スカイ・ツアー』みたいなタイトルにはしないよ。
あ、次のアルバムのタイトル『ファイヤー・イン・ザ・スカイ」じゃないからね。
そんなカッコ悪いタイトルにはしないんで!
『なんとかツアー2024』と題して5月からスタートします。
でも、アルバムが出ずに『リクエスト・オブ・ザ・ムーン』とか『なんとかアルバム完全再現』とか言い出してもみんな怒らないでくれ。
その代わりコレは約束するけど、もしそんなことになったらいつものドラマティックなオープニングSEが終わった後、ココでオレが土下座しているっていうのをやるから。
『SEから土下座』というセットリストはロック史上初めてになるでしょう。
で、土下座からの『Alone In Paradise』なんてなかなか難しいので、土下座しないで済むようにガンバります。
皆さん、期待していてください!」
そう!
コレぞ「音楽家」ですよ。
ノンちゃんは間違いなく「ギタリスト」である前に「音楽家」なんですよ。
「自分だけの音楽を創る」…そしてそのために「ギターを弾く」…つまりギターは自分の音楽を創るための道具にすぎない。
「創り続ける」というのは最も大変なことでね。
ま、今日は「年末企画」ということでたまたまコピーを演っているけど、1996年の結成以来、尚「自分の音楽」で前進しようとしている姿は最早美しい。
そして「こだわって、こだわって」という精神性が素晴らしい。
アレ?Concerto Moonってもうすぐ「30周年」じゃんよ!
楽しみだね…土下座。
チャウチャウ、30周年!0r4a0555 「入り口の物販のところで気が付いた人もいると思うんですが、河塚さんがこのツアーでシンバルを割ったんですよ。
それを鉄クズ屋さんに持って行ってもいくらにもならないワケです。
そこでその割れたシンバルにメンバーのサインを入れて、本日物販で一定の金額以上のお買い物をして頂き、ご希望になる方には抽選でそのシンバルをプレゼントしようということになっています。
その抽選はライブが終わった後に河塚さん本人がします。
それもチェックしてくださいね!よろしくお願いします」0r4a0552 そのサイン入りシンバルがコレ。
ハハハ、「どうですこのシンバル」だって!620さっきノンちゃんが「デフ・レパード」の名前を出していたけど、こんな映画知ってる?
『燃えよ!ピンポン』っていうの。
原題は「Balls of Fury」…「怒りのピンポン玉」ってとこか?
観れば時間の無駄になることがわかり切っているおバカ映画なんだけど、あまりにもハードルを下げて観たモノだから存外にオモシロかった。
こんな脚本一体どんなヤツがどんな顔して書いているのやら…。
でもクリスファー・ウォーケンが出ていてビックリ仰天したわ。
で、この映画のなかにデフ・レパードの名前や音楽が何度も出て来るんだよね。
デフ・レパードってのも私は全然知らないんだけど、好きな人にはうれしいかも。
そういえば、デブ・パレードってどうしたかナァ。
Mp 続いて演奏したのは「Concerto Moon」。0r4a0076 この正統派のリクエスト(?)は中易さん。
久しぶりの「Concerto Moon」だナァ…と開演前に楽屋で話していたら、ノンちゃ曰く「そうでもない」…だそうです。180この曲でもこのポーズが出た!
195 珍しく芳賀ちゃんも膝を落としての熱唱。190v_2そしてリスト炸裂!
イヤイヤ、やっぱり久しぶりだってば!0r4a0366 本編の最終コーナーにふさわしい興奮の1曲だった!200そしてその本編を締めくくったのは芳賀ちゃん選曲の「Mirror Design」。210_md剛速球で攻めまくる河塚さん。
250v最後の最後まで伸びやかに歌い尽くす芳賀ちゃん。
230キーボーズとギターの息詰まるバトル!220美しいアンサンブル・パート!240_2テンコ盛りの見どころ聴きどころを経てノンちゃんはエンディングのルーティンへ!270_2「ありがとう!」
本編14曲を爆走しきった!280_2アンコールはいつも通りメンバー全員がTシャツに着替えての登場。
「みんな、どうもありがとうございます。
やっぱり楽しくて燃えて来たぜ!
自分たちの曲で終わろうかと思うんだけど…もう1曲カバーを演ろう。
こんな機会でもないとなかなか出来ないしね。
みんなに楽しんでもらえたらと思って準備したんです。
皆さんが歌える曲だったら一緒に歌ってください…ね。
芳賀が言おうとしてること先に言うてやった!」290v_2アンコールの1曲目はWhitesnakeの「Bad Boys」。300_bb問答無用のノリノリ・ナンバー!310お客さんもとても楽しそう!320 続いてアンコールの2曲目は「♪「♪ウオオオオオオオオオオオオオオオオ~!」」

330_snc亮くんの選曲で「Savior Never Cry」。
360v_2 この正統派リクエストにメンバー全員が激しく燃え上がる。 340v_2  350v 370vそして、ノンちゃんは2度目のエンディングのルーティンへ。380Marshallの上に愛器を乗せて…400アンコール終了!410特大の声援に応える島紀史。
420_2しかし!
メンバー全員がステージを下りた後も声援が止む気配が一向にない。
そして、その客席の声援に応えて三度ステージに姿を現したConcerto Moon。
「イヤ~、本当にみんなどうもありがとう!
皆さんのおかげでいい年を迎えられそうです。どうもありがとう!
じゃあ最後にもう1曲楽しんで頂こうと思います。
まだ力は残っていますか?」
440v芳賀ちゃんのコールしたタイトルは「Time to Die」。
コレも亮くんの選曲。
450_ttdショウの最後はチャンとみんなが大好きな「ムーン・スタンダード」で締めくくる仕組みになってる。455スゴかったのはノンちゃん!4703回目のエンディングのルーティン!480前の2回にも増して暴れる、暴れる!4902回目のアンコールは「Time to Die」1曲を演奏して締めくくった。500_2またしても大きな声援。
それにノンちゃんが答えて、この日のプログラムを全て終了し…
430…ない!
どうにもお客さんの声援が鳴りやまないのだ!

「本当にみんなありがとう!
何のリハーサルもなしにもう1曲…本当に全く決めてないんだからな。
じゃあ、この曲を演らないでライブを終えたことがない…という曲を演ろうと思う。
こんな大事な曲なのに、誰も選曲しなかった!
だからリハーサルを演っていないんだ。
じゃあ最後にもう1曲だけ演るから皆さん楽しんでください!」520vま、Marshall Blogの読者の皆さんはもうおわかりでしょう。
そう、演奏したのは「From Father to Son」。530_ffs前回、ノンちゃんがMCでの「ギターのFather」である大谷令文さんの名前を出して感動的な演奏を聴かせてくれたこの曲。
今回は本当に想定外の演奏で、5人はまた新たな感動を観客に与えることとなった!S41a0383  550v 560v 570v 580v「ありがとうございました!」610イヤ~、熱めのお湯のとても良い「Marshall浴」をさせてもらいました。
やっぱりこういう音楽はMarshallで演らないと意味が出て来ないね。80 チョット、最後にひとつ。
最近、イギリスの音楽関係者と接する機会があって、わかっちゃいるけど話を聞いて少々ショックを受けた。
もう海外では一般的にハード・ロックやヘヴィ・メタルは死滅に近い状態にあるようなのだ。
コレは演奏する方はもちろん、決定的なのはそうした音楽を好んで聴く人がもういないということ。
日本はまだマシなようだが、あと10年…イヤ、5年先はもうわからない。
今、ライブハウスに足を運んでいらっしゃるベテランのファンの皆さんがそうしたライブに出かけなくなったら一瞬にして終わってしまう。
「そんな!」と思う人もいるかも知れないが、この世から消えた音楽なんて過去にゴマンとあるんだから。
Concerto Moonのように真剣に自分たちの作ったハード・ロックやヘヴィ・メタルに取り組んでいる人たちの努力に報いるためにも、ココはファンの皆さんにはゼヒ若い人をライブに誘って頂きたい。
誰かいるでしょう?…孫とか、親戚のお子さんとか。
延命策はもうコレしか残されてない。
落語はそうやって何百年も生き延びて来た反面、浪曲はそれができなかった。
ハード・ロックやヘヴィ・メタルにはそれができるハズだと私は信じている。
だって、ホンモノのロックってカッコいいじゃん?
 
Concerto Moonの詳しい情報はコチラ⇒Concerto Moon Official Site
600さて、ノンちゃんがMCで触れていた河塚さんの「割れシンバル」の抽選会。630希望者の名前を書いた紙を箱に入れて、そこから河塚さんが1枚引く…という寸法。0r4a0861 引いた~!0r4a0866 当選したのは熱心なConcerto Moonファンの女性。650私も存じ上げている方。
ココでは伏せるけど私とよく似たお名前で、何しろウチの家系の発祥地の近くにお住まいの方なのだ。
おめでとうございます!660「よいお年を~!」
最後の最後まで盛り上げて河塚さんは会場を後にした。670v 
<Suevey of the Moon>

イヤね、今回演奏した曲の構成がどうなっているのかチョット気になりましてね。
統計を取ってみた。
まず、演奏した曲の選曲者の配分(コピー曲と「From Father to Son」は除く)。
 
島  4
芳賀   3
三宅   3
中易   4
河塚   3
 
なるほど…ほぼ平等に割り振られていたのね。
ノンちゃんと中易さんが1曲ずつ他のメンバーより多いけど、全員平等に4曲となると合計20曲に膨れ上がってしまうからね。
コレは仕方がない。
次に…演奏した曲がどのアルバムから選ばれていたのかを見る。
アルバムのリリース順に採用曲数を列挙すると…
 
1998  Fragment of the Moon      1
1999  Time to Die                     1
1999  Rain Forst                       1
2003  Life on the Wire               1 
2004  Concerto Moon                1
2008  Rise from Ashes              1
2011  Savior Never Cry             2
2013  Black Flame                    1
2015  Between Life and Death   3  
2020  Rain Fire                         2  
2021  Waiting for You                1

 フ~ム、本文でも触れたが、『Between Life and Death』というのはバンド内で人気のある1枚なのかしらん?
いずれにしても傾向として比較的新しいアルバムからの選曲が多かったと言えよう。
まぁ、昔から取り上げているムーン・スタンダードはいつも演っているからね。
とても思慮深い選択だったということが言えそうだ。
お疲れさまでした!
とても楽しいショウでした。10_cmc 
 
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イギリス南西部のコーニッシュ出身のキング・クリーチャー。
本場のブリティッシュ・ハードロックを存分にお楽しみあれ!

<Desolation>

<Captives>


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このアルバム、すごくいいよ~!
 
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200(一部敬称略 2023年12月16日 目黒鹿鳴館にて撮影)