GATHERING THE FORCES<最終回>~SPiRiTRiALの巻
記念すべき第1回目の『GATHERING THE FORCES』を締めくくったのは主催者のSPiRiTRiAL(スピリトライアル)。ほぼ毎日イギリスのMarshallと連絡を取り合う必要があるので、私は一般の人より幾分英文を使う機会が多いと思う。
つまり、英単語をタイプするのに少しは慣れているつもりではいるんだけど、この「SPiRiTRiAL」とタイプするのが存外にムズカシイ。
よっぽど不慣れだったり、綴りがイレギュラーな単語以外は無意識のウチにバーっとキーを叩いてしまうので、こうして特定の文字だけを小文字で示すということになると、それに気を取られて途中でナニをタイプしているのかわからなくなってしまうのだ。
そこで一計を案じたのが一旦「SPIRITRIAL」と全部大文字でタイプしておいて、後から「I」を「i」に打ち替えるという手法。
コレは明暗だった!
Marshall Blog初登場のSPiRiTRiALは結成25周年を迎える大ベテラン・バンド。バンド名は「spirit」と「trial」を合体させたモノですな?
いわば「挑戦魂」というところか。
こういう風に2つの単語を合体させて作る言葉のことを「ポートマントー(Portmateau)」という。
日本語では「かばん語」と呼ばれている。
ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』の中でハンプティ・ダンプティが「Portmanteau」について「2つの言葉がひとつのカバンの中に詰まっている」とアリスに説明するシーンがあるらしい。
そもそも「portmanteau」という言葉は、よく西洋の映画に出て来るような両開きの旅行カバンのこと。
両側に開いたフタを閉じると、フタのヘリが真ん中でピタリと合体する形状であることからそう名付けられたのではなかろうか?と私は勝手に想像している。
かばん語は知らない間に我々の身の回りに存在していて、恐らく一番有名なのは「smog(スモッグ)ではなかろうか。
コレは「smoke(スモーク:煙)」と「fog(フォグ:霧)」がくっついて出来た言葉。
足のブレスレットの「アンクレット」もそう。
「ブランチ」とか「コスプレ」、「イーメイル」、最近の「ブレクジット(Brexit)」なんてのもみんなポートマントー。
さらに「サイボーグ」は「cybernetic(人工頭脳額の)」と「organism(生命体)」のかばん語だし、
「インターネット」も「interconnected」と「network」だからね。
一方、純粋な日本語同士のかばん語ってあまりないようだが、ビックリしちゃったのは「破く」。
普段ナニも気にしないで使っている言葉だけど、コレは「破る」と「裂く」からなるカバン語なんだって!SPiRiTRiALは…
伊藤威明勝谷健人
丸岡 勝同期のピアノを伴ってスタートした1曲目は「Core」。
ドワッ!伊藤さん、スゲエ声!エモーショナルに切り込んでくる丸岡さんのギター・ソロ!丸岡さんはJCM2000 DSL100と1960Aを使用した。さっそくデベソの先端まで足を延ばした伊藤さん。「We're Not Over~!!!!」とタイトル名を絶叫して始まった2曲目。胸のすくようなストレート・アヘッドなナンバー。
4分で刻むバッキングのアレンジがオモシロい。伊藤さんのベース・ソロから…丸岡さんもデベソの先端でソロ!「『GATHERING THE FORCES Vol.1』…暑い中ありがとうございます。
本当にずっとやりたかったイベントです。
さっきまで物販スペースで皆さんのステージを観ていたんですが、どのバンドも良くて、そして楽しいです。
みなさんも楽しいですよね?
今日もとても暑い日でしたが、ココはもっと暑い場所だと思います。
最後まで熱くいきましょう!
よろしくお願いします!」トリッキーなギターのフレーズが飛び出す3曲目は丸岡さんのペンによる新曲「Karma」。
「ムズカシくて演奏するのに苦労した」という伊藤さん。 自然に律動する7/4拍子がカッコいい。イヤイヤ、「ムズカシかった」だなんて…こんな変拍子の曲でよくベースを弾きながら歌えますナァ。
尊敬しちゃうわ~。丸岡さんが奏でる魅力的なキメのフレーズから入魂のソロ! 「いつも演らない曲」ということで次に取り上げたのは「逡巡」。
ヘヴィな3連のナンバー。
MOONSHINEのボーカルズ、藤井重樹さんと共作した『COUNT9』というアルバムからのチョイス。
この曲を藤重さんとお2人で歌っているのかな?
スゴそうだな…「爆歌のカタマリ」に違いない。 丸岡さんのギターと…伊藤さんのスーパー・ボイスの掛け合い!
いいナァ、こんな声が出て…。
続いたのは「Firefly」。
勝谷さんのドラミングがゴキゲン!
曲だけ聴いている分には「蛍」感なし。
ひたすらギンギンに突っ走るドライビング・ナンバーだ。同期が入って丸岡さんが弾きまくる!テンポを落としたエンディングのパートもカッコよかった。続いてもノッケから伊藤さんの歌声が炸裂するドライビング・ナンバー「Parallel」。
フランジャーの効果満点!
この曲は微妙に転調を繰り返すところが大変にクール。「エイエイエイエイ!」
客席をアオっておいて…
「Calling」につなげた。
コロコロと情景が変わっていく中…
伊藤さんが発する「♪Calling」が響き渡る。
このパートは印象に残るね。「長丁場、本当に最後までありがとうございます!
楽しかったですか?
こういうイベントを年1回のペースで企画しようかと思ってるんですが、また開催したらゼヒ来てくださいね!」
おお!ゼヒやってください。
できれば若いお客さんも引っ張り込みたいもんですな。
少しでも従来のロックの世界の高齢化を食い止めないと、かつて「ロック」と呼ばれていた音楽が本当に絶滅してしまいます。
このままではそれも時間の問題…というワケでMarshall Blogは従来型のロックの延命のための活動をしています。出番の最後を飾ったのはSPiRiTRiALのテーマソング「Anthem」。
「困難を乗り越えてクリエイティヴに生きようとする全ての人に捧げた賛歌」という1曲。
まさに『GATHERING THE FORCES』の第1回目の本編を締めくくるにふさわしいエンディングだった!
SPiRiTRiALの詳しい情報はコチラ⇒SPiRiTRiAL Official Facebook
そしてアンコール。
「どうもありがとうございます!
本当に今日は感謝してます。
こんなに暑い中、そして他にも色んなイベントが開催されている中、ココに来て下さってどうもありがとうございます。
せっかくなのでスペシャルなことをしようかと思います。
今日の出演者からゲストをお迎えしてカバーを1曲演ります。
最近『自由の顔をした不自由』と『不自由の顔をした自由』がいろんな場所に、そしていろんな時に目立つようになった世の中だな…と思うことが多いんですね。
この曲はたぶんアメリカの曲だと思うんですけど、日本も同じだと思います」
「スペシャルなこと」とはコレ。
SPiRiTRiALにCALAVERASのダグが加わったのだ!曲は「Rockin' In The Free World」。1989年のニール・ヤングの曲。
ずいぶん政治色の濃い曲なのね?
イヤ、私はニール・ヤングを全く知らないものだから…。丸岡さんのソロもフィーチュアされて…ムズカシイことは抜きにとにかく盛り上がった!
第1回目の『GATHERING THE FORCES』大成功おめでとうございます!
コレでこのイベントの記録が半永久的に残ります。
次回もMarshallが活躍できますように。
<おしまい>
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いいバンドだよ~。
ものスゲエ演奏がウマいの。
<Gold>
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