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2023年5月 1日 (月)

【訃報】Fair Warning ヘルゲ・エンゲルケのこと

Fair Warningのギタリスト、ヘルゲ・エンゲルケの訃報を耳にした。
死因は大腸の腫瘍を原因とした合併症で、その腫瘍は亡くなるたった2日前に発見されたばかりだったという。
享年61歳…って、この人、私より1歳年上なだけだったのか?
他人事とは思えん。
私よりもっとズットズット年上かと思っていたのだ。
…というのは、2010年1月の来日時にMarshallでバンドをサポートしたことがあって、ヘルゲに会って少し話をしたことがあったのだ。05v場所は今はなき新宿厚生年金大ホール。
懐かしいね。10v厚生年金会館ホールはこのFair Warningの公演の2ヶ月後に営業を完了することに決まっていたため、思い出にホールの写真を何枚か撮っておいたのだった。
下もそのウチの1枚。
GenesisやVan Halen、Blue Oyster Cultからイングヴェイ、Sonny RollinsにPat Metheny、ジャズからロックまでずいぶん通ったからネェ。
ところが、Fair Warningもヘルゲ・エンゲルケもこの時まで全く知らなかった。
つまりこの日、生まれて初めてブッツケ本番でFair Warningの音楽を耳にしたというワケ。
すごく良くてネ。
感動したことを覚えている。202010年というと、もうMarshall Blogを運営していて、当然このコンサートのレポートも掲載した。
しかし、見ることができなくなっていたのでヘルゲを偲んで2010年1月27日に掲載した記事をココに復活することにした。
例によって文章は大幅に加筆訂正し、写真も新しくプリントして何枚か追加した。
天国のヘルゲに捧げる。
 
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FAIR WARNING(フェア・ウォーニング)のマーシャル
 
先日のLOUD PARK09にも来日したフェア・ウォーニングが単独来日した。これがまた実にいいライブでハードロックの素晴らしさを十二分に伝える演奏となった。30トミー・ハート40vヘルゲ・エンゲルケ55vウレ・リトゲン60vCCベーレンズ70vサポート参加のトーステン・リューダーヴァルト。80vそして同じくサポート参加のギタリスト、ニクラス・ターマン。155v_2 メロディアスなハード・ロックがウリのFair Warning。
またコーラスがスゴイ。90美しいコーラスの有無は欧米と日本のハード・ロック・バンドを大きく隔てる。110vどうして向こうの人ってこう歌やコーラスがウマいかネェ。115vニクラスは一昨年にウリ・ジョン・ロートと来日した時以来、Marshall Blogへは2度目の登場となる。
あの時も素晴らしいプレイで業界では「あの若いのウメェなぁ~!」と話題になった。
「カロンの渡し守(The Sails of Charon:これ英語圏では「シャロン」と発音します)」のイントロのソロを軽々と弾いていたからね。120vウリの時と同様、今回もJVM410Hを使用。
130v出番前の楽屋でのショット。
目がブルー&グレイで、同性の私が見ても美しいと思うわ。
こうして見ると、背の高さといいちょっとレイ・デイヴィスに似てる?
JVMについて少し話をきいてみた。
150v彼はJVM4すべてのチャンネルを使用しているそうだ。
各チャンネルのモードの設定は…
①CLEAN/GREEN
②CRUNCH/ORANGE
③OD1/ORANGE
④OD2/GREENという設定。
①を除いてかなりGAINが高めだがMASTERはそれほど上げていなかった。
内蔵のリバーブも使用している。
そしてコレらのチャンネルは全てMIDIで制御している。
160足元のようす。
かなりスッキリ。
140「シゲ、バッチリだぜ!」155v一方のヘルゲ。
コレも「Sky Guitar」っていうのかな?
時折炸裂する超高音によるギター・ソロがとてもスリリングだった。
180イタズラにその高音域を使うのではなく、ココぞという時に一発。
実に音楽的なのだ。
アンプ・ヘッドは残念ながらMarshallではなかったが、ヘルゲもキャビネットは1960を2台使用。190v開演前のヘルゲとの会話の話題は当然Marshall。
彼がまたやたらとMarshallに詳しかった!
自分が一番気に入っているMarshallは70年代初頭の1959だそうで、その写真を見せてくれた。
それを見てビックリ!
その1959、何とフロントパネルがなかったのだ!200v「It looks cool!」と私が言うと大ウケしてくれた。
シャレになっているんです。
つまり「Cool=カッコいい!」を「Cool=涼しい」に引っ掛けているワケ。
そのヘッドにはフロント・パネルが付いていないので、真空管やトランスがむき出しになっているでしょ?
風通しが良くて「涼しい~!」ということ。
こんなのがオモシロイらしい。
とても気さくな方で話をしていて楽しかったな。210v曲を重ねる毎に演奏に熱が入る!Img_1693 トミーもノリノリで観客をアオる、アオる!220メンバー同士のカラミのシーンも随所にちりばめられた。225竿チーム、揃い踏み!230この人はElectric Sunにも参加していたんだってね。
ウレと…240CCのコンビネーションも完璧だった。250 次から次へと出て来る人気ナンバーに観客は総立ち!255最高のロック・ショウを見せてくれた5人!
260v

270v

280v

290v

300v全曲を演奏し終えて大きな喝采に応えるメンバー。310最後は「体操の隊形」に開いた。
これはドイツ式なのか?320 
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名ギタリストのご逝去を悼み謹んでお悔やみ申し上げますImg_1570 (敬称略 2010年1月22日 新宿厚生年金会館ホールにて撮影)