THE EVERLASTING LIGHT~Lift Off! New Silex <前編>
今回と次回はSilex。
タイトルの「Lift off」というのは「発進!」みたいな意味。
ロケットを打ち上げる時なんかに「リフトフ!!」なんてやるアレ。
そう、Silexが装いも新たに再スタート切ったのでそんな文句を並べてみた。
ところで、日本人というのは何事も名称を省略するのが大好きじゃない?
もうすぐこのシーズンがやって来るけど「あけおめ」とか「ことよろ」とか、そうした程度の低い省略は全く感心しないけど、「言葉の省略」は日本語の得意とするところであり、「あたぼーよ!」のように既に江戸時代にもそうした言葉の省略は頻繁に行われていたようだ。
そこで、Silexを省略するして呼ぶとなるとどうなるか…きっと「サイレ」とやるハズ。
ま、「サイレ、サイレ」とSilexのことを呼んでいる人にはまだお目にかかったことがないが、もしそうだとすると、とにかく思い出すのは「さ入れ言葉」。
もちろんそれに呼応して「ら抜き言葉」が頭に浮かぶことはココに書くまでもなかろう。
「さ入れ言葉」は「休まさせて頂く」のように不必要な「さ」を入れてしまう日本語の誤用法。
「休ませて頂く」が正しい。
これを揶揄して芸人の'ぴろき'が「それでは次の話に移らささささささせて頂きます」なんてやるのが猛烈にオモシロい。反対に必要な「ら」を省略してしまうのが「ら抜き言葉」。
「食べれる」とか「見れる」のように、「ら」を入れなければならない所から「ら」を抜いてしまう誤用法。
正しくは「食べられる」、「見られる」。
この2つは教則ビデオの字幕の監修の仕事をしている時にプロの翻訳家の方から教わった。
テレビを見ていてもアナウンサーが「建立」を「けんりつ」と読んだり、「キラ星のごとく」を正しく言えなかったり、不必要に英単語を導入したり、頻繁にそんなことに出くわす。
「言葉は生きもの」とか言うけれど、こうした知性を欠く事象を放置していたら日本語の衰退を免れることはできまい。
でも、そういう私も…「免れる」は「まぬがれる」かと思っていたら「まぬかれる」が正しいそうな。
と、こうして「さ」と「ら」が出たところでSilex。
上に記したように今回、新生の…つまり「さら」のSilexがお披露目公演を開催した。
『THE EVERLASTING LIGHT』と銘打ったライブ。
会場は先回と同様、四谷のHONEY BURST。会場に入る前から楽しい。
開場前に現場に到着すると、入り口のドアが閉まっていた。
爆音が漏れ聞こえてきて、まだ中では盛んにリハーサルをやっていた。
そこで中に入ろうとしたのだが、ドアを押しても開く気配がない。
「押してもダメなら引いてみな」って言われてもドアノブがないので引くもできない。
「アラ~、カギが締まってるわ」としばらく待つことにした。
やがてリハーサルが終わり、メンバーが外に出て来た。
「ガラリ!」
おお!驚いたことにこのドア、引き戸だった!
こういうところのドアといったら決まって押戸でしょう?
カギなんか全くかかっていなかったのよ。
完全にコントで見るヤツと同じで、家内と大笑いしてしまった。
人間の先入観なんてまったく役に立たんわい。
会場内に並べられたSilexグッズ。
ココのグッズはずいぶん高級感が漂っているな。コチラは達也くんグッズ。
シンバルで作ったアクセサリーとタオル。会場はソールドアウトのフルハウス!
2017年のアルバム『Arise』収録されている「A Thousand Miles」が流れる中、定刻通りにSilexがステージに現れた。
メンバーを変更&増強して新たに生まれ変わったSilexの東京での記念すべき1曲目は「Arise」。
MashaMashaくんのMarshallはJMP-1とJCM800 2203のパワー・アンプのコンビネーション。
スピーカー・キャビネットは1960Aだ。石川達也達也くんのNATALはメイプルの3タム・システム。颯(はやて)新加入のKohta。そして、ボーカルズに抜擢されたのはCho。 この日のために溜め込んだ気合を大放出するかのようなMashaくんのソロ。ハナから何となくチーム内の良い雰囲気が伝わってくるね~。 少々マイクのトラブルがあったけど気にしない、気にしない!
とにかく1発目が思いっきりバッチリと決まった!Mashaくんのギターが初っ端から炸裂する2曲目は「Metal Nation」。
Choさんの声!
スゴイね。
何の引っ掛かりもなくスコーンと抜けて来る!
コレは楽しみだぞ~。
達也くんとNATALの化学反応が引き起こす至高のドライブ感!トリッキーに転調してのギター・ソロ。そして、キーボーズのソロにつなげる。
この人、何て朗らかなんだろう!…人間、いつもニコニコしていたものです。
でも、プレイはシビアだ!
カデンツァでも華麗に歌いまくったMashaくんのギター。「こんばんは!
Silexが帰って参りました!ありがとうございます。
我々はつい先日、大阪でライブをしました。
前回から新ボーカルズにCho、新キーボーズにKohtaを迎えてバンドを再スタートさせたところでございます。
今日が2回目です。
皆さん、今日はタップリと楽しんで帰ってもらいますよ~!
(大拍手)
スゴイ!こんなたくさんの人にお越し頂けて感謝致します。
Silexの役者が揃いましたね…ということでガンガンやっていきたいと思いますので、ドンドン演奏する曲を聴いてお帰りください。
よろしくお願いします!」「Choと申します!そして、キーボーズは“Kohta”くん。
このメンバーでやっていきますので今日は盛り上がって行ってください!
マスクをご着用のうえであれば声出しはOKです。
みんなと一緒に盛り上がりたいと思います…ハイ、盛り上げてください!
よろしくお願いします!」
MashaくんとChoさんの挨拶の後は「Everlasting Symphony」。Silexのキラー・チューンのひとつをラクラクと歌いこなすChoさん。
ん~、いい声だナァ。指弾きとピック弾きを使い分けて歯切れの良い低音を組み込んでくる颯くん。 鋭角なフレーズを満載したキーボーズ・ソロ!
テクニカルにして味わい深いフレーズ満載だ。シングル・コイル・ピックアップのトーンの魅力を余すところなく伝えるかのようなギター・ソロ。
それを送り出しているのがMarshall。
やっぱり真空管アンプのサウンドはEverlastだ! 続けて「One Evening in Paradise」。ココまではアルバム『Arise』と丸々同じ進行。「これまでの曲をこのメンバーで演るとこうなります」という感じ?
お客さんも全曲知っているもんだから「ホホウ~」と頷きながらステージに耳目を傾けていた…かどうかはわからないが、とても親切なセットリスト。 今度はキーボーズと…ギターのカラミからスタート。 曲は「Call of the Northern Wind」。
すっかりバンドに溶け込んでいる颯くん…じゃない、反対だ!
もうChoさんがいい感じでステージをリードしていた。「Masha!」Mashaくんのギターを目の当たりにしたのは5月以来のこと。
あの時も「新生Silex」だったんだけど、今回はメンバーも増えてパワー・アップしたSilexだからね。披露するのがうれしくてタマらない!…という感情がこもったソロの弾きっぷりだ!「ありがとうございます。いかがでしょうか?みなさん楽しんでますか?
もうチョット声出しても良いですよ!盛り上がってってくださいね。
声を出して頂いて、手を振って頂いて…でも立ち上がると他のお客さんのご迷惑になるかも知れないのでご配慮くださいね。
声の方はもうボクにぶつける気持ちで…『ぶつかり稽古』って感じでやってください!
改めまして、この度Silexに加入致しましたChoと申します。
そして、キーボーズがKohtaくんです。指が何本あるのかチョットわからない感じですね。
あとのメンバーはみなさんご存じだと思うので割愛させて頂きます」…といいつつメンバーを紹介。「Silexは今後、ドンドン活動していきたいと思っていますので、引き続きお引き立てのほどよろしくお願いします。
ボーカルズが変わったからとか、キーボーズが入ったからSilexファンを止めようとかいうのはチョット…。
キーボーズの正式加入はSilex初のことですからね。
(颯くんに向かって)なんかあるんですか?」「皆さん、楽しんでますか?
我々も新しい楽器を手にしました。
グレードアップした新生Silexをどうぞ楽しんでください!」と、新しい5弦ベースを見せびらかした…
イヤ、紹介してくれた。
うれしいよね、新しい楽器って。
私だって昔は食事を抜いてでもお金を貯めてギターを買ったもんですよ。 次に用意されていたのはまだ音源化されていない新曲「Sore Through Endless Time」。コレまた目の覚めるようなアップテンポのドライビング・チューン!
スゲエなぁ。歌のメロディは正真正銘のSilex節!タイトルの「sore=上昇」通りまさに「天空を駆け巡る」かのような華麗なソロ。新たなキラー・チューンのひとつとなるであろう一瞬のスキも見出せない緻密な1曲。
早期の正式音源化が待ち望まれる。そのまま間髪を入れず達也くんのドラム・フィルが入ってSilexスタンダードの1曲「Cancion de Amor」へ。
この曲のサビの歌メロは本当に印象的だ。
行け、颯くん!
タッピングを交えたソロ!バッチリきまった!
やっぱ新しい楽器はダテじゃねーな。 それと、最後の歌の前のキメのギターのフレーズは最高にカッコいい。「楽しいね!」
「楽しんでま~す!
最近は朝ごはんを食べいてるだけでも楽しい。
今年はご飯食べすぎないように気を付けているんですけどね。
Silex全員で大躍進するように!
大躍進していきましょうよ!
マイク返しま~す」「この感じでヘヴィメタルになるんでしょうか?…わからないな。
今日は時間がタップリあるのでたくさん曲を持って来ています。
トントンと意外にいい感じに進んでいてですね、もう少しモッタイぶっていこうかと…。
まぁ、いつものSilexの曲ではありますが、いつも通り楽しんで頂きたいと思います。
みんなも安心できるでしょ?…この2人が入ってね!
ボクも心強いです」これまでとはチョット雰囲気を変えて「Made of Lies」。Choさんが名曲の呼び声高いこのバラードを完璧に歌いこなす。そしてそれを劇的に演出するのがMashaくんのクライング・ギターなのだ!
Silexの詳しい情報はコチラ⇒Silex Official Website
Marshallのデジタル・アンプ「CODE25」のデモンストレーション・ビデオで「Made of Lies」のインストゥルメンタル・バージョンを聴くことができます。
<後編>につづく
***Marshall Music Store Japanからのお知らせ***
KING CREATUREのセカンド・アルバム『セット・ザ・ワールド・オン・ファイア』。
残念ながらこのアルバムを最後にリード・ギタリストのデイヴ・エヴァンスが脱退してしまったけど、このアルバムはすごくいいですよ。
単なるヘヴィ・メタル・バンドの枠を超えた作品と言えるのではないかしらん?
イギリスにはいつの時代もこういうバンドがいてくれるのがうれしい。
やっぱり本場の連中はアブラっこいわ!
<とりこ>
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