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2022年12月24日 (土)

はなわ単独ライブ2022~トランペットは蔵の中

 
今日は「エンコ」から。
「エンコ」なんて言っても今は知らない人の方が多いだろうナァ。
「エンコ」というのは、そっち方面の符丁で「浅草」のこと。
「浅草公園」の「公園」を逆さにして「エンコ」。
対してお隣りの「上野」は「ノガミ」と呼ばれていた。
そのエンコ…じゃない、浅草にある日本中央競馬会の「WINS浅草」の裏手に「初音小路飲食店街」という小さな飲み屋が数軒集まったエリア。10_2 この辺りは1960年に公開された日活映画『浅草姉妹』の舞台となったところ。
映画は1959年のこまどり姉妹の同名のヒット曲を元ネタに据えた、いわゆる「歌謡映画」と呼ばれるもので、実際にこの辺りで流しをしていたこまどり姉妹も出演している。
1時間にも満たない短編作品。
観てみると、一旦は更生した元不良青年の葛藤を描く「勧善懲悪」ストーリーで、毒にも薬にもなるワケではないが存外にオモシロかった。
あまり出ては来ないのだが、60年以上前の浅草の光景を見ることができてうれしくなる。
WINSが建つ前にあった「新世界」の姿や「どぜう」で有名な「飯田屋」の2階から「合羽橋本通り」を見下ろす景色など、浅草の人間にとっては快哉の声を上げてしまうであろうシーンがいくつか挿入されている。20pコレが今の初音小路。30映画の舞台になっている居酒屋は「おくやま」という名前だが、実際にこの辺りに存在していたのかどうかは全く確かではない。
が、映画の中でしきりに「初音小路」という看板が出て来るので、この近くという設定であることはほぼ間違いがないであろう。
「奥山」というのは江戸の昔から栄えていた浅草寺裏のエリアの名称。40こんな場末感満点の飲み屋街だが、今では土日になると若い人たちが行列を作っているのを見かける。
何でも初音小路で売っている「うなぎのオニギリ」というのが大人気なのだそうだ。
下の写真がその行列の店。50その初音小路を抜けて突き当たったところにあるのが「浅草花劇場(あさくさ かげきじょう)」。60v_2裏というか、「花やしき」の敷地内。
オープンは2019年4月。
浅草はかつては、ニューヨークのブロードウェイ、ロンドンのウエスト・エンドに匹敵する東洋一の劇場街だった。
だから浅草にこういう施設ができるのは大歓迎だ。
そして、前から一度「花劇場」に入ってみたかったのだ。
そして、チャンス到来!
花やしきの敷地内に足を踏み入れるのは40年以上ぶりのこと…まだ「ビックリハウス」ってあるのかしらん?70そのチャンスを作ってくれたのは、はなわさんが4年ぶりに開催した単独ライブ『トランペットは蔵の中』。80v前説が終わってはなわさんのバンドがステージに姿を現した!
ノリの良いリズムを打ち出しているドラムスはNATAL!140今回、全公演のドラムスを担当したのは田邊ミサト!150vミサトちゃん愛器はNATALの最高機種のウォルナット。160カラーはミサトちゃんのリクエストを的確に実現した世界にひとつしかないフィニッシュだ。170vそのリクエストとは「深い海の底から太陽が上がってくる感じをグラデーションで」。
ミサト・オーダーのグラデーションとウォルナットの木目のコンビネーションが最高に美しい。
見た目だけでなく、もちろん音が素晴らしい。
ミサトちゃんのダイナミックなドラミングにベストマッチなのだ!180_2そして思いがけずうれしかったのはステージ上手に設置されたMarshall。
ナントASTORIA CLASSCのスタックじゃないの!
現在は生産していないASTORIA CLASSICは、Marshall初の「ブティック・アンプ」として発表されたクリーン・サウンド専門の30Wのハンドワイアード・モデル。
音の良さについては書く必要あるまい。
現在このモデルはマイケル・シェンカー・フリークである「マカロニえんぴつ」の田辺くんも愛用しているが、コレをゲットした日本人ギタリストはラッキーだった。190v_2はなわさんの歌をガッチリとサポートするミサトちゃん。
やっぱりダイナミック!210シークレット・ゲストを交えてのホロリとさせられるナンバーも織り交ぜてショウは進行していく。S41a0344どんな曲でもミサトちゃんはヴァ―サタイルなドラミングではなわさんの熱演を確実にサポート。240v_2ショウの後半では、はなわさんは楽器を降ろしマイクを手にして本編の最後まで歌に集中した。S41a0368ミサトちゃんも真剣な表情でドラミングに集中。300後半も緩急自在なプレイで「はなわさんの音楽」づくりを緻密にサポートした。S41a0335一番最初のステージゆえ、開演前には「とても緊張する!」と言っていたミサトちゃん。
イヤイヤ、堂に入った完璧な演奏にお見それ致しました!380アンコールでは全員が赤いTシャツに着替えて登場。
ミサトちゃんもひとこと挨拶。340vはなわさんのアオりでお客さんも総立ち!
あのヒット曲を含めてアンコールは2曲。360vこうして4年ぶりとなったはなわさんの単独公演が大盛り上がりのウチに終了した。
とても楽しいショウだった!0r4a0132そして、改めてミサトちゃんのドラミングとNATALのサウンドに感動したのであった!S41a0025ところで、「トランペットは蔵の中」とは、はなわさんの奥さんが衝動買いしたトランペットがすぐに蔵の中に収められ、そのまま眠っている…という実話から。
でも、この話は笑えないの。
30年以上前にニューヨークへ行った時に衝動的に買ったトランペットがウチの押し入れの中にも眠っているから!  390  

200 (一部敬称略 2022年11月26日 浅草花劇場にて撮影)