【I REMEMBER 令文】『祝・生誕50周年ぬぁう』小川文明メデタイム!
大谷令文さんの追悼特集。
今回は2010年7月14日に開催された故・小川文明さんの50歳の誕生日を祝うライブのレポート。
当時、私は文明さんとは全く接点がなく、この時も令文さんからご誘いを受けてお邪魔させて頂いた。
その後、田川ヒロアキさんが参加していた和佐田達彦さんのSPICE FIVEというバンドを通じて文明さんとも親しくして頂いた。
文明さんもカメラがお好きで、ご自慢のカメラを私に渡しては「今日も撮ってくれへん?」と依頼されて来られた。
コレが単焦点レンズがついたコンパクトカメラで、ライブ撮影では使いにくいのなんのって!
それでも毎回「さすが、さすが!」と私が取った写真をご覧になってはお世辞をおっしゃってくれたっけナァ。
ブックオフでこんな本を見つけて読んでもみた。
よくこの本が上梓されたな~…という内容がいかにも文明さんらしく微笑ましい。文明さんのお人柄が窺える、たくさんのゲストをお迎えするライブ。
文明さんは私より2歳年上だったのだが、この時は「50歳」という言葉自体にかなり年配の印象を受けたが、ナンのことはない。
「50歳」なんて若いじゃん!
ショウの前半は弾き語りを交えながらしっとりと…。 「おおっ!」とひとりで声を上げてしまったのはボブ・ディランの「My Back Page」。文明さんはこの曲を歌のないキース・ジャレットの『Somewhere Before』バージョンの「My Back Page」に乗せて歌ってくれたのだ。
この曲はキースのバージョンの方が断然好きだったので、まるでカツカレー状態!
美味しいモノに美味しいモノが乗っかってうれしいなったらうれしいな!というワケ。歌だけでなく、鍵盤を叩く手にも感情がこもる!チェロの斎藤孝太郎さんとのデュエット。ココでもソウルフルな歌声を聴かせてくれた。
そして、メスカリン・ドライブ、ソウル・フラワー・ユニオンの'うつみようこ'さんが登場して文明さんがタスキを渡した。「お誕生日おめでとう」のタスキ…「今日の主役」だからね。 その'うつみ'さんが素晴らしい声で熱唱。 とにかく盛りだくさんなプログラム。
今度は高橋竜と大谷令文のアコースティック・ギター・デュオが登場。
竜さんの張りのある歌声が冴えわたる。令文さんはこんなシチュエーションにはもってこいのMARINOの名曲「おやすみ」を大熱演!文明さんが鍵盤ハーモニカで加わる。
これがまたドナルド・フェイゲンみたいでカッコいいのよ!今にして思うと、アコースティック・ギターをステージで弾く令文さんを見たのはこの時だけかも知れない。
残しておいてヨカッタ!
ショウは後半に入り賑やかなバンド・パフォーマンスへと突入する。
バンドのメンバーはベースに竜さん…
ドラムスに高橋ロジャー知久という布陣。
ロジャーさんはこの時、令文さんと「BALCK TIGER」というトリオ・バンドを組んでいた。 このイベントを企画したカントリー&ローラーのM.M.KING。
盛り上がる~!
M.M.KINGさんのにぎやかなパフォーマンスに鋭いギター・ソロを遠慮なく放り込む令文さん。
令文さんも楽しそう!M.M.KINGさんから文明さんにバースデイケーキのプレゼント。
ローソクは5本。インスト・ナンバーでの超絶プレイ。
もちろん令文さんの極上のロック・ギター・サウンドを出しているのはMarahall。キーボーズはRobinさんが同流して2人体制に。文明さんも力のこもったプレイで激情ぶりを発揮!
この日、礼文さんはストラトキャスターとレスポールを行ったり来たり何度も持ち替えていた。バックにMarshallが控えている限り、どっちのギターを使っても出て来るのは「令文サウンド」。
またレスポール。竜さんは愛用の1992 SUPER BASSを持参してくださった。
そのベースのサウンドがまた令文さんのギターに完璧にマッチするのだ。令文さんと…文明さんによるスリリングなバトルのシーンは見応え充分!うつみさんも再度登場してゴキゲンな歌を聞かせてくれた。そしてショウのクライマックスでは文明さんが歌に徹して会場を大いに盛り上げた。
Tシャツはザッパでも歌はソウル!
バック陣が「完璧」以上の演奏で文明さんの歌を盛り立てる!
もちろんオハコの「Feelin' Alright」は欠かせない。竜さんもスーパー・ボイスをタップリ聞かせてくれた。令文さんのソロも最後までキレッキレだったナァ~!本編最後の熱唱!
そして…
ダウン!
ハハハ!Hard working man!!
コレがやりたかったのね?アンコールでは出演者全員がステージに上がり、50歳の誕生日に熱唱する文明さん大いに祝った!
このレポートにご登場頂かなかったゲストも交えての3時間の豪華なロック・ショウ。
アッという間だった!文明さんはこの時から約4年後の2014年6月25日、満54歳の誕生日を目前に控えてこの世を去った。
そして、令文さんもいなくなってしまった。