Damian Hamada's Creatures 魔界小学校 魔王参観日 ~ Devilish Hell Ceremony TOUR ~ <前編>
昨年、11月の末に入学式を終えた「魔界小学校」。
学校にもスッカリ慣れてきて、今日は楽しみにしていた魔王の参観日。
教室内の電気が消えると、どこからともなく陛下のお言葉が…
「今宵は『魔界小学校魔王参観日Devilish Hell Ceremony Tour』の最終回会場Duoにようこそ。
魔界小学校入学式から8か月が経過している。
諸君、悪魔に近づくための勉学に励んできたかね?
この東京は悪魔教の本拠地であるゆえ、全く心配はしていないのだが念のため諸君の成長した姿をこの目で確かめに来たぞ。
魔王が参観してるからといって緊張することなく、思う存分ライブを楽しんでくれたまえ。
以上…魔王兼、魔界小学校校長ダミアン浜田であった」そして、改臓人間たちが姿を現した!さくら"シエル"伊舎堂そして、ステージ上手から…
秀貴"ジル"栗谷今回のジルはMarshall。
JVM410Hと1960Aの組み合わせ。フットスイッチもバッチリ使いこなす!宏美"ローズ"稲益ケン"アレイスター"宮嶋マスヒロ"バトラー"後藤以上が人間界ではプログレッシヴ・ロック・バンド『金属恵比須』のメンバーとして音楽活動に勤しんでいる改臓人間の皆さん。
そして、下手のギターはRENO。RENOもMarshall。
ジルと同じくJVM410Hと1960Aのコンビ。
ステージ上下でMarshall!
やっぱりメタルなロックのステージはこうありたいものである。
オープニングは「Which Do You Like?」。参観日の幕開けにふさわしい目の覚めるようなドライビング・ナンバー!もちろんノッケから2人のギターがタップリとフィーチュアされる。入学式の時もそうだったが、こうして2人が死力を尽くして弾き込む姿は美しい。今日もあのギター・バトルを演ってくれるかな?
アレ、かっこヨカッタからね~。
続いては最新のアルバム『魔界美術館』から「謝肉祭」。
コレはいい曲だナァ。
さくらちゃんの声がすごくうまく活かされていると思う。
ココでも2人のギター・ソロがガッツリと挟み込まれる。双方、曲の雰囲気を尊重した壮麗なソロだ。そんな2人を支え、そしてプッシュする強力なリズム隊。
ムチを振り振りコーラスでサウンドを厚くするローズ。
このあたりは人間界でも活動を同じくしているだけあってそのイキの合わせ方は鉄壁だ。
「みなさん、こんばんは。
Damian Hamada’s Creaturesで~す!
『魔界小学校魔王参観日~Devilish Hell Ceremony Tour~』ファイナル東京!
名古屋、大阪と回ってきましたけれども、今日はココでファイナルを迎えることができて本当にうれしく思っております。
ありがとうございます!
ウチワだったり、タオルだったり、頭も手もイッパイ振って、マスク・メガホンで声なんかも出したりして最後の最後まで地獄の底を堪能して帰ってください!」続いてドラムスがバシッと来て、同じく『魔界美術館』から「天使と悪魔の間に」。
3連基調のハードロックの王道パターン。
いいナァ。
ツイン・リード・パートをクライマックスに据えた…
中間部のシンフォニックな器楽パートが圧巻だ!「Lady into Devil」
「♪Lady into Devil, rebirth of evil~」のパートがすごく好き!「入学式」の時に初めて聴いて、一発でこの曲を気に入ってしまった!ベースをリッケンに持ち替えたアレイスター。
有名なMarshallの「1959」や「1987」といった4ケタのモデル・ナンバーが、イギリスではリッケンバッカー製品と緊密な関係を持っていることは日本ではほとんど知られていない。
Marshall Blogを熱心に読み続けて頂いている方はご存知。不吉な展開を想起させるイントロから「Deepest Red」。
これまた壮大なヘヴィ・チューン。キタキタキタキタキタ~!
息もつかせぬ楽器の大ゲンカ!深紅の照明。
双方、武器は6本の鉄線が貼られた斧。
海外では楽器をミュージシャンの武器とみなして「Axe(アックス)」、すなわち「斧」と形容するんだけど、コレは日本で定着しなかったナ。
モダン・ジャズを作った巨人、チャーリー・パーカーの有名な伝記小説『バードは生きている(Bird Lives)』なんて読むと、しきりに「アックス」という言葉が出て来て実にカッコいい。
また、26歳の若さで早逝した天才トランぺッター、クリフォード・ブラウンには「Clifford's Axe」なんて曲もある。
要するにギター・バトル。
コレを楽しみにしていた!2人の斧の威力はMarshallによって倍増された。黙々と己の信じたフレーズを繰り出す2人。お互い一歩も引くことを知らない怒涛のソロの掛け合いを見つめる観客が握ったコブシから汗がしたたり落ちていたことであろう。間違いなくココは前半の見どころのひとつだった。
やっぱりMarshallで鳴らすギターの音は素晴らしい。
どういう風に「素晴らしい」のか?
長い歴史が証明する「真のロック・ギター・サウンド」ということよ。今回は「入学式」の時にようにステージに玉座が設置されていなかった。
陛下はどこで参観されていらっしゃるのか?
「私ならココだ…普通小学校の参観日と言えば、保護者は生徒の後ろで参観するものだ。
だから私はココに立っているのは『当たり前田のクラッカー』
今から行くから待っておれ!」
会場2階のバルコニーでウチワを仰ぎながらステージを遠望する陛下。
「当たり前田のクラッカー」か…久しぶりに耳にしました。
アレを製造している前田製菓は大阪の堺の会社なのか…「てなもんや三度笠」ですからね。
同社は大正7年の創業の安定経営で、現在ではJリーグチームのスポンサーまで務めているそうだ。
そして、666mの距離を歩んでステージにたどり着いた。
「着いたぞ!
諸君!私だ…そう、魔王ダミアン浜田である。
先ほどから後ろで見ておったが、ここまで諸君たちなかなか良いぞ。
点数を付けるとしたら666点だ。
そんなに私が待ち遠しかったかね?」
そうそう!「666」で思い出した。
先日、昭和通りを走っていて、フト気がつくと前を走っている車のナンバーが「6666」だった。
どうしても誰が運転しているのが確認したくて、追い抜いてハンドルを握っている人を見ると、陛下とは似ても似つかない普通のオッサンだった。
残念!
アレで陛下が乗っていらしたらヒックリ返って驚いたところだ。
ココで陛下から改臓人間の面々を紹介。
バトラー、アレイスター、ジル、ローズと来て、RENOに目をやると…
ハジッコで一生懸命何かを吸ってる。
「魔スプレー」?「諸君!いい物を見たな。
これが魔界ドーピングだ。
どうやら、すごい中毒性があるようだ。
魔界ドーピング止めますか?それとも、人間止めますか?
魔界ドーピングの感想はどうかね?」「もう止められません!」とピッチの高い声で感想を述べるRENO。
笑った~!
そしてファンの方から、陛下からRENOにミドルネームを授けて欲しいというリクエストが来、「レ~何とか」とか「かんとか~ノ」と悩んだが、「ミドルネームよりセカンドネームを」というRENO自身の希望により「ファースト」というセカンドネームが付けられた。
ややこしいな…。
ハハン、コレは「ラスプーチン」というミドルネームの存在が伏線になっているのね?
チョット前に「イギリスのラスプーチン」と呼ばれたドミニク・カミングスという悪名高い政治顧問っがいたけど、アレどうしたかな?
ということで、「イギリスの名前」で少し脱線。
アメリカは「ファーストネーム・ミドルネーム・ファミリーネーム(=セカンドネーム)」という感覚が定着しているが、Marshallの故郷であるイギリスではミドルネームを複数持っている人が珍しくなく、「2番目の名前=苗字」という感覚が希薄なため、「苗字」を意味する言葉には必ずと言っていいほど「surname(サーネーム)」という単語を使っている。
この方がわかりやすい。
そんだけ。
「まぁ、このようにして、改臓人間が少しづつ、少しづつ、増えれば100年後には世界のアーティストの90%が改臓人間になってるかもしれないナァ」と陛下。
そしていきなり「世界に広げよう改臓人間の輪!」とキメて、『地球魔界化計画』がまた少し進行した。
そして、このレポートも<後編>に続いていくのである。
Damian Hamada's Creaturesの詳しい情報はコチラ⇒Official Website
□■□Marshall Recordsからのお知らせ■□■
明日、D_DriveがMarshall Recordsよりセカンド・アルバム『DYNAMOTIVE』が世界でリリースされます。
輸入盤を販売しているMarshall Music Store Japanでは予約分販売分が完売してしまいましたが近日中に再入荷しますのでよろしくお願いします。
アルバムの詳細につきましてはコチラをどうぞ⇒Marshall Music Store Japan
(一部敬称略 2022年7月31日 渋谷MUSIC EXCHANGE DUOにて撮影)