LOUDNESS~THANK YOU FOR ALL:Chapter 4 Revised Live in Japan 【ENCORE】 <後編>
さて、『THANK YOU FOR ALL:Chapter 4 Revised Live in Japan』の再演に近い格好で構成されたこの「追加公演」は早くも最終セクションに突入する。
その前に二井原さんの告知コーナー。
眼鏡をかけ、資料を手にして堂々と正確な情報を読み上げる。
よくあるでしょ?
「告知コーナー!」と言っておきながら「アレ、次のライブはいつだったっけ?」とか「詳しいスケジュールが頭に入ってません!」とかやる若い人たち。
アレはプロのエンターテイナーとして、大変に恥ずかしいことですよ。
お客さんに来てもらいたいんだったら自分たちのギグの予定ぐらいシッカリと頭に入れて来るべきです。
それをオモシロがって「〇月✕日だよ!」なんて助け舟を出すお客さんもお客さんです。
「シッカリせんかい!」と怒らなきゃ。
だからバンドが育っていかない。
アーティストの成長はお客さんの見識にかかっているのです。
スケジュールが頭に入らないんだったら二井原さんみたいにするべきです。
「(資料を手にして)ココでコレを読まないと今日のギャラが出ませんからね。
今日が39周年の最後のライブです。
ココ(Zepp Tokyoのこと )…なくなるんですわ。
LOUDNESSはココでずいぶん演りましたよ。
樋口さんのフェスでもお世話になりました。
9月1日からは『40周年記念ツアー』が始まります。
ゼヒまた集合してくださいね!」『THE SHOW MUST GO ON』と銘打ったLOUDNESSの40周年を記念する国内ツアーは、今日現在までで札幌、大阪、福岡、広島、仙台での公演を完了。
どの会場も破天荒に盛り上がっているとお聞きした。
そして、残すは今週23日(祝)に開催される東京公演のみ。
会場は今年7月にオープンしたばかりの『Zepp Haneda』。
要するにZeppの引継ぎも兼ねているのね。
コレは色々と見逃がせませんな!ハイ、Zepp Tokyoに戻りますよ。
「皆さん、アタマの中で『新譜は一体どうなってるんだ?』、『オマエらレコーディングしたんじゃないのか?』とか思ってるでしょう?
宇宙初です…。
今からメンバーとスタッフしか聴いたことがない曲を演ります。
本邦初公開…間違えても誰もわからない。
新曲を2つ続けてお送りします!」ココで本公演とは決定的に異なる、この追加公演ならではのクダリを露呈させた!
1曲目…二井原さんのリストバンドが曲名を告げている。
「大和魂」…「突然やって来た激動の時代を大和魂で前進しようゼ!」という応援歌。
作詞も作曲も高崎さん。ただ「がんばれ」、「負けないで」と無責任にハヤし立てる流行りの巷間の「応援歌」とは異なるLOUDNESS流の男の決起ソング。
自信に満ちた表情で新しい曲を奏でる高崎さん。
何しろコレが人前で演奏する初めての機会ですからね~。
会場に居合わせた皆さん、私も含めて、ラッキ~!新曲のドラムスは2曲とも竜さんが担当した。
もう1曲は「OEOEO」。
コチラも詞、曲ともに高崎さんの作だ。
ソニー・ロリンズ作のジャズの有名なスタンダードで「OLEO」という曲があるんだけど、開演前の楽屋で今日のセットリストの中に「OEOEO」という文字列を見つけて結構ビックリしたわ。
コチラはなかなかに四次元的な歌詞のLOUDNESS賛歌。
いいナァ~、こういうのも。
とにかく2曲ともLOUDNESSの面目躍如たるゴキゲンな仕上がり。
LOUDNESSは「最新」がいつも楽しみなのだ。2曲ともLOUDNESSのコンサート会場限定販売のCDに収録されているので、23日に羽田に行った時はお買い逃しのなきよう!
さて、新曲も無事に披露し終わったところで本編は残すところ2曲。
ドラムスはもう一度'あんぱん'さんにスイッチ。ココは前回の「本公演」と同じ展開で「Motality」。
そして、最後にもう1回ギターを持ち替えた高崎さん…そう、曲は「Metal Mad」。
こういうのを「ステージと客席一体となった」というんでしょうな。
私がうれしいのは、ライブだからといってただ客がバカ騒ぎするのではなくて、みんなチャンとLOUDNESSの音楽を「味わっている」ということなんですよ。
コンサートっいうのは元来そういうものなんだけどね。演奏に合わせてただグルグル回りながら身体を動かしたいのなら町内の盆踊りへ行きなさい。
無料ですから。
でも盆踊りも今はできないね…もうホントにコロナにはウンザリだよ。 …と、コロナのことをを忘れさせてくれる壮絶な演奏と…
ケタ違いの盛り上がりようだった!
コレにて追加公演の本編が終了した。
「コロナ禍に 心で叫ぶ アンコール」
仕方ない…まだしばらくはどうにもなりそうにないね。梵鐘7つ…アンコールが始まった。
「世界平和」ジャケットにお召し替えした二井原さんが激唱するのは「The Sun Will Rise Again」。
やっぱりこの曲もすこぶるカッコいいな。
初めて聴いた時に大いに興奮した時のことを思い出す。
「悪魔のように細心に 天使のように大胆に…」
最後の最後まで鉄壁の集中力でソロ・フレーズを編み上げる高崎さん。そのプレイを支え、そして盛り上げた魅惑のリズム陣。
'あんぱん'さんは現在催行中のツアーにおける仙台と札幌公演ではフル・ステージを務め上げた。
アンコールの2曲目は「S.D.I.」。
「♪ S.D.I.!」
お客さんの心の中の叫びをLOUDNESSメンバーが代唱してくれた。怒涛の「S.D.I.」。
キナ臭い世界の情勢をブっ飛ばすかかのような4人の快演!
高崎さんの弾くイントロ・リフで…
会場大爆発!
曲は「Loudness」。
自らの名前を冠した曲で39周年を締めくくるという寸法だ。「コロナなんかでフサぎ込んでなんかいられない!」
この演奏を耳にしたお客さんはそう思ったのではなかろうか。
剛腕ドラマーの豪華なアンサンブル!
その迫力は単純に「倍」というワケには収まらんぞ!
最後の最後に山下さんも40周年を記念して製造された自身のモデルを持ち出した!
エンディング。
そしてやって来る大感動! イヤ~、今日も素晴らしいショウだった。
私なんか役得でステージの真ん前で5人の演奏するステージの中の生の音を聞いてるでしょ?
滅法デカいんよ。
でもうるさくない。
ステージ上の真空管のアンプを盛大に鳴らした音をマイキングして、それに負けないパワフルな歌声とドラミングで作り上げるロックっていうのはやっぱりいいもんだ。
…というか、それがロックという音楽を演奏する時に大前提なんだよね。
先週会議があって、Marshallのアーティスト担当から話を聞く機会があったんだけど、海外のフェスなんかデジタル機器が幅を利かせてしまって、最近はステージの中の音が信じられないぐらい小さいらしい。
スタッフの人はそれで便利かもしれないけど、ステージの中の音が小さいとやっぱりダメなんよ。
私はRainbowを観て以来かれこれ45年以上ロックのコンサートに通っているけど、このことは現場を数多く経験している人ならすぐにわかると思う。
最終的にPAスピーカーでステージの音を拡声するのは同じなんだけど、そういうステージの音ってどこか遠くの方で演奏しているみたいで、ホンモノをしている人にとっては聴いててオモシロくないんだよね。
あるいは「演奏の熱気」みたいなモノが伝わりにくい…っていうのかな?
LOUDNESSのコンサートはこのことの重要性をつぶさに教えてくれるよ。
コレ、客席に投げるためのピックを高崎さんがシェアしているところ。
ハイ、プレゼント!
では最後に記念撮影をしましょう!
LOUDNESS、最後のZepp Tokyo!…パチリ。
おつかれさまでした!いよいよ本格的に突入したLOUDNESSの「40th Anniversary」。
『THE SHOW MUST GO ON』の最終公演は9月23日(祝)のZepp Hanedaです!会場限定販売のCDもお忘れなく!
LOUDNESSの詳しい情報はコチラ⇒LOUDNESS Official Website
最後にZepp Tokyoのバックステージを記録しておこう。
ココはステージ横の舞台用機材置き場。
我々はココを使って楽屋エリアとの行き来をする。楽屋の廊下。
向かって左側の部屋が制作スタッフが、右側の部屋を出演者が使用した。
「密 注意」のボードが設置されたのはもちろんコロナ以降のことで以前はなかった。
突き当りはトイレ。
突き当りを左に折れて道なりに行けば舞台の下手につながっていて、下手側の2階のバルコニー席に行くための階段もそこにあった。スタッフ用楽屋。
お世話になりました。楽屋口。
考えてみると、Zepp Tokyoって正面から入ったってことは一度もなかったな…いつもココから。
ま、AXもBLITZも全部そうだったけど…。
何年かすれば、きっとそんなことすら懐かしくなることだろう。さらばZepp Tokyo。
■□■□■□■□■□お知らせ■□■□■□■□■□■□
Marshall Music Store Japan
Marshallのレコード屋さん「マーシャル・ミュージック・ストア・ジャパン」営業中です!
Marshall Recordsのバンドの作品を販売するお店。
よろしくお願いします!
下のバナーに使用されている写真は、1984年にLOUDNESSが出演したロンドンのマーキーの現在の姿です。
Marshall Music Store Japanはコチラ
↓ ↓ ↓
Marshall Music Store Japan
(一部敬称略 2021年8月5日 Zepp Tokyoにて撮影)