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2019年7月 4日 (木)

帝王再降臨!! Sabbrabells Live 2019

   

確か「浦和駅」って「東西南北」のすべてがアタマに付く駅が揃っている激レアな駅なんだよね?
「東西南北」が揃う地名は「津軽(『中』まである)」とか札幌市の「区」だとか、そう珍しくはないようだが、駅となると珍しいハズだ。
そのウチの「北」にはディスクユニオンさんがあって、バーゲンの日に毎月通ってた時期がしばらくあった。
最近は事務所で仕事中をしている時はSpotifyでしか音楽を流さなくなったが、ナンダカンダ言ってやっぱりオモシロくないね。
同じThe Kinksを聴いていても、コルトレーンを聴いていても、はたまたストラヴィンスキーを聴いていても、タダ同然となると聴き方が雑になる。それどころか「音楽」を聴いている気ががしない。
あ、コレはまた別の機会にやるとして…。
そのバーゲンも数年前に廃止になってしまったので「北浦和」からもスッカリ足が遠のいてしまった。
フト思い出したのは、今はあるかどうかわからないけど、浦和駅の中に全国の日本酒を飲ませるお店があって、新潟からお見えになった仕事先の方に連れて行ってもらったことがあった。
相手は米どころ新潟の本場の酒豪。
私は「おいしい、おいしい」とやっていると、「コレはどうだ?」、「コッチはどうだ?」と際限なくオーダーしてしまう。
私は普段日本酒をほとんど飲まないのだが、その酒豪が語る酒に関するウンチクが異常に面白く、日本酒の持つ味や香りの良さが倍増した気がして片っ端から平らげてしまった。
結果…どうやって家に帰ったのか全く覚えていなかった。
電車に乗ったことも、駅から歩いたことも、家に帰ったことすら覚えていなかったナ。
ま、毎日酒宴を楽しんでいらっしゃるような方にはこんな事は日常茶飯事なんだろうけど、私にはとても珍しいことだったのでコレが私のひとつの「浦和のイメージ」になってるのだ。
悪いコッチャない。
それともうひとつ。
浦和って、1970年代の中頃に「ロックの街」を標榜してたんじゃん?
私はほんの少し世代が後になるのだが、確か「浦和ロックンロールセンター」というのがあったでしょう?
アレは、そこでナニをやっていたのかしら?
「センター」だよ、「センター」。
そこと関係があったように記憶しているけど、かつて「是夢(ゼム)」というトリオ・バンドがあった。
「ゼム」ったってヴァン・モリソンじゃないよ。
そのバンドがヤマハさんの雑誌広告に出ていて、キャッチコピーがこうなっていた。
「オレたち、『浦和のツェッペリン』じゃなくて、『世界の是夢』になりたいんだ」
今から43年ぐらい前のことだよ。
こんなことを覚えている私もどうかしていると思うが、それだけ壮大にして印象的なキャッチコピーだったということよ。
それから3~4年後、民間のロック・サークルを経てこのバンドの方々とお近づきになることができた時はうれしかったな。
コレが私にとっての「浦和」なのだ。

10さて、今日はその浦和に来た!
行き先は県庁にほど近い「埼玉会館」。
Sabbrabellsの一夜かぎりのコンサートにお邪魔したのだ。

20「ソールド・アウト」ですよ。チケットは完全売り切れ!
おめでとうございます。

30Sabbrabellsは昨年11月にすべてのスタジオ・アルバム、ミニ・アルバム、シングル、ライブ・アルバム、ライブ映像に加え、ファンクラブ限定の貴重なライブ作品、未発表ライブ音源、未発表ライブ映像を併せたCD9枚+DVD2枚の計11枚組の超豪華仕様のBOX作品『Sabbrabells COMPLETE BOX』をリリースした。
スゲエ濃い内容!

35ステージはというと…Marshallですよ。
ヘヴィメタルだもん。

40JVMのフルスタックが上下で計5セット。

60コレがロックのステージの正しい光景。
もうコレだけで後は何も要らん。

70楽屋の廊下にもドデカイ「祝」の一字を刷り込んだ芳名表が張られていた。
この埼玉会館はSabbrabellsの1986年のライブ・アルバムを収録した、バンドにとっては思い出の場所。
33年の年月を経て、再び埼玉会館のステージに上がる…というワケ。
しかもそれが完全ソールド・アウト…コレはめでたい以外のナニモノでもない!
…とマァ、聞いた風なクチをきいておりますが~、失礼ながら松川さんとお近づきになるまで私はSabbrabellsを全く存知上げなかったのです。

80いよいよ開演!
ソールド・アウトだから当たり前なんだけど、会場は超満員!
スゴイんだわ、熱気が!
みんなこの時を待っていたんだね~。

90ステージに上がった5人。
コレがSabbrabellsか!

100高橋喜一

110v松川純一郎

120v松川さんはJVM210Hを使用。
当然、Sabbrabells現役の時もMarshallで、1959とJCM800、それに1960をご愛用頂いていたそうだ。

130佐野博之

140v宮尾敬一

150v関口文一

160v初めて耳にするSbbrabells。
ホントにこの時が初体験。
その曲は「Metal Saber」。

170ドワッ!
スゲエ声!

180そして暴れまくる松川さんのギター。
そうか、今はJJケイルだの、フレディ・キングだの、ギル・スコット・ヘロンだのおっしゃっているが、昔はこういうをされていたのね?
カッコいいじゃん!

190v続けて「Wolf Man」

200v「Cold Bloody Men」…と曲は続く。

210喜一さんからご挨拶。
この瞬間を長い間待ち望んでいたファンの方々に御礼の言葉を述べた。

280曲はジャンジャン続く。
「Running my Way~Hell's Rider」…

230松川さん、楽しそうだな~!

240「Darkness World」。
要所要所でフィーチュアされる佐野さんのギター。
ギターの位置がメッチャ低い!うらやましい!

220v総立ちの客席の熱気は上がる一方だ!

250「Hawk Emblem」。
それにしてもスゲエ声だな~。
曲を知らなくてもこの声を聴いているだけで滅法楽しい!
「♪目の前のアリさえも殺せない」という歌詞が印象的だった「束縛」から…

260v「鏡張りの部屋」へと曲は続いた。
相変わらず楽しそうな松川さん。

270リズム隊は寡黙ながらどこまでもダークでヘヴィだ!

310v

300vココから本編の最後のセクション。

290「November's Mystery」…

330v「Water Night」…

340そして「Dog Fight」で本編を締めくくった。

350終始緊張感あふれるステージは見応え十分!
ナニをも寄せ付けない迫力に満ちたパフォーマンスだった。

360何度もココに書いているけど、私は今となってはMarshallの仕事をしているけど、Sabbrabellsが出て来た1980年代の初め頃からジャズに夢中になって、ロックから遠ざかっていたのね。
パンク/ニューウェイブ以降のロックは私が知っていたロックとは別のモノのような気がしてね。
でも、基本的には70年代のハードロックが私のロックの原体験なので、こういう野太いシンガーの声や、ギターリフやソロ、そして重量感溢れるリズム隊によって作られる筋金入りのロックを聴くとやっぱり燃えてしまうよね。
「Darkness & Heaviness」…上に書いたようにこの日、本当に初めてSabbrabellsの音楽を聴いたんだけど、「マジメなロック」っていう感じがしたな。
もちろんいい意味で。
♪ドンガラガッタドンガラガッタと演っている今の巷のロックに比べて何とシリアスなことよ。
ロクに字も読まないような今の若い人たちにはこういうロックはムリだろうナァ。
ナントカ世代の受け渡しをしてこうしたマジメなロックを保護できないものか?
ロックは古典芸能ではないので、コピーやらカバーやらで文化を伝承することは不可能だ。
『ボヘミアン・ラプソディ』を観てQueenの音楽を知ったところでコピーを演っていたんじゃ意味がない。「ブーム」にはなっても「文化」になることはないと思うんだよね。
やっぱりコピーの元は人様のモノだから。
そしてブームはいつでもあっけなく去って行くものだ。
何でもいいから以前になかったモノを産み落とさないと!
若い人たちがこうした音楽に触発されて自分たちの感性で新しい曲を生み出していく以外にかつて「ロック」とよばれていた音楽が生き延びていく方法はないと信じている。
Sabbrabellsはその最高のお手本だと思ったよ。

50アンコールも盛り上がった!

370新曲に「ルルドの泉」、2回目のアンコールでは「Devil's Rondo」を演奏した5人。

380

390v

400

410v

420v今、ココまで書いて急に思い出したんだけど、DO As Infinityの大渡亮さんが鹿鳴館に出た時のMCでこんなことを言っていた。
「ココはですね~、ヘビメタの聖地なんですよ。ボクが高校生の頃、入り浸りましてね~…サブラベルズとか…知ってる?…サブラベルズ」
その時、ホントに知らなくてね~。
松川さん、失礼しました。
でも、今は知ってる…Sabbrabellsがカッコいいバンドだってことを!

430イヤ~、初めてにしてドップリとSabbrabellsの音に浸からせて頂きました。
…なんて言ってる場合じゃなくて、この2日後の朝にはロンドンに向けて出発しなければなからなかったんだけど、何の用意も出来てなくてかなりビビりながら帰途を急いだのでした。

440v現在進行形の松川純一郎はコレね…Koki Tetragon。
 
詳しくはコチラ⇒THE CLASSY ROCK GIG / Koki Tetragon <前編> 他、「Marshall Blog Koki Tetragon」で検索! Kt 

200_2 

(一部敬称略 2019年5月25日 浦和市埼玉会館にて撮影)